※本記事は、株式会社Birdman の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、「夢を応援する社会をつくる」をミッションに掲げ、マーケティング・トランスフォーメーション事業(MX事業)とエンターテインメント・トランスフォーメーション事業(EX事業)を展開しています。顧客のブランド価値向上と新しいエンタメの創出を目指し、クリエイティブやデジタル・テクノロジーを駆使したワンストップソリューションを提供しています。
単体従業員数は11名、連結従業員数は11名です。セグメントはMX事業、EX事業の2つです。
主な国内グループ会社は、LIVE-adなどです。
同社グループは、前連結会計年度の業績悪化を受け、経営体制を一新し、MX事業の人員見直しやEX事業の全面的な運営方針転換を実施しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
Birdmanは、従業員数が比較的少ない規模の会社であり、個々の能力を重視した人材戦略を掲げています。柔軟な働き方や多様な福利厚生を通じて、従業員が働きやすい環境づくりに注力している点が特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は平均年齢が30代半ばであり、平均勤続年数は比較的短くなっています。これは、特定の専門性を持つ人材が活躍しやすい環境であることや、組織の成長フェーズにおける人材の流動性を示唆していると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,791,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.48年 |
| 平均年齢 | 36.55歳 |
| 単体従業員数 | 11人 |
| 連結従業員数 | 11人 |
| 単体のグループ内比率 | 100.0% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、人材を持続可能な社会への貢献と自らの発展を実現するための優先すべき資本と位置付けています。年齢、学歴、性別、国籍にとらわれず、各個人の能力に基づく採用を進める方針です。
多様な人材が活躍できるよう、働きやすい環境づくりと人事制度の構築に継続的に取り組んでいます。具体的には、テレワークやフレックス制度といった柔軟な働き方の提供、新入社員研修の実施、男性の育児休業取得推進、リスキリング手当の支給などを行っています。
また、コミュニケーション促進のためのランチ代手当や社内通報窓口の設置、健康診断の実施など、多岐にわたる福利厚生を通じて従業員の働きやすさを追求しています。業務の質を高め、組織を強化するため、従業員が自ら業務の進め方を見直すことを推奨し、一人ひとりの成長を促すことで、意欲と能力のある従業員が平等に活躍し、管理職に登用される機会が得られる環境づくりに努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、法定開示データは記載を省略しています。
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社Birdmanは、「夢を応援する社会をつくる」というミッションを掲げ、顧客のブランド価値向上とエンターテインメント業界の変革を二つの柱として事業を展開しています。マーケティングとクリエイティブ、デジタル・テクノロジーを融合させ、多角的なソリューションを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、顧客の企業や商品・サービスのブランド価値を高めるためのソリューションを提供するMX事業と、エンターテインメント業界をアップデートするEX事業を主軸としています。顧客の顕在的・潜在的なニーズを引き出し、多様なサービスを組み合わせたワンストップの提案を行うことで、売上総利益の確保を重視する収益モデルとなっています。
同社グループの事業は国内に特化しており、海外からの売上高はありません。当連結会計年度においては、MX事業において株式会社海帆と株式会社大日本印刷が主要な顧客となっています。
MX事業
MX事業は、マーケティング・トランスフォーメーション事業の略で、顧客の企業としてのブランド価値や商品・サービスのブランド価値を高めることを目的としています。一般消費者へのイメージアップや認知度、購買意欲の向上を図るためのソリューションを提供しています。
収益は、SPサービス、PRサービス、クリエイティブサービスといった多岐にわたるソリューションの提供から得ています。運営は、株式会社Birdmanが行っています。
EX事業
EX事業は、エンターテインメント・トランスフォーメーション事業の略で、エンターテインメント業界のアップデートを目指しています。同社グループの主力事業領域であるクリエイティブやデジタル・テクノロジーを駆使し、新進気鋭のアーティストやクリエイターと連携しながら新しいエンタメの形を創出しています。
収益は、アーティストのマネジメントやプロデュース、マーチャンダイジング、コンサートやイベントの企画・制作・運営、ファンクラブ運営、デジタルコンテンツの企画・制作・販売・配信等のサービス提供から得ています。運営は、株式会社Birdmanが行っています。
| セグメント | 売上高(2024年6月期) | 売上高(2025年6月期) |
|---|---|---|
| MX事業 | 12.0億円 | 3.2億円 |
| EX事業 | 8.9億円 | 4百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、直近3期で大きく変動しています。2023年6月期には44.8億円でしたが、2024年6月期には20.9億円に減少し、2025年6月期には3.2億円と大幅な減少となりました。
経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、2024年6月期と2025年6月期は損失を計上しています。特に2024年6月期には多額の損失を計上しましたが、当連結会計年度では損失額が減少する傾向にあります。営業活動によるキャッシュ・フローは支出となっていますが、前連結会計年度と比較すると支出額は減少しており、財務活動によるキャッシュ・フローは株式の発行による収入が大きく寄与しています。
