※本記事は、株式会社クラダシ の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
クラダシは、「ソーシャルグッドカンパニーでありつづける」をミッションに掲げ、社会性、環境性、経済性を同時に実現するビジネスを展開しています。主たる事業は、ソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」を通じたフードロス削減のためのマッチングビジネスです。
単体従業員数は39名、連結従業員数は39名です。セグメントは食品プラットフォーム運営事業の1つです。
主な国内グループ会社は、クロスエッジ、L'ATELIER de SHIORIなどです。
同社グループは、2024年8月23日に株式会社クロスエッジを、2025年6月27日には株式会社L'ATELIER de SHIORIを子会社化し、事業領域を拡大しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
クラダシは、社会課題の解決とビジネスの両立を目指すソーシャルグッドカンパニーとして、従業員を大切なステークホルダーと位置づけています。同社グループでは、従業員の成長と多様な働き方を支援する環境づくりに注力しており、社会貢献と個人のキャリア形成を両立できる環境が特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、比較的若い年齢層の従業員が活躍しており、平均勤続年数も短めであることから、活発な組織であることがうかがえます。従業員一人ひとりの成長と多様なキャリアを支援する環境が整えられています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,166,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.9年 |
| 平均年齢 | 34.2歳 |
| 単体従業員数 | 39人 |
| 連結従業員数 | 39人 |
| 単体のグループ内比率 | 100.0% |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
クラダシは、従業員をソーシャルグッドな事業を創っていく原動力と捉え、人材育成、DE&I促進、Well-beingの実現に注力しています。ミッション・ビジョンの実現のため、3つのバリューを共通の価値観として定め、採用、育成、評価制度の設計を行っています。
入社時のオンボーディング研修を通じて、事業や各事業部の理解、基礎的なビジネススキル習得を支援し、即戦力として活躍できる環境を整えています。また、定期的な1on1や組織サーベイを実施することで、チームでのコミュニケーション機会を充実させています。
事業成長を加速させることで、従業員がチャレンジできる機会を提供するとともに、働き方の多様化やライフステージの変化に対応できるよう、柔軟な制度設計にも取り組んでいます。社会環境の変化や事業・組織の状況に応じて人事制度をアップデートし、事業貢献と個人のライフスタイルが共存し、ともに成長できる場所を目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男女賃金差異は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 0.0% |
| 男性育児休業取得率 | 100.0% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社クラダシは、「ソーシャルグッドカンパニーでありつづける」というミッションのもと、社会課題の解決と経済性の両立を目指す事業を展開しています。フードロス削減を主軸としたプラットフォーム運営を通じて、持続可能な社会の実現に貢献しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは「食品プラットフォーム運営事業」の単一セグメントで事業を展開しています。主力はソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」の運営です。これは、様々な理由で販路を失い廃棄される可能性のある商品をパートナー企業から買い取り、消費者に廉価で販売することでフードロス削減に貢献するビジネスです。
「Kuradashi」では、売上金の一部を社会貢献団体へ寄付するビジネスモデルを採用しています。取引形態には、同社が商品を仕入れて倉庫から配送する在庫型と、パートナー企業から直接配送するマーケットプレイス型があります。また、オンラインとオフラインの接点強化のため、商業施設でのポップアップストア運営や常設店舗「Kuradashi Hub」の展開も行っています。
エシカル消費に感度の高い会員向けに、パートナー企業のブランディングを支援する「Kuradashi Stores」も運営しています。さらに、2024年8月には冷凍宅配弁当サービス「Dr.つるかめキッチン」事業を、2025年6月にはオンライン料理教室「L'atelier de SHIORI」事業を子会社化し、事業領域を拡大しています。社会貢献活動として、商品購入時の寄付先選択、クラダシ基金の運営、社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」などを実施しています。
収益は主に商品販売から得ており、その他に広告関連サービスやその他の収益があります。「Kuradashi」の運営を通じて、パートナー企業から安価で商品を仕入れ、会員に廉価で提供することで収益を上げています。会員がお得に買い物をしながら社会貢献ができる「エコでソーシャルなビジネスモデル」を特徴としています。国内での事業展開が中心であり、本邦以外の外部顧客への売上高はありません。特定の主要な販売先に売上が集中している状況は見られません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループは当連結会計年度より連結財務諸表を作成しており、それ以前の連結経営指標は開示されていません。当連結会計年度の売上高は30億円台となっています。利益面では、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しています。
一方で、営業活動によるキャッシュ・フローはプラスとなっており、本業でのキャッシュ創出力は確保されています。投資活動によるキャッシュ・フローは、子会社株式の取得や有形固定資産の取得により大きく減少しています。財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金や長期借入れにより増加しています。
| 項目 | 2021年6月期 | 2022年6月期 | 2023年6月期 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | - | 30.8億円 |
| 経常利益 | - | - | - | - | △71百万円 |
| 経常利益率 | - | - | - | - | △2.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | - | △31百万円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | - | △2.90 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は78.9百万円となっています。また、従業員1人あたり営業利益は△1.6百万円です。当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前期との比較はできません。これらの指標は、同社グループが事業拡大のための投資を積極的に行っている段階にあることを示唆しています。
| 指標 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | 78.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | - | △1.6百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、事業活動による資金創出がありながらも、将来に向けた投資を積極的に行っている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率は非製造業のプライム市場平均を上回る水準にあります。一方で、ROEはマイナスとなっており、収益性には課題が見られます。手元資金は増加傾向にあり、事業運営に必要な流動性は確保されている状況です。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 10.4億円 | 10.3億円 |
