※本記事は、株式会社アイリックコーポレーション の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
アイリックコーポレーションは、個人・法人向けの保険販売事業、保険代理店等へのソリューション提供事業、およびシステム開発事業を主たる業務としています。同社グループは、保険とテクノロジーを融合した事業展開を推進しています。
単体従業員数は408名、連結従業員数は643名です。セグメントは保険販売事業、ソリューション事業、システム事業の3つです。
主な国内グループ会社は、インフォディオ(システム事業)、ライフアシスト(保険販売事業)などです。
同社グループは、2024年8月に株式会社人生設計から6店舗の事業譲受を実施し、直営店舗数を純増させました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社アイリックコーポレーションは、従業員一人ひとりの成長と働きがいを重視し、多様な働き方を支援する環境整備に力を入れています。給与水準は個人の貢献度に応じた適正な評価を基本とし、ワークライフバランスを考慮した柔軟な制度も導入されています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の定着と年齢構成において、特定の傾向を示しています。平均勤続年数と平均年齢から、従業員が一定期間在籍し、経験を積んでいる様子がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,392,436円 |
| 平均勤続年数 | 5.7年 |
| 平均年齢 | 41.2歳 |
| 単体従業員数 | 408人 |
| 連結従業員数 | 643人 |
| 単体のグループ内比率 | 63.5% |
同社は、退職金制度として確定拠出年金制度を採用しています。これは、会社が拠出した資金を従業員が自ら運用し、その運用実績によって将来の給付額が決まる制度です。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、一人ひとりの人材を企業価値向上の重要な資本と位置づけ、人材育成に積極的に取り組んでいます。適正な人事評価を通じて働きがいを高め、専門知識・スキルの向上を図ることで、顧客満足度向上に貢献できる人材の育成を目指しています。
また、従業員が最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、社内環境の整備にも注力しています。具体的には、一人ひとりが高いモチベーションを持ち、ワークライフバランスを実現できる企業風土の醸成を目指し、柔軟な働き方を推進しています。フレックスタイム制度のほか、男女問わず介護や育児といった特定の理由に限定せず時短勤務を選択できる制度を導入しています。
さらに、従業員の健康保持・増進にも取り組み、特に長時間労働によるメンタルヘルス不調の予防に配慮し、安心して働きやすい職場環境の維持・発展に向けた施策を継続的に実施しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 26.4% |
| 男性育児休業取得率 | 71.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 70.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 75.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 45.0% |
当社における残業時間の状況
当社では、月平均残業時間を20時間以下に維持することを目標としております。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 月平均残業時間(2025年6月期) | 6.8時間 |
| 月平均残業時間(2024年6月期) | 6.8時間 |
当社における女性従業員の状況
当社では、性別を問わない公正な評価・処遇制度の実現などを通じて、管理職に占める女性労働者の割合を30%前後を目途としております。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職者数(2025年6月末) | 27人 |
| 女性管理職比率(2025年6月末) | 26.4% |
| 女性管理職者数(2024年6月末) | 28人 |
| 女性管理職比率(2024年6月末) | 30.7% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
アイリックコーポレーションは、保険販売、保険代理店や金融機関向けのソリューション提供、およびシステム開発を主軸とする事業を展開しています。お客様の保険選びをサポートするだけでなく、保険業界全体のDX推進にも貢献しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、個人・法人向けの保険販売、保険代理店や金融機関へのソリューション提供、システム開発の3つの事業を主たる業務としています。これらの事業を通じて、保険に関する多様なニーズに応え、収益を上げています。
保険販売事業
この事業では、来店型保険ショップ『保険クリニック®』の直営店や、法人・富裕層向けの訪問型営業を通じて保険商品を販売しています。お客様が加入中の保険を分析し、複数の保険会社の商品から最適なプランを提案するコンサルティングを提供しています。
収益は、お客様と保険会社との間で保険契約が締結された際に、保険会社から支払われる保険手数料から得ています。運営は、アイリックコーポレーションとライフアシストが行っています。
ソリューション事業
この事業は、金融機関や保険代理店、企業代理店に対し、生命保険の現状把握・検索提案システム『ASシステム』や『AS-BOX』を提供しています。また、既存システムユーザーへの保険販売コンサルティングやOCRサービス、生成AIを活用した情報検索サービスなども提供しています。
収益は、システム利用契約に基づく登録料や月額利用料、FC店からの初期登録料、基本料金、店舗料金、ロイヤリティ、ノベルティ売上、教育研修売上などから得ています。運営は、アイリックコーポレーションが行っています。
システム事業
この事業では、保険分析・販売支援システムの開発、その他ソフトウェアの受託開発、およびAI搭載の次世代型光学的文字認識システム『スマートOCR®』の開発・販売を行っています。新サービスとして、エンタープライズサーチ『brox』も提供しています。
