【平均年収600万円】フラー 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年6月期)

【平均年収600万円】フラー 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年6月期)

フラーは、デジタル領域全般で顧客のデジタルパートナーとして、新しい価値を共創するデジタルパートナー事業を展開しています。直近の業績は、売上高、各利益ともに大幅な増収増益となりました。


目次

※本記事は、フラー株式会社 の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


フラーは、デジタル領域全般で顧客のデジタルパートナーとして、新しい価値を共創する関係を構築する「デジタルパートナー事業」を展開しています。スマートフォンアプリ開発などの「クライアントワーク」と、アプリ利用状況を分析する「アプリ分析サービス」を主な提供品目としています。

単体従業員数は190名です。セグメントは単一のデジタルパートナー事業です。

フラーは、2025年7月24日に東京証券取引所グロース市場に上場しました。この上場準備は、販売費及び一般管理費の増加に影響を与えています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


フラーは、IT・Webサービス業界において、専門性を重視した人材戦略と柔軟な働き方を推進している企業です。従業員一人ひとりの成長を支援し、ワークライフバランスの実現を目指す環境が特徴として挙げられます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均年齢が若く、勤続年数も比較的短い傾向にあります。これは、活発な人材の流動性や、若手社員が中心となって事業を推進している企業文化を示唆していると言えるでしょう。

項目 数値
平均年間給与 6,000,000円
平均勤続年数 3.6年
平均年齢 31.4歳
単体従業員数 190人


なお、退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社は、持続的な成長を実現するため、人材採用、人材育成、社内環境の整備を重要な経営課題と位置付けています。人材採用においては、年齢や性別、国籍などにかかわらず、各職種における専門性や成長意欲を重視する「ジョブ型」の採用を中心としています。直近では、新卒採用を重視し、柏の葉・新潟の両本社の立地や、全国の高等専門学校との連携を最大限に生かした採用活動を実施しています。

人材育成については、教育研修資料の充実、書籍購入制度、専門性を重視する人事制度などにより、一人ひとりが着実に成長していくことを目指しています。社内環境の整備では、リモートワークを前提とした就労環境の構築、フレックスタイム制度、年次有給休暇や育児休業を取得しやすい雰囲気作りなど、従業員が明るく、楽しく、健康的に活躍できるよう、適切なワークライフバランスの実現を目指しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


同社は、女性活躍推進法及び育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


フラーは、デジタル領域において顧客の頼れるパートナーとして、新しい価値を共創する関係を構築することを目指しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社は「デジタルパートナー事業」を展開しており、顧客のビジネスにおけるデジタルトランスフォーメーション(DX)やモバイルトランスフォーメーション(MX)に関する課題をワンストップで解決しています。国内の大手企業を主な顧客とし、ITやモバイル分野の知見、クリエイティブ人材の確保に課題を持つ企業に対してソリューションを提供しています。

主な提供品目として、スマートフォンアプリ開発などの業務を受託する「クライアントワーク」と、スマートフォンアプリ市場の利用状況を集計・分析する「アプリ分析サービス」があります。クライアントワークでは、事業開発コンサルティング、システム開発、UI/UXデザインなどを手掛けています。アプリ分析サービスでは、「App Apeダッシュボード」や「App Apeオーダーメイド分析」を提供しています。

同社のソリューションは、エンジニア、デザイナー、データサイエンティスト、ディレクターからなる「ワンチーム」で提供され、長期的な継続を前提としています。事業開発からサービス企画、デザイン、システム開発・運用、データ分析までを一気通貫で支援することが特徴です。また、アプリビジネスの企画・草案段階から参画するDX事業開発ソリューションや、「よいデザインを、あたりまえに。」をモットーとしたデザイン思考を重視しています。顧客との直接取引が中心であり、売上高における大手企業の割合や直接取引の割合が高い傾向にあります。創業当初から提供している独自のアプリ分析サービス「App Ape」で培った知見やデータ分析のノウハウは、新規取引の提案活動や事業企画・開発に活用され、同業他社との差別化に貢献しています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社の直近の業績は、売上高、各利益ともに増加傾向を示しています。特に営業利益、経常利益、当期純利益は大幅な増加となりました。売上高は、クライアントワークが大きく伸びた一方で、アプリ分析サービスは減少しています。費用面では、クリエイティブ人材の増員や外注費の増加により売上原価が増加し、事業拡大や上場準備の影響で販売費及び一般管理費もやや増加しています。

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社は、本業で安定的に資金を生み出し、事業成長のための投資も行いながら、財務基盤を強化している状況です。資金調達も活用し、事業拡大に向けた動きが見られます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社は、自己資本比率が前期からやや低下しているものの、依然として高い水準を維持しています。手元資金は増加傾向にあり、事業運営における資金の安定性がうかがえます。

指標 2024年6月期(前期) 2025年6月期(当期)
自己資本比率 59.6% 53.9%
ROE(自己資本利益率) - -
現金及び預金等 8.9億円 13.6億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社の当期の営業活動によるキャッシュ・フローは収入となり、税引前当期純利益の計上や未払費用の増加などが主な要因です。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得や敷金及び保証金の差入による支出があり、支出となっています。財務活動によるキャッシュ・フローは、新規の長期借入れによる収入が長期借入金の返済による支出を上回り、収入となりました。

