※本記事は、株式会社ココルポート の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ココルポートは、創業以来、「指定障害福祉サービス事業」を展開しています。障害のある方の就労支援から、自立した日常生活を送るための訓練まで、多岐にわたるサービスを提供しています。
単体従業員数は791名です。同社は「指定障害福祉サービス事業」の単一セグメントで事業を展開しています。
ココルポートは、創業以来、「指定障害福祉サービス事業」を主軸に、就労移行支援、就労定着支援、指定計画相談支援、自立訓練(生活訓練)サービスを提供しています。
同社は、2024年4月より精神的な不調による休職者の復職支援に特化した「Cocorport Rework」を開始し、サービスラインナップを拡充しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ココルポートは、指定障害福祉サービス事業を通じて、一人ひとりの可能性を信じ、社会課題の解決に取り組んでいます。そのため、人材の育成と働きやすい社内環境の整備に力を入れていることが特徴です。企業理念や行動指針に基づき、多様な人材が活躍できる環境づくりを進めています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均年齢が36.1歳と比較的若く、平均勤続年数は3.4年となっています。これは、事業の成長に伴う積極的な人材採用や、活発な組織運営の傾向を示していると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,080,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.4年 |
| 平均年齢 | 36.1歳 |
| 単体従業員数 | 791人 |
ココルポートは、従業員の退職給付に充てるため、確定拠出制度を採用しています。確定拠出型は、会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ココルポートは、「私たちは一人ひとりの可能性を信じ、自分らしさと笑顔あふれる社会を共創します。」という企業理念を掲げ、指定障害福祉サービス事業を通じて社会課題の解決と企業価値の向上を目指しています。この実現には、「お一人おひとりに適した支援」を可能とする人材の確保と育成が不可欠であると考えています。
採用においては、企業理念に共感し、行動指針「Cocorport11」を体現できる人材を基準とし、多様な属性、能力、経験を持った人材を採用しています。入社後の人材育成では、企業理念の実現と行動指針の体現につながる人事制度や教育研修制度の充実、社内環境の整備を推進しています。これらは「CocorportHR7」という人事ポリシー(開かれた制度、公平な取り扱い、多様性に応える、一人はチームのために、自らを磨く、チャレンジを讃える、正しいことをする)に基づいています。
また、多様な人材が公平感ややりがいを感じながら働けるよう、性別にとらわれない人材登用や育児・介護関連制度の充実、福利厚生の強化を図っています。半年に一度の社員意向調査アンケートを通じて社員の声を直接確認し、社内環境整備に反映させています。2025年6月期には、賞与制度の導入、年間休日を120日への変更、不妊治療を支援する休職制度の導入、2025年新卒入社者からの初任給引き上げなど、より良い社内環境の整備を進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
女性活躍推進法に基づき算出された提出会社単体の法定開示データです。有期雇用社員には育休取得対象者がおらず、60歳以上の定年再雇用労働者は正社員に含まれます。なお、男性育児休業取得率は本記事では数値を取得できていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 52.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 90.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正社員) | 90.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(有期雇用社員) | 98.5% |
指標及び目標
| 指標 | 当事業年度実績 |
|---|---|
| 管理職に占める女性比率 | 52.6% |
| 育児休業取得率(男性社員) | 90% |
| 育児休業取得率(女性社員) | 100% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社ココルポートは、障害のある方々が社会で活躍できるよう、多岐にわたる指定障害福祉サービスを提供しています。一人ひとりの可能性を信じ、自分らしさと笑顔あふれる社会の共創を目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は「指定障害福祉サービス事業」を単一セグメントとしています。主力サービスは「就労移行支援・就労定着支援・指定計画相談支援サービス」です。これに加え、「自立訓練(生活訓練)サービス」も提供しています。
「Cocorport川崎Office」の開設を皮切りに、首都圏を中心に拠点を拡大してきました。就労移行支援事業所は81か所、就労定着支援事業所は68か所、指定計画相談支援事業所は5か所を運営しています。また、「Cocorport College」として35か所、「Cocorport Rework」として4か所の自立訓練(生活訓練)事業所を展開しています。
就職者数は累計4,900名以上を輩出し、就労定着率は89.7%となっています。就労移行支援サービスでは、非就労フェーズの障害者も含めた幅広い受け入れを行い、集団ではなく個別の支援を重視しています。600種類以上のプログラムを用意し、利用者の自己決定を尊重した「支援」を徹底しています。