| 項目 | 2021年6月期 | 2022年6月期 | 2023年6月期 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | 44.8億円 | 20.9億円 | 3.2億円 |
| 経常利益 | - | - | 43百万円 | △20.2億円 | △6.8億円 |
| 経常利益率 | - | - | 1.0% | △96.9% | △214.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | △8百万円 | △30.3億円 | △7.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | △1.53 | △576.48 | △69.81 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から当期にかけて減少しています。これは、売上高の大幅な減少と従業員数の減少が影響していると考えられます。
従業員1人あたり営業利益は、前期に引き続き損失を計上していますが、損失額は減少しています。これは、売上総利益が改善したことや販売費及び一般管理費が減少したことによるものです。従業員数の大幅な減少は、業績低下による新規採用の抑制が主な要因と説明されています。
| 指標 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 61.3百万円 | 29.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △54.1百万円 | △51.0百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業の資金繰りを示す営業キャッシュフローがマイナスで推移しています。事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローもマイナスとなっており、資金の流出が続いています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤を見ると、当期は純資産がプラスに転じ、自己資本比率は11.7%となっています。これはプライム市場の非製造業平均と比較すると低い水準です。ROE(自己資本利益率)は120.1%を示しています。手元資金である現金及び預金は増加しており、当期末には17.3億円となっています。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | △14.5億円 | 2.6億円 |
| 自己資本比率 | △392.6% | 11.7% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 120.1% |
| 現金及び預金 | 1.2億円 | 17.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の資金繰りを示す営業キャッシュフローは、当期もマイナスで推移しています。これは主に税金等調整前当期純損失の計上によるものです。投資活動によるキャッシュフローは収入超過となっており、貸付金の回収による収入が主な要因です。事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローはマイナスを示しており、資金の流出が続いています。財務活動によるキャッシュフローはプラスとなっており、株式の発行による収入が主な要因です。同社グループは資金調達により手元資金を確保している状況です。このような資金の流れは、事業運営における資金繰りの重要性を示しており、雇用や給与の安定性を検討する上で注視すべき点であると言えます。
| 項目 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △21.2億円 | △3.0億円 |
| 投資CF | 51百万円 | 19百万円 |
| 財務CF | 9.9億円 | 18.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △20.7億円 | △2.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
同社グループは、前連結会計年度に債務超過となり、当連結会計年度も継続して重要な営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失及び営業キャッシュフローのマイナスを計上しています。当連結会計年度末日後には手元資金が減少しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しています。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、成長過程において特定の取引先への依存度が高い状態になる傾向があります。そのため、大型取引先の方針変更が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、受注する案件ごとに提供するサービスや収益性が異なるため、実際の受注案件の内容によっては売上高や売上総利益率が想定から乖離する可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業拡大と成長のためには優秀な人材の確保と定着が重要課題であると認識しています。人材マーケットの環境変化により優秀な人員の適時確保が困難になった場合や、人材が流出してしまう場合、事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
Birdmanは、「日本を代表するプロデュースカンパニー」となることを目標に掲げ、MX事業とEX事業を展開しています。持続的な成長と企業価値向上を目指し、効率性と透明性の高い経営に努めています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「日本を代表するプロデュースカンパニー」となることを目標に掲げています。
