※本記事は、株式会社大和コンピューター の有価証券報告書(2025年7月期、2024年8月1日 ~ 2025年7月31日、2025年10月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
大和コンピューターグループは、情報システムの構築・稼働を担うソフトウェア開発関連事業と、SaaS型ソフトウェアサービスを提供するサービスインテグレーション事業を主軸としています。システム販売や農業関連事業も展開しています。
単体従業員数は184名、連結従業員数は191名です。セグメントはソフトウェア開発関連事業、サービスインテグレーション事業、その他の3つです。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)フィット・コム(サービスインテグレーション事業)、(連結子会社)ルーツ、(連結子会社)浅小井農園(トマトの生産・加工・運搬・販売)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
大和コンピューターは、ITサービスを主軸とする事業を展開しており、従業員の働きやすさやキャリア形成にも配慮している企業です。多様な人材の活躍を推進し、柔軟な働き方を支援する取り組みが見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、比較的平均勤続年数が長く、従業員の定着傾向がうかがえます。平均年齢も40代前半であり、経験豊富な人材が活躍している環境であると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,156,646円 |
| 平均勤続年数 | 19.2年 |
| 平均年齢 | 42.6歳 |
| 単体従業員数 | 184人 |
| 連結従業員数 | 191人 |
| 単体のグループ内比率 | 96.3% |
同社および一部の子会社は、退職金規程に基づく退職一時金制度と確定拠出年金制度を採用しています。退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、確定給付制度における退職給付に係る負債の期末残高は235百万円、確定拠出制度への要拠出額は9百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、企業理念に基づく事業活動を持続可能性への取り組みと捉え、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇を重視しています。持続可能な未来社会の実現のため、高品質な製品・サービスの提供を通じて顧客と共に発展することを目指しています。
事業内容の拡大に応じて、女性、外国人、中途採用に努める方針です。また、農業分野における栽培の自動化推進過程では、障害者雇用も検討しています。個人の能力が最大限に活かされるようオフィス環境を整備し、働き方改革としてテレワーキングやデュアル・ライフ・バランスを推進しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体のデータを示します。労働者の男女の賃金の差異については、勤続年数、等級、役職の違いによるものであり、同一労働の賃金に差はありません。表中の労働者の男女の賃金の差異は、男性の平均賃金に対する女性の平均賃金の割合であります。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 74.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 75.8% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
大和コンピューターグループは、情報システムの構築から稼働までを事業領域とする「ソフトウェア開発関連事業」と、SaaS型ソフトウェアサービスなどを提供する「サービスインテグレーション事業」を主な柱としています。これらに加え、システム販売や農業に関する活動も展開しており、多角的なビジネスモデルを構築しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、情報システム関連のサービス提供を通じて収益を上げています。顧客のIT投資意欲が底堅く推移する中で、新分野や大型案件の受注活動に注力し、生産性の向上や業務効率化を目指しています。
ソフトウェア開発関連事業
顧客から請け負った受託開発業務を中心に、システムやソフトウェアの設計・開発・導入、保守サービスを提供しています。また、ソフトウェア開発プロセスの改善やCMMI導入コンサルテーションを通じて、顧客の企業活動をサポートしています。収益は、これらの受託開発業務やコンサルテーションから得ています。主要な顧客としてSCSKや大塚商会が挙げられます。
サービスインテグレーション事業
SaaS型ソフトウェアサービスの提供を主軸とし、関連するシステムやソフトウェアのコンサルティングから設計・開発・導入、保守、ハードウェア販売・導入、サプライ供給までをトータルでサポートしています。収益は、SaaS型ソフトウェアサービスや関連するシステムインテグレーションサービスから得ています。運営は、連結子会社であるフィット・コムが行っています。
その他の事業セグメント
各メーカーのソフトウェアからハードウェアまで、最適な構成で顧客に提供するシステム販売を行っています。また、静岡県袋井市や滋賀県近江八幡市で農作物の生産・加工・販売といった農業に関する活動も展開しています。収益は、システム販売や農作物の販売などから得ています。運営は、連結子会社であるルーツおよび浅小井農園が行っています。
同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の90%を超えており、国内市場が事業の中心となっています。特定の顧客への収益集中が見られ、ソフトウェア開発関連事業においてはSCSKと大塚商会が主要な取引先です。
| セグメント | 売上高(2024年7月期) | 売上高(2025年7月期) |
