DNホールディングス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年6月期)

DNホールディングス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年6月期)

DNホールディングスは、大日本ダイヤコンサルタント、エーシーイー試錐工業などを傘下に持つ持株会社です。社会資本整備に関するコンサルタント事業と地質調査事業を展開し、連結従業員数は1,447名です。直近期は増収増益となり、過去5年間も業績は増加傾向にあります。


目次

※本記事は、DNホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


DNホールディングスは持株会社であり、グループ連結従業員数は1,447名です。

同社グループは、土木、建築、測量、地質、土質に関する調査、企画、立案、設計、工事監理、およびこれらに関するコンサルティング業務を主な事業内容としています。連結子会社5社を中心に、社会資本整備に関するコンサルタント事業と地質調査事業を展開しています。

主な国内グループ会社は、社会資本整備に関するコンサルタント業務のうち、調査・計画・設計・工事監理など、大日本ダイヤコンサルタント、エーシーイー試錐工業などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


DNホールディングスグループは、建設コンサルタントとして大地と空間、人と社会の可能性を引き出すことを目指しています。持株会社としてグループ全体のサステナビリティ経営を推進し、人的資本を重視した多様な働き方を支援する方針です。社員一人ひとりがプロフェッショナルとして能力を発揮できる企業風土づくりに取り組んでいます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は持株会社であり、専属の従業員がいないため、単体の平均年間給与、平均勤続年数、平均年齢のデータは開示されていません。同社グループでは、社員を最大の財産と捉え、多様性を尊重し、個々の能力を発揮できる環境づくりに注力しています。

なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。

項目 数値
連結従業員数 1,447人


同社グループでは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を併用しています。これらの制度は国内グループ会社を対象としています。

退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。退職給付債務は58.2億円、年金資産は101.8億円となっています。当連結会計年度の確定拠出制度への要拠出額は1.2億円です。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは「人」を最大の財産と考え、社員がプロフェッショナルな人財となれるよう、多様性を尊重し、個性と能力を発揮できる企業風土づくりに取り組んでいます。持続的成長と長期的な企業価値向上を実現するため、企業理念を共有し、企業行動憲章に則った事業活動を推進しています。

具体的には、新入社員を対象としたOFFJT研修やOJT研修、3年目研修や5年目研修など階層別の研修を実施しています。また、部門によっては技術者専門研修も行われています。資格取得支援にも力を入れており、技術士の資格取得に向けて豊富な受験対策資料や対策講座を用意し、資格取得に応じて技術資格手当を支給する等、多様な支援を行っています。

女性活躍推進においては、「女性活躍推進法」に基づき一般事業主行動計画を策定し、女性社員が活躍し続けられる環境の整備を推進しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは、専属の従業員がいないため開示されていません。

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
全労働者の賃金の差異の要因としては、女性の方がパート・有期労働者の人数が多いことから生じております。

▼ 大日本ダイヤコンサルタント

指標 数値
採用した労働者に占める女性労働者の割合 42.6%
有給休暇取得率 81.6%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 62.9%
労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) 71.8%
労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) 65.0%

多様性・登用


中核会社である大日本ダイヤコンサルタント株式会社における経営指標及び目標を記載しています。

指標 数値
採用者に占める女性比率 42.6%

育児・介護支援


中核会社である大日本ダイヤコンサルタント株式会社における経営指標及び目標を記載しています。

指標 数値
男性の育児休業取得率 78.9%

人材育成・エンゲージメント


中核会社である大日本ダイヤコンサルタント株式会社における経営指標及び目標を記載しています。

指標 数値
有給休暇取得率 81.6%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


DNホールディングスは、持株会社としてグループ全体の経営戦略を統括しています。同社グループは、土木、建築、測量、地質、土質に関する調査、企画、立案、設計、工事監理、およびこれらに関するコンサルティング業務を主な事業内容としています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、総合建設コンサルタント事業を単一セグメントとして展開しています。主な事業内容は、社会インフラの整備や維持管理に関わる専門的なコンサルティングサービスを提供することです。具体的には、国土強靱化や防災・減災、老朽化した社会資本の維持・改修、激甚化する自然災害への対応など、多岐にわたる課題に対応しています。

