※本記事は、株式会社ジェイテックコーポレーション の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ジェイテックコーポレーションは、「世の中にないオンリーワンの技術により製品を作り出し、広く社会に貢献する」ことを経営理念としています。産学連携を中心に、超高精度X線ミラーや自動細胞培養装置、ナノ加工装置、昇温脱離分析装置など、科学技術イノベーションに貢献する製品開発を推進しています。
単体従業員数は58名、連結従業員数は76名です。セグメントはオプティカル事業、ライフサイエンス・機器開発事業、その他事業の3つです。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)電子科学などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社ジェイテックコーポレーションは、独自の技術で社会に貢献するグローバルニッチトップのモノづくり企業として、専門性の高い人材を重視しています。給与水準や働き方に関するデータからは、経験豊富な人材が活躍し、多様な働き方を推進する方針がうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均年齢が44.6歳、平均勤続年数が4.6年となっており、比較的経験豊富な人材が活躍している傾向が見られます。従業員数は連結で76人、単体で58人であり、単体従業員がグループ全体の約7割を占めています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,379,450円 |
| 平均勤続年数 | 4.6年 |
| 平均年齢 | 44.6歳 |
| 単体従業員数 | 58人 |
| 連結従業員数 | 76人 |
| 単体のグループ内比率 | 76.3% |
同社および連結子会社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)の制度として、退職一時金制度を設けています。退職一時金制度がありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「世の中にないオンリーワンの技術により製品を作り出し、広く社会に貢献する」という経営理念を体現できる、高い専門性と技術力、豊かな実務経験を持つ人材を求めています。性別や国籍、採用経路に関わらず、各人が能力を最大限に発揮できる環境の整備に努めていることが示されています。
持続性のある高い成長率を実現するため、新たな人事制度導入に取り組んでいます。性別・国籍・採用経路等によって職務内容や処遇に影響を及ぼすことがない人事制度を運用しているとのことです。
社内人材のモチベーション向上と、ハイレベルな外部人材の円滑な採用を通じて、人材の確保と育成に注力しています。研究開発力の維持・向上には高度人材の確保と育成が不可欠であり、高い技量を持つシニア世代の人材登用にも力を入れています。
女性が活躍できる雇用環境の整備や、多様な働き方によって多様な人材が活躍できる環境整備に努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
同社は常時雇用される従業員が100名以下の事業規模であるため、女性活躍推進法等の規定による公表をしておらず、女性管理職比率、男性育児休業取得率および男女賃金差異の記載を省略しています。
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
人的資本に関する指標と目標
育児休業制度の取得率は、育児・介護休業法に基づく算出方法によるものです。当連結会計年度に生まれ翌連結会計年度に取得する者が含まれるために取得率が0%となることがあります。女性労働者については、同社グループでは100%取得しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性労働者の割合 | 18.96% |
| 女性管理職の登用率(2025年6月期実績) | 10.0% |
| 女性管理職の登用率(2027年6月期目標) | 20.0%以上 |
| 育児休業制度の取得率(男女)(2025年6月期実績) | 0.0% |
| 育児休業制度の取得率(男女)(2027年6月期目標) | 90.0%以上 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ジェイテックコーポレーションは、「世の中にないオンリーワンの技術により製品を作り出し、広く社会に貢献する」ことを経営理念に掲げ、科学技術イノベーションの創出に貢献する製品開発を推進しています。同社グループは、超高精度な光学ミラーや自動細胞培養装置、昇温脱離分析装置といった独自の技術を活かした製品の開発・製造・販売を主軸としています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、主に3つの事業セグメントを展開しており、それぞれが独自の技術と製品で収益を上げています。カスタムメイドの製品提供や装置販売、メンテナンス業務、受託分析業務を通じて、国内外の研究機関や大学、企業を主要な顧客としています。当連結会計年度においては、連結売上高の10%以上を占める特定の顧客は存在しませんでした。また、海外市場ではアジア地域、特に中国への売上が連結売上高の10%以上を占めるなど、国際的な事業展開も行っています。
オプティカル事業
当事業では、国内外の先端的な放射光施設やX線自由電子レーザー施設で利用される、反射表面の形状精度が極めて高いX線ミラーを設計し、カスタムメイドで製造・販売しています。主力製品である「OsakaMirror」は、世界中の研究者から高い評価を得ています。収益は、主に国内外の国立研究機関や大学の研究者、企業へのX線ミラーの販売から得ています。
ライフサイエンス・機器開発事業
当事業は、ライフサイエンス分野と機器開発分野で構成されています。ライフサイエンス分野では、創薬スクリーニングや再生医療分野で活用される各種自動細胞培養装置「CellMeister®」や「MakCell®」などを製造販売しています。機器開発分野では、半導体デバイスや電子部品の基材表面をナノレベルで加工する装置の実用化開発を進めています。収益は、各種自動細胞培養装置やナノ表面加工装置の製造販売から得ています。
その他事業
