※本記事は、Genky DrugStores株式会社 の有価証券報告書(2026年6月期、2025年6月21日 ~ 2026年6月20日、2026年9月9日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
Genky DrugStoresは純粋持株会社であり、グループ連結従業員数は1,973名です。
同社グループは、医薬品、化粧品、雑貨、食品などの生活必需品を扱う小売業を主軸としています。地域に密着したドミナント戦略とエブリデイロープライス(EDLP)政策を推進し、顧客の生活向上に貢献することを目指しています。連結子会社4社を中心に事業を展開しています。
主な国内グループ会社は、ゲンキー(ドラッグストア事業)、ゲンキー食品(食品製造事業)、ゲンキー不動産(店舗開発事業)、ゲンキーロジスティクス(物流事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社グループは、地域社会のインフラとして持続可能な発展に貢献するという企業理念を掲げています。多様な人材の確保と育成を重視し、性別や年齢、国籍、障がいに関わらず適所登用を進める方針です。教育専門組織「ゲンキー大学」を設置するなど、人材育成にも力を入れています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社グループの主要子会社であるゲンキー株式会社のデータを見ると、従業員の平均年齢は比較的若く、平均勤続年数も短めである傾向がうかがえます。これは、事業の成長に伴う積極的な採用や、若手社員が多く活躍している状況を示している可能性があります。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
なお、直近の主要子会社のデータは以下の通りです。
| 会社名 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| ゲンキー株式会社 | 29.3歳 | 4.6年 | 4,000円 |
同社グループは、確定拠出型年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を採用しています。この制度は同社および連結子会社に適用されています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、性別、年齢、国籍、障がい、雇用形態等にかかわらず、求められる人材要件に合致した人材を採用し、能力や適性に応じた配置・登用を基本方針としています。経営戦略に必要な知識や専門性を重視し、多様な人材の採用・育成・登用を進めています。
組織に必要なスキルや専門性の習得、新たな業務への挑戦を促し、その成果をキャリアプランや報酬等の処遇に反映する人事制度を整備しています。賃金制度・体系においては性別による差異を設けず、多様な人材が能力を発揮できる職場環境づくりに取り組んでいます。
人材育成においては、教育専門組織「ゲンキー大学」を中心に、階層別研修など幅広い教育プログラムを提供しています。医薬品販売資格者をはじめとする専門人材の計画的な確保・育成にも力を入れています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ ゲンキー株式会社
「労働者の男女の額の賃金の差異」について、賃金制度・体系において性別による差異はありません。全労働者における男女の賃金の差異は、男性労働者における正規雇用労働者の割合が高い一方、女性労働者においては勤務時間の短いパートタイムの労働者が多いことによるものです。正規雇用労働者における男女の賃金の差異は、勤続年数や平均勤続等の差異によるものであり、パート・有期労働者における男女の賃金の差異は、就業形態等の差異であります。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 7.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 80.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 66.4% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 84.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 118.4% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
Genky DrugStoresは、持株会社として傘下グループ会社の経営管理を行う企業です。同社グループは、地域の人々の暮らしを豊かにすることを目指し、生活必需品総合ストアを展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、持株会社として傘下グループ会社の経営管理およびそれに附帯する業務を行っています。事業内容は医薬品、化粧品、雑貨、食品等の小売業という単一セグメントで構成されています。
「近所で生活費が節約できるお店」をコンセプトに、集中出店によるドミナントエリア構築を推進しています。特に、300坪規模の「R店」の店舗展開を積極的に行い、地域シェアの拡大を目指しています。
収益モデルとしては、EDLP(エブリデイロープライス)政策とローコスト経営を徹底し、低価格のプライベートブランド商品の開発・強化に注力しています。また、自社プロセスセンターを活用した生鮮食品、お弁当、お惣菜の品揃え強化により、スーパーマーケットやコンビニエンスストアに匹敵する利便性を提供し、顧客の来店頻度と買上げ点数の向上を図っています。
同社グループの売上高は、食品が最も大きな割合を占めており、次いで雑貨、化粧品、医薬品が続いています。海外の外部顧客への売上高はなく、事業は国内に集中しています。また、特定の顧客に売上高が集中することはありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績は、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも一貫して増加傾向を示しています。特に、当連結会計年度においては、売上高が前期に比べて増加し、それに伴い経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も増益となりました。
