※本記事は、アクシスコンサルティング株式会社 の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
アクシスコンサルティングは、ヒューマンキャピタル事業を単一セグメントとして展開しています。「人が活きる、人を活かす。~人的資本の最大化・最適化・再配置~」をミッションに掲げ、ハイエンド人材領域における人材紹介とスキルシェアサービスを提供しています。特にコンサルティングファームのマネージャー以上の採用支援に強みを持っています。
単体従業員数は138名です。同社はヒューマンキャピタル事業の単一セグメントで事業を展開しています。
アクシスコンサルティングは、人材紹介サービス「AXIS Agent」とスキルシェアサービス「AXIS Solutions」「AXIS Advisors」を自社で提供しています。
2024年7月1日付で、アクシスコンサルティングは完全子会社であったケンブリッジ・リサーチ研究所を吸収合併しました。これにより、当事業年度末時点では連結子会社を有しておらず、非連結決算に移行しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社は、人材関連サービスを主要事業とする企業です。従業員の平均年齢は比較的若く、キャリア形成を支援する環境が整っています。働き方については、個々の成長と企業目標への貢献を重視する方針が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社の従業員は平均年齢が35.4歳と比較的若く、平均勤続年数は2.5年となっています。これは、新しい人材が継続的に加わり、組織が成長している傾向を示しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 8,248,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.5年 |
| 平均年齢 | 35.4歳 |
| 単体従業員数 | 138人 |
同社は、確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を採用しています。この制度は同社の従業員に適用されます。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は「ハイエンド人材をあまねく活用できる世界の実現」をパーパスに掲げ、人材を事業成長のキーサクセスファクターと位置付けています。この目標達成のため、「エコシステムの循環による持続的拡張」「質の向上(人的・案件)」「新たな事業の柱づくり」を重視しています。
人材育成や社内環境整備には「自ら当社のファンになる」「社外にファンを獲得する」「顧客貢献力を向上する」「創造性と挑戦意欲を醸成する」「パフォーマンス発揮を促す環境を作る」という5つの人的投資コンセプトに基づき、積極的に投資しています。具体的には、個人のパーパスと会社のパーパスの融和を図る対話機会の設定や、オンボーディング研修の拡充、自己学習支援、独自の研修策定に取り組んでいます。
また、全社員がデジタル技術を活用し生産性高く働ける仕組みの構築、書籍購入補助、資格取得支援、社外カウンセラーを通じたキャリアオーナーシップ制度を推進しています。挑戦を促す仕組みとして「成果と対価」の考えに基づき、成果報酬制度や表彰制度を整備しています。柔軟な勤務形態としてスーパーフレックス制度やリモートワーク環境、副業/兼業制度、カフェテリアプラン、ベビーシッター割引制度、プレコンセプションケアなど、多様な働き方を支える環境整備にも注力しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
同社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示項目は記載を省略しています。
人的資本に関する指標
同社は、従業員の職場環境への満足度ややりがいを定量化するため、エンゲージメントサーベイを定期的に実施しています。このサーベイは株式会社アトラエが提供する「Wevox」により実施されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| エンゲージメントサーベイ(2025年5月) | 73ポイント |
| エンゲージメントサーベイ(2024年5月) | 74ポイント |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
アクシスコンサルティングは、「人が活きる、人を活かす。」をミッションに掲げ、人的資本の最大化・最適化・再配置を通じて社会に貢献することを目指しています。同社は、ハイエンド人材領域に特化した人材紹介とスキルシェアのサービスを展開し、企業と個人の双方に価値を提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
アクシスコンサルティングは、ヒューマンキャピタル事業の単一セグメントとして、人材紹介とスキルシェアのサービスを提供しています。同社は「あらゆる課題は、人で解決する。」というコーポレートステートメントのもと、正社員採用、フリーコンサル、スポットコンサルといった複合的なサービスを展開しています。これにより、企業や組織の課題解決と価値創造を支援し、働く個人には柔軟な働き方や自律的なキャリア形成の機会を提供しています。
人材紹介サービス「AXIS Agent」では、コンサルティングファームや事業会社向けに、特にマネージャー以上のコンサルタントの正社員採用を支援しています。同社は創業以来約20年の実績とノウハウを活かし、転職希望者のキャリアパスを長期的な視点でサポートしています。
スキルシェアサービスには、「AXIS Solutions」と「AXIS Advisors」があります。「AXIS Solutions」は、戦略やDX領域に実績のあるフリーコンサルタントが企業の課題解決プロジェクトを支援するサービスです。企業は機動的なプロジェクト推進が可能となり、フリーコンサルタントは継続的な案件受注や自由度の高い案件への参画が期待できます。
「AXIS Advisors」は、経営課題や事業課題について短期間で手軽にコンサルタントに相談できるデジタルプラットフォームです。現役コンサルタントやコンサルタント経験者とのマッチングを提供し、企業はスポット案件に活用できるほか、副業を志向するコンサルタントは自身の知見やスキルを活かすことができます。