当事業は、子会社の電子科学株式会社が担っています。昇温脱離分析装置(TDS)「TDS-1200Ⅱ」のメーカーとして、半導体、液晶、カラーフィルター業界を中心に材料の研究や製造工程の評価、品質管理に用いられる装置を製造・販売しています。収益は、昇温脱離分析装置の販売、大型工事、装置のメンテナンス業務、受託分析業務から得ています。運営は、電子科学が行っています。
| セグメント | 売上高(2024年6月期) | 売上高(2025年6月期) |
|---|---|---|
| オプティカル事業 | 12.4億円 | 12.3億円 |
| その他事業 | 4.5億円 | 4.7億円 |
| ライフサイエンス・機器開発事業 | 3.2億円 | 2.2億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近5期の業績推移を見ると、売上高は前期から減少に転じました。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も前期と比較して減少しています。これは、オプティカル事業における受注計画の変更や遅れ、ライフサイエンス・機器開発事業の低調な実績、および人員増に伴う労務費や研究開発投資の増加などが影響している状況です。
| 項目 | 2021年6月期 | 2022年6月期 | 2023年6月期 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | 11.5億円 | 19.1億円 | 20.1億円 | 19.3億円 |
| 経常利益 | - | △27百万円 | 3.6億円 | 3.1億円 | 1.0億円 |
| 経常利益率 | - | △2.3% | 19.1% | 15.5% | 5.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | △32百万円 | 2.4億円 | 2.0億円 | 60百万円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | △5.48 | 40.58 | 33.96 | 10.25 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から減少しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から減少する傾向が見られます。これらの数値は、組織全体の収益創出能力や効率的な事業運営において、前期と比較して変化があったことを示唆しています。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 31.4百万円 | 25.3百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 4.5百万円 | 1.5百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
株式会社ジェイテックコーポレーションの財務状況は、本業で安定した資金を創出し、投資活動も適切に行われていることを示しています。これにより、事業の持続性と将来性が見込まれる財務基盤を築いていることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって安定していることを示しています。自己資本比率はプライム市場の製造業平均を大きく上回る水準であり、強固な財務体質がうかがえます。ROEは前期から低下していますが、手元資金は増加傾向にあり、事業運営における資金の安定性が確保されている状況です。このような財務状況は、事業の継続性や将来の成長投資の余力につながる要素となります。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 27.0億円 | 27.8億円 |
| 自己資本比率 | 75.6% | 75.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 7.7% | 2.2% |
| 現金及び預金 | 6.1億円 | 7.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定した資金を創出している状況を示しています。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは増加し、主に売上債権の減少や税金等調整前当期純利益の計上、契約負債の増加などにより資金を獲得しました。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出がありましたが、前期に比べて支出額は減少しています。これにより、本業で得た資金が投資活動を上回り、自由に使える資金であるフリーキャッシュフローはプラスとなっています。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済による支出が主な要因でマイナスとなっています。これらの状況は、同社グループが本業で安定的に資金を生み出し、財務的な健全性を保ちながら事業を運営していることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる基盤があると言えます。
| 項目 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 63百万円 | 2.9億円 |
| 投資CF | △161百万円 | △1.0億円 |
