※本記事は、株式会社unerry の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社は「心地よい未来を、データとつくる。」をミッションに掲げ、実社会のデータを解析し、リアルとデジタルが融合した環境知能社会の実現を目指しています。生活者行動データプラットフォーム「Beacon Bank®」を運営し、AIによる生活者行動ビッグデータ解析を基盤としたサービスを提供しています。
単体従業員数は91名です。連結従業員数の記載はありません。セグメントはBeacon Bank事業の1つです。
unerryは、生活者行動データプラットフォーム「Beacon Bank®」を運営し、分析・可視化サービス、行動変容サービス、One to Oneサービスの3つのサービスを顧客に提供しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
unerryは、「心地よい未来を、データとつくる。」をミッションに掲げ、データとAIを活用した事業成長を推進しています。同社は人的資本を最重要テーマと位置づけ、組織拡大と生産性向上を両立させるための戦略的な取り組みを進めています。多様な人材が活躍できる環境を整備し、チャレンジを奨励する文化を醸成しながら、高い生産性と競争力のある報酬体系を目指していることが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、比較的若い年齢層の従業員が中心となっており、平均勤続年数から見ると、新しい人材が積極的に加わり、組織が成長している傾向がうかがえます。データ・AI活用を事業成長の中核と位置づけていることから、専門性を持った人材が活発に集まっている状況が推測されます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,457,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.3年 |
| 平均年齢 | 35.1歳 |
| 単体従業員数 | 91人 |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
unerryは、「心地よい未来を、データとつくる。」というミッションのもと、人的資本を経営戦略の最重要テーマと位置づけています。組織拡大と生産性向上を両立させ、収益性の高い企業基盤を構築することを目指し、戦略的な人材育成と報酬制度を推進しています。
具体的には、「全社人事データ基盤の整備」と「ミッションシートを用いた人事評価制度の刷新」を基盤とし、五つの重点テーマを掲げています。これには、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の浸透を通じた従業員エンゲージメントの向上、データ・AI活用を中核とする未来をつくる人材の継続的な確保・拡大が含まれます。
また、女性管理職比率30%以上、外国籍従業員比率10%以上を目標とするグローバル企業としてのダイバーシティ実現にも注力しています。従業員同士が互いの挑戦や貢献を感謝・称賛するUnipos(ユニポス)を導入し、チャレンジを褒め称えるチームワークを醸成しています。さらに、高い生産性と競争力のある報酬体系を目指し、成果と処遇を連動させる仕組みを整え、譲渡制限付株式(RS)の付与やミッションシートを活用した人事評価制度の刷新を進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 18.8% |
| 男女賃金差異(全体) | 64.3% |
| 男女賃金差異(正規) | 66.1% |
| 育児休業取得従業員比率(女性) | 100.0% |
| 育児休業等の後の復職率・定着率 | 100.0% |
ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の浸透
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| eNPS(職場に対する推奨度) | △30.7% |
未来をつくる人材の継続的な確保・拡大
データ専門職比率は、従業員数におけるデータ専門職(エンジニア、データアナリスト、データサイエンティスト、マーケティングアナリストなど)が占める比率です。データ専門職人材比率は、SQLなどを利用し、ビッグデータを分析・集計した実績のある従業員の比率です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| データ専門職比率 | 64.8% |
| データ専門職人材比率 | 78.0% |
グローバル企業としてのダイバーシティ実現
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 外国籍比率 | 7.7% |
チャレンジを褒め称えるチームワーク
チャレンジ賞賛指標は、Unipos株式会社提供するサービスUniposにおいて、チャレンジを賞賛された投稿を貰った従業員の比率です。チーム間助け合い指標は、Unipos株式会社提供するサービスUniposにおいて、チームを超えて投稿を貰った従業員の比率です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| チャレンジ賞賛指標 | 33.0% |
| チーム間助け合い指標 | 50.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
unerryは、実社会のデータを解析し、リアルとデジタルが融合した環境知能社会の実現を目指す生活者行動データプラットフォーム「Beacon Bank®」を運営しています。同社は、このプラットフォームを基盤として、様々な業界の顧客にサービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は「心地よい未来を、データとつくる。」をミッションに掲げ、生活者行動ビッグデータのAI解析を基盤とした単一セグメントであるBeacon Bank事業を展開しています。この事業は、分析・可視化サービス、行動変容サービス、One to Oneサービスの3つのサービスで構成されており、リテールDX、リテールメディア、スマートシティ、グローバルの4つの事業領域に対応する顧客に提供されています。