| 自己資本比率 | - | 33.1% |
| ROE(自己資本利益率) | - | -3.0% |
| 現金及び預金 | 9.8億円 | 10.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、営業活動によるキャッシュフローは増加となりました。これは主に棚卸資産や売上債権、仕入債務の減少によるものです。一方で、投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得や子会社株式の取得による支出が大きく、減少しています。財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の純増額や長期借入れによる収入により増加しています。これらの結果、フリーキャッシュフローはマイナスとなっており、本業で得た資金を上回る投資を行っている状況が示されています。これは、事業拡大に向けた積極的な投資フェーズにあることを示しており、将来的な成長への期待がある一方で、現時点では資金調達に依存している側面があると言えます。
| 項目 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | 47百万円 |
| 投資CF | - | △13.4億円 |
| 財務CF | - | 13.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | △13.0億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、フードロス市場の拡大が予測通りに進まない場合や、競合他社の参入により競争が激化した場合に、売上高の減少や集客コストの増加等の影響を受ける可能性があります。また、食品プラットフォーム運営事業の単一セグメントに経営資源を集中しているため、事業環境の変化により当該事業が縮小した場合にも、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは小規模組織であり、今後の事業成長のためには有能な人材の確保と育成が重要であると認識しています。適切なタイミングで求める人材の確保が不十分な場合や、役員・重要な業務担当従業員の流出等により、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
クラダシは「ソーシャルグッドカンパニーでありつづける」をミッションに掲げ、社会課題の解決とビジネスの両立を目指しています。フードロス削減を核とした事業を通じて、社会性、環境性、経済性を重視する「三方よし」のビジネスモデルを推進している会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
クラダシは「ソーシャルグッドカンパニーでありつづける」をミッションに掲げ、社会課題解決を目的に設立されました。ビジョンは「日本で最もフードロスを削減する会社」であり、ブランドパーパスとして「楽しいお買い物で、みんなトクするソーシャルグッドマーケットを創る」ことを目指しています。同社グループは、社会性、環境性、経済性を重視した三方よしのビジネスモデルを通じて、持続可能な社会の実現を目指しています。中期経営計画のテーマは「フードロス削減のインフラに」であり、フードロス削減の第一人者としての地位確立と持続的な企業価値向上を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
クラダシは、社会課題を事業として解決し、経済を循環させることを目指しています。フードロス削減という社会課題に、手軽に楽しく取り組める体験を会員に提供し、同じ価値観を共有する“仲間”としての関係を築くことを重視しています。パートナー企業に対しては、「捨てない、無駄にしないことこそがブランドの持続可能性につながる」という価値観を共有し、サステナブルな選択を支援しています。
同社グループは従業員を最も大切なステークホルダーと位置づけ、多様な人材が活躍し続けられるよう、人材育成、DE&I促進、Well-beingの実現に注力しています。ミッション・ビジョンの実現のため、全従業員の共通の価値観として3つのバリューを定めており、これを採用、育成、評価制度の設計に活用しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
クラダシグループは、優秀な人材の採用と育成を重要な課題と認識し、採用強化や研修制度の充実化に努めています。また、技術力の強化として、システムの安定稼働や先端技術への投資、データの一元管理による予測システムの導入を検討しています。
サービスの安全性・健全性確保、情報管理体制、内部管理体制の強化にも継続的に取り組んでいます。社会課題をビジネスの力で解決するため、持続的かつ非連続な成長のための投資を行いながら、規律あるコストコントロールによる安定的な利益創出を図っています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
クラダシは、取締役会、監査役会、会計監査人を設置する体制を採用しています。迅速な意思決定と客観的な監督を通じて、コーポレート・ガバナンスの実効性を確保しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
クラダシの筆頭株主は、代表取締役である関藤竜也氏の資産管理会社であるSocial Goodです。また、代表取締役社長CEOである河村晃平氏の資産管理会社であるACTWELL合同会社も上位株主となっています。このように、創業家が関連会社を通じて上位に並び、経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| Social Good | 46.19% |
| ACTWELL合同会社 | 4.68% |
| 新生ベンチャーパートナーズ2号投資事業有限責任組合 | 3.47% |
| HAKUHODO DY FUTURE DESIGN FUND投資事業有限責任組合 | 2.78% |
| 髙杉 慧 | 2.41% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性5名・女性2名)で構成され、女性役員比率は28.5%です。代表取締役会長は関藤竜也氏、代表取締役社長CEOは河村晃平氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 関藤 竜也 | 代表取締役会長 | 1995年住金物産(現日鉄物産)入社後、デジット、ヒューマンエージェント取締役副社長を歴任。2014年グラウクス(現同社)を設立し代表取締役社長に就任。2024年7月より同社代表取締役会長より現職。 |
| 河村 晃平 | 代表取締役社長CEO | 2009年豊田通商入社、豊田通商(中国)有限公司駐在を経験。2016年Loco Partners入社後、2019年同社取締役に就任。2024年7月より同社代表取締役社長CEOより現職。 |
| 髙杉 慧 | 取締役CFO | 2011年新日本有限責任監査法人(現EY新日本有限責任監査法人)入所、公認会計士登録。GCA(現フーリハン・ローキー)を経て、2020年同社取締役に就任。2024年7月より同社取締役CFOより現職。 |
社外取締役は、柏木彩氏(Island and Office代表取締役)です。
同社は監査役会設置会社です。社外取締役は、客観的・中立的な立場から経営に有用な助言を行う役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
クラダシの役員報酬は、企業価値の持続的な向上と中長期的な業績貢献意欲を高めることを目的としています。報酬は、毎月定額で支給される基本報酬と、新株予約権による非金銭報酬で構成されています。具体的な経営指標に連動する業績連動報酬は採用していません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 27百万円 | 6.8百万円 |
| 社外取締役 | 1名 | 1百万円 | 1.2百万円 |
| 社外監査役 | 3名 | 9百万円 | 2.9百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
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