収益は、中央省庁、地方自治体、高速道路会社、電力関連会社といった公共性の高い顧客との契約から主に得ています。特に国土交通省は同社グループにとって主要な顧客の一つとなっています。海外からの収益も存在しますが、その割合は国内に比べて小さい傾向にあります。

同社グループは、中期経営計画2026において、サステナビリティ社会の実現に向けた対応やDXの推進、マーケットリーダーの地位強化、多様な働き方の実現、グループガバナンス体制の強化を基本目標に掲げています。今後は、原子力発電所や核燃料サイクル関連施設の地質・地盤調査、自衛隊施設の耐震化・老朽化対策、脱炭素社会に向けたエネルギー関連事業、インフラマネジメント事業などを成長分野と位置付け、事業領域の拡大を目指しています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、過去5年間で売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに増加傾向を示しています。特に当連結会計年度においては、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前連結会計年度に比べて増加となりました。

項目 2021年6月期 2022年6月期 2023年6月期 2024年6月期 2025年6月期
売上高 - 321億円 326億円 341億円 370億円
経常利益 - 22.0億円 23.5億円 19.9億円 27.1億円
経常利益率 - 6.9% 7.2% 5.8% 7.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 - 15.1億円 17.6億円 15.6億円 19.2億円
1株当たり当期純利益(円) - 188.44 218.71 192.81 236.28

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期に比べて増加しており、生産性の向上が見られます。これらの指標の改善は、同社グループの収益体質の強化や組織効率化の進展を示していると考えられます。

指標 2024年6月期 2025年6月期
従業員1人あたり売上高(連結) 23.5百万円 25.6百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.3百万円 1.9百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、事業活動を通じて安定的に資金を生み出し、将来に向けた投資も行っていることを示しています。これにより、経営の安定性が確保されている状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と安定した収益性を示しています。自己資本比率はプライム市場の平均と比較しても高い水準にあり、財務の健全性がうかがえます。

また、ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回っており、効率的な経営が行われていることを示しています。手元資金も増加傾向にあり、事業運営の安定性を支える要素となっています。

これらの財務状況は、従業員の雇用や給与の安定性にもつながる基盤となります。

指標 2024年6月期(前期) 2025年6月期(当期)
純資産 135億円 155億円
自己資本比率 55.9% 60.6%
ROE(自己資本利益率) 12.3% 13.3%
現金及び預金 21.2億円 29.0億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、前期のマイナスから一転してプラスに転換しました。これは主に税金等調整前当期純利益の増加や減価償却費、仕入債務・契約負債の増加、売上債権・契約資産の減少、法人税等の支払いによるものです。

投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産や無形固定資産、投資有価証券の取得による支出があり、マイナスとなっています。これは将来に向けた事業基盤の強化や設備投資を行っていることを示しています。

財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の減少や長期借入金の返済、配当金の支払いによりマイナスとなりました。

これらの結果、フリーキャッシュフローはプラスとなり、本業で得た資金が投資を上回り、手元に資金が残る優良な状態を示しています。この安定した資金の流れは、同社グループの持続的な成長と、従業員の雇用や給与の安定性につながる要素であると言えます。

項目 2024年6月期(前期) 2025年6月期(当期)
営業CF △19.2億円 30.3億円
投資CF △1.3億円 △5.1億円
財務CF △1.1億円 △17.4億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △20.4億円 25.2億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、受注のほとんどを国や地方自治体等の官公庁に依存しており、電力関連会社等のエネルギー関連の受注も主力としています。政権交代や政策転換、公共事業予算の組替えや削減、価格競争の激化などにより、受注高や利益が減少する可能性があります。

また、エネルギー関連業務における政策転換も業績に影響を与えるリスクとして認識されています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、優秀で高度な専門性を有する技術者によって支えられており、今後も高い競争力を維持するためには継続的な人材の確保・育成が重要な課題です。少子高齢化による人材獲得競争の激化により、計画通りの人材確保や後継者育成が困難になった場合、生産性の低下を通じて業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


DNホールディングスは、「大地と空間、人と社会の可能性を引き出し、未来を拓く」という企業理念のもと、社会になくてはならない企業グループを目指しています。誠実に学び、社会に貢献することを価値観として、持続的な成長と社会貢献を追求する企業風土が特徴です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「大地と空間、人と社会の可能性を引き出し、未来を拓く」を企業理念としています。この理念に基づき、「誠実に、現場、人、失敗から学び、社会に貢献する」という価値観を共有しています。