MX事業では、既成概念を打ち破るクリエイティブとビジネスソリューション、テクノロジーを駆使したアイデアを実装することで、顧客のブランド価値向上に貢献しています。
EX事業では、エンターテインメント業界のアップデートを目指し、アーティストのマネジメントやイベント企画・運営、デジタルコンテンツの制作・販売を通じて、新しいエンタメの形を創出し、ファンに貢献していく方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、持続的な成長と企業価値向上を目指し、効率性と透明性の高い経営を重視しています。法令遵守の徹底、適切な資源配分、意思決定の迅速化を通じて、中長期的な企業価値向上を図る方針です。
人材を優先すべき資本の一つと位置づけ、年齢、学歴、性別、国籍にとらわれず、個人の能力に基づく採用を進めています。
多様な人材が活躍できる働きやすい環境づくりと人事制度の構築に継続的に取り組んでおり、従業員一人ひとりの成長を促し、意欲と能力のある従業員が平等に活躍できる機会を提供することを目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、リスク管理規程等に基づき、リスクの識別・評価・管理を行うためのプロセスを整備し、リスクの未然防止と損失の最小化に努めています。
サステナビリティ関連のリスクも把握し、取締役会において方針の立案と施策の進捗状況管理を行っていく方針です。
また、優秀な従業員が安定的に働けるよう、有給休暇取得率及び男性の育児休業取得率の向上を目指し、働きやすい環境づくりに取り組んでいます。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
Birdmanは監査等委員会設置会社であり、取締役会が経営の監督機能を強化する体制を採用しています。取締役会は、業務執行を行う取締役と監査等委員である取締役で構成されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
Birdmanの株主構成を見ると、筆頭株主はネクスタ(匿名組合口)であり、次いで個人株主の伊藤繁三氏、アベCが上位に名を連ねています。特定の事業会社や個人が上位株主として同社を支えていることが特徴です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ネクスタ(匿名組合口) | 24.37% |
| 伊藤 繁三 | 12.23% |
| アベC | 8.56% |
| YourTurn | 6.00% |
| 楽天証券 | 4.15% |
なお、前事業年度末において主要株主でなかったネクスタ(匿名組合口)及び伊藤繁三氏は、当事業年度末現在では主要株主となっています。また、前事業年度末において主要株主であったYourTurn及び豊崎会計事務所は、当事業年度末現在では主要株主ではなくなりました。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は吉川元宏氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 吉川 元宏 | 代表取締役社長 | 2003年4月株式会社クリスタル入社。2009年8月株式会社ペガソス・エレクトラ代表取締役。2021年4月五洋インテックス株式会社代表取締役社長。2022年8月株式会社海帆代表取締役社長。2025年8月同社代表取締役社長より現職。 |
| 國松 晃 | 取締役 | 2000年8月株式会社マック入社。2014年6月株式会社イーダイニング代表取締役。2021年1月株式会社海帆代表取締役社長。2022年1月株式会社SSS代表取締役会長。2025年9月同社取締役より現職。 |
| 和光 幸希 | 取締役 | 2019年7月インフルエンサーマーケティング及び映像制作をメインにプロデュース事業を開始。2023年11月FCH公式アンバサダー。2025年9月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、水谷準一氏(合同会社ジェイエムシー代表社員・監査等委員)、刈谷龍太氏(弁護士法人C-LiA代表社員・監査等委員)、増元大輔氏(株式会社リアライズ取締役・監査等委員)、青木健一郎氏(株式会社Btree代表取締役・監査等委員)です。
同社は2017年9月26日より監査等委員会設置会社へ移行しています。社外取締役による経営への牽制機能の強化を図り、経営の健全性・効率性及び透明性を確保する体制を構築しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
Birdmanの役員報酬は、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして機能するよう設計されています。業務執行取締役の報酬は、金銭報酬である固定報酬と、非金銭報酬等であるストック・オプションで構成されています。社外取締役の基本報酬は、職責に相応しい月次の固定報酬として個別に決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 33百万円 | 8.3百万円 |
| 社外役員 | 9名 | 25百万円 | 2.8百万円 |
役員ごとの報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個別の開示はありません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
💬キャリコネで会社の実態を確認する
決算資料で業績や財務の状況を把握することは、転職の準備として非常に有効です。数字は会社の今の実力と方向性を正直に示しています。
ただ、数字だけでは見えてこないこともあります。職場の雰囲気、上司との関係、実際の残業の実態、昇給のリアル——こうした情報は、現役社員やOB・OGの声から得られます。
企業口コミサイト「キャリコネ」では、社員のリアルな口コミや給与明細、求人情報をまとめて確認できます。決算データと合わせてチェックすることで、応募判断の精度が上がります。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。