就労定着支援サービスでは、就職後の職場定着を支援するため、就業面だけでなく生活面や体調面も含めたサポートを月1回以上の面談で行っています。自立訓練(生活訓練)サービス「Cocorport College」は、社会課題である「引きこもり」の解消を意図し、社会性を身につけることに焦点を当てています。450種類以上の豊富なプログラムを提供し、一般就労や就労移行支援など多様な進路を支援しています。
自立訓練(生活訓練)サービス「Cocorport Rework」は、精神的な不調により休職した方の復職支援に特化しています。「Will Can Must」の視点を大切にし、復職に向けた4つのステップと厳選された600種類以上のプログラムで、自信を取り戻すプロセスを支援します。同社のビジネスモデルは、障害のある方がサービスを利用し、行政および利用者から報酬を受領する形です。本邦以外の外部顧客への売上高はないため、海外比率や為替リスクは発生していません。販売実績を見ると、神奈川県国民健康保険団体連合会、埼玉県国民健康保険団体連合会、東京都国民健康保険団体連合会、千葉県国民健康保険団体連合会が主要な相手先となっています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の売上高は、当事業年度において前期から増加しています。営業利益、経常利益、当期純利益も同様に前期から増加する傾向を示しています。拠点数の増加を推進し、就労移行支援事業所と自立訓練(生活訓練)事業所の合計拠点数を拡大したことが、業績の伸長に寄与しています。
営業活動によるキャッシュ・フローは前期から増加し、資金を獲得しています。投資活動によるキャッシュ・フローは新規拠点開設に伴う支出により、前期から増加しています。財務活動によるキャッシュ・フローは、新株予約権の行使に伴う収入により、前期から獲得に転じています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の単体従業員数は791人であり、当期中に52名増加しています。業容の拡大に伴う定期および期中採用が主な理由です。平均勤続年数は3.4年、平均年齢は36.1歳となっています。平均年間給与は4,080千円です。従業員数の増加と事業所の拡大は、同社の事業成長への積極的な投資姿勢を示しています。
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、事業拡大を推進しており、その財務状況は今後の成長戦略と密接に関わっています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、事業の成長を支える上で重要な要素です。入社後の雇用や給与の安定性を判断する上で、自己資本の厚みや手元資金の状況は注目すべき点となります。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | - | - |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローは、事業活動、投資活動、財務活動における資金の流れを示しています。これらの資金の流れは、同社が本業でどれだけ資金を生み出し、将来の成長のためにどのような投資を行い、どのように資金を調達・返済しているかを反映するものです。入社後の安定性や成長性を判断する上で、資金の使途や源泉のバランスを把握することが重要となります。
| 項目 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | - |
| 投資CF | - | - |
| 財務CF | - | - |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | - |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社が属する指定障害福祉サービス業界では、競争環境が激化する兆しがあります。競合他社の事業拡大や新規参入等により、同社の売上高、損益及び財務状況に影響を与える可能性があります。
また、同社の主力サービスは就労移行支援サービスであり、2025年6月期で売上高の81.8%を占めています。この特定サービスへの依存度が高いため、当該事業所に指定取消しや営業停止が発生した場合、同社の売上高、損益及び財務状況に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社が展開する事業は、発達障害や精神障害がある方を主たる対象としたサービスであり、新規拠点の開設に伴い、専門的な知識や指導技術を持った人材の確保が急務となっています。今後、人材の確保と育成が事業所開設のスピードに追いつかない場合や既存人員の流出等が生じた場合、事業成長のスピードが減速し、同社の売上高、損益及び財務状況に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ココルポートは、「一人ひとりの可能性を信じ、自分らしさと笑顔あふれる社会を共創する」という理念を掲げ、障害のある方々が生き生きと働き続けられる社会の実現を目指しています。同社は、個別支援を徹底し、社会課題の解決と企業価値の向上を両立させることを重視しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ココルポートは、「私たちは一人ひとりの可能性を信じ、自分らしさと笑顔あふれる社会を共創します。」という企業理念を掲げています。
この理念のもと、障害のある方々が生き生きと働き続けられるよう、「一人ひとりに適した支援(個別支援)」を経営の基本方針としています。
中長期的には、就労移行支援・就労定着支援・指定計画相談支援サービス、自立訓練(生活訓練)サービスを通じて、幅広い障害者を受け入れ、個別支援を徹底し、ドミナント展開で経営資源を効率的に活用することを目指しています。
また、引きこもりという社会課題解決のために事業化した「Cocorport College」の卒業生が就労移行支援事業所へ通所する事業シナジーも生み出しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ココルポートでは、企業理念を実現するための行動指針として「Cocorport11 (ココルポートイレブン)」を定めています。これは2019年に経営陣と全従業員で策定されたものです。