|---|---|---|
| ソフトウェア開発関連事業 | 25.3億円 | 24.0億円 |
| サービスインテグレーション事業 | 6.1億円 | 5.8億円 |
| その他の事業セグメント | 1.6億円 | 2.3億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は直近で減少傾向にありますが、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は増加傾向にあります。特に親会社株主に帰属する当期純利益は、当期において前期から大きく増加しました。
| 項目 | 2021年7月期 | 2022年7月期 | 2023年7月期 | 2024年7月期 | 2025年7月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 26.1億円 | 28.8億円 | 30.1億円 | 32.9億円 | 32.0億円 |
| 経常利益 | 5.0億円 | 5.1億円 | 5.2億円 | 6.0億円 | 6.2億円 |
| 経常利益率 | 19.0% | 17.6% | 17.1% | 18.3% | 19.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3.3億円 | 3.4億円 | 3.3億円 | 3.4億円 | 4.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 84.41 | 87.46 | 84.92 | 88.29 | 107.73 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から減少していますが、従業員1人あたり営業利益は前期から横ばいとなっています。これは、売上高が減少した一方で、営業利益が増加したことによるものです。生産性の維持に向けた取り組みがうかがえます。
| 指標 | 2024年7月期 | 2025年7月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 17.6百万円 | 16.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 3.0百万円 | 3.0百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
株式会社大和コンピューターは、安定した財務基盤を構築しており、事業活動を通じて着実に資金を生み出しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が高く、手元資金も厚い状態です。これは、事業活動で得た利益を内部に蓄積し、安定した経営を維持していることを示しています。
| 指標 | 2024年7月期(前期) | 2025年7月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 51.0億円 | 53.7億円 |
| 自己資本比率 | 83.3% | 86.0% |
| ROE(自己資本利益率) | 6.9% | 8.0% |
| 現金及び預金 | 38.8億円 | 39.5億円 |
同社グループの自己資本比率は前期から当期にかけて上昇し、86.0%となっています。これはプライム市場の非製造業平均(24.2%)と比較して高い水準です。
ROE(自己資本利益率)も前期の6.9%から当期は8.0%に上昇しており、プライム市場平均(9.4%)に近い水準を示しています。
現金及び預金は前期の38.8億円から当期は39.5億円に増加しており、潤沢な手元資金を確保していることがうかがえます。
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループは、本業で安定的に資金を生み出し、投資活動による資金の減少を上回るフリーキャッシュフローを確保しています。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費などにより、2.8億円の増加となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出などにより、△88百万円の減少となっています。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済や配当金の支払いなどにより、△1.1億円の減少となりました。
これらの結果、フリーキャッシュフローは1.9億円のプラスとなっており、本業で得た資金が投資活動による支出を上回っています。この状況は、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来に向けた投資も行いつつ、資金を内部に蓄積していることを示しています。
| 項目 | 2024年7月期(前期) | 2025年7月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 5.9億円 | 2.8億円 |
| 投資CF | 79百万円 | △88百万円 |
| 財務CF | △76百万円 | △1.1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 6.7億円 | 1.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、取り扱う技術や顧客ニーズの変化など、事業環境の急激な変化が経営成績に影響を及ぼす可能性があると認識しています。
また、主要取引先であるSCSK株式会社および株式会社大塚商会への売上高依存度が高い傾向にあります。今後、両社の事業動向によっては、同社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、情報サービス業界における労働市場の逼迫により、優秀な人材を適時に確保できない場合、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があると認識しています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
