ジャパンクラフトホールディングス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年6月期)

ジャパンクラフトホールディングス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年6月期)

ジャパンクラフトホールディングスは、藤久、日本ヴォーグ社などを傘下に持つ純粋持株会社です。手芸用品販売から書籍出版、教室運営まで手芸文化の普及に貢献しています。売上高は減少傾向にあるものの、直近期の経常利益は黒字に転換しました。M&Aや経営体質強化を進めています。


目次

※本記事は、ジャパンクラフトホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


ジャパンクラフトホールディングスは純粋持株会社であり、グループ連結従業員数は247名です。

同社グループは、手芸に関連する小売店の展開、書籍の出版、および教室の運営を主な事業としています。子会社3社によって構成されており、手芸用品の販売から関連書籍の出版、ハンドメイド教室の運営まで、手芸文化の普及と発展に貢献しています。

主な国内グループ会社は、(連結子会社)藤久(小売事業)、(連結子会社)日本ヴォーグ社(出版・教育事業)などです。

ジャパンクラフトホールディングスは中期経営計画でM&A・アライアンス推進を掲げ、2024年7月1日にM&A資金調達のため新株予約権を発行しました。また、不採算店舗の閉鎖や基幹システム導入による経営体質強化も進めています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


ジャパンクラフトホールディングスは、「手づくり」を通して豊かな心を育み、幸せを紡ぐ企業グループを目指しています。同社グループは、多様な価値観を尊重し、従業員が働きがいを感じ、健康で安心して働ける職場環境の実現を重視しています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は持株会社であり、有価証券報告書では単体での平均年間給与、平均勤続年数、平均年齢に関する具体的な数値は開示されていません。同社グループでは、多様な人材が活躍できる環境整備に力を入れています。

なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。

項目 数値
連結従業員数 247人


同社グループでは、確定給付型と確定拠出型の両方の退職給付制度を採用しており、国内グループ会社を対象としています。退職一時金制度がありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「『手づくり』を通して豊かな心を育み幸せを紡ぐ企業グループへ」という企業理念のもと、多様な人材の採用と育成に積極的に取り組んでいます。性別、国籍、年齢、採用ルートを問わず、自ら考え主体的に行動できる人材の育成を目指しています。また、専門分野における適性を活かし、「好きなこと・得意なこと」を追求できる環境を整備し、専門知識やスキルの向上を促進しています。

ワークライフバランスと健康経営の推進も重要な方針です。従業員がいきいきと活躍できるよう、半日年次有給休暇に加え、時間単位の年次有給休暇制度を導入し、有給休暇の取得促進を図っています。さらに、出産・育児休業・介護休業など、各種支援制度の整備を進めています。

具体的には、連結子会社の藤久では、個々のライフスタイルに合わせた地域限定社員制度を導入し、職能に応じた管理職への昇格も可能としています。また、定期的なストレスチェックの実施や、安全衛生委員会を通じた健康維持・増進活動にも取り組んでいます。別の連結子会社である日本ヴォーグ社では、中途採用者や女性従業員の割合が高く、多様な人材の活躍を推進しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ 藤久

配偶者が出産した男性労働者が0名であったため、取得率は0.0%となっています。

指標 数値
女性管理職比率 17.0%
男性労働者の育児休業取得率 0.0%


▼ 日本ヴォーグ社

指標 数値
女性管理職比率 31.6%

ワークライフバランスと健康経営の推進


対象は連結子会社の藤久です。

指標 数値
ストレスチェック受検率 92.2%

人材の多様性確保と育成


対象は連結子会社の藤久および日本ヴォーグ社です。

指標 数値
障がい者雇用率(藤久) 3.7%
中途採用者の割合(日本ヴォーグ社) 77.9%
女性従業員の割合(日本ヴォーグ社) 68.8%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ジャパンクラフトホールディングスは、持株会社として傘下グループ会社の経営管理を行っています。同社グループは、主に手芸に関連する小売店の展開、書籍の出版、および教室の運営を通じて事業を展開しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、手芸用品の販売や手芸関連書籍の出版、ハンドメイドに関する教室運営を主な事業としています。国内の外部顧客への売上高が連結売上高の90%を超えており、事業は主に国内市場に集中しています。特定の顧客への売上集中は見られません。