そして、「信頼のもと、社会になくてはならない企業グループに」なることをビジョンとして掲げています。これらの価値観とビジョンの実現をグループとしての基本目標としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、「誠実に、現場、人、失敗から学び、社会に貢献する」という価値観を大切にしています。企業行動憲章に則った事業活動を推進し、健全で公正・透明な経営を目指す企業風土です。

サステナビリティ経営を推進し、SDGsや社会課題の解決に貢献することを重視しています。また、「人」を最大の財産と考え、社員がプロフェッショナルな人材となれるよう、多様性を尊重し、個性と能力を発揮できる企業風土づくりに取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、中期経営計画2026において、いくつかの重点テーマに取り組んでいます。サステナビリティ社会の実現に向けた対応とDXの推進を重要な課題としています。

具体的には、多様な働き方の実現と人材価値の最大化を目指し、旧大日本コンサルタントと旧ダイヤコンサルタントの融合やテレワークの強化を進めています。また、持続的成長を実現するためのグループガバナンス体制の強化として、女性取締役の登用や社員の情報リテラシー向上、サステナビリティに関する施策の立案・実施に取り組んでいます。マーケットリーダーの地位強化と新たなマーケットリーダーの創出も重点テーマの一つです。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


DNホールディングスは監査等委員会設置会社として、持続的な成長と企業価値向上を目指し、コーポレート・ガバナンスの強化と経営の透明性確保に取り組んでいます。取締役会は経営の基本方針を決定し、業務執行の監督機能を果たしています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


DNホールディングスの株主構成を見ると、社員持株会が筆頭株主となっており、従業員による安定的な株式保有が特徴です。また、社友持株会も上位株主として名を連ねており、同社グループを支える関係者の存在がうかがえます。

株主名 持株比率
DNホールディングス社員持株会 10.03%
光通信 7.11%
DNホールディングス社友持株会 5.39%
北陸銀行 3.99%
UH Partners 2 3.61%


なお、DNホールディングス社員持株会は当事業年度中に一時的に主要株主ではなくなりましたが、継続的な定時買付により再度筆頭株主に該当することとなりました。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長執行役員は新井伸博氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
新井 伸博 代表取締役 1980年4月大日本コンサルタント株式会社(現大日本ダイヤコンサルタント株式会社)入社。同社で構造事業部事業部長、執行役員、取締役などを歴任。2016年9月同社代表取締役社長執行役員に就任。2021年7月よりDNホールディングス代表取締役社長執行役員より現職。
野口 泰彦 代表取締役 1978年4月通商産業省入省。日本アルミニウム協会専務理事、三菱マテリアル株式会社執行役員などを経て、2016年4月株式会社ダイヤコンサルタント(現大日本ダイヤコンサルタント株式会社)代表取締役社長に就任。2021年7月よりDNホールディングス代表取締役副社長執行役員より現職。
原田 政彦 取締役 1985年4月大日本コンサルタント株式会社(現大日本ダイヤコンサルタント株式会社)入社。同社で大阪支社支社長、執行役員、取締役などを歴任。2023年7月大日本ダイヤコンサルタント株式会社代表取締役社長に就任。2024年9月よりDNホールディングス取締役副社長執行役員より現職。


社外取締役は、林田和久氏(林田和久公認会計士事務所所長・監査等委員)、井上毅氏(元株式会社日本経済研究所代表取締役社長・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、経営の透明性と監督機能の強化を図っています。社外取締役2名が独立役員として指定されており、客観的な視点から経営の監視に貢献しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


DNホールディングスの役員報酬は、役割と責任の大きさに応じた体系を基本方針としています。監査等委員と社外取締役を除く取締役には、固定報酬である基本報酬に加え、単年度の業績に連動する年次インセンティブ報酬、そして中長期的な貢献に報いる中長期インセンティブ報酬が支給されます。業績目標達成率100%の場合、基本報酬、年次インセンティブ報酬、中長期インセンティブ報酬の比率は概ね75:15:10となるよう設計されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 4名 1.3億円 32.0百万円
監査等委員(社外除く) 1名 28百万円 28.3百万円
社外役員 2名 13百万円 6.4百万円


なお、業績連動報酬及び非業績連動報酬は、譲渡制限付株式報酬制度に基づく当事業年度における費用計上額が記載されています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。