※本記事は、株式会社ヒット の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ヒットグループは、屋外広告媒体の企画から広告全般の取り扱いまでを手掛ける広告事業を展開しています。不動産オーナーから賃借した屋上や壁面にデジタルサイネージやアナログ看板を設置し、繁華街やロードサイドで屋外広告媒体を保有しています。
単体従業員数は88名、連結従業員数は89名です。セグメントは広告事業の1つです。
国内においてはヒットが生産・販売を一手に担い、海外1社の連結子会社を通じてグローバルに事業を展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ヒットは、広告事業を展開する企業です。同社グループでは、ダイバーシティを重視し、多様な人材が活躍できる環境づくりを進めています。従業員一人ひとりの働きがいと働きやすさを追求する社内環境整備にも力を入れています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
ヒットでは、従業員の平均年齢が比較的若く、平均勤続年数も短めであることから、活気のある組織であることがうかがえます。多様な人材の採用を積極的に進めており、新たな挑戦を歓迎する風土があると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,178,000円 |
| 平均勤続年数 | 4.82年 |
| 平均年齢 | 35.1歳 |
| 単体従業員数 | 88人 |
| 連結従業員数 | 89人 |
| 単体のグループ内比率 | 98.9% |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ヒットは、人材を最も重要な経営資源と位置づけ、持続的な成長と企業価値向上のため、人材育成と社内環境整備に注力しています。多様な人材が活躍できる環境づくりを推進しており、女性、外国人、中途採用者の積極的な採用を行っています。
具体的には、社員の能力開発・研鑽を目的とした新入社員研修やeラーニングの充実化、資格取得支援制度の導入など、社員教育体制を整備しています。また、従業員一人ひとりが働きがいを持って能力を十分に発揮できるよう、職務発明や新規ビジネスへの報奨制度、社内外内部通報窓口の設置といった社内環境整備にも取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
同社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは開示されていません。
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 研修時間(一人当たり) | 2,151分 |
| 会社所定資格合格人数 | 13名 |
| 新卒採用人数 | 11名 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ヒットは、屋外広告媒体の企画から設置、運営、広告枠の販売までを一貫して手掛ける広告事業を展開しています。デジタルサイネージやアナログ看板といった自社媒体を保有し、広告主のニーズに応じた多様な広告サービスを提供することで収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
ヒットグループは、ヒットと連結子会社であるHIT SINGAPORE PTE. LTD.の計2社で構成されており、屋外広告媒体の企画および屋外広告を中心とした広告全般を取り扱う広告事業を単一セグメントとしています。同社グループは、不動産オーナーから屋上や壁面を賃借し、広告用のデジタルサイネージやアナログ看板を設置することで屋外広告媒体を保有しています。これらの媒体に広告主の広告を掲出することで事業を展開しています。
屋外広告媒体の開発から設置運営、広告枠の販売までをワンストップで行う体制を強みとしています。自社媒体を多く保有することで多様な広告主のニーズを把握し、新しいサービスの開発につなげています。販売面では、創業当初から広告主に対する直接営業に注力し、顧客ニーズを直接把握しながら媒体設置物件の選定やオーナーとの交渉を行っています。
同社グループが保有する自社の屋外広告媒体は、2025年6月末現在で合計63媒体141面に上ります。これらはデジタル媒体(デジタルサイネージ)とアナログ媒体(看板)、繁華街媒体とロードサイド媒体に分類されます。屋外広告枠の販売だけでなく、デジタル媒体用の「肉眼3D広告」映像の企画制作サービスや、屋外広告掲出に連動するスマホ位置情報広告サービス「HIT-movi」といったクロスメディアサービスも提供しています。
デジタル媒体の売上高は広告費のみで構成され、アナログ媒体の売上高は広告費と施工費等によって構成されています。同社グループの売上高は本邦の外部顧客からのものが大半を占めており、海外からの売上高はありません。また、当連結会計年度において、株式会社OOHメディア・ソリューションへの売上高が全体の約4分の1を占める状況となっています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、直近3期間において増加傾向にあります。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、前期から当期にかけて減少する推移となっています。
国内広告市場の回復基調や屋外広告市場の拡大、インバウンド需要の高まりなどが同社グループの業績に影響を与えています。特に、自社デジタル媒体の新規開発に注力し、繁華街デジタル媒体の稼働が好調に推移したことが売上高の増加につながっています。当連結会計年度では、固定資産除却損や減損損失の計上により特別損失が発生しています。
| 項目 | 2021年6月期 | 2022年6月期 | 2023年6月期 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | 34.4億円 | 41.2億円 | 44.2億円 |
| 経常利益 | - | - | 11.4億円 | 14.0億円 | 13.7億円 |
