※本記事は、ヤスハラケミカル株式会社 の有価証券報告書(2025年3月期、2024年4月1日 ~ 2025年3月31日、2025年6月20日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ヤスハラケミカルは、テルペン化学製品、ホットメルト接着剤、ラミネート品の製造・販売を主な事業としています。粘着・接着用樹脂や化成品、食品用接着剤、光沢化工紙用フィルムなど、幅広い製品を提供しています。
単体従業員数は231名です。同社の事業セグメントは、テルペン化学製品、ホットメルト接着剤、ラミネート品の3つです。
ヤスハラケミカルは、テルペン化学製品、ホットメルト接着剤、ラミネート品の製造・販売を主な業務としています。具体的には、テルペン樹脂や粘着・接着用樹脂、食品用ホットメルト接着剤、光沢化工紙用ラミネートフィルムなどを手掛けています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ヤスハラケミカルは、テルペン化学製品を主軸とする化学メーカーとして、安定した事業基盤を持つ企業です。同社での働き方は、長期的なキャリア形成を視野に入れた環境が期待できるでしょう。従業員の定着を重視し、働きがいのある職場づくりにも力を入れていることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
ヤスハラケミカルでは、従業員の平均年齢が高く、平均勤続年数も長い傾向が見られます。これは、同社が従業員にとって働きやすく、長期的にキャリアを築ける環境を提供していることを示唆しています。安定した環境で専門性を高めたいと考える方にとって、魅力的な職場となるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,764,223円 |
| 平均勤続年数 | 24.3年 |
| 平均年齢 | 47.7歳 |
| 単体従業員数 | 231人 |
ヤスハラケミカルは、従業員の退職給付制度として確定給付制度と確定拠出制度を採用しています。確定給付制度は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出制度は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。
退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
同社の退職給付債務は13.3億円、年金資産は10.0億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ヤスハラケミカルは、テルペン化学で培った創造と挑戦の精神を基盤に、高品質・高付加価値製品の安定供給を通じて社会に貢献することを目指しています。この目標達成のためには、イノベーションを推進する有能な人材の確保と多様化が不可欠であると考えています。
同社は、向上心を持ってBetterを実践し、Expertを目指し努力し、創造と挑戦するSpiritを発揮し、相互に尊重しあいTeam Workをもって行動するという「BEST」行動方針を掲げ、人材育成に取り組んでいます。全社員が能力を発揮し、仕事と生活の調和を図れる働きやすい雇用環境の整備に注力しており、その一環として一般事業主行動計画を定めて実施しています。具体的には、女性管理職に対するヒアリングや女性従業員へのアンケート、女性向けキャリア研修や女性管理職候補者向け研修の構築・実施を通じて、女性の活躍推進を積極的に図っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
管理職に占める女性労働者の割合および男性労働者の育児休業取得率は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律および育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定に基づき算出されています。労働者の男女の賃金の差異は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 10.5% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
多様性・登用
同社は、人材の多様性の確保を含む人材育成に関して、全社員がその能力を発揮し、仕事と生活の調和をはかり働きやすい雇用環境の整備を行うため、目標を設定しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職の割合(目標) | 20.0%(2027年3月31日まで) |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ヤスハラケミカルは、化学製品の製造・販売を主軸とする企業です。多様な産業分野に貢献する製品を提供し、社会のニーズに応えています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、テルペン化学製品、ホットメルト接着剤、ラミネート品の3つの事業セグメントを展開しています。これらの製品の製造・販売を通じて収益を上げています。各事業は、それぞれの専門分野で顧客の多様なニーズに対応しています。
テルペン化学製品
主に、粘着・接着用樹脂であるテルペン樹脂やテルペンフェノール樹脂、そしてオレンジ油やテレピン油などの化成品を製造・販売しています。収益は、自動車用品用途の樹脂や電子材料分野の化成品といった幅広い産業向け製品の提供から得ています。当事業は前期に比べて売上を伸ばしています。
ホットメルト接着剤
食品用途のホットメルト型接着剤の製造・販売を手掛けています。収益は、食品業界向けの押出グレード接着剤の提供から得ています。当事業も前期に比べて売上を伸ばしており、前期の営業損失から今期は営業利益を計上しています。
ラミネート品
光沢化工紙用などのラミネートフィルムの製造・販売を行っています。収益は、光沢化工紙用ラミネートフィルムの提供から得ています。当事業も前期に比べて売上を伸ばしており、前期の営業損失から今期は営業利益を計上しています。
同社の事業は国内市場が中心ですが、アジア、北米、欧州といった海外地域にも製品を供給しており、海外売上高が全体の3割強を占めています。特定の顧客への売上高が全体の1割強を占める状況です。
| セグメント | 売上高(2024年3月期) | 売上高(2025年3月期) |
|---|---|---|
| テルペン化学製品 | 98.4億円 | 111億円 |
| ホットメルト接着剤 | 28.5億円 | 31.0億円 |
| ラミネート品 | 5.0億円 | 5.1億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも前年同期から増加しています。特に営業利益と当期純利益は大幅な増加を示しており、堅調な推移となっています。このような業績の動向は、同社の事業活動が順調に進展していることを示しています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社では、従業員一人ひとりの生産性が企業の収益力に直結します。生産性の向上は、効率的な事業運営と持続的な成長に不可欠な要素です。各従業員が最大限のパフォーマンスを発揮できる環境を整えることは、企業の競争力強化につながります。
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4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ヤスハラケミカルの財務状況は、本業で安定的に資金を生み出し、投資を上回る余剰資金を確保している状態です。これにより、事業の継続的な成長と安定した経営基盤が維持されています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
ヤスハラケミカルの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均を大きく上回っており、強固な財務体質を示しています。手元資金も潤沢に確保されており、不測の事態や事業環境の変化に対する耐性が高いと言えます。このような安定した財務状況は、従業員の雇用や給与の安定性にも寄与する要素となります。
