※本記事は、日本スキー場開発株式会社 の有価証券報告書(2025年7月期、2024年8月1日 ~ 2025年7月31日、2025年10月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
日本スキー場開発は持株会社であり、単体従業員数は107名、グループ連結従業員数は250名です。
同社グループは、連結子会社9社で構成され、スキー場運営を主たる事業としています。スキー場の再生に取り組み、ウィンターシーズンとグリーンシーズンの両方で、自然の素晴らしさや非日常的な体験を提供しています。
主な国内グループ会社は、当社、鹿島槍、北志賀竜王、川場リゾート、白馬観光開発、岩岳リゾート、栂池ゴンドラリフト、めいほう高原開発、ハーレスキーリゾート、スパイシー、白馬観光開発、岩岳リゾートなどです。
同社グループは、スキー場経営支援を行う「NSDアライアンス」を展開し、みやぎ蔵王えぼしリゾートなど複数のスキー場が加入しています。また、「NSDキッズプログラム」の対象スキー場も14か所に拡大しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社グループは、持続可能な社会の実現と地域社会との共存を目指し、人的資本への積極的な投資を通じて多様な人材の確保と育成に注力しています。社員一人ひとりの可能性を最大限に引き出し、活力を生み出す組織づくりを進めていることが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、比較的若い年齢層の従業員が中心となっており、勤続年数も短めであることから、活発な組織であることがうかがえます。多様な人材が活躍できる環境づくりに力を入れている同社グループの姿勢が反映されていると言えるでしょう。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,227,000円 |
| 平均勤続年数 | 4.1年 |
| 平均年齢 | 35.9歳 |
| 単体従業員数 | 107人 |
| 連結従業員数 | 250人 |
| 単体のグループ内比率 | 42.8% |
同社グループは、確定拠出型年金制度を採用しています。これは会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。
同社および一部の連結子会社がこの制度を適用しています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
当連結会計年度における確定拠出制度への要拠出額は28百万円です。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、持続可能な社会の実現と地域社会との共存を目指し、人的資本への積極的な投資を重視しています。経営理念である『自然・お客様・地域社会の「HAPPY」を創出』の具現化には、人材が最も重要であると考えています。
人材戦略においては、自ら挑戦を推奨する組織風土の醸成と社員活力の最大化を掲げています。専門性の高い多様な人材の採用強化や、社員一人ひとりの能力発揮、健康、安全・安心、人権尊重を推進し、効率的で柔軟な働き方の実現を目指しています。
具体的には、定期的な社員エンゲージメントサーベイを実施し、社員意識の確認を行っています。また、各種規則や制度の見直し、職場ごとの改善活動、毎年冬期シーズン前の「キックオフ会」開催を通じて、人材のエンゲージメント強化に努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体のデータを示します。パート・有期労働者の男女の賃金差異は重要性が乏しいため記載を省略しており、連結子会社は公表義務がないため記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 11.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 50.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 62.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 62.7% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
日本スキー場開発は、スキー場運営を主たる事業とする持株会社です。自然の素晴らしさやウィンタースポーツの楽しさを提供し、地域活性化の中心的な役割を担うことを目指しています。
同社グループは、大都市圏から近いスキー場や、過去にオリンピック会場となった大規模なゲレンデなど、特徴あるスキー場を取得し、地元関係者や従業員と一体となって活性化に取り組んでいます。スキー場の運営においては、地域の文化や伝統を重んじ、関係者と協議を重ねながら、スキー場や地域の強みを引き出す手法を重視しています。また、同社グループの役職員が地元に常駐し、現場での感覚を共有することで、迅速な経営判断と改善スピードの向上を図るハンズオンの手法を継続しています。
収益は、主にウィンターシーズンとグリーンシーズンの両方で得ています。ウィンターシーズンはリフト券の販売、料飲の提供、スキー・スノーボード用品のレンタル、土産物等の物販が主な収益源です。集客増加のため、大規模な展示会での販売促進、旅行会社との商品企画、広告宣伝活動を実施しています。特にHAKUBA VALLEYエリアでは外国人旅行者の増加に対応し、海外からの集客にも力を入れています。
グリーンシーズンでは、リフト券販売、料飲提供、マウンテンバイク・登山用具のレンタル、土産物物販、キャンプ場やアクティビティ施設の運営などから収益を得ています。大自然の眺望を望む展望テラスの建設や大型遊具施設の導入、キャンプフィールドの展開など、地域の特性を活かした商品開発を継続し、一年を通じた営業体制を整えることで、ウィンターシーズンに業績が偏重する季節変動リスクの分散を図っています。当連結会計年度より不動産事業も開始し、収益源の多様化を進めています。
同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の大部分を占めており、国内市場が中心です。また、特定の顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の10%に満たないため、特定の顧客への収益集中は見られません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績は、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも増加傾向を示しています。特に直近の当連結会計年度では、売上高と各利益ともに過去最高の水準を達成しました。