| 財務CF | △76百万円 | △0.8億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △98百万円 | 1.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの事業は、高額な個別受注契約が基本であり、受注から売上検収までに長期間を要する特性があります。製造過程での開発要素の増加や製造遅延、ユーザーによる仕様変更などにより、売上検収時期が変動し、業績に大きな影響を与える可能性があります。また、主要事業であるオプティカル事業の製品は、国内外の公的研究施設や大学等で使用されることが多く、これらの研究事業の実施方針や制度変更が業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、グローバルニッチトップを掲げており、物理学や工学など理系の専門性の高い人材の確保が重要であると認識しています。高度専門技術を担う人材の獲得競争が激化しており、研究開発人材の獲得に遅れが生じた場合、技術革新のスピードが鈍化する可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ジェイテックコーポレーションは、独自の技術で社会に貢献することを目指す企業です。科学技術イノベーションの創出を推進し、持続可能な社会の実現に貢献する価値観を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「世の中にないオンリーワンの技術により製品を作り出し、広く社会に貢献する」ことを経営理念に掲げています。この理念に基づき、各種産業分野の技術発展に寄与し、創薬や再生医療をはじめとした先端技術の研究及び実用化の促進に役立つことを目指しています。具体的には、「科学技術イノベーションの創出に貢献する製品開発を推進する」ことを経営方針としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、グローバルニッチトップのモノづくり企業として、持続可能な開発目標(SDGs)やカーボンニュートラルの実現に寄与する高付加価値製品の開発と提供を通じて、持続可能な経営を目指しています。また、高い専門性と技術力、豊かな実務経験を有した人材を求め、性別・国籍・採用経路等に関わらず、各人が能力を最大限に発揮できる環境の整備に努めています。組織全体でサステナビリティ体制の推進を図り、経営危機管理規程やコンプライアンス規程に基づいたリスク管理体制を整備・運用しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、長期成長戦略「Innovation2030」の実現に向けて、グループ共通の課題として人的資本の向上に取り組んでいます。2025年7月より新人事制度の役割等級制度へ移行し、従業員の意欲を高め、キャリア形成と組織としての人的資本向上を図る方針です。また、2026年7月より新基幹システム(クラウドERP)を導入し、業務効率化とDX化を推進します。ステークホルダーへの情報開示や対話を強化し、非財務情報への適切な取り組みを通じて企業価値向上につなげるIR強化も重点テーマです。経営基盤の強化として、生産性向上への人材育成や人事制度整備、IT・デジタル化の推進、新たな収益基盤創出に向けた研究開発投資を積極的に実施していくとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は「世の中にないオンリーワンの技術により製品を作り出し、広く社会に貢献する」ことを経営理念に掲げています。監査役会設置会社として、取締役会と監査役会を設置し、経営上の意思決定、執行、監督を行っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社は、代表取締役社長が筆頭株主であり、創業時の共同出資者である事業会社も上位株主として名を連ねています。これにより、創業家が経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 津村 尚史 | 42.16% |
| 大阪コンピュータ工業 | 6.11% |
| JP JPMSE LUX RE CITIGROUP GLOBAL MARKETS L EQ CO | 1.35% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性9名・女性1名)で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役社長は津村尚史氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 津村 尚史 | 代表取締役社長 | 1981年倉敷紡績株式会社入社。1991年株式会社片岡実業取締役技術部長就任。1993年同社設立代表取締役社長就任。2021年電子科学株式会社代表取締役社長就任、同年12月同社代表取締役会長就任より現職。 |
| 金岡 政彦 | 取締役 営業部長 | 2003年株式会社ニコン入社。2017年株式会社栃木ニコン出向。2019年同社入社。2020年同社営業部長就任、同年9月同社取締役就任。2021年電子科学株式会社取締役就任より現職。 |
| 日谷 哲也 | 取締役 管理部長 | 1990年大和証券株式会社入社。2002年株式会社エス・ピー・ネットワーク入社、同社大阪支社長、西日本担当執行役員、本社担当執行役員を歴任。2018年同社入社、内部監査室長、監査室長を歴任。2022年同社取締役就任。2023年同社管理部長就任、同年6月電子科学株式会社取締役就任より現職。 |
| 辻岡 正憲 | 取締役 | 1982年住友電気工業株式会社入社。同社伊丹研究所イオニクスグループ主任研究員。日本アイ・ティ・エフ株式会社技術部長、取締役経営企画部長、常務取締役、専務取締役を歴任。2022年同社顧問。2023年同社取締役就任より現職。 |
社外取締役は、川﨑望氏(大阪コンピュータ工業代表取締役)、松見芳男氏(大阪大学ベンチャーキャピタル代表取締役社長)、長谷川功宏氏(character代表取締役)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会及び監査役会を設置しています。社外取締役は取締役会に出席し、監査役と連携しながら取締役の業務執行を監督しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は、役員の報酬等の妥当性と決定プロセスの公正性を担保するため、社外役員が過半数を占める任意の指名報酬委員会を設置しています。取締役の基本報酬は月例の固定報酬のみとし、譲渡制限付株式報酬制度も導入しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 97百万円 | 24.4百万円 |
| 社外役員 | 9名 | 25百万円 | 2.8百万円 |
2025年7月11日に実施の自主返納は、取締役報酬支給後の返納であるため上表の報酬額は自主返納前で記載しております。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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