※本記事は、株式会社壽屋 の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
壽屋は、フィギュア、プラモデル、雑貨といったホビー関連品の企画・製造・販売・サービス活動を主軸とする企業です。顧客の要望に柔軟に対応できる製販一体型の事業展開を基本としています。
単体従業員数は192名です。同社はホビー関連品製造販売事業の単一セグメントです。
壽屋は、人気アニメ、ゲーム、映画キャラクター、自社オリジナルキャラクター等のホビー関連品の企画立案から製品開発、デザイン、製造管理、販売までを一貫して行っています。製造は主に中国の製造会社へ委託するファブレス生産形態を採用し、卸売業者への販売のほか、直営小売店舗や自社ECサイト「コトブキヤオンラインショップ」でも販売しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
壽屋はホビー用品の製造販売を手掛ける企業であり、単一セグメントで事業を展開しています。企業理念やサステナビリティに関する考え方からは、社員の成長や多様性を重視し、働きやすい環境づくりにも取り組んでいることが伺えます。具体的な給与水準や働き方については、この後のセクションで詳しく見ていきます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が比較的長く、従業員が安定して働き続けている傾向が見られます。平均年齢も30代後半であり、経験豊富な人材が活躍していることが伺えます。多様な働き方を支援する制度も整備されており、長期的なキャリア形成をサポートする環境が整っていると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,305,000円 |
| 平均勤続年数 | 11.2年 |
| 平均年齢 | 38.2歳 |
| 単体従業員数 | 192人 |
同社は退職給付制度として、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方を導入しています。この制度は国内の従業員に適用されます。
退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、持続可能な社会の実現と企業価値向上を一体と捉え、社員の継続的成長を重視しています。成長戦略の基本方針の一つとして、人的資本投資の拡充を掲げています。
企業理念には「仕事を通じて人生を豊かにする」「常に人間尊重精神を以って切磋琢磨する」とあり、多様な人材が活躍できる職場づくりを目指しています。女性、外国人、中途採用者に限らず、様々な個性・能力・知見を持つ人材の採用と活躍を促進しています。
社内環境整備としては、短時間勤務制度、在宅勤務、テレワークなどの多様な働き方を支援する規程を整備しています。出産や育児に関する社内制度や支援の周知・利用促進も図っており、従業員のモチベーションとエンゲージメント向上のため株式給付信託(J-ESOP)も導入しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の規定に基づき算出された提出会社単体のデータです。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異は、同法に基づく公表項目として選択しておらず、記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 21.1% |
指標及び目標
ジェンダー・国籍・職歴にとらわれない人材登用を行い、多様性の確保を行う方針であるため、特定の目標値は定めていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性比率 | 21.1% |
| 中途採用比率 | 62.5% |
| 外国人比率 | 6.3% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
壽屋は、フィギュアやプラモデル、雑貨といったホビー関連品の企画から製造、販売までを一貫して手掛ける企業です。国内外の人気キャラクターや自社オリジナルコンテンツを基盤に、幅広い製品を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
壽屋は、フィギュア、プラモデル、雑貨などのホビー関連品の企画・製造・販売・サービス活動を主軸に事業を展開しています。人気アニメ、ゲーム、映画のキャラクターや同社オリジナルのキャラクターを用いた製品を扱っており、顧客の要望に柔軟に対応できる製販一体型のビジネスモデルが特徴です。
製品の企画立案から開発、デザイン業務、製造管理、販売までを一貫して行っています。製造は主に中国の製造会社へ委託するファブレス形態を採用しています。製品形態としては、細部まで作り込まれたフィギュア、精密な設計で塗装なしでもキャラクターの配色を再現できるプラモデル、立体表現を生かしたデザイン性の高い雑貨があります。
販売形態は、卸売業者を通じた他社への販売に加え、同社が運営する小売店舗や通信販売サイト、他社ECサイトでの販売も行っています。小売店舗では自社製品だけでなく、他社製の玩具や模型、キャラクターグッズなども幅広く取り扱っており、店舗限定品やオリジナル特典の開発にも注力しています。