| 項目 | 2022年6月期 | 2023年6月期 | 2024年6月期 | 2025年6月期 | 2026年6月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,546億円 | 1,691億円 | 1,849億円 | 2,008億円 | 2,206億円 |
| 経常利益 | 60.9億円 | 70.8億円 | 92.7億円 | 99.0億円 | 112億円 |
| 経常利益率 | 3.9% | 4.2% | 5.0% | 4.9% | 5.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 44.2億円 | 47.6億円 | 63.2億円 | 70.7億円 | 78.8億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 145.61 | 156.92 | 208.21 | 232.51 | 258.51 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から当期にかけて増加しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も同様に増加傾向にあります。これらの指標の向上は、同社グループの生産性が着実に改善していることを示しており、組織全体の効率化が進んでいる状況がうかがえます。
| 指標 | 2025年6月期 | 2026年6月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 109.1百万円 | 111.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 5.2百万円 | 5.6百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
Genky DrugStoresは、本業で着実に利益を上げながらも、将来の成長に向けた積極的な投資を続けている段階です。そのため、手元資金を投資に回しており、事業拡大フェーズにあることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあります。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回っており、効率的な経営が行われていることを示しています。手元資金である現金及び預金も増加しており、不測の事態への耐性も備えている状況です。
| 指標 | 2025年6月期(前期) | 2026年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 534億円 | 614億円 |
| 自己資本比率 | 41.8% | 42.0% |
| ROE(自己資本利益率) | 14.2% | 13.8% |
| 現金及び預金 | 62.2億円 | 78.7億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、当期に170億円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益や減価償却費、仕入債務の増加によるものです。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が主な要因となり、当期は△203億円の支出となっています。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入が長期借入金の返済や配当金の支払いを上回り、当期は49.5億円の収入となりました。結果として、フリーキャッシュ・フローは△33.0億円の支出となっており、本業で得た資金を上回る規模で成長投資を行っている状況です。この資金の流れは、今後の事業拡大に向けた積極的な姿勢を示しており、将来的な成長への期待が持てる一方で、現時点では投資が先行しているフェーズにあることを示しています。
| 項目 | 2025年6月期(前期) | 2026年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 126億円 | 170億円 |
| 投資CF | △156億円 | △203億円 |
| 財務CF | 33.5億円 | 49.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △30.2億円 | △33.0億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、医薬品医療機器等法の改正により他業種からの新規参入による競争激化が予想されるリスクを認識しています。また、ドミナント出店政策において、出店した店舗間の距離が近すぎる場合に自社競合が発生し、売上高や利益の減少につながる可能性もリスクとして挙げています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、医薬品販売に必要な薬剤師や登録販売者の確保が計画通りに進まない場合、出店計画に影響を及ぼす可能性があると認識しています。資格者の社内育成に努めていますが、人材確保の動向が事業展開に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
Genky DrugStoresは、地域社会の生活向上に貢献することを企業理念に掲げ、多様な人材が活躍できる環境を重視しています。同社グループが目指す組織像と、大切にしている価値観についてご紹介します。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
