※本記事は、株式会社ジィ・シィ企画 の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ジィ・シィ企画は、電子マネーの普及に対応するシステム開発を行い、キャッシュレス決済サービス事業を展開しています。カード会社加盟店や企業へのシステム導入、クラウドによる決済ASPサービスを提供し、24時間体制の保守・運用サポートも行っています。
単体従業員数は117名です。事業セグメントはペイメントインテグレーション事業、ペイメントサービス事業の2つです。
ジィ・シィ企画は、中堅から大手の流通事業者を顧客とし、カード会社加盟店とカード会社を接続するキャッシュレス決済サービスを提供しています。
ジィ・シィ企画は、2024年8月にNUCADOCO事業を廃止し、「その他事業」セグメントを廃止しました。これにより、当事業年度より「ペイメントインテグレーション事業」と「ペイメントサービス事業」の2セグメント体制に変更しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ジィ・シィ企画は、人材を重要な経営資源と位置づけ、育成と働きやすい環境整備に力を入れています。多様な人材が活躍できるよう、柔軟な働き方を推進する方針が示されています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が8.4年、平均年齢が42.3歳となっており、一定の定着傾向が見られます。従業員の年齢構成は比較的バランスが取れていると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,335,000円 |
| 平均勤続年数 | 8.4年 |
| 平均年齢 | 42.3歳 |
| 単体従業員数 | 117人 |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ジィ・シィ企画は、持続的な成長と企業価値向上のために人材を最も重要な経営資源と捉えています。人材の育成と社内環境整備に積極的に取り組む方針です。
人材育成においては、全社研修の実施に加え、自律的なキャリア構築を支援する教育制度を通じて自己研鑽を促進しています。社内環境の整備では、多様な属性、才能、経験を持つ人材を積極的に採用しています。性別や年齢に関わらず活躍できるよう、時短勤務、在宅勤務、育児休業取得を促進し、多様な人材がやりがいを持って働ける組織構築を推進しています。福利厚生として、従業員の資産形成を支援する従業員持株会制度を導入しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 25.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 58.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 80.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 35.5% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ジィ・シィ企画は、キャッシュレス決済サービスを提供し、多様化するカード取引に対応するシステム開発と導入、運用サポートを行っています。顧客満足度を高め、社会にとってなくてはならない会社となることを経営理念としています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、現金決済からカードや電子マネーでの決済が主流となる時代において、創業時よりキャッシュレス決済の仕組みを提供しています。中堅から大手の流通事業者を主な顧客とし、複数のレジで発生するクレジットカードや電子マネー等の決済処理、与信処理、取消・返品対応、精算業務などをサポートしています。カード会社加盟店とカード会社を接続し、決済処理や精算データ生成などのプロセシングの一部を担うことがビジネスモデルの概要です。
具体的なサービスとしては、顧客自身がシステムを管理するオンプレミス型と、同社がシステムをクラウドとして提供する決済ASPサービスがあります。いずれのサービスにおいても、開発から導入、保守、運用までをワンストップで提供し、24時間365日のヘルプデスク体制を整えています。また、株式会社トランザクション・メディア・ネットワークスとの資本業務提携により、決済事業領域での提案力強化と事業拡大に取り組んでいます。
ペイメントインテグレーション事業
この事業では、プロセシング業務を顧客自身が運用する場合に必要な決済処理システムを提供しています。決済パッケージソフトウェア「CARD CREWシリーズ」をライセンス提供しており、顧客ニーズに合わせてオンプレミス型や決済ASPサービス型で提供し、カスタマイズも行っています。収益は、決済処理システムの提供や決済端末の販売から得ています。前期に比べて売上が減少しています。
ペイメントサービス事業
この事業は、プロセシングに必要なソフトウェア、通信専用回線、サーバー、保守・運用までを同社が用意し、クラウド型で提供するサービスです。初期費用を抑えて永く利用できるため、顧客にとっては導入しやすく、同社にとっては安定的なストック収益となっています。収益は、決済ASPサービスや保守運用サービスの提供から得ています。前期に比べて売上が増加しています。
同社は本邦以外の外部顧客への売上高はありません。特定の顧客への販売実績として、株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスと東神開発株式会社への販売実績が比較的高い割合を占めています。
| セグメント | 売上高(2024年6月期) | 売上高(2025年6月期) |
|---|---|---|
| 連結合計又は全社合計 | 17.4億円 | 18.4億円 |
| ペイメントサービス事業 | 9.7億円 | 11.2億円 |
| ペイメントインテグレーション事業 | 7.7億円 | 7.2億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