収益は、システム・ソフトウェア開発の受託による開発費や、『スマートOCR®』などのサブスクリプション方式またはリカーリング方式による使用料から得ています。運営は、インフォディオが行っています。
同社グループの事業はすべて本邦を拠点としており、海外からの売上高はありません。特定の顧客への収益集中もありません。
| セグメント | 売上高(2024年6月期) | 売上高(2025年6月期) |
|---|---|---|
| 保険販売事業 | 48.2億円 | 58.3億円 |
| ソリューション事業 | 21.6億円 | 22.3億円 |
| システム事業 | 9.4億円 | 13.7億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5年間で継続的に増加しています。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、一時的な変動はあったものの、全体としては増加傾向にあります。直近の当期においては、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前期から増加しました。
| 項目 | 2021年6月期 | 2022年6月期 | 2023年6月期 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 46.4億円 | 52.0億円 | 60.0億円 | 79.2億円 | 94.2億円 |
| 経常利益 | 3.7億円 | 4.3億円 | 1.9億円 | 5.4億円 | 7.5億円 |
| 経常利益率 | 8.1% | 8.3% | 3.2% | 6.8% | 8.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2.3億円 | 2.6億円 | 16百万円 | 3.5億円 | 4.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 27.33 | 29.94 | 1.85 | 42.43 | 53.14 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から増加しており、組織全体の生産性が向上している傾向が見られます。また、従業員1人あたり営業利益も前期から増加しており、効率的な事業運営が進んでいることを示しています。
| 指標 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 14.3百万円 | 14.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.9百万円 | 1.2百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務基盤は、自己資本と手元資金の厚みから安定した状態を示しています。本業で得た資金を成長投資に回しつつ、余剰資金も確保している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって安定しています。自己資本比率は前期から減少していますが、依然として高い水準を維持しています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回る水準で推移しており、効率的な経営が行われていることを示しています。手元資金も増加傾向にあり、事業運営における資金的な余裕がある状態です。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 36.8億円 | 39.4億円 |
| 自己資本比率 | 70.0% | 64.2% |
| ROE(自己資本利益率) | 9.7% | 11.6% |
| 現金及び預金 | 18.7億円 | 22.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を稼ぎ出し、その資金を成長のための投資に充てている状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは10.8億円の獲得となり、税金等調整前当期純利益や減価償却費、契約負債の増加が主な要因です。投資活動によるキャッシュフローは△4.6億円の使用となり、無形固定資産の取得や事業譲受による支出が主な要因となっています。財務活動によるキャッシュフローは△2.6億円の使用となり、配当金の支払いや長期借入金の返済によるものです。結果としてフリーキャッシュフローは6.1億円のプラスとなっており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出している優良な状態です。これは、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた投資も行っていることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながるものと考えられます。
| 項目 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 9.8億円 | 10.8億円 |
| 投資CF | △6.5億円 | △4.6億円 |
| 財務CF | △0.6億円 | △2.6億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 3.3億円 | 6.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
事業構造・収益性に関するリスクの記載はありません。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業規模の拡大に合わせた人材の確保が重要であると認識しています。新たなシステム及びサービスの開発を進める上で、優秀な人材の獲得と維持が課題であるとされています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
アイリックコーポレーションは、お客様、保険会社、代理店の三者すべてが利益を享受できる関係性を追求し、保険業界の発展とお客様本位のサービス提供を目指しています。ここでは、同社グループが掲げる理念や大切にしている価値観、そして目指す組織像についてご紹介します。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、企業理念として「三者利益の共存」を掲げています。これは、お客様を保険会社と同社が協力して支え、お客様利益を最大限に確保することを目指すものです。その実現のため、代理店としての生産性を高め、お客様本位の業務運営を維持することで、保険会社の収益向上やブランド価値向上、コンプライアンスに貢献するとしています。