Genky DrugStoresの企業理念は、「われわれは、熱意を持って日本国の国家と国民に信頼されるチェーンストアを創り、地域の人々の生活向上に貢献します。」とされています。同社グループは、この理念のもと、地域社会のインフラとして社会の持続可能な発展への貢献と企業価値の向上を目指すことを基本方針としています。
経営戦略としては、「近所で生活費が節約できるお店」をコンセプトに、圧倒的な安さの追求を掲げています。また、医薬品や化粧品だけでなく生活必需品を幅広く取り揃え、青果や精肉等の生鮮食品の取扱いを強化し、「何でも揃うお店」を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、コンプライアンス経営、環境経営、社会貢献活動等、サステナビリティに関する取組みを推進しています。特に人的資本関連の方針及び計画策定を重要課題と認識し、急速に変化し続ける事業環境に対応できる体制を構築しています。
人材の多様性確保のため、性別、年齢、国籍、障がい等に関わらず、求められる人材要件に合致した人材を適所登用する方針です。中核人材においては、経営戦略の遂行に必要な人材スキルポートフォリオを重視した採用・育成・登用を優先し、女性・外国人・中途採用者が適材と判断されれば積極登用するとしています。
挑戦する姿勢そのものを称える企業文化の醸成を重視しており、その成果に応じ、キャリアプランや報酬等の処遇に反映できるような人事制度を構築しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、勝ち残りをかけた競争に対応するため、いくつかの課題に積極的に取り組んでいます。その一つに、医薬品販売資格者をはじめとする計画的かつ継続的な人材の確保並びに育成を挙げています。
また、コンプライアンスの徹底と内部統制の強化も、対処すべき重要項目であると認識しています。これらの課題を通じて、組織としての健全性と持続的な成長を目指しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
Genky DrugStoresは持株会社体制であり、監査等委員会設置会社としてコーポレート・ガバナンスの充実を図っています。取締役会は社外取締役を含む8名で構成され、経営の意思決定と監督を行っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
Genky DrugStoresの筆頭株主はフジナガインターナショナルキャピタルズ有限会社であり、同社グループの創業家が関連会社を通じて上位株主として名を連ねる資本構成です。これにより、特定の株主グループが経営に強い影響力を持つ傾向が見られます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| フジナガインターナショナルキャピタルズ有限会社 | 37.98% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 8.32% |
| BBH FOR FIDELITY LOW-PRICED STOCK FUND | 5.71% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 4.72% |
| エル・ローズ | 4.59% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性6名・女性2名)で構成され、女性役員比率は25.0%です。代表取締役社長は藤永賢一氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 藤永 賢一 | 代表取締役社長 | 1988年4月個人にて「ゲンキーつくしの店」を開業。1990年9月ゲンキー設立代表取締役社長、2017年12月同社代表取締役社長より現職。 |
| 吉岡 伸洋 | 取締役副社長商品部門担当 | 1992年11月アメリカンライフインシュアランスカンパニー入社。1995年5月ゲンキー入社、2019年7月同社取締役副社長商品部門担当より現職。 |
| 山形 浩幸 | 取締役店舗開発部門担当 | 1996年9月ネクスター入社。1998年12月ゲンキー入社、2018年8月同社取締役店舗開発部門担当より現職。 |
| 小林 佑次 | 取締役人事本部本部長 | 2002年4月ゲンキー入社。2018年1月同社人事本部本部長、2020年9月同社取締役より現職。 |
| 中川 竜 | 取締役店舗運営部門担当 | 2006年3月ゲンキー入社。2009年11月同社岐阜大野店長、2024年9月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、吉川奈奈氏(杉原・きっかわ法律事務所弁護士)、佐々木智世氏(佐々木智世税理士事務所代表)、石橋勇一氏(石橋勇一公認会計士事務所代表・ゲンキー監査役)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、2019年9月6日に監査役会設置会社から移行しました。監査等委員会は3名の監査等委員である取締役で構成され、業務執行の監査・監督機能を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
Genky DrugStoresの役員報酬は、基本報酬と非金銭報酬(譲渡制限付株式報酬、ストック・オプション)で構成されています。報酬総額は株主総会で承認された上限額の範囲内で決定され、取締役の役割や職位、当社株式の保有数などを総合的に考慮した報酬体系となっています。社外取締役の報酬は基本報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 5名 | 1.1億円 | 21.2百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 3百万円 | 0.8百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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