小売事業

手芸専門店「クラフトハートトーカイ」を中心とした店舗やECモールサイトで、手芸用品や生活雑貨などを販売しています。収益は、これらの店舗およびECサイトでの商品販売から得ています。運営は、藤久が行っています。

出版・教育事業

手芸関連書籍の出版事業と、店舗やカルチャースクール、オンラインでのハンドメイドに関する教室事業を展開しています。収益は、書籍の販売と教室の受講料から得ています。運営は、日本ヴォーグ社とヴォーグ学園が行っています。

セグメント 売上高(2024年6月期) 売上高(2025年6月期)
小売事業 122億円 109億円
出版・教育事業 31.8億円 31.5億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、直近5年間で減少傾向にあります。一方で、経常利益は過去3期連続で損失を計上していましたが、当期は黒字に転換しました。親会社株主に帰属する当期純利益は引き続き損失となっていますが、その幅は大幅に縮小しています。営業活動によるキャッシュ・フローは、過去4期にわたり資金を使用する状況が続いています。

項目 2021年6月期 2022年6月期 2023年6月期 2024年6月期 2025年6月期
売上高 - 157億円 170億円 154億円 140億円
経常利益 - △21.5億円 △21.5億円 △16.7億円 5百万円
経常利益率 - △13.7% △12.6% △10.8% 0.0%
親会社株主に帰属する当期純利益 - △26.9億円 △32.8億円 △20.9億円 △2.6億円
1株当たり当期純利益(円) - △109.45 △107.72 △68.62 △6.91

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期からわずかに増加しています。これは、売上高が減少する中で従業員数が減少したことによるものです。

従業員1人あたり営業利益(連結)は、前期の損失から当期は黒字に転換し、大幅な改善を示しています。これは、収益構造の改善やコスト削減の取り組みが奏功し、組織全体の効率性が向上していることを示唆しています。

指標 2024年6月期 2025年6月期
従業員1人あたり売上高(連結) 55.6百万円 56.9百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) △5.8百万円 0.3百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況と資金の流れから、現在の経営状態と将来に向けた動向を読み解きます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率とROE、手元資金の状況から把握できます。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあります。一方、ROEはマイナスとなっており、プライム市場平均を下回っています。現金及び預金は増加傾向を示しており、手元資金は厚みを増しています。これらの財務状況は、同社グループの安定性や将来の成長性を示す指標となります。

指標 2024年6月期(前期) 2025年6月期(当期)
純資産 29.7億円 36.9億円
自己資本比率 26.3% 31.8%
ROE(自己資本利益率) △52.3% △7.8%
現金及び預金 19.1億円 23.0億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、事業活動、投資活動、財務活動における資金の流れを示しています。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローはマイナスとなりましたが、前期と比較してマイナス幅は縮小しています。これは主に仕入債務や未払金の減少、法人税等の支払額によるものです。

投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産や無形固定資産の取得による支出が増加し、マイナス幅が拡大しました。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入れによる収入や株式の発行による収入があったものの、長期借入金の返済による支出もあり、前期と比較してプラス幅は減少しています。

これらの結果、フリーキャッシュフローはマイナスとなっていますが、前期よりは改善傾向にあります。同社グループは、営業利益が黒字転換し、収益構造の改善に取り組んでいる段階です。しかし、営業活動による資金創出がまだマイナスであるため、今後の資金繰りの動向は、入社後の雇用や給与の安定性を検討する上で注視すべき点となります。

