リファインバースグループ 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

リファインバースグループ 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東証グロース市場に上場し、廃棄物の再資源化や産業廃棄物処理を行う企業です。独自技術でカーペットタイル等を再生する素材ビジネスと、産廃収集・処理を行う資源ビジネスを展開しています。直近の業績は、売上高41億円(前期比5.7%増)、経常利益1.5億円(同23倍)と増収増益でした。


※本記事は、株式会社リファインバースグループの有価証券報告書(第4期、自 2024年7月1日 至 2025年6月30日、2025年9月30日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. リファインバースグループってどんな会社?


廃棄物を再資源化する独自技術を強みに、素材再生と産廃処理を展開する企業です。

(1) 会社概要


同社グループの起源は、1983年に設立された有限会社御美商(現・ジーエムエス)に遡ります。2003年に再生樹脂事業の本格化を目的にリファインバースを設立し、2016年に東証マザーズへ上場しました。2021年には持株会社体制へ移行して現社名となり、現在は東証グロース市場に上場しています。

連結従業員数は199名、単体では23名です。筆頭株主は資本業務提携先である三菱ケミカルで、第2位は創業社長の越智晶氏、第3位は主要取引先でもあるSUMINOEとなっています。

氏名 持株比率
三菱ケミカル 10.45%
越智 晶 9.75%
SUMINOE 7.36%

(2) 経営陣


同社の役員は男性11名、女性0名の計11名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は越智晶氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。

氏名 役職 主な経歴
越智 晶 代表取締役社長 ノエビア等を経て2003年にリファインバース設立。グループ各社の代表を経て2021年より現職。
瀧澤 陵 取締役 御美商(現ジーエムエス)入社後、同社社長やリファインバース取締役等を歴任。2024年より現職。
柗村 順也 取締役 2005年リファインバース入社。研究開発部長やリファインマテリアル社長等を経て、2025年より現職。
鈴木 諭也 取締役 大同特殊鋼、日本IBM、デロイトトーマツコンサルティングを経て2020年入社。2024年より現職。
玉城 吾郎 取締役 東レを経て2016年リファインバース入社。高機能樹脂事業部長等を経て、2024年より現職。


社外取締役は、鮫島卓(AGキャピタル会長)、小室陽一(SUMINOE出身)です。

2. 事業内容


同社グループは、「素材ビジネス」および「資源ビジネス」事業を展開しています。

(1) 素材ビジネス


使用済みカーペットタイルや廃漁網、エアバッグの端材等を独自技術で再資源化し、再生樹脂製品を製造・販売しています。主な製品には、カーペットタイルの原料となる「リファインパウダー」や再生ナイロン樹脂「REAMIDE(リアミド)」などがあります。

収益は、廃棄物の受け入れ時に処理受託料を受け取るほか、製造した再生樹脂をカーペットタイルメーカー等へ販売することで得ています。また、製鉄所向けの製鋼副資材の販売や、再資源化ノウハウのライセンス供与も行っています。運営は主にリファインバース、リファインマテリアルが行っています。

(2) 資源ビジネス


首都圏を中心に、建築系廃棄物などの産業廃棄物の収集運搬および中間処理を行っています。自社の中間処理工場で廃棄物を選別し、破砕・圧縮等の処理を行うほか、廃プラスチックの調達網構築も進めています。

収益は、建設現場やオフィス等から排出される廃棄物を収集・運搬し、中間処理を行うことで顧客から処理料等を受け取っています。運営は主にジーエムエス、コネクションが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


売上高は40億円前後で推移しています。2023年6月期には大きな赤字を計上しましたが、直近では黒字転換を果たし、利益率は回復傾向にあります。

項目 2023年6月期 2024年6月期 2025年6月期
売上高 45億円 39億円 41億円
経常利益 1.8億円 0.1億円 1.5億円
利益率(%) 4.0% 0.2% 3.7%
当期利益(親会社所有者帰属) -5.7億円 0.0億円 1.5億円

(2) 損益計算書


売上高は増加し、営業利益率は大幅に改善しました。販管費の抑制が進み、収益性が向上しています。

項目 2024年6月期 2025年6月期
売上高 39億円 41億円
売上総利益 12億円 13億円
売上総利益率(%) 31.5% 32.5%
営業利益 0.3億円 1.8億円
営業利益率(%) 0.8% 4.5%