2021年7月期には新型コロナウイルス感染症の影響により経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益が損失となりましたが、その後は順調に回復し、成長を続けていることがうかがえます。
| 項目 | 2021年7月期 | 2022年7月期 | 2023年7月期 | 2024年7月期 | 2025年7月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 45.5億円 | 55.7億円 | 69.0億円 | 82.5億円 | 105億円 |
| 経常利益 | △2.7億円 | 3.5億円 | 10.8億円 | 15.5億円 | 22.4億円 |
| 経常利益率 | △5.9% | 6.2% | 15.6% | 18.8% | 21.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △4.8億円 | 32百万円 | 9.5億円 | 10.9億円 | 15.9億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △10.40 | 0.70 | 20.94 | 24.01 | 34.68 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高(連結)は、前期から当期にかけて増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益(連結)も同様に増加しており、従業員一人ひとりの稼ぐ力が向上している傾向が見られます。これらの指標の改善は、組織全体の効率化や事業の高付加価値化が進んでいることを示唆しています。
| 指標 | 2024年7月期(前期) | 2025年7月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 35.4百万円 | 41.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 6.7百万円 | 9.0百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは本業で着実に資金を生み出しつつ、将来の成長に向けた積極的な投資を継続している状況です。これにより、フリーキャッシュフローはマイナスとなっていますが、事業拡大への意欲がうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率とROE(自己資本利益率)から安定していることがわかります。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあり、財務の健全性を示しています。ROEもプライム市場平均を上回っており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。手元資金である現金及び預金も増加しており、不測の事態への耐性も確保されていると考えられます。
| 指標 | 2024年7月期(前期) | 2025年7月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 70.6億円 | 87.0億円 |
| 自己資本比率 | 60.7% | 61.2% |
| ROE(自己資本利益率) | 17.8% | 21.3% |
| 現金及び預金 | 31.4億円 | 34.6億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュフローは、当期に増加しました。これは主に税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上によるものです。
投資活動によるキャッシュフローは、当期も支出が続いています。有形固定資産の取得による支出が主な要因となっており、事業拡大に向けた積極的な投資が行われていることがわかります。
財務活動によるキャッシュフローは、当期は収入が減少しました。長期借入金による収入があった一方で、配当金の支払いや長期借入金の返済も行われています。
これらの結果、フリーキャッシュフローはマイナスとなりましたが、前期と比較するとマイナス幅は縮小しています。同社グループは本業で着実に資金を生み出しつつ、将来の成長に向けた積極的な設備投資を継続している状況です。このような投資は、事業の拡大や競争力強化につながり、長期的な雇用安定性や給与水準の向上に寄与する可能性があります。
| 項目 | 2024年7月期(前期) | 2025年7月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 19.7億円 | 27.1億円 |
| 投資CF | △26.8億円 | △28.3億円 |
| 財務CF | 21.1億円 | 4.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △7.1億円 | △1.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの事業はスキー場運営に特化しており、HAKUBA VALLEYエリアからの収益が大半を占めるため、特定の事業とエリアへの依存度が高い状況です。また、業績はスキー場のウィンターシーズンに偏重する傾向があります。グリーンシーズンの事業強化により、季節変動リスクの分散を図る方針です。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、持続的な成長のために、リーダーシップのある経営陣や有能な従業員の継続的な雇用と育成を必要としています。従業員の雇用競争の激化や退職率の上昇、福利厚生費の増加によるコスト増が、同社グループの業績に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
日本スキー場開発は、自然とウィンタースポーツの魅力を通じて、お客様や地域社会に「ハッピー」を届けることを目指しています。持株会社として、同社グループ全体で持続可能なリゾート運営と地域活性化に取り組んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「自然、お客様、そして地域社会の全てがハッピーに」を経営理念として掲げています。ミッションは「スキー場の運営に関するあらゆる問題を解決し、非日常的な時間と空間を演出することにより、一人でも多くの方に自然の素晴らしさ、ウィンタースポーツの楽しさを味わって頂くこと」です。