当事業年度の売上高は増加しました。一方で、営業利益、経常利益、当期純利益は損失を計上する結果となりました。営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなりましたが、これは主に税引前当期純損失の計上や売上債権、リース投資資産、契約負債の増減によるものです。棚卸資産の増減額はプラスに寄与しています。投資活動では、サーバー等機器類の購入や自社利用ソフトウエアの開発に支出がありました。財務活動では、長期借入れによる収入がありました。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
従業員1人あたりの売上高は、会社の収益創出力や組織の効率性を示す指標の一つです。この数値の推移は、事業規模の拡大や生産性向上の傾向を把握する上で参考となります。ジィ・シィ企画の従業員1人あたり売上高は、直近のデータでは明確な数値が示されていません。これは、事業の特性や開示状況によって、これらの指標が算出されない場合があるためです。入社を検討する際には、事業内容や市場環境、今後の成長戦略などを総合的に見ていくことが重要です。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社の財務基盤は、当期において純資産が減少し、自己資本比率も低下しています。手元資金は増加傾向にありますが、非製造業のプライム市場平均と比較すると自己資本比率は低い水準にあります。これらの状況は、今後の事業展開や外部環境の変化に対する耐性に影響を与える可能性があります。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 4.2億円 | 2.7億円 |
| 自己資本比率 | 23.5% | 13.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 17.5% | △54.2% |
| 現金及び預金 | 7.0億円 | 7.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社の当期のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローと投資活動によるキャッシュフローがいずれもマイナスとなっています。営業活動によるキャッシュフローのマイナスは、主に受託案件の大型化に伴う売上債権の増加や、決済端末のリース投資資産計上による債権回収の長期化が要因とされています。投資活動によるキャッシュフローは、サーバー等の機器購入や自社利用ソフトウェアの開発への支出が主な要因であり、将来に向けた投資が活発に行われている状況です。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入れによる収入が中心であり、事業拡大のための資金調達が進められています。このような資金の流れは、同社が成長投資フェーズにあることを示しており、今後の事業拡大や新たな取り組みが雇用や給与の安定性、そして会社の成長性につながる可能性があります。
| 項目 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 0.6億円 | △2.3億円 |
| 投資CF | △1.9億円 | △2.3億円 |
| 財務CF | 1.0億円 | 5.1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △1.3億円 | △4.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
顧客のIT投資に対する価格要求が厳しさを増しており、同業他社との価格競争に晒されています。この競争激化の傾向は当面続くものと見込まれており、同社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、大型プロジェクトが開発フェーズに移行した場合などに、一時的に売上全体に占める特定顧客への売上高依存割合が高まる場合があります。特定顧客の経営状況の変化やIT投資の方針の変更が、同社の業績に一時的に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社のビジネスを支える最大の資産は人材であり、各種サービスの品質向上や新規サービスの企画・開発には優秀な人材の採用・育成・モチベーションの向上が不可欠です。人材獲得競争の激化等により十分な人材採用が実現できなかった場合、または在職する人材の社外流出が生じた場合には、同社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ジィ・シィ企画は、キャッシュレス決済システムの開発とサービス提供を通じて、社会に貢献することを目指しています。顧客満足度を高め、社員一人ひとりが高いモラルを維持する企業文化を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「社会に貢献する企業として、高品質の商品とサービスの提供により、顧客満足度を高め、社員一人一人が高いモラルを維持し、社会にとってなくてはならない会社を目指します。」という理念を掲げています。この理念のもと、先進的で創造性溢れる技術に挑戦し、成長・発展する企業を目指しています。
多店舗展開を行う小売事業者を主なターゲット顧客とし、キャッシュレス決済に係るシステム開発と決済サービスの提供を中核事業としています。持続的な成長のため、導入が容易で低コストなクラウド型の決済ASPサービスの拡充に努めています。既存顧客に対しても、リプレース時に決済ASPサービスへ誘導することで、ストックビジネスであるペイメントサービス事業の売上伸長を図る戦略を進めています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、開業以来培ってきた技術力と開発力を強みとし、開発から保守までを内製するワンストップサービスを提供しています。高いセキュリティと信頼性を重視し、ISO/IEC 27001(ISMS)やPCI DSSといった国際規格の認証を取得・準拠しています。多様な決済端末やPOSシステムとの接続実績も豊富です。