項目 2024年6月期(前期) 2025年6月期(当期)
営業CF △15.3億円 △5.0億円
投資CF △61百万円 △2.3億円
財務CF 14.2億円 11.3億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △15.9億円 △7.3億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループが属する手芸業界では、百円ショップとの競合激化が進んでいます。また、出版市場ではコロナ禍における巣ごもり需要が落ち着き、紙の書籍等の販売が減少傾向にあります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ジャパンクラフトホールディングスは、「手づくり」を通して豊かな心を育み、幸せを紡ぐことを経営理念とする持株会社です。お客様と地域社会に貢献する感動創造企業として、持続的な成長と企業価値向上を追求しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「『手づくり』を通して豊かな心を育み幸せを紡ぐ企業グループへ」を経営理念としています。長期ビジョン2030では、「『手づくり』を軸に新ビジネス領域を拡大し、お客さまと従業員の自己実現を叶えます」を掲げています。
日々の生活における「やすらぎ」や「ゆとり」につながる「ハンドメイド」の企画・販売を通じ、「手芸の喜びと感動」を実感してもらうことを目指しています。心豊かなくらしの実現を提案する感動創造企業として、お客様と地域社会に貢献できるよう努力を重ねています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、サステナビリティ基本方針として、手づくりの喜びと幸せをあらゆる世代のお客様に届け、手づくり文化を継承し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。多様な人材がお互いを尊重し、熱意と使命感を持って働くことを指針としています。
性別、国籍、年齢、採用ルート等を問わず積極的な採用及び登用に取り組み、女性活躍の促進を継続しています。自ら考え主体的に行動できる人材を育成し、専門分野における適性を活かし「好きなこと・得意なこと」を追求できる環境を整備しています。
全ての従業員が健康で安心して働ける職場環境の実現を掲げ、ワークライフバランスと健康経営の推進に取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、グループ経営理念のもと、最重要課題である黒字体質確立へ向けて取り組んできました。
今後の成長に向けては、長期ビジョン2030の実現に向け、経営体質強化を継続しています。具体的には、人材強化やDX推進を進めることで経営体質を強化し、継続的な事業価値の向上を目指しています。
また、サステナビリティに関する5つの重要課題を特定しており、これらを通じて持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ジャパンクラフトホールディングスは監査等委員会設置会社であり、取締役会は経営の基本方針の決定と業務執行の監督を担っています。また、任意の指名・報酬委員会を設置し、実効性のあるコーポレート・ガバナンス体制の確立を目指しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ジャパンクラフトホールディングスの筆頭株主は合同会社ルビィです。上位株主には特定の事業会社や個人が名を連ねており、同社グループの資本構成においてこれらの株主が一定の影響力を持つことがうかがえます。

株主名 持株比率
合同会社ルビィ 33.37%
GOTO 9.04%
後 藤 薫 徳 8.70%
瀨 戸 信 昭 3.36%
ジャパンクラフトホールディングス取引先持株会 3.03%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は5名(男性4名・女性1名)で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役社長は堀孝子氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。

氏名 役職 主な経歴
堀 孝子 代表取締役社長 1989年東京銀行入行後、レーサム、カーギルジャパン等を経て、ホテルニュー王子代表取締役社長、夢展望代表取締役社長を歴任。2024年6月より同社代表取締役社長。
後藤 邦仁 取締役 2012年セイコーエプソン入社。藤久で社長室長、取締役を歴任。2022年1月より同社取締役、2024年7月より藤久執行役員。


同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会による経営の監督機能の強化と迅速な意思決定を目指しています。また、任意の指名・報酬委員会を設置し、コーポレート・ガバナンス体制の実効性向上を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、社外取締役を除く取締役(監査等委員を除く)に対しては基本報酬と業績連動報酬で構成されています。業績連動報酬は単年度の経常利益目標の達成度合いに応じて決定されます。社外取締役(監査等委員を除く)の報酬は、その役割と独立性を考慮し基本報酬のみです。同社グループは、将来的に株式報酬等の非金銭報酬の導入も検討しています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 2名 21百万円 10.5百万円
監査等委員(社外除く) 1名 4百万円 4.0百万円
社外役員 2名 9百万円 4.5百万円


なお、業績連動報酬は単年度の経常利益目標の達成度合いに応じて決定されますが、前連結会計年度は経常損失であったため支給されていません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。