同社が企画・製造する自社製品の多くは、他社が保有するキャラクター等の版権使用許諾を受けています。長年の実績で培われた再現力や表現力が版権元から評価され、安定的な版権確保につながっています。また、自社で開発したオリジナルコンテンツのライセンス展開も行っており、『メガミデバイス』や『フレームアームズ』といった人気シリーズを創出しています。これらの自社IPは、国内外のパートナー企業への商品化許諾を通じて、メディアミックス展開も進められています。
海外展開にも積極的で、北米、欧州、アジア、中東、南米のディストリビューターを通じて製品を販売しています。アニメやコミック、ゲームに由来する同社製品は、海外でのクールジャパン需要の高まりとともに、出荷量・売上金額ともに安定した成長を続けています。特に中国を中心とするアジア地域での売上が増加傾向にあります。
販路別の販売実績を見ると、小売販売が最も大きな割合を占めており、国内卸売販売、海外卸売販売がこれに続いています。製品形態別ではプラモデルの販売実績が最も大きく、フィギュアがこれに次ぐ規模となっています。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社の財務状況は、事業活動で得た資金を投資に充てつつ、手元資金を確保している状況を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、純資産が前期から増加しており、手元資金も確保されている状況です。純資産の増加は、事業活動を通じて利益を積み上げていることを示しています。手元資金の確保は、不測の事態や将来の事業展開に備える上で重要な要素となります。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 72.2億円 | 80.4億円 |
| 自己資本比率 | - | - |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び現金同等物 | 11.5億円 | 13.7億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローは、本業で安定した資金を生み出し、その資金を投資活動に充てている状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは収入となっており、事業が着実に資金を創出していることがうかがえます。一方で、投資活動によるキャッシュフローは支出となっており、定期預金の預け入れや有形固定資産の取得に資金を投じていることがわかります。
これにより、事業の成長に向けた投資を継続していることが示されています。財務活動によるキャッシュフローは支出となっており、借入金の返済や配当金の支払いを行っている状況です。これらの資金の流れから、同社は事業で得た資金を効率的に運用し、将来への投資と財務健全性の維持を両立させていることが読み取れます。
| 項目 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | 19.8億円 |
| 投資CF | - | △16.7億円 |
| 財務CF | - | △1.1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | 3.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、ホビー関連品が流行の変化が速く、製商品のライフサイクルが短い傾向にあることをリスクとして認識しています。顧客嗜好の変化に対応した製品を提供できない場合や提供が遅れた場合、景気の急激な悪化により消費者の購買活動が大きく停滞した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、同社製品の製造は主に中国にある外部委託先に依存しており、特定の外部委託先への依存がリスクとして挙げられています。外部委託先における取引方針の変更や供給能力ダウン、品質問題の発生等が発生した場合、業績に大きな影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社の代表取締役社長である清水一行氏、取締役副社長である清水浩代氏は、事業戦略を推進する上で重要な役割を果たしています。同社は、この2名に過度に依存しない事業体制を構築すべく、人材の育成及び強化に注力している状況です。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
壽屋は、ホビー製品を通じて世界に感動と驚きを提供し、人々と幸せを共有することを目指す企業です。多様な人材が活躍できる環境を整備し、持続的な成長を追求する企業風土があります。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は、「社会に貢献し、感謝される分野において常に感動と驚きを提供する健全なる№1企業であり続ける」という企業理念を掲げています。この理念のもと、“私たちが作り出すホビーを通じて世界の人々と幸せを共有する”及び“世界の人々に感謝される「感動と驚きのサービス」を提供し続ける”ことをミッションとしています。
経営戦略としては、プラモデル、フィギュア、雑貨を主軸としつつ、より大きなフィールドとしてエンターテインメント分野全般を扱う会社へのシフトを目指しています。自社IPの積極展開や、デジタルコンテンツを含めた新領域の拡大に向けたプロジェクトも複数進行しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、企業理念に「仕事を通じて人生を豊かにする」、「常に人間尊重精神を以って切磋琢磨する」と定めています。活力を持ち働くことができる個性豊かな職場が同社の成長の原動力であると考えています。
