メイホーホールディングス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

メイホーホールディングス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東証グロース・名証ネクスト上場で、建設関連サービス、人材関連サービス、建設、介護の4事業を展開。第9期は積極的なM&A効果等により売上高130億円(前期比25.7%増)、営業利益4.7億円(同221.9%増)と大幅な増収増益を達成し、当期純利益も黒字転換を果たしました。


※本記事は、株式会社メイホーホールディングス の有価証券報告書(第9期、自 2024年7月1日 至 2025年6月30日、2025年9月24日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. メイホーホールディングスってどんな会社?


建設関連サービス、人材、建設、介護の4事業を展開し、地域中小企業の成長を支援する持株会社です。

(1) 会社概要


1981年に有限会社メイホーエンジニアリングとして設立され、土木測量設計業務等を開始しました。2017年に株式移転によりメイホーホールディングスを設立し、持株会社制へ移行。2021年に東京証券取引所マザーズ(現グロース)および名古屋証券取引所セントレックス(現ネクスト)へ上場を果たしました。その後もM&Aを積極的に推進し、事業領域とグループネットワークを拡大しています。

連結従業員数は575名、単体従業員数は37名です。筆頭株主は代表取締役社長の尾松豪紀氏で、第2位は取締役の河合清明氏、第3位は個人の山本恭司氏です。創業家および経営陣が主要株主となっています。

氏名 持株比率
尾松 豪紀 49.44%
河合 清明 9.96%
山本 恭司 4.21%

(2) 経営陣


同社の役員は男性8名、女性0名の計8名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は尾松豪紀氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。

氏名 役職 主な経歴
尾松 豪紀 代表取締役社長 1986年日立造船入社。1992年メイホーエンジニアリング入社、2001年同社社長。2017年より現職。
野島 透 取締役専務執行役員 1985年大蔵省入省。財務省九州財務局長等を経て2022年同社取締役専務執行役員。2024年より現職。
河合 清明 取締役 1981年メイホーエンジニアリング入社。同社社長等を経て2024年同社取締役常務執行役員。


社外取締役は、野々村元次(元名古屋国税局課税第二部長・税理士)、古川國久(シップヘルスケアホールディングス代表取締役会長)です。

2. 事業内容


同社グループは、「建設関連サービス事業」「人材関連サービス事業」「建設事業」「介護事業」の4つの報告セグメントを展開しています。

(1) 建設関連サービス事業


国や地方公共団体を主な顧客とし、公共工事における調査、設計、測量、補償コンサルタント、施工管理などの発注者支援業務を提供しています。
収益は、公共工事に関連するコンサルタント業務の対価として顧客から受け取ります。運営は、メイホーエンジニアリング、オースギ、エイコー技術コンサルタントなどが担っています。

(2) 人材関連サービス事業


事務スタッフ、技術者、製造スタッフの派遣や、警備事業、海外アウトソーシング事業を展開しています。主な顧客は各種サービス事業者、大手ゼネコン、製造業者などです。
収益は、人材派遣料や業務受託料として顧客から受け取ります。運営は、メイホーアティーボ、スタッフアドバンス、レゾナゲートなどが行っています。

(3) 建設事業


総合建設業として、鉄道関連工事、道路・河川工事、法面工事、緑化工事などを手掛けています。主な顧客は地下鉄事業者、国、地方公共団体などです。
収益は、工事請負代金として顧客から受け取ります。運営は、東組、愛木、有坂建設、三川土建、今田建設などが行っています。

(4) 介護事業


通所介護(デイサービス)、居宅介護支援、住宅型有料老人ホームの運営を行っています。岐阜県や愛知県を中心に地域密着型でサービスを提供しています。
収益は、介護保険法に基づく介護報酬や利用者からの自己負担金として受け取ります。運営は、アルトが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移

項目 2021年6月期 2022年6月期 2023年6月期 2024年6月期 2025年6月期
売上高 53億円 61億円 74億円 103億円 130億円
経常利益 4.0億円 4.0億円 5.0億円 0.9億円 4.4億円
利益率(%) 7.6% 6.5% 6.7% 0.9% 3.4%
当期利益(親会社所有者帰属) 0.3億円 0.4億円 0.3億円 0.8億円 2.2億円


売上高はM&Aの推進により5期連続で増加しており、特に直近の2025年6月期は前期比約26億円の増収となりました。利益面では2024年6月期に一時的に落ち込みましたが、2025年6月期には回復傾向にあり、経常利益は4.4億円となっています。