中長期的な経営ビジョンとして、同社グループは3つの目標を設定しています。第一に「お客様基点」を原点に、お客様満足度の高いサービスを提供し、お客様から選ばれる保険ショップNO.1となることを目指しています。第二に、保険業界のあらゆる角度において最大の貢献をし、業界発展や保険流通革命実現に全力を尽くすことを約束しています。第三に、全従業員の物心両面の幸せを追求し、全従業員が誇りをもてる会社であり続けることを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、企業理念である「三者利益の共存」を実現するため、最良のコンサルティングサービスを心がけています。保険の総合コンサルティング企業の第一人者であることに誇りを持ち、保険流通を「良循環化」させ、本当の意味でのお客様の利益を守るために事業活動を行っています。同時に、事業活動が地球環境や地域社会に影響を与えることを認識し、社会課題の解決につながるサービスを提供していくとしています。
人材育成方針としては、一人ひとりの人材を企業価値向上の重要な資本と位置づけ、適正な人事評価により働きがいを高めることに取り組んでいます。専門知識・スキルの向上を通して人材総合力の底上げを図ることで、顧客満足度向上に向けた人材の育成に努めています。社内環境整備方針では、一人ひとりが高いモチベーションを持ち、ベストを尽くす企業風土を醸成しています。
ワークライフバランスの実現に向け、公私共に充実できる環境を整えることで、あらゆる人材が常に最大限のパフォーマンスを発揮できる働きやすい職場環境を整えるべく、様々な施策を行っています。柔軟な働き方として、フレックスタイム制度のほか、男女問わず介護・育児といった特定の理由に限定しない時短勤務制度を導入しています。従業員が健康保持・増進に取り組みやすい環境を整え、長時間労働対策も継続的に実施しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
アイリックコーポレーションは「三者利益の共存」を企業理念に掲げ、保険販売事業、ソリューション事業、システム事業を展開しています。同社グループは、株主総会、取締役会、監査役会、内部監査、会計監査人等の連携を通じてコーポレート・ガバナンス体制の強化を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
アイリックコーポレーションの株主構成を見ると、筆頭株主はNihon IFA Partners Ltd.です。代表取締役社長CEOの勝本竜二氏が第2位の株主であり、同氏が代表取締役社長を務めるトラッドジャパンも上位に位置しています。また、複数の生命保険会社が主要株主として名を連ねており、多様な背景を持つ株主によって支えられていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| Nihon IFA Partners Ltd. | 29.63% |
| 勝本 竜二 | 14.20% |
| 住友生命保険相互会社 | 6.93% |
| 第一生命ホールディングス | 6.93% |
| トラッドジャパン | 5.25% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性11名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長CEOは勝本竜二氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 勝本 竜二 | 代表取締役社長CEO | 1987年アメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニー入社、1995年同社設立、1997年同社代表取締役社長、2025年同社代表取締役社長CEOマネジメントオフィスより現職。 |
| 建部 賢二郎 | 取締役副社長 | 2000年INAひまわり生命保険入社、2005年同社入社、2017年同社取締役AS事業部長、2025年同社取締役副社長マネジメントオフィス兼ソリューション事業本部長より現職。 |
| 紀伊 保宏 | 取締役COO | 2004年プレジデンツ・データ・バンク入社、2009年パートナーエージェント取締役CFO、2022年同社執行役員兼営業企画推進本部長、2025年同社取締役COOマネジメントオフィスより現職。 |
| 半澤 勝広 | 取締役CCO | 1994年AIU保険会社入社、1999年ユニバーサルアンダーライタース代表取締役、2012年同社取締役副社長営業統括本部長、2025年同社取締役CCO保険クリニック事業本部長より現職。 |
| 勝本 伸弘 | 取締役CTO | 1991年カシオシステム開発入社、2002年インフォディオ代表取締役社長、2005年同社取締役システム部長、2025年同社取締役CTOシステム本部長より現職。 |
| 相原 尚昭 | 取締役CFO | 1986年日本勧業角丸証券入社、2005年同社入社経営企画室長、2019年同社取締役管理本部長代理兼経営企画室長、2025年同社取締役CFO管理本部長より現職。 |
社外取締役は、髙橋和之氏(リーディングマネジメント代表取締役)、丹保人重氏(MSK保険センター代表取締役社長・オカムラ社外取締役)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役2名と社外監査役3名を選任しています。これにより、客観的・中立的な立場からの経営監督・監査機能の強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
アイリックコーポレーションの役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして設計されています。取締役の報酬は、職責に応じた固定報酬と、連結経常利益予算の達成を基準とする業績連動報酬で構成されています。社外取締役および監査役の報酬は、独立性の確保を重視し、固定報酬のみとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 6名 | 2.0億円 | 32.9百万円 |
| 社外取締役 | 2名 | 9百万円 | 4.3百万円 |
| 社外監査役 | 3名 | 10百万円 | 3.3百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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