同社は、この行動指針の実践を通じて、指定障害福祉サービス事業による社会課題の解決と持続可能性のある企業価値の向上を目指しています。
人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針では、企業理念に共感し、行動指針Cocorport11を体現できる人材の採用を基準としています。
入社後の人材育成や社内環境整備においては、「開かれた制度」「公平な取り扱い」「多様性に応える」「一人はチームのために」「自らを磨く」「チャレンジを讃える」「正しいことをする」という「人事ポリシー(ココルポートHR7)」に基づき推進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ココルポートは、継続的な企業価値向上に向けて、いくつかの重要課題に取り組んでいます。
具体的には、事業内容の認知度を高める「知名度の向上」や、高品質なサービスを提供できる人材を確保し育成する「人材の確保と社員育成」を重視しています。
利用者が長く働き続けられるよう「就労定着支援サービスの強化」や、引きこもり解消につながる「自立訓練(生活訓練)サービスの強化」も進めています。
さらに、事業所数の拡大、提供サービスの質の向上、地域・関係機関との連携強化による「事業基盤の強化」に取り組んでいます。
事業関連法令の遵守、コーポレート・ガバナンスの強化も重要な課題です。
財務面では安定した営業キャッシュ・フローを確保しつつ、新規事業所開設に伴う投資活動を継続し、財務体質のさらなる強化に努める方針です。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ココルポートは監査役会設置会社であり、透明性と健全性の高い企業経営を目指しています。取締役会は社外取締役を含む構成で、業務執行の監督を行っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ココルポートの株主構成を見ると、複数の事業会社が上位に名を連ねています。代表取締役社長や取締役、常勤監査役といった同社の役員も大株主として名を連ねており、経営陣が直接的に資本を保有する体制となっています。また、社員持株会も上位株主の一角を占めています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| A&Cコーポレーション | 10.36% |
| KRAC | 8.26% |
| アレジアンス | 6.34% |
| 日本カストディ銀行 | 4.46% |
| 佐原 敦矢 | 3.92% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性8名・女性2名)で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役社長は佐原敦矢氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 佐原 敦矢 | 代表取締役社長 | 1987年4月株式会社リクルート入社。2014年4月株式会社クロス・マーケティング入社。2017年1月同社入社、就労移行支援事業本部本部長。2017年10月同社取締役。2018年4月同社代表取締役社長より現職。 |
| 岩元 勝志 | 取締役管理本部本部長兼人事総務部部長 | 1991年4月株式会社リクルート人材センター入社。2016年10月株式会社リクルートキャリアコンサルティング転籍。2018年1月同社入社、管理本部人事部部長。2018年7月同社取締役管理本部本部長兼人事総務部部長より現職。 |
| 長尾 吉祐 | 取締役総合支援事業本部本部長 | 1993年4月株式会社リクルート入社。2007年4月株式会社ジョブダイレクト代表取締役社長。2015年4月株式会社リクルートメディカルキャリア代表取締役。2018年7月同社入社。2025年4月同社取締役総合支援事業本部本部長より現職。 |
| 金光 雅志 | 取締役総合支援事業本部就労移行支援4部部長兼カレッジ推進部2部部長兼リワーク推進部部長 | 1992年4月株式会社関西リクルート人材センター入社。2015年4月株式会社リクルートキャリア営業統括部関西営業部部長。2024年7月同社入社。2025年9月同社取締役総合支援事業本部就労移行支援4部部長兼カレッジ推進部2部部長兼リワーク推進部部長より現職。 |
社外取締役は、高橋龍徳氏(日比谷総合会計事務所代表パートナー)、香月壯一氏(メディカル・データ・ビジョン社外取締役)、清水恒美氏(NPO法人全国精神保健職親会理事)です。
同社は監査役会設置会社です。社外取締役3名と社外監査役2名を選任しており、全員を東京証券取引所の独立役員として届け出ています。社外取締役は、公認会計士・税理士、事業経営、障害福祉領域の知見を持つ専門家で構成され、客観的な立場から業務執行の監督と提言を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ココルポートの取締役報酬は、固定の金銭報酬である基本報酬と、2023年9月の株主総会で導入された業績連動報酬で構成されています。非金銭報酬は現時点では導入されていません。常勤取締役には基本報酬と業績連動報酬が、社外取締役には基本報酬のみが支給される体系です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 84百万円 | 28.0百万円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 8百万円 | 3.9百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 28百万円 | 4.6百万円 |
なお、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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