分析・可視化サービスは「ショッパーみえーる」などを通じて、小売事業者や商業施設運営事業者、消費財メーカー、自治体等にカスタマイズされた行動分析レポートを提供しています。このサービスはクラウド方式のSaaSとして年間契約で提供され、店舗数等に応じた月額課金で収益を得ています。
行動変容サービスである「Beacon Bank AD」は、生活者行動ビッグデータのAI解析により来店可能性が高い顧客群を発見し、SNSや動画等で情報を配信することで消費者の行動変容を促す広告サービスです。配信した広告の効果を店頭設置のビーコン等で計測できる点が特徴であり、デジタルチラシとしての配信料や、新規出店・特売セールなどのイベントに応じたスポット配信料が収益源となっています。
One to Oneサービスである「Beacon Bank 1to1」は、主に小売事業者や商業施設運営事業者向けに、オリジナルアプリの開発や統合マーケティング基盤(CDP)の構築を支援しています。同社が保有する生活者行動ビッグデータと顧客が保有するデータを統合・分析し、AIで意味付けすることで、個々の顧客に最適な情報提供を可能にします。このサービスでは、システム・アプリ等の構築対価に加え、構築後の運用・保守対価を受領しています。
同社の事業は、屋外・屋内の人流を把握できる生活者行動ビッグデータ、独自開発のAI群とデジタルマーケティングのノウハウ、そして事業提携とクロスセルによる成長サイクルが特徴です。分析・可視化サービスを起点に、より顧客単価の高い行動変容サービスやOne to Oneサービスをクロスセルすることで、リカーリング性の高い安定収益の積み上げを図るビジネスモデルとなっています。本邦の外部顧客への売上高が全体の90%を超えており、国内市場が主要な収益源です。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも前期から増加しています。特に経常利益と当期純利益は大幅な増加となりました。これは、生活者行動データを活用したマーケティング活動の顧客認知度が向上し、当該活動へのニーズと投資が増加したことによるものです。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社の財務状況を見ると、本業で安定的に資金を生み出し、将来に向けた投資も行いながら、手元資金を確保している状況がうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、純資産が増加傾向にあり、手元資金も確保されている状況です。これは、事業活動を通じて安定的に資金を創出し、財務の健全性を維持していることを示しています。このような財務状況は、同社で働く上での雇用や給与の安定性にもつながる要素となります。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 16.3億円 | 20.2億円 |
| 現金及び現金同等物 | 16.6億円 | 18.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローは、営業活動による資金がプラスであり、本業で着実に資金を生み出している状況です。これは、税引前当期純利益の計上や仕入債務の増加などによる資金の増加があったものの、売上債権及び契約資産の増加や法人税等の支払額による資金の減少があったことによるものです。投資活動では、投資有価証券の取得や無形固定資産の取得に資金を使用しており、将来に向けた事業基盤の強化や成長投資を行っていることがうかがえます。財務活動では、新株予約権の行使による自己株式の処分や株式の発行による収入があり、資金調達も行っています。これらの結果、フリーキャッシュフローはプラスとなっており、本業で得た資金が投資を上回っている状況です。この資金の流れは、同社の事業が安定的に成長し、雇用や給与の安定性にも寄与する可能性を示しています。
| 項目 | 2025年6月期(当期) |
|---|---|
| 営業CF | 2.3億円 |
| 投資CF | △0.6億円 |
| 財務CF | 3百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 1.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、位置情報を活用したマーケティング企業の増加により、競合との競争激化のリスクを認識しています。また、海外展開を進める中で、予期しない法規制の変更や政情不安等による事業への影響もリスクとして挙げています。
③ 人材・組織に関するリスク
事業の継続、発展、成長のためには、高い専門性を備えた人材の採用、育成、維持が重要な経営課題であると同社は認識しています。情報サービス産業における人材獲得競争や不足傾向が、同社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性を示しています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
unerryは、「心地よい未来を、データとつくる。」というミッションを掲げ、実社会のデータを解析し、リアルとデジタルが融合した「環境知能」を未来に実装することを目指しています。生活者行動ビッグデータを活用し、社会課題の解決を通じて企業価値向上と社会の持続的発展に貢献する会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
unerryは、「心地よい未来を、データとつくる。」というミッションを掲げています。実社会のデータを解析し、リアルとデジタルが融合した「環境知能」を未来に実装することを目指しています。これにより、さまざまな不便を解消し、地域や交通における社会課題を改善し、生活のUX(ユーザーエクスペリエンス)を心地よくしていくことを目指しています。
同社は「電気・ガス・水道・unerry」をスローガンに掲げ、「unerry, everywhere」の実現を目指しています。これは、どんな店舗や街に行っても、どんな情報に触れていても、同社の行動データが活用された環境知能が実装されている状態を指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