同社のビジネスモデルは、人材と企業へのスキルの橋渡し役として、ハイエンド人材と企業の多様なニーズを満たし続けることに強みがあります。祖業であるコンサルティングファーム向け人材紹介を起点に、事業会社向け人材紹介やスキルシェアへとサービス領域を拡大してきました。特定の顧客への収益集中として、当事業年度においてはPwCコンサルティング合同会社とアビームコンサルティング株式会社への販売実績が一定の割合を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
アクシスコンサルティングの業績は、過去5期間において変動が見られます。2021年6月期から2024年6月期にかけて、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は一貫して増加傾向を示していました。これは、事業の着実な成長を反映しているものと考えられます。
しかし、直近の2025年6月期においては、売上高は前期と比較して増加したものの、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は減少となりました。この利益の減少は、主に人員増強に伴う人件費の増加が影響しています。一方で、子会社吸収合併による抱合せ株式消滅差益が特別利益として計上されています。
| 項目 | 2021年6月期 | 2022年6月期 | 2023年6月期 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 22.0億円 | 35.1億円 | 43.4億円 | 46.6億円 | - |
| 経常利益 | 3.1億円 | 4.9億円 | 6.4億円 | 8.3億円 | - |
| 経常利益率 | 13.9% | 14.0% | 14.8% | 17.8% | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2.4億円 | 3.2億円 | 4.2億円 | 5.0億円 | - |
| 1株当たり当期純利益(円) | 59.48 | 80.84 | 99.15 | 101.26 | - |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
アクシスコンサルティングの従業員1人あたりの収益性と生産性を見ると、前期と比較して変化が見られます。従業員1人あたり売上高は前期から減少しており、従業員1人あたり経常利益も減少しています。これは、当事業年度における人員増強に伴う人件費の増加が影響していると考えられます。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 39.9百万円 | 38.2百万円 |
| 従業員1人あたり経常利益(連結) | 7.1百万円 | 1.6百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社の経営の安定性は、財務基盤の健全性と資金の流れから読み取ることができます。特に、事業活動による資金の動きや投資への配分は、今後の成長性や雇用環境を考える上で重要な要素となります。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本比率がプライム市場平均と比較して高い水準にあります。これは、財務の安定性を示す指標の一つです。
ROE(自己資本利益率)は、前期において高い水準を示しています。手元資金については、当期末にまとまった金額を確保している状況です。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 77.0% | 73.6% |
| ROE(自己資本利益率) | 17.3% | - |
| 現金及び預金等 | - | 2,999百万円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローは、当期において営業活動による資金が減少しています。これは、税引前当期純利益の計上がある一方で、法人税等の支払額が生じたことなどが要因です。
投資活動による資金も減少しており、有形及び無形固定資産の取得による支出や投資有価証券の取得による支出が主な要因となっています。財務活動による資金は増加しており、長期借入れによる収入が主な要因です。当期はフリーキャッシュフローがマイナスとなっており、本業で生み出す資金が投資を賄いきれていない状況を示しています。
| 項目 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 4.5億円 | △1.8億円 |
| 投資CF | △2.5億円 | △1.4億円 |
| 財務CF | △0.8億円 | 3.0億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 2.0億円 | △3.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、特定の取引先への依存に関するリスクを認識しています。最上位の取引先であるPwCコンサルティング合同会社への販売実績が、総販売実績の25.2%を占めています。
また、国内における少子高齢化による労働人口の減少や労働市場の変化によって、登録者の確保が困難になるリスクも認識しています。これにより、成約数の減少が業績に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、事業拡大のために優秀な人材の確保及び育成が重要な課題であると認識しています。求める人材を適切な時期に確保・育成できなかった場合や、既存の人材が社外流出等により業務に就くことが困難になった場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
アクシスコンサルティングは、「人が活きる、人を活かす。」というミッションを掲げ、人的資本の最大化・最適化・再配置を通じて社会に貢献することを目指しています。同社は、人材を「資源」ではなく「資本」と捉え、あらゆる企業や組織の課題解決と価値創造のパートナーとして、働く一人ひとりのキャリア形成を支援する企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「人が活きる、人を活かす。~人的資本の最大化・最適化・再配置~」をミッションとし、「事業を通じて、新しい価値を創造し、すべての人が活き活きと働く社会創りをめざします。」をビジョンに掲げています。コーポレートステートメントでありパーパス(存在意義)は「あらゆる課題は、人で解決する。」です。