中長期的には、スキー場を投資や投機対象の不動産としてではなく、地域活性化の中心的な役割を担う存在として再生に取り組むことを重要視しています。安全な運営、良質なサービスの提供、適正な収益の獲得を心掛け、経営理念の実現を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、持続可能な社会の実現が企業の成長・発展に不可欠であると認識し、地域社会への貢献と共存、自然環境への負荷軽減に取り組むことを大切にしています。人材を会社にとって最大の資産と捉え、多様な人材が集い、社員一人一人が持つ無限の可能性を引き出し、大きな活力を生み出す人的資本による経営を進めています。
人材戦略においては、自ら挑戦を推奨する組織風土の醸成、社員活力の最大化、専門性の高い多様な人材(外国人を含む)の採用強化と能力発揮を推進しています。また、健康、安全・安心、そして人権尊重を推進し、効率的で柔軟な働き方の実現を目指しています。定期的な社員へのエンゲージメントサーベイや冬期シーズン前の「キックオフ会」を通じて、人材のエンゲージメント強化に努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、顧客満足度の維持・向上を優先課題の一つとしています。マニュアルの充実や継続的な社員教育、新たな取り組みへの挑戦を通じて、非日常感を求めるお客様への充実したサービス提供に努めています。
また、索道事業の安全対策を重点項目とし、国土交通省令や整備細則に基づく点検整備、中期・長期の整備計画策定、スタッフへの継続的な安全教育、天候監視と災害対応訓練を実施しています。一年を通じた営業体制を整えることで、ウィンターシーズンに業績が偏重する季節変動リスクを分散し、安定したスキー場等の経営を目指しています。
グループ全体での共同告知や営業活動の強化、効率化による集客増進に加え、グループ会社間での人事面での連携や、新規事業等の成功ノウハウの共有等、シナジー効果の積極的な享受を目指しています。強みや特徴を有するスキー場を積極的に取得し、地元関係者や従業員と一体となって改善を進め、地域の活性化に貢献していく方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
日本スキー場開発は監査役会設置会社として、社外取締役を選任する体制を採用しています。取締役会は重要な経営課題に関する意思決定を行い、業務執行の監督を担っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
日本スキー場開発の株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社である日本駐車場開発です。同社は発行済株式の過半数を保有しており、日本スキー場開発の経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。また、代表取締役社長である鈴木周平氏も上位株主の一人です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本駐車場開発 | 68.60% |
| OKASAN INTERNATIONAL (ASIA) LIMITED(常任代理人 岡三証券) | 2.61% |
| 鈴木 周平 | 1.73% |
| HOTEL LOTTE CO.,LTD.(常任代理人 LOTTE HOTEL TOKYO OFFICE) | 0.87% |
| 佐々木 嶺一 | 0.66% |
なお、上記のうち、同社役員である鈴木周平氏の所有株式数は、役員持株会を通じて所有している持分を含めた実質所有株式を記載しています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性8名・女性2名)で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役社長は鈴木周平氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 鈴木 周平 | 代表取締役社長 | 2000年11月 監査法人トーマツ入所。2006年7月 日本駐車場開発入社。2010年10月 同社取締役。2012年8月 同社代表取締役社長より現職。 |
| 岩本 竜二郎 | 取締役 | 1996年10月 日本駐車場開発入社。2004年10月 同社取締役。2021年10月 同社取締役より現職。2024年5月 ㈱鹿島槍代表取締役社長より現職。 |
| 高柳 寛樹 | 取締役 | 2006年6月 アロワナパートナーズ代表取締役CEOより現職。2021年10月 同社社外取締役。2024年10月 同社取締役より現職。 |
| 渥美 謙介 | 取締役 | 2007年4月 日本駐車場開発入社。2016年10月 同社取締役。2020年10月 同社取締役より現職。2022年5月 スマートグリーンエネルギー代表取締役社長より現職。 |
社外取締役は、草本朋子氏(㈻白馬インターナショナルスクール理事長)、荒木隆司氏(㈱インテラセット代表取締役)、山田哲氏(㈱タイトー取締役会長)です。
同社は監査役会設置会社の体制を採用しており、社外取締役を選任しています。社外取締役は会社経営に関する幅広い知見と経験に基づき、業務執行の監督強化に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役の報酬は、会社の経営成績や個人の貢献度、期待される役割に照らした体系を基本方針としています。業務執行取締役の報酬は、固定報酬としての基本報酬と、業績連動報酬兼非金銭報酬であるストックオプション等で構成されています。ストックオプションは、取締役の業績向上に対する意欲や士気を高めることを目的としています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 76百万円 | 25.4百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 7百万円 | 7.0百万円 |
| 社外取締役 | 4名 | 13百万円 | 3.3百万円 |
| 社外監査役 | 2名 | 5百万円 | 2.4百万円 |
当事業年度末の取締役の員数は7名、監査役の員数は3名です。上表の取締役の員数が当該事業年度末日の取締役及び監査役の員数と相違しておりますのは、2024年10月19日開催の第19回定時株主総会の終結をもって社外取締役から常勤取締役に就任した高柳寛樹氏をそれぞれに該当する員数に含めているためです。また、取締役(社外取締役を除く。)の報酬等の総額には、子会社取締役兼務分の報酬として子会社が負担する1,312千円は含まれていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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