| 経常利益率 | - | - | 33.1% | 34.1% | 31.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | 7.6億円 | 9.4億円 | 9.1億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | 135.87 | 168.28 | 162.79 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から横ばいとなっており、従業員1人あたり営業利益は前期から減少する傾向を示しています。これらの指標は、同社グループの事業規模と従業員数に対する収益創出力を表しています。
| 指標 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 49.7百万円 | 49.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 16.8百万円 | 15.6百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ヒットは、財務基盤を強化しつつ、事業活動で得た資金を投資に回している状況です。安定した経営基盤を維持しながら、将来に向けた投資も行っていることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は52.4%であり、前期の40.9%から増加しています。これはプライム市場の製造業平均46.8%や非製造業平均24.2%と比較しても高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は30.3%で、前期の43.6%からは減少しましたが、プライム市場平均の9.4%を大きく上回っています。
現金及び預金は34.6億円を保有しており、不況時にも耐えうる手元資金を確保している状況です。これらの財務指標は、同社グループが安定した財務基盤を築いていることを示しており、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる要素となります。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 25.9億円 | 33.9億円 |
| 自己資本比率 | 40.9% | 52.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 43.6% | 30.3% |
| 現金及び預金 | 32.2億円 | 34.6億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは11.4億円の資金増加となりました。これは主に税金等調整前当期純利益によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは△6.6億円の資金使用となりました。これは主に定期預金の預入による支出によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは△7.7億円の資金使用となりました。これは主に長期借入金の返済による支出によるものです。結果として、フリーキャッシュ・フローは4.9億円のプラスとなっており、本業で得た資金で投資を賄い、さらに余剰資金を生み出している状況です。
このキャッシュ・フローの状況は、同社グループが安定した事業運営を行いながら、将来に向けた投資も計画的に進めていることを示しており、雇用や給与の安定性、そして今後の成長性にも期待が持てる要素となります。
| 項目 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 15.1億円 | 11.4億円 |
| 投資CF | △10.0億円 | △6.6億円 |
| 財務CF | 2.7億円 | △7.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 5.1億円 | 4.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、株式会社OOHメディア・ソリューションへの売上高依存が24.4%となっています。また、屋外広告事業の主力であるデジタル媒体のうち、上位4媒体で全体の売上高の50%超を占めている状況です。これらの特定顧客や主要媒体への依存は、業績に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、常に一定数の営業社員の確保が必要であり、毎年10名前後の新卒採用と若干名の中途採用活動に注力しています。必要な数の人材の確保及び育成が計画どおりに進まない場合、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ヒットは、屋外広告のリーディングカンパニーを目指し、明確な経営理念とビジョンを掲げて事業を展開しています。変化を恐れず挑戦し、高い倫理観とダイバーシティを重視する企業風土を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ヒットグループは、1991年に創業した屋外広告専門の広告会社です。同社グループは「屋外広告のリーディングカンパニーとして世界を変えるメディアを創造する」ことを経営理念としています。
この理念を実現するためのビジョンとして、以下の5つを掲げています。「未来を見据えて発想し、理想を現実にする」「常にクライアント目線に立ち\"最小の予算で最大の効果を発揮する\"提案をする」「変化を歓迎しよう。リスクや失敗を恐れずチャレンジし、成功への糧とする」「高い倫理観を持ち、透明な企業活動を築く」「ダイバーシティの考えに基づき、社員お互いが尊重し目標を達成する」です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ヒットグループは、経営理念とビジョンに基づき、変化を歓迎し、リスクや失敗を恐れずに挑戦することを重視する企業風土です。高い倫理観を持ち、透明な企業活動を築くことを大切にしています。
