※本記事は、株式会社ブラス の有価証券報告書(2025年7月期、2024年8月1日 ~ 2025年7月31日、2025年10月28日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、東海地方を中心に完全貸切のゲストハウスで挙式・披露宴の企画・運営を行うウエディング事業を展開しています。すべての店舗が「1チャペル、1パーティ会場、1キッチン」のスタイルで、新郎新婦とゲストにプライベート空間を提供しています。
単体従業員数は533名、連結従業員数は581名です。事業セグメントはウエディング事業の単一セグメントとなっています。
主な国内グループ会社は、lyrics.、アロウブライト(フォトスタジオの運営等)、be family(結婚相談所の運営等)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ブラスは、ウエディング事業を主軸とする企業です。平均年齢が若く、勤続年数も比較的短めであることから、活気があり、若手が活躍しやすい環境がうかがえます。同社グループは人的資本経営を重視しており、多様な働き方や人材育成に力を入れていることが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均勤続年数と平均年齢から、若手社員が多く活躍している傾向が見られます。人材の定着状況や年齢構成は、企業文化やキャリアパスを考える上で重要な要素となります。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,377,000円 |
| 平均勤続年数 | 5.7年 |
| 平均年齢 | 28.4歳 |
| 単体従業員数 | 533人 |
| 連結従業員数 | 581人 |
| 単体のグループ内比率 | 91.7% |
同社及び一部の国内連結子会社は、確定給付型の退職給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)を採用しています。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、当連結会計年度における退職給付に係る負債の期末残高は198百万円、退職給付費用は43百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、人的資本経営の重要性を認識しており、従業員の身体的・精神的・社会的な健康を実現することで、中長期的な企業価値向上に寄与するものと考えています。多様な属性、才能、経験等をもった人材を積極的に採用し、業務に必要な知識習得に向けた自己研鑽を促進することで、継続的な人材育成に取り組んでいます。
また、テレワーク勤務やフレックスタイム制度などにより柔軟な働き方を可能とするとともに、各種福利厚生制度の拡充など、多様な人材が健康で、モチベーション高く、やりがいをもって働きやすい環境の整備に取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。賃金は性別に関係なく同一の基準を適用しており、男女間の賃金の差異は平均年齢、平均勤続年数、人数構成が主な要因となっています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 28.7% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 22.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 68.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 71.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 103.8% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ブラスは、東海地方を中心に全国でウエディング事業を展開している企業です。完全貸切のゲストハウススタイルで、新郎新婦にとって最高の結婚式を創り上げることを目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、ウエディング事業の単一セグメントで事業を展開しています。完全貸切のゲストハウスにおいて、挙式・披露宴に関する企画・運営を主力としています。すべての店舗が「1チャペル、1パーティ会場、1キッチン」のスタイルを採用しており、顧客に完全なプライベート空間を提供しています。
収益は、挙式・披露宴の施行に伴う対価から得ています。新郎新婦の新規来館から結婚式当日までを1人のウエディングプランナーが担当する「ウエディングプランナー一貫制」を導入し、顧客の多様な要望に応えています。結婚式当日の料理は、パーティ会場に併設されたオープンキッチンで出来立ての本格フランス料理を提供しています。
また、挙式後も新郎新婦を式場に招待する「夏祭り」を毎年開催し、顧客との長期的な関係構築を重視しています。同社グループの売上高の約98%は同社単体の売上高で構成されており、国内のウエディング事業に収益が集中している状況です。海外事業としては、BRASS USA INC.が米国ハワイ州で挙式披露宴のプロデュース事業を行っています。その他、株式会社lyricsが映像・写真商品等の制作、株式会社アロウブライトがフォトスタジオの運営、株式会社be familyが結婚相談所の運営をそれぞれ担っています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近3期の業績は、売上高が前期から増加しています。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も前期から増加する結果となりました。
| 項目 | 2021年7月期 | 2022年7月期 | 2023年7月期 | 2024年7月期 | 2025年7月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | 133億円 | 127億円 | 136億円 |
| 経常利益 | - | - | 12.0億円 | 4.9億円 | 7.7億円 |
| 経常利益率 | - | - | 9.1% | 3.8% | 5.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | 7.2億円 | 2.8億円 | 4.1億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | 132.87 | 51.08 | 77.54 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加しており、収益性の改善が進んでいることがうかがえます。
| 指標 | 2024年7月期 | 2025年7月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 22.6百万円 | 23.3百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.8百万円 | 1.3百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定した資金を創出し、将来に向けた投資も行いつつ、財務基盤を強化している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が前期から改善し、ROEも上昇傾向にあります。手元資金も増加しており、事業運営の安定性を示す状況です。
| 指標 | 2024年7月期(前期) | 2025年7月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 37.9億円 | 41.6億円 |
| 自己資本比率 | 35.0% | 36.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 7.4% | 10.4% |