販売費及び一般管理費のうち、給与手当が3.8億円(構成比34%)、運搬費が1.4億円(同12%)を占めています。

(3) セグメント収益


資源ビジネスが増収増益で業績を牽引しています。一方、素材ビジネスは減収減益となり、利益貢献度は資源ビジネスが圧倒的に高い状況です。

区分 売上(2024年6月期) 売上(2025年6月期) 利益(2024年6月期) 利益(2025年6月期) 利益率
素材ビジネス 13億円 12億円 1.2億円 0.5億円 4.0%
資源ビジネス 25億円 28億円 4.9億円 6.1億円 21.3%
連結(合計) 39億円 41億円 0.3億円 1.8億円 4.5%

(4) キャッシュ・フローと財務指標

リファインバースグループは、事業運営に必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。

営業活動によるキャッシュ・フローは、事業活動から生み出される資金の流れを示しています。投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資や資産の取得・売却などによる資金の動きを表しています。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入や返済、配当金の支払いなど、資金調達や返済に関する資金の流れを示しています。

項目 2024年6月期 2025年6月期
営業CF 1.8億円 4.6億円
投資CF -1.4億円 -1.3億円
財務CF -4.0億円 -1.5億円

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社は、「素材再生企業として新しい産業を創出し、社会の持続的発展に寄与することを目指す」という企業理念を掲げています。これまで廃棄されていた生産物を再生させること(REFINE)で、従来とは逆の流れ(INVERSE)の事業を創造することを方針としています。

(2) 企業文化


同社グループは、「社会の課題をREFINEすることで価値を生み出す」、「新しい資源の創出による社会貢献」、「自発・自立・自責」をコアバリューとして定義しています。環境問題などの社会的課題をビジネスの力によって解決することで持続可能にするという信念を持っています。

(3) 経営計画・目標


具体的な数値目標(KPI)としての経営計画は開示されていませんが、廃棄物リサイクル先進企業として業界をリードすべく、素材ビジネスにおける原材料の安定的確保や販売数量の拡大、コスト競争力の強化などを優先的に対処すべき課題として掲げています。

(4) 成長戦略と重点施策


素材ビジネスでは、使用済みカーペットタイルの調達強化や、再生ナイロン樹脂等の販売拡大に加え、ケミカルリサイクル向け廃プラスチックの再資源化事業を進めます。資源ビジネスでは、処理能力の拡大や人材確保に努めます。グループ全体として、資源循環において新たな付加価値を創造するサーキュラープラットフォームの形成を目指します。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


従業員一人一人が経営者視点を持ち、自ら新たなビジネス創出に挑戦できる人材への成長を目指しています。そのために、外部教育機関による教育やコンプライアンス教育を実施しています。また、多様な人材の採用を進めるとともに、行動目標に基づいた公正な評価制度やメンタルヘルスケアにより、働きやすい環境整備に取り組んでいます。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均を大きく上回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年6月期 38.7歳 5.3年 7,222,000円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 40.0%
男性育児休業取得率 100.0%
男女賃金差異(全労働者) 71.7%
男女賃金差異(正規雇用) 71.7%
男女賃金差異(非正規雇用) -


※男女賃金差異(非正規雇用)は、パート・有期労働者がいないため記載がありません。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) オフィス需要による変動


素材ビジネスの原料となる使用済みカーペットタイルの排出量は、企業のオフィス移転や改装の影響を受けます。また、再生樹脂製品の販売もオフィス需給動向に依存します。リファインパウダーの需要増に対し、原料調達量が不足した場合、経営成績に影響が及ぶ可能性があります。

(2) 原材料の調達と最終処分費用の動向


中間処理委託費用が最終処分委託費用より割安であることが原料回収の競争力となっています。しかし、最終処分場の新設等により処分コスト構造が変化し、同社グループへの委託メリットが薄れた場合、使用済みカーペットタイルの回収量が減少し、業績に影響する可能性があります。

(3) 特定の取引先への依存


素材ビジネスの売上高の過半は、株主でもあるSUMINOE等のインテリアメーカー向け供給が占めています。各取引先とは長期納入契約を締結していないため、カーペットタイル市場の需要変動や取引先の動向により、同社グループの経営成績および財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。