※本記事は、日本リビング保証株式会社 の有価証券報告書(2024年6月期、2023年7月1日 ~ 2024年6月30日、2024年9月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
日本リビング保証グループは、保証サービスとSaaSプロダクトを通じて住宅会社の経営を支援するHomeworthTech事業と、そのノウハウを応用し住宅領域以外の技術・製品の普及を支援するExtendTech事業を主力としています。暮らしやビジネスの変化に対応し、多様な課題解決を提案しています。
単体従業員数は236名、連結従業員数は236名です。セグメントはHomeworthTech事業、ExtendTech事業、その他の3つです。
主な国内グループ会社は、リビングポイント(資金決済業務(ポイント発行))、リビングファイナンスなどです。
日本リビング保証グループは、2024年11月1日付で株式会社メディアシークと経営統合し、商号をSolvvy株式会社に変更する予定です。これにより、システムコンサルティング機能を加え、顧客企業への新たな課題解決を提案します。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
日本リビング保証は、ストックビジネスコンサルティングを通じて顧客の事業活性化を支援する企業です。成長を続ける中で、従業員の働き方やキャリア形成にも注力しています。若手社員が多く活躍している傾向が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は平均年齢が比較的若く、平均勤続年数も短めであることから、組織の成長フェーズにあることがうかがえます。若手社員が中心となって事業を推進している傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,248,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.5年 |
| 平均年齢 | 34.2歳 |
| 単体従業員数 | 236人 |
| 連結従業員数 | 236人 |
| 単体のグループ内比率 | 100.0% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは「Solve with idea, Solve with you.」をタグラインに掲げ、ストックビジネスコンサルティングを通じて顧客の事業活性化と収益化を支援しています。この実現に向け、多様な思考を持つ人材の確保と、社員が能力を発揮できる環境提供を重要な人材戦略の基本としています。年齢・性別・国籍によらない採用方針を掲げ、安定的なオペレーション業務を支える人材、事業拡大を見据えた法人営業人材、新システムや業務のデジタルシフトを推進するデジタル企画開発人材の採用・育成に注力しています。
具体的には、法人営業人材の強化のため営業組織の分業体制を強化し、社内交流会を通じて社員の能力伸長や適性の発見を図っています。デジタル企画開発人材の強化に向けては「デジタル戦略推進本部」を設立し、デジタル領域でのキャリア形成を希望する人材の拡充を目指しています。また、全社員へのITパスポート取得を義務付けるなど、グループ全体でデジタル企画開発及び業務のDX化を推進できる組織作りを進めています。社員が能力を最大限発揮できる環境整備として、ウェルビーイングを重視し、エンゲージメントサーベイを実施して組織エンゲージメント・スコアの向上に努めています。健康経営の推進にも取り組み、本社オフィス増床や産業医との連携を通じて、働く環境の向上と傷病等の未然防止に注力しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異は、女性活躍推進法に基づく公表項目として選択しておらず、公表されていません。連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 10.5% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
日本リビング保証は、住宅事業者向けの保証サービスやSaaSプロダクト、およびそのノウハウを応用した他分野への保証サービス提供を主軸とする企業です。暮らしやビジネスの変化に対応し、顧客企業の課題解決を支援する事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、保証サービスとSaaSプロダクトの提供を通じて、住宅会社の経営を支援する「HomeworthTech事業」と、その知見を活かして新たな技術・製品の普及を支援する「ExtendTech事業」を主力としています。2024年11月1日には株式会社メディアシークと経営統合し、商号を「Solvvy株式会社」に変更する予定です。これにより、保証・金融・BPO機能にシステムコンサルティング機能を加え、ストックビジネスコンサルティングの提供を目指しています。
同社グループの収益モデルは、サービス提供前に保証料などを収受する形態が特徴です。これにより、安定的な収益基盤を構築しています。
HomeworthTech事業
HomeworthTech事業は、ハウスメーカーやマンションデベロッパーなどの住宅事業者に対し、長期保証をはじめとする各種アフターサービスソリューションを提供しています。補修や検査といったリアルサービスに加え、アプリやチャットボット、電子マネーなどのデジタルサービスも開発・提供し、住宅事業者のアフターサービスDXを支援しています。
収益は、住宅設備の長期保証や建物保証、地震保証、資産価値保証などの多様な保証制度の構築・運用、中古住宅向けサービス、サブスク型メンテナンスサービスなどから得ています。運営は、リビングポイントが行う電子マネー「おうちポイント」を活用した組込型金融機能の提供も行っています。
ExtendTech事業
ExtendTech事業は、HomeworthTech事業で培ったノウハウを応用し、住宅領域以外の幅広い製品・サービスに長期保証などのアフターサービスソリューションを提供しています。再生可能エネルギー領域、教育ICT領域、家電領域といった分野で事業を展開し、同社グループの事業領域拡大を担っています。
収益は、太陽光発電・蓄電システムなどの再生可能エネルギー領域向け保証サービス、教育機関向けタブレット・ノートPCの保証サービス、家電・電子機器の保証サービスなどから得ています。特に再生可能エネルギー領域でのソリューション提供が大きく伸長しています。