| 指標 | 2024年3月期(前期) | 2025年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 199億円 | 211億円 |
| 自己資本比率 | 72.4% | 76.0% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | 52.7億円 | 59.7億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
ヤスハラケミカルのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが当期に30.6億円の資金獲得となり、前期の7.7億円から大きく増加しています。これは税引前当期純利益の計上や棚卸資産の減少などが主な要因です。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産及び無形固定資産の取得により7.6億円の資金使用となりました。これにより、事業活動で得た資金を将来の成長に向けた投資に充てている状況がうかがえます。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済や配当金の支払、自己株式の取得により15.3億円の資金使用となっています。本業で安定的に資金を生み出し、投資を賄いつつ余剰資金を確保していることから、安定した経営基盤のもとで雇用や給与の安定性が期待できる状況です。
| 項目 | 2024年3月期(前期) | 2025年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 7.7億円 | 30.6億円 |
| 投資CF | 0.8億円 | △7.6億円 |
| 財務CF | △21.9億円 | △15.3億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 8.4億円 | 22.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は主要原材料であるテルペン類の全量を輸入に頼っており、仕入価格が国際市況や為替相場の変動による影響を受ける可能性があります。また、製品の安定供給のため相当量のテルペン類を備蓄することが経営上の課題となっています。
海外売上高の割合が33.4%であり、輸出入取引のほとんどを外貨建てで行っているため、為替相場の変動が同社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ヤスハラケミカルは、自然の恵みと科学技術を融合させ、社会の発展と豊かな暮らしに貢献することを目指す企業です。テルペン化学を基盤に、持続可能な社会の実現に向けた独自の価値観と企業風土を育んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ヤスハラケミカルは「自然の恵みと科学技術を融合させる独創企業として、産業と生活の向上につながる活動領域をひろげます。」という基本理念を掲げています。テルペン化学で培った創造と挑戦の精神をもって、自然界の無限の可能性を引き出すことを目指しています。高品質・高付加価値製品の安定供給を通じて、社会の発展、便利な暮らし、心豊かな暮らしに貢献していくことをビジョンとしています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、テルペン化学で培った「創造と挑戦の精神」を大切にしています。人材育成においては、以下の行動方針「BEST」を掲げています。Better(向上心をもって何事にも実践する)、Expert(職務の重要性を認識し目指す)、Spirit(創造と挑戦する精神を発揮する)、Team Work(相互に尊重しあい行動する)です。従業員一人ひとりが主体的に行動し、個性を生かして活躍できる組織を目指す企業風土があります。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、高付加価値製品の研究・開発に注力し、国内外市場における新規取引先の開拓や既存取引先との関係強化に努めています。生産の合理化や業務効率の改善による生産性向上、収益性の改善にも全社で取り組んでいます。また、人材育成を重要課題の一つと捉え、社員の知識・技術の向上や意識改革を図り、企業体質の強化に努めています。環境・品質管理の徹底化も重点テーマであり、ISO9001およびISO14001の認証取得を通じて、環境・品質に関するリスクと機会を特定し、目標を設定して事業活動を行っています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査等委員会設置会社であり、経営判断の迅速化と効率化、そして経営の透明性向上を重視しています。取締役会は業務執行の意思決定と監督を担い、監査等委員会が独立した立場で監査・監督を実施する体制です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主はワイエス興産有限会社であり、代表取締役社長の安原禎二氏が第2位の株主となっています。また、ヤスハラケミカル取引先持株会も上位に位置しています。創業家や関連会社が主要な株主として名を連ねており、同社の経営基盤を支えていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ワイエス興産有限会社 | 13.63% |
| 安原 禎二 | 13.07% |
| ヤスハラケミカル取引先持株会 | 10.84% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は安原禎二氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 安原 禎二 | 取締役社長 (代表取締役) | 1979年6月同社入社。ワイエス興産有限会社代表取締役社長、有限会社スマイル代表取締役社長を経て、2000年6月より同社代表取締役社長。 |
| 新井 隆太郎 | 取締役常務 (代表取締役) | 2019年5月同社入社。営業部長、取締役を経て、2025年4月より同社代表取締役常務。 |
| 原田 桂子 | 取締役 経営統括本部長 | 2019年2月同社入社。社長室室長、取締役社長室長兼経営企画部長を経て、2024年4月より同社経営統括本部長。 |
| 栗本 倫行 | 取締役 生産本部長 | 1991年4月同社入社。新居浜工場長兼技術一部長、生産副本部長を経て、2016年6月より同社取締役生産本部長。 |
社外取締役は、神原宏尚氏(神原宏尚法律事務所所長・監査等委員)、前岡大氏(前岡大公認会計士税理士事務所所長・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役が取締役会の意思決定プロセスを監督し、経営の透明性と公正性を確保しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、職責に応じた適正な水準を基本方針としており、金銭による固定報酬を基本としています。基本報酬は月例の固定報酬、年2回の賞与金、および役員退職慰労金で構成されています。役位や職責、在任年数に加え、同社の業績や従業員給与の水準も考慮して総合的に決定されています。社外取締役に対しては、その職務に鑑み月例の固定報酬のみが支給されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 1.4億円 | 35.0百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 16百万円 | 16.0百万円 |
なお、報酬等の総額には、役員退職慰労引当金の当事業年度増加額が含まれています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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