そのため、女性、外国人、中途採用者に限らず、様々な個性・能力・知見を備えた多様な人材が中核として活躍できる環境を重視しています。短時間勤務制度、在宅勤務、テレワークなどの社内規程を整備し、多様な働き方の実現を目指しています。また、出産や育児に関する社内制度や支援の周知・利用促進を図り、従業員のモチベーションとエンゲージメント向上のため株式給付信託(J-ESOP)を導入しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、企業価値の向上に取り組む中で、いくつかの重点的な課題を認識しています。その一つとして、「自社IP拡充に向けた投資・育成」を掲げ、オリジナルIPの創出と拡充に積極的に取り組んでいます。
また、「経営基盤の強化と人的資本投資の拡充」も重要なテーマです。基幹システムのリプレイスを進め、階層別・職階別・テーマ別人材育成プログラムと連動した人事制度を拡充することにより、従業員のエンゲージメントを高めることを目指しています。将来を担う人材の確保及び育成は最も重要な課題と捉え、採用体制の強化と柔軟な変化対応能力を持つ人材の育成を図っています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
壽屋は監査等委員会設置会社であり、取締役会の監督機能強化と経営の意思決定の迅速化を図るガバナンス体制を採用しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
壽屋の株主構成は、筆頭株主であるテレビ朝日をはじめとする事業会社が上位に名を連ねています。また、代表取締役社長の清水一行氏や取締役副社長の清水浩代氏といった創業家関係者も主要株主として名を連ねており、経営陣が一定の株式を保有していることが特徴です。さらに、壽屋社員持株会も上位株主として存在しています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| テレビ朝日 | 15.10% |
| 清水 一行 | 10.93% |
| 立飛ホールディングス | 10.79% |
| 壽屋社員持株会 | 4.38% |
| 日本カストディ銀行(信託E口) | 3.62% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
壽屋の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は清水一行氏が務めています。社外取締役比率は55.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 清水 一行 | 代表取締役社長 | 1978年4月同社入社、1986年6月同社代表取締役社長就任。上海寿屋進出口有限公司董事長、寿屋風正文化発展有限公司副董事長、Kotobukiya America Inc.取締役を兼任し現職。 |
| 清水 浩代 | 取締役副社長 | 1977年4月株式会社プレイヤー・コーポレーション入社、1979年4月同社入社。1996年11月同社専務取締役、2013年9月同社取締役副社長就任。Kotobukiya America Inc.取締役を兼任し現職。 |
| 村岡 幸広 | 常務取締役管理本部長 | 1982年4月振興信用組合入組、2008年2月同社入社。2013年9月同社取締役、2020年9月同社常務取締役就任。2022年10月より管理本部長を兼任し現職。 |
| 亀井 貴文 | 取締役 | 2003年5月同社入社、2019年9月同社企画本部長。2021年7月より経営企画室長、2024年1月より寿屋風正文化発展有限公司董事を兼任。2024年9月同社取締役就任より現職。 |
社外取締役は、村山正道氏(立飛ホールディングス代表取締役社長)、角南源五氏(テレビ朝日取締役副社長)、大和哲夫氏(大和会計事務所所長・常勤監査等委員)、佐々木孝氏(ファースト代表・監査等委員)、宗田勝氏(宗田税理士事務所所長・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役が取締役会の過半数を占めることで、経営の客観性と中立性を確保し、監督機能の強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
壽屋の役員報酬は、職務執行の対価として支払われる固定の金銭報酬である基本報酬、業績に連動する金銭報酬である賞与、および役員退職慰労金によって構成されています。基本報酬は役位や役割に応じて毎月現金で支払われ、退職慰労金は退任後に支払われる仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 5名 | 1.4億円 | 27.9百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 26百万円 | 5.2百万円 |
個人別報酬が開示されている役員は存在しません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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