その他の事業セグメント
その他の事業セグメントでは、ビジネスマッチングや決済などを行うプラットフォーム事業を展開しています。中長期的な成長基盤の構築を進めている段階です。
同社グループは、本邦以外の外部顧客への売上高がなく、海外比率は低い状況です。また、特定の顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の10%に満たないため、特定の顧客への収益集中は見られません。
| セグメント | 売上高(2023年6月期) | 売上高(2024年6月期) |
|---|---|---|
| HomeworthTech事業 | 22.6億円 | 29.8億円 |
| ExtendTech事業 | 16.2億円 | 23.2億円 |
| その他の事業セグメント | 39百万円 | 64百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
日本リビング保証グループの過去5期間の業績は、売上高と利益ともに一貫して成長を続けています。特に直近の当連結会計年度では、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも大幅な増加を示しました。これは、積極的な先行投資と事業拡大が実を結んだ結果であると考えられます。
| 項目 | 2020年6月期 | 2021年6月期 | 2022年6月期 | 2023年6月期 | 2024年6月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 19.6億円 | 26.2億円 | 33.1億円 | 39.2億円 | 53.6億円 |
| 経常利益 | 2.8億円 | 4.6億円 | 7.7億円 | 10.2億円 | 15.1億円 |
| 経常利益率 | 14.6% | 17.5% | 23.2% | 26.1% | 28.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.9億円 | 2.4億円 | 5.5億円 | 7.5億円 | 9.7億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 37.35 | 48.73 | 109.48 | 149.75 | 193.87 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
日本リビング保証の従業員1人あたりの売上高は前期から増加し、生産性が向上している傾向が見られます。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加しており、組織全体の収益を創出する力が強化されていることが示されています。これは、事業規模の拡大と効率的な運営が進んでいることを示唆しています。
| 指標 | 2023年6月期 | 2024年6月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 21.9百万円 | 22.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 4.1百万円 | 5.3百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
日本リビング保証は、本業で資金を生み出しつつ、将来に向けた積極的な投資を進めている段階にあります。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、純資産が前期から増加傾向にあります。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較すると低い水準にありますが、ROE(自己資本利益率)は高い水準を示しています。現金及び預金は前期から減少しています。
| 指標 | 2023年6月期(前期) | 2024年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 19.5億円 | 30.1億円 |
| 自己資本比率 | 9.7% | 12.2% |
| ROE(自己資本利益率) | 47.1% | 39.3% |
| 現金及び預金 | 41.8億円 | 26.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが前期から減少したものの、プラスを維持しています。これは税金等調整前当期純利益の計上や長期前受収益の増加による資金の増加があった一方で、売上債権や立替金の増加による資金の減少があったためです。
投資活動によるキャッシュフローは、投資有価証証券や投資不動産の取得による支出が大きく、前期に引き続きマイナスとなっています。これは、差入保証金の回収による収入があったものの、それを上回る投資が行われたためです。
財務活動によるキャッシュフローは、長期借入れによる収入があった一方で、長期借入金の返済による支出があり、前期から減少しています。結果として、自由に使える資金であるフリーキャッシュフローは、前期に引き続きマイナス幅が拡大しています。これは、本業で得た資金を将来の成長に向けた投資に充てている状況を示しており、事業拡大への意欲がうかがえます。
| 項目 | 2023年6月期(前期) | 2024年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 18.6億円 | 9.2億円 |
| 投資CF | △19.0億円 | △20.9億円 |
| 財務CF | 7.8億円 | 1.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △41百万円 | △11.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、住宅・不動産市況や住宅用太陽光発電・蓄電システム機器等の需要の変動による影響を受ける可能性があります。新築着工件数や既存住宅流通件数の低迷、リフォーム市場の縮小、太陽光発電システム機器等の需要減退は、経営成績及び財政状態に影響を与えるリスクがあります。
また、保証サービス業界への新規参入企業が増加しており、競争激化による各サービスの収益性低下や、競合他社による類似サービス展開により同社グループの独自性が失われるリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、今後の企業規模拡大や事業発展のために優秀な人材の確保と育成が不可欠であると認識しています。必要な人材の採用が計画通りに進まない場合や、重要な人材が流出した場合には、今後の事業拡大及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
