【平均年収667万円】アルチザネットワークス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年7月期)

【平均年収667万円】アルチザネットワークス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年7月期)

アルチザネットワークスは、通信計測機等の開発・販売及びテストサービスを主たる事業としています。直近期は売上高が減少したものの、固定費削減により営業利益と経常利益は大幅に増加し、当期純利益も黒字に転換しました。


目次

※本記事は、株式会社アルチザネットワークス の有価証券報告書(2025年7月期、2024年8月1日 ~ 2025年7月31日、2025年10月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


アルチザネットワークスは、通信計測機等の開発・販売及びテストサービスを主たる事業としています。同社グループは、移動体通信分野におけるプロトコル・シミュレータや固定通信分野のネットワーク監視装置、ネットワークセキュリティ関連製品の開発・販売を手掛けています。

単体従業員数は132名、連結従業員数は161名です。同社グループの事業セグメントは物販、サービス、全社(共通)の3つです。

主な国内グループ会社は、シー・ツー・エムなどです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


アルチザネットワークスは、通信計測器やネットワークソリューションを提供する企業として、専門性の高い技術開発を事業の中核に据えています。このような事業特性から、従業員の専門能力の向上と長期的なキャリア形成を支援する環境が整っていると考えられます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均年齢が30代後半であり、平均勤続年数も一定の水準を示しています。これは、従業員が長期的にキャリアを築きやすい環境であることを示唆しています。

項目 数値
平均年間給与 6,671,977円
平均勤続年数 8.2年
平均年齢 39.6歳
単体従業員数 132人
連結従業員数 161人
単体のグループ内比率 82.0%


同社は確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)の退職給付制度を採用しています。国内連結子会社は退職一時金制度を採用しています。

退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

退職給付債務は55百万円、年金資産は59百万円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


アルチザネットワークスグループは、「全社員に成長と幸福を追求すると同時に、お客様、社会の進歩発展に貢献する」という経営理念を掲げ、顧客および社会の課題解決を通じて企業価値向上と社会の持続的発展に貢献することを目指しています。この中で「人的資本」を重点課題と認識し、戦略的に取り組んでいます。

人的資本戦略の推進においては、取締役会や経営会議でKPIの進捗状況や人事施策の効果・課題を定期的に議論しています。また、リスク管理とコンプライアンス体制の整備にも注力し、リスク・コンプライアンスに関する委員会を定例開催しています。

具体的な取り組みとして、安心・安全に働ける職場環境の整備に力を入れています。産業医を内科医と精神科医の2名配置し、従業員の心身両面のケアと安全衛生活動をサポートしています。ストレスチェックやエンゲージメントサーベイも実施し、結果に基づいた施策を検討・実施しています。年次有給休暇の取得促進のため、ゴールデンウィークや祝日が飛び石連休となった場合に取得奨励日を設けるなどの対策も行っています。

社員教育では、全社でベクトルの揃ったテーマ選定を行い、部門別・階層別に強化したいテーマを絞った教育を実施しています。次世代マネジャーの育成にも力を入れ、メンターマインド研修やリーダーの心得など、必要な施策を自ら実行できる人材を育てる教育研修を行っています。

多様な人材の活躍機会の創出にも取り組んでおり、育児・介護と就業の両立支援として休暇や短時間勤務制度を設けています。在宅勤務や時差出勤、長期休暇を一定期間内での時期選択制にするなど、働き方の選択肢を増やしています。男性、女性、外国籍の方や中途採用者も含めて多様性を確保し、様々な価値観を相互に理解し認め合う職場環境の醸成に努めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 0.0%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 73.9%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 68.4%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 81.1%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ ㈱シー・ツー・エム

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 0.0%
男性労働者の育児休業取得率 0.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 73.5%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 75.9%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 68.8%

多様性・登用

指標 数値
女性正社員の比率 14.0%

人材育成・エンゲージメント

指標 数値
年次有給休暇平均取得日数 9.7日

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


アルチザネットワークスは、通信計測機等の開発・販売とテストサービスを主軸に事業を展開しています。同社グループは、移動体通信分野と固定通信分野において、通信インフラを支える技術を提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、主に「プロトコル・シミュレータ」と呼ばれる通信計測機や「パケットキャプチャ」と呼ばれるネットワーク監視装置の開発・販売、およびテストの請負やテスト検証施設・設備の貸し出しといったテストサービスソリューションを提供しています。主要な顧客は、通信事業者や通信機器メーカーの研究開発部門、製造部門です。

