※本記事は、株式会社W TOKYO の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
W TOKYOは、「すべてのヒト・モノ・コト・地域が輝く世界をつくる」というビジョンを掲げ、TOKYO GIRLS COLLECTIONのブランドを軸に、ブランディングプラットフォーム事業を展開しています。同社は、ヒト・モノ・コト・地域の価値を共創し、最大化することをミッションとしています。
単体従業員数は54名です。セグメントはブランディングプラットフォーム事業の1つです。
W TOKYOは、TOKYO GIRLS COLLECTIONの企画・運営を主軸に、地方創生やシティプロモーション、コンテンツプロデュース、デジタル広告など多岐にわたる事業を自社で展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
W TOKYOは、イベントプロデュースを軸に事業を展開しており、従業員の平均年齢は比較的若く、活気のある職場環境がうかがえます。人材の育成や多様な働き方を支援する制度を導入し、従業員が能力を発揮しやすい環境づくりに注力している傾向が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数から一定の定着傾向がうかがえ、平均年齢も若手から中堅層が中心となっていることが示されています。従業員が長期的にキャリアを形成しつつ、組織の活性化にも貢献できるような環境が整っていると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,118,157円 |
| 平均勤続年数 | 5.8年 |
| 平均年齢 | 33.3歳 |
| 単体従業員数 | 54人 |
| 連結従業員数 | - |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
W TOKYOは、持続的な成長と企業価値向上において人材を最も重要な経営資源と位置づけ、特に人的資本を重視しています。優秀な人材の流出防止と積極的な新規採用に力を入れています。
人材の意欲と発想力を最大限に活かすため、チャレンジし続ける人材を評価する人事考課の方針を代表取締役自らが定期的に発信しています。個人の成長機会を絶やさないよう、OJTや上長との面談を通じて教育・育成に取り組んでいます。
また、多様な人材が継続して活躍できる環境を整備するため、リモートワークや時差出勤の導入、MVP表彰制度、リファラル採用を促進するインセンティブ支給制度などの仕組みを設けています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。女性管理職比率および男女の平均継続勤務年数の差異は、女性活躍推進法の公表義務対象ではないものの任意で記載されています。男性育児休業取得率および男女の賃金の差異については、公表義務の対象ではないため記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 25.0% |
| 男女の平均継続勤務年数の差異 | 70.6% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
W TOKYOは、TOKYO GIRLS COLLECTIONのブランド力を活かし、多様なプロデュースノウハウを軸に事業を展開しています。ヒト・モノ・コト・地域の価値を共創し、最大化することを目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
W TOKYOグループは、W TOKYOと同社の非連結子会社である㈱TGC Social labで構成されています。同社は「すべてのヒト・モノ・コト・地域が輝く世界をつくる」というビジョンを掲げ、ブランディングプラットフォーム事業の単一セグメントで事業を展開しています。主要なサービス領域は、TGCプロデュース領域、コンテンツプロデュース・ブランディング領域、デジタル広告領域の3つです。
TGCプロデュース領域では、TOKYO GIRLS COLLECTIONの企画・運営を通じて協賛金収入、チケット販売収入、ブランド出展料収入を得ています。また、地方都市での開催やシティプロモーションも展開し、地方自治体からも収入を得ています。この領域は同社の主たる収益源となっています。
コンテンツプロデュース・ブランディング領域では、トップインフルエンサーやアーティストのキャスティング、クリエイティブ制作により広告キャスティング収入やクリエイティブ制作収入を得ています。TOKYO GIRLS COLLECTIONブランドとのコラボレーションによるスクール事業、オーディション事業、イベントプロデュース、オリジナル商品開発なども行い、ブランドロイヤリティや協賛金収入を得ています。この領域は前期から売上が減少しています。
デジタル広告領域では、アフィリエイトプラットフォーム「アフィリエイトwalker」を運営し、広告主からの成果報酬を収益源としています。さらに、TOKYO GIRLS COLLECTIONの公式メディア「girlswalker」の運営を通じて、ネットワーク広告収入やタイアップ広告収入を得ています。この領域も前期から売上が減少しています。
同社の収益は、日本国内が大部分を占めていますが、韓国や米国からの売上も一部存在しています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高が前期からわずかに減少しています。営業利益、経常利益、当期純利益はいずれも前期から減少する結果となりました。
これは、人件費の上昇や物価の高騰による売上原価率の上昇、既存従業員の賃金ベースアップや中途採用の拡大といった人的資本投資による販売費及び一般管理費の増加が影響しています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
JSONデータに、従業員1人あたりの売上高および従業員1人あたりの当期純利益に関する情報がありません。そのため、これらの指標に基づく収益性や生産性のトレンドを分析することはできません。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、本業で安定した資金を生み出しつつ、事業活動に必要な投資も行っています。財務基盤の健全性を確認することで、入社後の安心感につながる情報が得られます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本比率が前期から増加し、高い水準を維持しています。これは、事業活動を通じて得た利益を内部に留保し、安定した経営基盤を築いていることを示しています。手元資金も潤沢に確保されており、不測の事態にも対応できる体制が整っています。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 53.3% | 60.8% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | 19.3億円 | 18.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当事業年度に5.7億円の収入となり、前期の1.9億円から増加しています。これは主に、税引前当期純利益の計上や売上債権の減少によるものです。投資活動によるキャッシュフローは、投資有価証券の取得や有形固定資産の取得などにより、当事業年度に0.8億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済や自己株式の取得により、当事業年度に5.7億円の支出となっています。営業活動で得た資金が投資活動による支出を上回るフリーキャッシュフローは、当事業年度に4.9億円の収入となりました。この状況は、同社が本業で安定的に資金を生み出し、財務的な健全性を保ちながら事業を運営していることを示しており、入社後の雇用や給与の安定性につながる要素であると考えられます。