| 現金及び預金 | 16.4億円 | 22.7億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、営業活動による資金が大幅に増加し、投資活動による支出を上回るフリーキャッシュフローを創出しています。これは本業で安定的に資金を稼ぎ出し、事業拡大のための投資も行いつつ、手元資金を増やしている状況を示しています。このような資金の流れは、今後の事業展開や雇用・給与の安定性にもつながる傾向です。
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は19.1億円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益、減価償却費、減損損失、未払消費税等の増加額及び契約負債の増加額を計上したことによるものです。投資活動の結果使用した資金は△8.3億円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出及び差入保証金の差入による支出によるものです。財務活動の結果使用した資金は△4.4億円となりました。これは主に、長期借入れによる収入により資金が増加した一方、短期借入金の減少額及び長期借入金の返済による支出により資金が減少したことによるものです。
| 項目 | 2024年7月期(前期) | 2025年7月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 5.4億円 | 19.1億円 |
| 投資CF | △11.8億円 | △8.3億円 |
| 財務CF | △68百万円 | △4.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △6.4億円 | 10.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
わが国における結婚適齢期人口は減少傾向にあり、挙式・披露宴市場の規模が縮小していく可能性があります。また、ゲストハウスウエディングに変わる新たな婚礼スタイルが主流になり、変化への対応に遅れが生じた場合には、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、今後も継続的な店舗展開を図っていく方針であるため、十分な人材の確保が必要不可欠であると認識しています。十分な人材の確保及び育成が出来ない場合には、計画通りの出店やサービスレベルの維持が困難となり、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ブラスは、「それぞれの新郎新婦にとって最高の結婚式を創る」という企業理念のもと、お客様にとって特別な一日を演出することに情熱を注ぐ会社です。独自のウエディングスタイルを追求し、結婚式のクオリティを重視する文化が根付いています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ブラスは、「それぞれの新郎新婦にとって最高の結婚式を創る」という企業理念を掲げています。創業当時から「完全貸切ゲストハウス・ウエディングプランナー一貫制・オープンキッチン」というウエディングスタイルを貫いています。同社グループは、「いい結婚式」を創るために存在しており、これを増やすべく全国に結婚式場を新設し、事業の成長を図っています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、「それぞれの新郎新婦にとって最高の結婚式を創る」という企業理念の実践を通じて、社会課題の解決に取り組むことをサステナビリティの考え方としています。公正かつ透明性の高い経営を実現し、多様な人材が活躍できる働きやすい環境の整備を重視しています。人的資本経営を重要視しており、従業員の身体的・精神的・社会的な健康が中長期的な企業価値向上に寄与すると考えています。
多様な属性、才能、経験等をもった人材を積極的に採用し、業務に必要な知識習得に向けた自己研鑽を促進することで、継続的な人材育成に取り組んでいます。また、テレワーク勤務やフレックスタイム制度などにより柔軟な働き方を可能とするとともに、各種福利厚生制度の拡充など、多様な人材が健康で、モチベーション高く、やりがいをもって働きやすい環境の整備に取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、優先的に対処すべき課題として、人材の確保と育成を挙げています。ウエディングプランナーは新卒採用を主体とし、定期的な社内研修を通じて接客力の向上を図り、事業展開と人材採用・育成のバランスをとりながらサービスの維持・向上に努めています。
また、衛生管理体制の強化も重要な課題であり、法改正等に対応しながら、より一層の体制強化を進めています。コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の強化にも積極的に取り組み、管理部門の拡充や内部監査体制の充実、監査役・監査法人との連携を通じて、信頼される企業を目指しています。さらに、結婚式のクオリティ強化を前提とした内製業務の推進も重点テーマであり、内製範囲の拡大により他社との差別化を図っています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ブラスは監査役会設置会社であり、取締役会を通じて経営に関する重要事項の決定と業務執行の監督を行っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ブラスの筆頭株主は代表取締役社長である河合達明氏です。また、専務取締役の河合智行氏も上位株主として名を連ねています。同社グループの資本構成は、創業家が主要な株式を保有している点が特徴です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 河合 達明 | 50.24% |
| 河合 智行 | 5.84% |
| ブラス社員持株会 | 3.53% |
| 吉岡 裕之 | 2.84% |
| 金室 貴久 | 1.81% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
ブラスの役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は河合達明氏が務めています。社外取締役比率は20.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 河合 達明 | 代表取締役 社長 | 1998年4月、有限会社ブラス(現:同社)設立、代表取締役社長就任より現職。 |
| 河合 智行 | 専務取締役 | 2005年6月、同社入社。2017年10月、同社専務取締役就任より現職。 |
| 鷲野 真 | 取締役 | 2004年9月、同社入社。2015年10月、同社取締役就任より現職。 |
| 酒井 康成 | 取締役 (非常勤) | 2014年4月、同社入社。2015年8月、同社取締役(非常勤)就任より現職。 |
社外取締役は、山田美典氏(公認会計士山田美典事務所所長)です。
同社は監査役会設置会社です。取締役会は社外取締役1名を含む5名で構成され、経営の重要事項を決定し、業務執行を監督しています。監査役は取締役会への参加や内部監査室、監査法人との連携を通じて監査機能の向上に努めています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ブラスの役員報酬は確定額報酬が全てを占める構成です。報酬水準は外部専門機関の調査データを活用し、同業・同規模企業の役員報酬水準をベンチマークとして決定されています。報酬の決定プロセスは、独立役員が過半数を占める報酬諮問委員会で審議され、客観性と透明性が確保されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 1.4億円 | 35.2百万円 |
| 社外取締役 | 1名 | 3百万円 | 3.3百万円 |
| 社外監査役 | 3名 | 14百万円 | 4.6百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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