unerryは、サステナビリティに関する取り組みの中でも、人的資本を最重要テーマと位置づけています。経営戦略と一体となった人的資本戦略を推進し、組織拡大と生産性向上を同時に実現することを目指しています。
人的資本戦略の基盤として「全社人事データ基盤の整備」と「ミッションシートを用いた人事評価制度の刷新」を位置づけています。さらに、「ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の浸透」「未来をつくる人材の継続的な確保・拡大」「グローバル企業としてのダイバーシティ実現」「チャレンジを褒め称えるチームワーク」「高い生産性と競争力のある報酬体系」の5つのテーマを柱としています。
特に「チャレンジを褒め称えるチームワーク」を重視しており、従業員同士がお互いの良い行動を感謝・賞賛し、少額のインセンティブを添えて投稿するサービス「Unipos(ユニポス)」を導入しています。これにより、心理的安全性と挑戦を奨励する文化を両立させています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
unerryは、今後の事業拡大と継続的な成長に向けて、優秀な人材の確保と育成を不可欠な課題と認識しています。特に社員の半数以上を占めるデータ関連人材を競合優位性を支える中核的な人材と捉え、社内教育制度の充実やスキル向上に取り組んでいます。
また、内部管理体制の強化も重要な課題としています。コーポレート・ガバナンスの強化や、開発パイプラインの進捗管理、予実管理を行うための経営管理体制の強化を推進しています。さらに、外部からのサイバー攻撃や情報漏洩に備えるため、情報セキュリティの強化にも継続的に取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は、株主総会、取締役会、監査役会、会計監査人を法定機関として設置しています。機動的な業務執行のため執行役員制度を導入し、社長の諮問機関として経営会議を設けています。また、リスク管理委員会、コンプライアンス委員会、および任意の指名・報酬委員会を設置し、経営の透明性・健全性の確保に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主は代表取締役社長の内山英俊氏であり、その関連会社であるUC AIRも上位株主として名を連ねています。その他、三菱商事などの事業会社も主要な株主として同社を支える資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 内山 英俊 | 28.50% |
| UC AIR | 14.10% |
| 三菱商事 | 8.10% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 5.60% |
| 鈴木 茂二郎 | 4.40% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長執行役員CEOは内山英俊氏が務めています。社外取締役比率は20.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 内山 英俊 | 代表取締役社長執行役員CEO | 2000年7月プライスウォーターハウスクーパースコンサルタント㈱入社、2002年8月A.T.カーニー㈱入社、2005年9月㈱サイバード入社。2008年4月㈱ANALOG TWELVE共同創業。2015年8月同社設立、代表取締役社長より現職。 |
| 鈴木 茂二郎 | 取締役副社長執行役員COOセールス&オペレーション部長 | 1999年5月アンダーセンコンサルティング㈱入社、2003年11月㈱エヌリンクス入社。2006年6月同社取締役。2018年9月同社取締役、2022年9月同社副社長より現職。 |
| 斎藤 泰志 | 取締役執行役員CFOコーポレート部長 | 1995年4月㈱アプレック入社、2001年8月㈱ビジネスブレイン太田昭和入社。2003年7月ネクステック㈱入社。2009年4月同社代表取締役。2019年9月同社取締役執行役員CFOより現職。 |
| 内山 麻紀子 | 取締役執行役員CMOマーケティング・PR部長 | 2000年7月プライスウォーターハウスクーパースコンサルタント㈱入社、2006年2月㈱シンク入社。2009年6月㈱サニーサイドアップ入社。2016年8月同社入社。2019年9月同社取締役執行役員CMOより現職。 |
社外取締役は、八十川祐輔氏(ワイノット代表取締役社長・指名・報酬委員会委員長)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役5名(うち社外取締役1名)で構成される取締役会と、監査役3名(全員社外監査役)で構成される監査役会を設置しています。社外取締役は、経営コンサルティングや流通・小売事業に関する知見に基づき、取締役会に提言や助言を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役の報酬は、固定報酬(金銭報酬)と譲渡制限付株式報酬(非金銭報酬等)で構成されています。報酬額は株主総会で決議された限度額の範囲内で、指名・報酬委員会が決定し、取締役会で決議する仕組みです。指名・報酬委員会は過半数を独立社外役員で構成されており、報酬決定プロセスの透明性や公正性を確保しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 83百万円 | 20.7百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 18百万円 | 4.4百万円 |
報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の開示は行われていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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