| 項目 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 1.9億円 | 5.7億円 |
| 投資CF | △0.3億円 | △0.8億円 |
| 財務CF | △2.0億円 | △5.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 1.6億円 | 4.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社の事業は、主要ブランドであるTOKYO GIRLS COLLECTIONのブランド価値に大きく依存しています。不測の事態によりブランド価値が低下した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、TOKYO GIRLS COLLECTIONの売上規模が全体の売上に占める割合が大きく、開催月の四半期に業績が偏重する傾向があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社が展開する事業では、高度なプロデューススキルを有する人材が求められます。必要な人材の確保と育成が計画通りに進まなかった場合や、現在在籍する人材の社外流出が生じた場合には、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
W TOKYOは、「すべてのヒト・モノ・コト・地域が輝く世界をつくる」というビジョンを掲げ、TOKYO GIRLS COLLECTIONのブランドを軸に、新たな価値を共創し、その価値を最大化することを目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
W TOKYOは、「すべてのヒト・モノ・コト・地域が輝く世界をつくる」というビジョンを掲げています。
TOKYO GIRLS COLLECTIONのブランドを活かした独自のプロデュースノウハウを軸に、ヒト・モノ・コト・地域のまだ見ぬ価値を共創し、その価値を最大化させることをミッションとして事業を展開しています。
同社は、TOKYO GIRLS COLLECTIONのブランド価値とノウハウを活用し、あらゆるヒト・モノ・コト・地域の価値を高めるためのブランディングやプロモーションをリアルイベント以外の方法でも提供するサービスに注力し、事業基盤の強化に努めています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、持続的成長と企業価値向上において、人材を最も重要な経営資源と考えています。
人材の意欲と発想力を最大限に活かすため、チャレンジし続ける人材を評価するという人事考課の方針を代表取締役自ら定期的に発信しています。
個人の成長機会を絶やさないよう、OJTや上長との面談を通じて教育・育成に取り組むとともに、リモートワーク・時差出勤の導入、MVP表彰制度、リファラル採用インセンティブ支給制度などを設け、多様な人材が継続して活躍できる環境を整備しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、将来にわたる成長と企業価値向上を実現するため、いくつかの課題に積極的に対処しています。
TOKYO GIRLS COLLECTIONブランドの更なる価値向上として、常に青年層のニーズや時代の潮流を反映したコンテンツを企画し、ブランド価値を高めることに努めています。
また、他社及び地方自治体との提携による事業シナジーの創出や社会課題の解決、優秀な人材の獲得・育成、そしてアジア圏を中心とした海外事業展開も重点テーマとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
W TOKYOは、取締役会設置会社であり、監査役会設置会社です。取締役会は社外取締役を含む4名で構成され、監査役会は社外監査役3名で構成されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主は村上範義氏であり、同氏が実質的に支配する株式会社Wが保有する株式を含め、安定した資本基盤を形成しています。上位株主には、SBI証券やマイナビといった機関投資家や事業会社が名を連ねており、多様な株主によって支えられていることが特徴です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 村上範義 | 27.78% |
| SBI証券 | 9.60% |
| マイナビ | 7.06% |
| 投資事業有限責任組合JAICスペシャルティファンド | 4.84% |
| トランザクション | 4.81% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性5名・女性2名)で構成され、女性役員比率は28.6%です。代表取締役は村上範義氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 村上 範義 | 代表取締役 | 2004年4月リクルートメディアコミュニケーションズ入社。2009年5月F1メディア入社、2014年9月同社代表取締役就任。2016年9月同社代表取締役就任より現職。 |
| 青木 充 | 取締役COO | 1997年4月リクルート入社。2009年9月F1メディア入社、2010年6月同社取締役就任。2018年3月同社取締役COO就任より現職。 |
| 藤本 冬海 | 取締役CFO兼 経営戦略統括局長 | 2007年4月あずさ監査法人入所。2016年11月藤本冬海公認会計士事務所開業。2020年9月同社取締役CFO兼経営戦略統括局長就任より現職。 |
社外取締役は、井上北斗氏(coromo代表取締役)、木村泰士氏(Ocean Savage代表取締役CEO)、並木安生氏(並木財務アドバイザリー代表取締役)、原口侑子氏(弁護士)です。
同社は取締役会設置会社であり、監査役会設置会社です。社外取締役は、経営に関する豊富な経験と幅広い見識に基づき、監督機能の客観性及び中立性を確保する役割を担っています。社外監査役は、専門的な知識や経験に基づき、コーポレート・ガバナンスの強化に向けた適切かつ適正な監査を実行しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、企業価値の持続的な向上への意欲を高めることを目的としています。報酬体系は、役位や担当職務、各期の業績等を踏まえて決定される固定報酬と、中長期的な企業価値向上へのインセンティブとなるストック・オプションで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 58百万円 | 19.2百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 14百万円 | 3.6百万円 |
報酬等の総額は72百万円であり、対象となる役員は7名です。1人あたりの平均報酬は10.3百万円となっています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。