長期ビジョンとして「ハイエンド人材をあまねく活用できる社会」の実現を目指しており、新たなブランドスローガンは「答えは、人が出す。」です。今後は「戦略実現」をコアコンセプトに据え、顧客企業の持続的成長に資する支援を拡充していく方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、あらゆる企業や組織の課題解決と価値創造のパートナーとして寄り添い、働く一人ひとりに柔軟な働き方や自律的なキャリア形成、活躍の場の広がりを提供することを経営の基本方針としています。人的資本に関する5つの投資コンセプトを掲げ、人材育成や社内環境整備に積極的に取り組んでいます。
具体的には、「自ら同社のファンになる」ことで個人の成長と企業目標への貢献が循環する環境を醸成し、「社外にファンを獲得する」ことで顧客やパートナーからの信頼を得ることを重視しています。また、「顧客貢献力」の向上を目指し、デジタル技術活用やリスキリング・アップスキリング支援、書籍購入補助、資格取得支援、キャリアオーナーシップ制度を推進しています。
さらに、「創造性と挑戦意欲を醸成する」ため、成果報酬制度や表彰制度を整備し、挑戦を応援する企業文化を育んでいます。パフォーマンス発揮を促す環境として、スーパーフレックス制度やリモートワーク、副業・兼業制度、カフェテリアプラン、ベビーシッター割引制度、プレコンセプションケアなど、多様な働き方を支援する環境整備を進めています。人権尊重に関する方針として「AXIS人権方針」を策定し、差別・強制労働・ハラスメントの禁止、個人情報保護、適正な賃金・労働時間管理、安全衛生確保、不正・腐敗防止を掲げています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、持続的な成長のための人的資本投資を重要な経営課題と認識しており、人材の確保と育成、採用強化、生産性向上、中核人材育成を推進しています。従業員がその能力を存分に発揮できるよう、業務効率化や勤務環境の整備等、働きやすい環境づくりを推進し、人的資本の価値最大化に努めています。
また、内部管理体制の強化とコーポレート・ガバナンスの充実も重点テーマであり、経営の効率性及びリスク管理能力を高め、健全性及び透明性を確保できる管理体制の整備を行う方針です。サステナビリティに関する取り組みとして、気候変動問題も重要な課題と捉え、温室効果ガス排出量削減目標の達成に向けた意識的な取り組みを推進しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
アクシスコンサルティングは、監査等委員会設置会社として、業務執行の権限と責任を取締役会に集中させ、業務執行者に対する監督機能を強化しています。社外取締役の機能を活用し、コーポレート・ガバナンスの確立に努めている会社です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
アクシスコンサルティングの株主構成を見ると、筆頭株主は株式会社創であり、代表取締役会長CEOである山尾幸弘氏の資産管理会社です。また、山尾幸弘氏個人も主要株主として名を連ねています。このように、創業家とその関連会社が上位株主として同社の経営を支えていることが特徴です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 創 | 37.96% |
| 山尾幸弘 | 26.20% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 4.26% |
| 吉越利成 | 2.37% |
| 伊藤文隆 | 1.68% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役会長CEOは山尾幸弘氏、代表取締役社長COOは伊藤文隆氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 山尾 幸弘 | 代表取締役会長CEO | 1986年4月 味の素ゼネラルフーヅ株式会社入社。2002年4月 同社設立。2002年7月 同社代表取締役社長。2024年9月 同社代表取締役会長CEOより現職。 |
| 伊藤 文隆 | 代表取締役社長COO | 1996年4月 パール楽器製造株式会社入社。2008年1月 同社入社。2017年9月 同社取締役。2024年9月 同社代表取締役社長COOより現職。 |
| 荒木田 誠 | 取締役CCAO | 1996年4月 日債銀総合システム株式会社入社。2003年8月 同社入社。2021年9月 同社取締役HR事業本部長。2025年7月 同社取締役CCAOより現職。 |
| 所 芳正 | 取締役 会長補佐 兼 コーポレート本部管掌 | 1981年4月 ブリヂストン・ベカルト・スチールコード株式会社入社。2019年11月 同社取締役管理本部長。2024年9月 同社取締役会長補佐兼コーポレート本部管掌より現職。 |
社外取締役は、大友良浩氏(はる総合法律事務所パートナー)、野間自子氏(三宅坂総合法律事務所パートナー・監査等委員)、高野寧績氏(養和監査法人代表社員・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役3名が選任されています。社外取締役は独立した立場で取締役会に出席し、業務執行の監督機能強化と透明性向上に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
アクシスコンサルティングの役員報酬は、役位、職責、在任年数等を考慮した固定の金銭報酬を基本としています。また、株主と経営者の利害を共有し、企業価値向上に資するため、監査等委員でない取締役にはストック・オプションによる非金銭報酬も付与されています。さらに、2025年8月には譲渡制限付株式報酬制度の導入を決議し、株主総会に付議する予定です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 1.2億円 | 31.2百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 12百万円 | 12.0百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 15百万円 | 5.0百万円 |
なお、取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)に対する非金銭報酬等の総額には、ストック・オプション1百万円が含まれています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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