人材を最も重要な経営資源と位置づけ、人材育成と社内環境整備に積極的に取り組んでいます。多様な属性、才能、経験を持つ人材を積極的に採用し、性別や年齢に関わらず活躍できる環境として、時短勤務、在宅勤務、育児休業取得を促進しています。従業員の資産形成を支援するため、従業員持株会制度も導入しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、キャッシュレス決済分野における存在価値を高めるため、複数の課題に取り組んでいます。優秀な人材の獲得と育成に注力し、積極的な採用活動や働きやすい環境整備、人材育成のための研修を行っています。
情報セキュリティの強化も重要な課題であり、国際標準規格の認証取得や情報セキュリティ管理体制の継続的な強化を図っています。内部管理体制の強化として、社内規程や業務マニュアルの運用、定期的な社内研修を通じてコンプライアンス体制を充実させています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ジィ・シィ企画の取締役会は、社外取締役を複数名含む構成となっており、透明性と健全性の確保に努めるガバナンス体制を構築しています。経営の意思決定と業務執行の適正性を確保するため、複数の委員会も設置されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ジィ・シィ企画の筆頭株主は事業会社であり、上位には複数の事業会社が名を連ねています。これは、同社が特定の事業パートナーとの連携によって支えられている資本構成を示しています。また、従業員持株会も上位株主として名を連ねており、従業員の会社への関与も見て取れます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| トランザクション・メディア・ネットワークス | 20.26% |
| コミューン | 16.33% |
| アイネット | 6.38% |
| 矢ヶ部 啓一 | 4.79% |
| ジィ・シィ企画従業員持株会 | 3.57% |
(注)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を四捨五入しております。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性10名・女性1名)で構成され、女性役員比率は9.0%です。代表取締役社長は髙木洋介氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 髙木 洋介 | 代表取締役社長 | 2000年4月同社入社、2012年7月同社執行役員営業部長、2016年4月同社取締役ソリューション営業部長、2024年9月同社代表取締役社長、2025年7月同社代表取締役社長兼ペイメントソリューション本部長より現職。 |
| 丸山 英幸 | 代表取締役副社長経営管理本部長 | 1999年9月ハッシュシステム設立 代表取締役社長、2003年4月同社入社、2016年4月同社執行役員ペイメントビジネス本部カスタマーサービス部長、2022年9月同社取締役経営管理本部長兼経営企画部長、2024年9月同社代表取締役副社長経営管理本部長兼パーパスブランディング部長より現職。 |
| 金子 哲司 | 取締役会長 | 1974年4月堀切バネ製作所(現:ホリキリ)入社、1995年9月ジィ・シィ企画設立 代表取締役社長、2016年4月同社代表取締役会長、2019年9月同社取締役会長より現職。 |
| 金澤 憲一 | 取締役ペイメントビジネス本部長 | 1992年4月都築ソフトウェア入社、2001年1月富士ソフト入社、2018年10月同社入社、2022年9月同社取締役インテグレーション本部長、2024年7月同社取締役ペイメントビジネス本部長より現職。 |
社外取締役は、西田光志氏(W&Bay consulting代表取締役)、日下部進氏(元QUADRAC代表取締役社長)、大高敦氏(トランザクション・メディア・ネットワークス代表取締役社長)です。社外監査役は、中村敏宏氏(元セイコープレシジョン代表取締役)、齋藤浩史氏(齋藤公認会計士事務所所長)、阿部通子氏(八雲法律事務所入所)です。
同社は監査役会設置会社であり、会社法に基づく機関として株主総会、取締役会、監査役会及び会計監査人を設置しています。経営の健全性及び透明性を高めるため、取締役7名中3名、監査役4名中3名の社外役員を登用しています。また、任意の指名・報酬委員会を設置し、コーポレート・ガバナンスの充実を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ジィ・シィ企画の役員報酬は、毎月固定額を支給する基本報酬と、事業年度の業績に連動した業績連動報酬によって構成されています。社外取締役は職務の性質上、基本報酬のみが支給されます。また、同社は企業価値の持続的な向上と株主との価値共有を目的として、譲渡制限付株式報酬制度の導入を検討しています。役員報酬の総額は1億1062万円で、対象となる役員は11名です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 81百万円 | 16.1百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 8百万円 | 7.7百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 22百万円 | 4.5百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。取締役の報酬等の総額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれておりません。また、当事業年度における厳しい事業実績に対する経営責任を明確にするため、2025年5月から2025年6月までの期間、役員報酬の減額を実施しました。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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