日本リビング保証は、「Solve with idea, Solve with you.」というタグラインを掲げ、顧客の事業活性化と収益化を支援するストックビジネスコンサルティングを提供しています。クライアントの共創パートナーとして、様々な課題をともに考え、解決していくことを使命としています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
日本リビング保証グループは、「Solve with idea, Solve with you.」というタグラインを経営の基本方針としています。ストックビジネスコンサルティングを通じて、顧客の事業活性化と収益化を支援することを目指しています。様々な課題に対し、豊富なアイデアでクライアントとともに考え、解決することを同社グループの使命・アイデンティティと捉え、共創パートナーとして事業を展開しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
日本リビング保証グループは、「Solve with idea, Solve with you.」というタグラインのもと、クライアントの共創パートナーとして課題解決に取り組むことを重視しています。社会貢献性と思想が社員のエンゲージメントの源泉となっており、多様な思考を持つ人材の確保と能力発揮を重視するカルチャーです。年齢・性別・国籍によらない採用方針を掲げ、すべての社員が能力を最大限発揮できる環境整備と公平公正な評価・処遇を人材戦略の基本としています。社員のウェルビーイングを重要視し、エンゲージメントサーベイも実施しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
日本リビング保証グループは、中長期戦略の実現に向け、複数の重点テーマに取り組んでいます。特に、優秀な人材の継続的な確保・育成を重要な課題と認識し、デジタル企画・開発や戦略コンサルタント人材の拡充に注力しています。また、同社グループの認知度向上も不可欠な課題であり、広報・IR活動を強化しています。内部管理体制の強化や業務系IT基盤の整備・強化も進め、サステナビリティ経営を重要課題と位置付け、社会課題解決とビジョンの実現を両立した事業推進を目指しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
日本リビング保証は、取締役会と監査役会を設置し、執行役員制度を導入することで、意思決定の透明性と公正性を確保しています。また、経営執行委員会やリスク・コンプライアンス委員会を設置し、経営の効率化とリスク管理体制の強化を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
日本リビング保証の株主構成を見ると、代表取締役社長の安達慶高氏、代表取締役会長の荒川拓也氏、取締役の吉川淳史氏が上位株主として名を連ねています。経営陣が主要な株主として同社を支えていることが特徴です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 安達 慶高 | 13.53% |
| 荒川 拓也 | 12.68% |
| 吉川 淳史 | 6.54% |
| CACEIS BANK/QUINTET LUXEMBOURG SUB AC / UCITS CUSTOMERS ACCOUNT | 5.30% |
| 森永 秀一 | 4.96% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性10名・女性1名)で構成され、女性役員比率は9.1%です。代表取締役社長は安達慶高氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 安達 慶高 | 取締役社長 (代表取締役) | 1995年三和銀行(現三菱UFJ銀行)入行後、マーシュ・ジャパン、日本震災パートナーズ(現SBIリスタ少額短期保険)を経て、2010年9月同社取締役に就任。2013年9月より同社代表取締役を務める。 |
| 荒川 拓也 | 取締役会長 (代表取締役) | 1995年日本火災海上保険(現損害保険ジャパン)入社後、マーシュ・ジャパン、日本震災パートナーズ(現SBIリスタ少額短期保険)を経て、2009年3月より同社代表取締役を務める。 |
| 城戸 美代子 | 取締役 業務運営本部 本部長 | 1983年CBSソニーグループ入社後、テレマーケティング・ジャパン、もしもしホットライン(現アルティウスリンク)、日本震災パートナーズを経て、2010年2月同社入社。2017年9月より同社取締役に就任。 |
| 吉川 淳史 | 取締役 管理本部 本部長 | 2007年日本震災パートナーズ(現SBIリスタ少額短期保険)入社。2009年7月同社入社、取締役に就任。2017年9月より同社取締役を務める。リビングファイナンス代表取締役も現任。 |
| 加藤 航介 | 取締役 経営本部 副本部長 | 2009年日本生命保険入社。2016年6月同社入社後、営業企画部長、執行役員などを経て、2022年9月より同社取締役に就任。 |
社外取締役は、中川藤雄氏(弁護士)、西尾直紀氏(メディアシーク代表取締役社長)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役2名と社外監査役4名を選任しています。社外取締役の中川藤雄氏は法務に関する専門知識を、西尾直紀氏はIT分野における経営経験を活かし、中立的な立場から経営への助言・提言を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、株主総会で決議された報酬総額の範囲内で、代表取締役社長が各役員の役割と貢献を勘案して決定しています。賞与も報酬に含まれる体系です。同社役員全体の報酬総額は1.8億円です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 1.6億円 | 33.0百万円 |
| 社外取締役 | 2名 | 6百万円 | 2.9百万円 |
| 社外監査役 | 3名 | 9百万円 | 3.0百万円 |
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