また、サステナビリティ推進を重視した経営を実践しており、ESG(環境・社会・ガバナンス)を重視し、経済価値と社会価値の双方を創出することに責任を持って取り組んでいます。ダイバーシティの考えに基づき、社員がお互いを尊重し目標を達成することを目指しており、女性、外国人、中途採用者の積極的な採用を行っています。従業員一人ひとりが働きがいを持って能力を十分に発揮できる仕組みづくりと、安心して働き続けられる職場環境の整備を推進しています。具体的には、職務発明や新規ビジネスへの報奨制度の整備・運用、社内外内部通報窓口の設置などに取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ヒットグループは、事業運営における優先的な課題として、組織・文化・人材に関わるテーマに取り組んでいます。自社広告媒体の強化においては、設置時やメンテナンス時における事故防止のため、安全作業の徹底と社員の指導・育成を推進しています。
会社の基盤強化としては、上場会社として求められるコンプライアンス及び内部管理体制の整備強化に注力しています。また、事業拡大のために優秀な人材の確保・育成を重要な課題と認識しており、積極的な採用と社員研修の充実を通じて、人材の確保と育成を推進しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ヒットは、取締役会と監査役会を設置する体制を採用しています。社外役員による独立した視点からの経営監視を重視し、透明性の確保と迅速な意思決定を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ヒットの筆頭株主は代表取締役会長である松丸敦之氏です。また、同氏が間接的に100%保有する資産管理会社であるボンド・ホールディングスも主要な株主となっています。代表取締役社長の深井英樹氏も上位株主の一人です。このように、創業家や経営陣が主要な株主として同社を支える資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 松丸 敦之(常任代理人 株式会社東京税経センター) | 62.10% |
| ボンド・ホールディングス | 22.30% |
| 深井 英樹 | 5.65% |
| 松丸 さつき | 3.60% |
| 江口 雄一 | 1.30% |
(株)ボンド・ホールディングスは、同社代表取締役会長である松丸敦之がその株式を間接的に100%保有する資産管理会社であり、同社株式に係る同氏の共同保有者であります。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性10名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は深井英樹氏が務めています。社外取締役比率は14.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 深井 英樹 | 代表取締役社長 | 日興證券株式会社(現SMBC日興証券株式会社)入社後、株式会社メックス代表取締役社長、株式会社ブレイントラスト代表取締役社長などを歴任。2016年10月に同社入社、専務取締役を経て2022年7月より現職。 |
| 松丸 敦之 | 代表取締役会長 | 東京佐川急便株式会社、株式会社内外事業社を経て、1991年2月に同社を設立し代表取締役に就任。2022年7月より同社代表取締役会長に就任し、HIT SINGAPORE PTE. LTD.社長も兼任し現職。 |
| 安田 仁裕 | 常務取締役 | 日興證券株式会社(現SMBC日興証券株式会社)入社後、株式会社Olympic、株式会社バリュークリエイションなどを経て、2017年7月に同社社外取締役に就任。2021年9月に同社入社、常務取締役兼営業本部長を経て2025年7月より常務取締役兼媒体本部長として現職。 |
| 勝山 宏哉 | 取締役 | 日興証券株式会社(現SMBC日興証券株式会社)入社後、株式会社ティアなどを経て、2017年2月に同社入社。2017年7月より同社取締役に就任し、2022年7月より取締役経営企画本部長として現職。 |
| 髙橋 徹 | 取締役 | 日興証券株式会社(現SMBC日興証券株式会社)入社後、株式会社インテグレックスなどを経て、2018年1月に同社入社。2018年7月より同社取締役に就任し、2025年7月より取締役西日本事業本部長として現職。 |
| 大岩 義典 | 取締役 | 株式会社タイタス・コミュニケーションズ(現JCOM株式会社)入社後、株式会社ブレイントラスト、建通エンジニアリング株式会社(現株式会社ケンツー)代表取締役社長などを歴任。2018年6月に同社入社、2018年7月より同社取締役に就任し、2022年7月より取締役管理本部長として現職。 |
社外取締役は、川野毅氏(アステナホールディングス取締役)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会による業務執行の監督と監査役会による監査を基本としています。社外取締役1名と社外監査役3名が独立した立場から経営を監視し、監査機能の強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は固定報酬のみで構成されており、業績連動報酬は採用していません。個別の報酬額は、代表取締役社長が作成した素案を基に、任意の指名・報酬委員会で審議され、取締役会で決定されます。売上高や営業利益などの定量目標、各役員に期待される定性目標の達成度を多面的に評価し、貢献度に応じて固定報酬を増減させる仕組みとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 6名 | 3.2億円 | 53.6百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 15百万円 | 3.8百万円 |
個人別報酬が開示されている役員は、松丸敦之氏(1.02億円、180,000 SGD)、深井英樹氏(1.02億円)です。
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