株式会社大和コンピューターは、「和の魂」を経営理念の根幹に据え、個の力を連携して組織の力とする「和の精神」を大切にしています。安心、安全、信頼の絆作りを追求し、魅力ある会社を創造することで、会社の発展と社会貢献を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「和の魂」を経営理念の根幹に据え、個の力を連携し組織の力とする「和の精神」を大切にしています。安心、安全、信頼の絆作りを追求し、魅力ある会社を創造することで、会社の発展と社会貢献を目指しています。
ミッションとして「より良いソリューション・顧客満足度の高い製品・サービス」の提供や、世界に通用する「P(人・プロセス・プロダクト)」による社会貢献を掲げています。ビジョンでは、高付加価値を創造する企業、社員満足度の高い会社、社会に認められる製品・サービスの開発・創出を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、品質・環境・技術のバランスを重視し、本質を追求した事業活動をバリューとしています。品質第一主義による高品質なシステム開発、地球環境保全への配慮、そして最適・最先端技術の習得と「半歩先」の技術への挑戦を通じて、お客様に安心できるサービス提供を目指しています。
また、企業理念に基づく事業活動をサステナビリティへの取り組みと捉え、気候変動などの地球環境問題への配慮や人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮などを重視しています。行動規範を定め、その重要性をグループ全体で共有しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、中期経営計画「DCX 2030」に基づき、持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。その中で、人的資本への投資を重要な課題と位置づけています。
IT業界における競争力の源泉である人材の育成に注力し、次世代人材の育成、働き方改革、キャリア形成支援などを通じて組織力の向上を図っています。具体的には、中途採用の強化や積極的な教育・育成投資、人事制度の改善に取り組んでいます。
また、AI関連事業への取り組みとして、生成AIを利活用できるエンジニアの育成や、全社的な生成AIの利活用促進を進めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
大和コンピューターは、取締役会と監査役会を設置する体制を採用しています。これにより、経営の健全化、効率化、透明性の確保を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
大和コンピューターの筆頭株主は㈲ジェネシスです。代表取締役社長の中村憲司氏も上位株主の一人として名を連ねています。その他、SCSKなど、複数の法人や個人が主要な株主として同社を支えています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ㈲ジェネシス | 24.70% |
| 中村 憲司 | 18.21% |
| SCSK | 7.91% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は中村憲司氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 中村 憲司 | 代表取締役社長 | 1984年日本アイ・ビー・エム入社後、1987年同社入社。1988年同社取締役に就任し、2002年より同社代表取締役社長を務め、現在に至ります。京滋帝燃(現テイネン)や帝燃産業、ルーツの取締役も兼任しています。 |
| 鈴木 義人 | 取締役専務執行役員 | 1985年同社入社後、1997年同社取締役に就任。ソリューション統括本部長などを経て、2025年2月より同社取締役専務執行役員を務め、現在に至ります。浅小井農園の代表取締役も兼任しています。 |
| 寺川 英信 | 取締役執行役員企画管理本部長 | 1993年同社入社後、経営企画部業務部長などを歴任。2020年執行役員、2024年10月取締役に就任し、同年11月より同社取締役執行役員企画管理本部長を務め、現在に至ります。 |
社外取締役は、田代来氏(田代来税理士事務所所長)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会による業務執行の決定と監督、監査役会による監査を基本とした体制です。社外取締役は独立した立場から経営判断への助言を行い、社外監査役は公正かつ客観的な監査を遂行しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
大和コンピューターの役員報酬は、固定報酬である基本報酬と株式報酬で構成されています。社外取締役には基本報酬のみが支給される方針です。株式報酬は譲渡制限付株式として、企業価値の持続的な向上へのインセンティブとして機能するよう設計されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 55百万円 | 13.7百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 10百万円 | 10.2百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 11百万円 | 3.8百万円 |
当事業年度における役員報酬の総額は76百万円であり、対象となる役員の合計は8名です。
なお、報酬等の総額には使用人兼務取締役の使用人給与は含まれていません。また、取締役の報酬等の総額及び員数には、期中に退任した取締役1名が含まれています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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