これらの結果、フリーキャッシュ・フローは収入となっており、本業で得た資金が投資を上回る状況を示しています。前期はフリーキャッシュ・フローが支出でしたが、当期は収入に転じており、資金創出力が向上していることがうかがえます。この資金の流れは、同社が事業の成長を安定的に支え、将来の雇用や給与の安定性にもつながる基盤を築いていることを示しています。

項目 2024年6月期(前期) 2025年6月期(当期)
営業CF 6百万円 2.7億円
投資CF △15百万円 △0.3億円
財務CF △61百万円 2.3億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △9百万円 2.4億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社のデジタルパートナー事業は、スマートフォン関連市場の動向や同業他社との競合激化が事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。スマートフォン関連市場は伸長を続けていますが、新たな規制やプラットフォーマーの方針転換により利用状況に変化が生じるリスクがあります。また、デジタルパートナー事業が提供するソリューション分野には大手企業や新興企業が多く存在し、競争が激化する可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社のデジタルパートナー事業は、ディレクター、デザイナー、エンジニア、データサイエンティストなどの専門人材に支えられています。少子化による若年層の減少やDX人材の需要増加により、人材市場が逼迫し、優秀な人材の確保が困難になる可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


フラーは、「世界一、ヒトを惹きつける会社を創る。」というユメを掲げ、ヒトに寄り添うデジタルを通じて社会に貢献することを目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社は「世界一、ヒトを惹きつける会社を創る。」というユメを経営理念として掲げています。
ミッションには「ヒトに寄り添うデジタルを、みんなの手元に。」を掲げ、スマホアプリのデータ分析から始まった経験を活かし、本当に必要なデジタル価値を創造し続けることを目指しています。
これは、デザインや技術だけでなく、デジタルの先にいるヒトに寄り添うことの大切さを重視する姿勢を示しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社は「頼られる存在になろう。」という価値観を大切にしています。これは「プロフェッショナルであること」「人の和を大切にすること」「当事者意識を持つこと」の3つの要素で構成されています。
人材採用においては、年齢や性別、国籍などにかかわらず、各職種における専門性や成長意欲を重視する「ジョブ型」採用を中心としています。
社内環境の整備では、リモートワークを前提とした就労環境の構築やフレックスタイム制度、年次有給休暇や育児休業を取得しやすい雰囲気作りを通じて、適切なワークライフバランスの実現を目指しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社は、持続的な事業成長のために、営業体制の整備とソリューション企業としてのブランド力・知名度向上を課題としています。
具体的には、ソリューションの魅力を伝えられる営業人員の採用・育成や、積極的な事業広報に努めています。
また、優秀なクリエイティブ人材の獲得競争が激化する中で、新卒を中心とした積極的な採用活動と教育研修体制の充実によるリード人材の育成を重要な課題としています。
さらに、業容拡大に伴う内部管理体制の整備・強化、および高水準の情報セキュリティを確保するための体制整備にも取り組んでいます。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


同社は、企業価値向上と社会的責任を果たすため、コーポレート・ガバナンスの充実を重要な経営課題と位置づけています。株主総会、取締役会、監査役会、会計監査人を設置し、各機関が連携して機能する体制を採用しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の株主構成を見ると、筆頭株主はスマートフォンアプリ開発・運用プラットフォームを提供するヤプリです。次いで大手広告代理店グループである電通グループが上位に名を連ねています。創業者の渋谷修太氏も主要な株主の一人であり、事業会社と創業者が上位を占める構成となっています。

株主名 持株比率
ヤプリ 21.55%
電通グループ 21.16%
渋谷 修太 11.56%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は11名(男性9名・女性2名)で構成され、女性役員比率は18.2%です。代表取締役社長は山﨑将司氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
山﨑 将司 代表取締役社長 2014年富士通デザイン入社。2015年同社入社後、執行役員CDO、COOを経て、2020年9月より現職。
渋谷 修太 取締役会長 2011年グリー入社。同年同社設立、代表取締役社長CEOに就任。2020年9月より取締役会長、2024年9月より現職。
櫻井 裕基 取締役CDO兼デザイングループ長 2012年同社入社。取締役CDO、代表取締役COO兼CDOなどを経て、2024年9月より現職。
宮毛 忠相 取締役CFO兼経営管理グループ長 1999年富士銀行入社。イーバンク銀行、ダイキサウンド等を経て、2017年同社入社。2020年9月より現職。


社外取締役は、長屋洋介氏(うるる取締役IT戦略・リスク管理担当役員)、庵原保文氏(ヤプリ代表取締役社長CEO)、安田裕美子氏(電通デジタルコンサルティング&プロデュース領域管掌執行役員)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が連携してコーポレート・ガバナンスを機能させています。社外取締役および社外監査役が独立した立場から経営を監視し、健全性と透明性の確保に貢献しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、健全かつ持続的な企業成長を目的として、企業規模や個々の貢献度に応じた合理的な水準とすることを基本方針としています。月額の固定報酬を原則とし、役割責任や従業員給与とのバランスを考慮して決定されます。単年度の業績連動報酬制度は採用しておらず、中長期的な企業成長へのインセンティブとして、上場後はストック・オプションの活用も検討する方針です。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 28百万円 7.0百万円
社外役員 7名 16百万円 2.3百万円


同社の役員報酬等の総額は43.8百万円であり、対象となる役員の合計は11名です。
なお、固定報酬には従業員兼務取締役の給与及び賞与は含まれていません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。