(2) 損益計算書


売上高の大幅な増加に伴い、売上総利益も順調に拡大しています。2025年6月期は増収効果により営業利益率が改善し、営業利益は前期比で大幅に増加しました。

項目 2024年6月期 2025年6月期
売上高 103億円 130億円
売上総利益 27億円 32億円
売上総利益率(%) 25.7% 24.4%
営業利益 1.5億円 4.7億円
営業利益率(%) 1.4% 3.6%


販売費及び一般管理費のうち、給料及び手当が8.0億円(構成比30%)、のれん償却額が3.6億円(同13%)を占めています。人員増やM&Aによるのれん償却費が主なコスト要因となっています。

(3) セグメント収益


全セグメントで増収となりました。特に人材関連サービス事業と建設事業はM&A効果により大幅な増収増益を達成しています。建設関連サービス事業も堅調に推移しました。

区分 売上(2024年6月期) 売上(2025年6月期) 利益(2024年6月期) 利益(2025年6月期) 利益率
建設関連サービス事業 39億円 42億円 5億円 6億円 13.6%
人材関連サービス事業 24億円 35億円 1億円 2億円 5.9%
建設事業 32億円 45億円 -0.5億円 2億円 5.1%
介護事業 8億円 9億円 1億円 1億円 11.3%
連結(合計) 103億円 130億円 1億円 5億円 3.6%

(4) キャッシュ・フローと財務指標

メイホーホールディングスは、営業活動によるキャッシュ・フローが大幅に増加し、事業活動から潤沢な資金を生み出しています。投資活動では、将来の成長に向けた設備投資が行われました。財務活動では、借入金の返済と新たな借入れが行われ、資金調達のバランスが取られています。

項目 2024年6月期 2025年6月期
営業CF 7億円 11億円
投資CF -17億円 -2億円
財務CF 13億円 -15億円

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社グループは、「増収増益企業を共創するネットワークの拡大を通じて 一人ひとりがしあわせを実感できる社会を創造する」をミッションとして掲げています。この理念のもと、地域に根差した中小企業の成長支援を行う「企業支援プラットフォーム」を構築・拡大させています。

(2) 企業文化


同社は6つのバリュー(行動指針)を掲げています。「意志(絶対こうなると強く思う)」「逆算(ゴールから逆算して目標にする)」「勇気(変わる勇気を持つ)」「努力(一番を目指す)」「価格(売上最大・経費最小)」「尊重(互いを尊重し信頼しあう)」を重視する文化があります。

(3) 経営計画・目標


同社はビジョンとして「100社、1000億、1万人」を掲げ、中小企業100社のネットワーク、グループ売上高1000億円、グループ営業利益100億円、社員数1万人を目指しています。中期的な管理指標として、売上高およびEBITDAを重視しています。

* グループ売上高:1000億円
* グループ営業利益:100億円
* 社員数:1万人

(4) 成長戦略と重点施策


「従業員承継型M&A」による非連続的な成長と、「企業支援プラットフォーム」を通じたグループ企業のオーガニック成長の両輪で拡大を目指しています。M&A候補企業の開拓や資金調達先の拡大、グループ内資金の有効活用などを重点課題として取り組んでいます。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


人材を重要な経営資本と位置付け、国籍・性別・年齢等を問わない多様な人材の確保と、メイホーフィロソフィの実践による人材育成を行っています。警備事業での高齢者雇用や介護事業での女性活躍推進など、事業特性に合わせたダイバーシティを推進し、次世代の経営リーダー輩出を目指しています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均をやや上回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年6月期 43.3歳 4.3年 6,516,372円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 77.7%
男性育児休業取得率 -
男女賃金差異(全労働者) -
男女賃金差異(正規雇用) -
男女賃金差異(非正規雇用) -


※女性管理職比率は連結子会社の実績です。男性育児休業取得率および男女賃金差異については、公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 公共事業への依存


建設関連サービス事業および建設事業は、国や地方公共団体からの受注割合が高く、公共投資予算の動向に業績が左右されます。予算削減や発注抑制があった場合、グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

(2) 人材確保と人件費


人材関連サービス事業や介護事業では、必要な人材や有資格者の確保が重要です。労働市場の需給逼迫による採用難や、最低賃金引き上げ等による人件費の高騰が進み、価格転嫁が十分にできない場合、利益を圧迫する可能性があります。

(3) 買収に伴うリスク


同社は積極的なM&Aによる成長戦略をとっていますが、買収後に偶発債務が判明した場合や、PMI(統合プロセス)が想定通り進まずシナジーが得られない場合、のれんの減損損失が発生するなどして業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。