同社グループの収益モデルは、製品の販売を主とする物販事業と、技術サービスを提供するサービス事業の二つのセグメントで構成されています。特に保守サービスにおいては、顧客へのサービス提供期間を通じて一定期間にわたり収益を認識しています。

物販

5G向けの製品販売、新製品の販売、ローカル5G向け商材の販売に注力しています。また、ネットワーク監視用途のパケットキャプチャツール「etherExtractor」シリーズの新製品販売や、ネットワーク・セキュリティ分野の商材開拓及び販売も行っています。収益は、通信計測機やネットワーク監視装置などの製品販売から得ています。運営は、アルチザネットワークスが行っています。

サービス

同社が培ってきたモバイル通信の技術をベースに、テストサービスの受託や保守サービスの獲得、新分野における付加価値の高いサービスを提供しています。収益は、テストサービスや保守サービスの提供から得ています。運営は、アルチザネットワークス及び子会社のシー・ツー・エムが行っています。

同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、国内市場が中心となっています。主要な顧客として、株式会社NTTドコモ、富士通株式会社、ソフトバンク株式会社からの売上高が大きな割合を占めています。

セグメント 売上高(2024年7月期) 売上高(2025年7月期)
物販 16.8億円 14.3億円
サービス 11.4億円 12.5億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は直近5年間で減少傾向にあります。しかし、当連結会計年度においては、売上高は前期から減少したものの、固定費の削減が進んだことで営業利益は大幅に増加しました。経常利益も本業の収益拡大に加え、有価証券利息の計上により大きく伸びています。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期の損失から当期は黒字に転換しました。

項目 2021年7月期 2022年7月期 2023年7月期 2024年7月期 2025年7月期
売上高 40.5億円 45.4億円 41.1億円 28.2億円 26.8億円
経常利益 8.3億円 14.7億円 4.3億円 46百万円 2.5億円
経常利益率 20.4% 32.4% 10.5% 1.6% 9.2%
親会社株主に帰属する当期純利益 7.9億円 11.0億円 1.2億円 △1.4億円 1.3億円
1株当たり当期純利益(円) 91.89 118.33 12.94 △15.69 14.83

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から増加しており、組織全体の効率性が向上している傾向が見られます。また、従業員1人あたり営業利益も前期から大きく伸びており、本業における収益性の改善が生産性向上に寄与していることがうかがえます。これらの指標の改善は、同社グループが事業構造の効率化を進めていることを示しています。

指標 2024年7月期(前期) 2025年7月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 16.3百万円 16.7百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.2百万円 0.7百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの経営の安定性を見る上で、財務基盤とキャッシュフローの状況は重要な指標となります。現在、同社グループは将来に向けた積極的な投資を行っている段階を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均と比較して高い水準にあります。ROE(自己資本利益率)は当期にプラスに転じましたが、プライム市場平均を下回っています。手元資金である現金及び預金は前期から減少しており、今後の事業展開や不測の事態への対応力が注目されます。これらの財務状況は、長期的な雇用や給与の安定性に関わる重要な要素となります。

指標 2024年7月期(前期) 2025年7月期(当期)
純資産 69.9億円 65.6億円
自己資本比率 78.3% 78.1%
ROE(自己資本利益率) -2.0% 2.0%
現金及び預金 64.6億円 27.3億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費、仕入債務の増加などにより、前期に比べて増加しています。一方で、投資活動によるキャッシュフローは、定期預金の預入や投資有価証券の取得による支出が大幅に増加したため、前期よりも大幅なマイナスとなりました。これにより、フリーキャッシュフローはマイナスに転じています。

財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済、社債の償還、自己株式の取得、配当金の支払いなどにより、前期に引き続きマイナスとなっています。この状況は、本業で資金を生み出しつつも、将来の成長に向けた積極的な投資を行っている段階を示しています。このような資金の流れは、事業の成長性への期待がある一方で、手元資金の減少は短期的な雇用や給与の安定性に影響を与える可能性があります。

項目 2024年7月期(前期) 2025年7月期(当期)
営業CF 2.3億円 4.0億円
投資CF △0.6億円 △41.3億円
財務CF △5.3億円 △5.9億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 1.7億円 △37.3億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループは、特定顧客の需要変化や通信ネットワークの開発進捗、事業展開方針に大きく影響を受ける可能性があります。また、通信新技術開発段階での同社製品の採用状況が、その後の製造部門や保守部門の受注動向に影響を与えるリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク


同社グループの競争力は開発エンジニアの開発力に大きく依存しており、今後も継続的な成長のためには優秀な人材の新規採用と育成が重要であると認識されています。適正な人材の確保や育成に失敗し、重要な役割を担う従業員が退職した場合、業務に支障が生じるおそれがあります。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


アルチザネットワークスは、「次世代通信インフラを実現するエキスパート集団」として、通信サービスの品質向上に貢献することを目指しています。全社員の成長と幸福を追求しながら、お客様と社会の進歩発展に貢献することを経営理念としています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


アルチザネットワークスグループは、創業以来「次世代通信インフラを実現するエキスパート集団」として、通信インフラ構築を側面から支援し、通信サービスの品質向上に貢献してきました。
「全社員の成長と幸福を追求すると同時に、お客様、社会の進歩発展に貢献する」ことを経営理念として掲げています。
技術志向型企業として、ユニークな研究開発とタイムリーな製品・サービスの提供を通じて、「品質・技術力・創造性でお客様の満足を獲得する」ことを事業目標としています。
企業価値の最大化を目指し、安定的な成長・発展の継続を目標としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


アルチザネットワークスグループは、経営理念である「全社員の成長と幸福を追求すると同時に、お客様、社会の進歩発展に貢献する」ことを重視しています。
技術志向型企業として、品質・技術力・創造性でお客様の満足を獲得することを事業目標としています。
サステナビリティに関する重点課題として「人的資本」の理念を掲げ、顧客と社会の課題解決を通じて企業価値向上と社会の持続的発展に貢献することを目指しています。
安心・安全な職場環境の整備、社員教育の実施、多様な人材の活躍機会の創出に取り組んでいます。
リスク管理とコンプライアンス体制の強化にも努め、社員と上長による1on1の定期実施や内部通報窓口の設置、リスク・コンプライアンスに関する委員会の定例開催を行っています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


アルチザネットワークスグループは、事業・業績の拡大と企業価値向上を目指し、内部管理体制の強化を重要な経営課題として認識しています。
効率的なオペレーション体制を構築しながら、内部統制およびコンプライアンス体制の充実・強化を図ることに取り組んでいます。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


アルチザネットワークスでは、意思決定と監督を担う取締役会と、業務執行を担う執行役員の機能が分離されています。取締役会は社内取締役と独立した立場の社外取締役で構成され、経営の健全性と透明性を維持し、公正かつ効率的な経営を遂行する体制が整っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


アルチザネットワークスの株主構成を見ると、創業家が上位に名を連ね、経営の基盤を支えていることがうかがえます。特定の株主グループが安定的に株式を保有しており、長期的な視点での経営が期待できる資本構成となっています。

株主名 持株比率
床次 隆志 20.04%
有限会社エス・エイチ・マネジメント 9.11%
東 政光 1.48%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役会長は床次隆志氏が、代表取締役社長執行役員は床次直之氏が務めています。社外取締役比率は20.0%です。

氏名 役職 主な経歴
床次 隆志 代表取締役 会長 1990年12月に同社を設立し代表取締役社長に就任。2010年9月には阿基捷(上海)軟件開発有限公司の董事長を務め、2019年10月より同社代表取締役会長より現職。
床次 直之 代表取締役 社長執行役員 1992年11月に同社に入社。開発本部長などを経て2009年10月に取締役に就任。営業本部長、モバイルプロダクト事業本部長などを歴任し、2019年10月より同社代表取締役社長執行役員より現職。
永井 英樹 取締役 執行役員 2005年4月に同社に入社。営業本部サービスソリューション部長などを経て2020年10月に執行役員に就任。モバイルプロダクト事業本部長などを歴任し、2022年10月より同社取締役執行役員より現職。
近藤 誠司 取締役 1986年4月に日本電気に入社し事業部長などを務める。NECプラットフォームズ執行役員を経て、2023年10月に同社に入社。2024年10月より同社取締役より現職。


社外取締役は、Jacob J. Hsu氏(アスチュート・ネットワークス社取締役)です。

同社は監査役会設置会社です。社外取締役1名と社外監査役2名が選任されており、外部からの客観的かつ中立的な経営監視機能が強化されています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


アルチザネットワークスの役員報酬は、株主総会で決議された報酬限度額の範囲内で、各役員の職責や実績、同業他社の水準を考慮して決定されています。報酬は主に基本報酬と賞与で構成されており、社外役員の意見も踏まえて取締役会や監査役会で個別に決定される仕組みとなっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 70百万円 17.6百万円
監査役(社外除く) 1名 4百万円 3.8百万円
社外役員 3名 20百万円 6.5百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。