※本記事は、Link-Uグループ株式会社 の有価証券報告書(2025年7月期、2024年8月1日 ~ 2025年7月31日、2025年10月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。
1. 企業概要:どんな会社?
Link-Uグループは、「あらゆる価値を解放し、ココロ震える体験を世界に。」をグループパーパスに掲げ、自社設計のオリジナルサーバーを基軸としたデータ配信とAIソリューションをワンストップで提供するサーバープラットフォームビジネスを展開しています。サーバーインフラ技術、データ処理技術、コンテンツ処理技術を強みとして事業を拡大しています。
単体従業員数は35名、連結従業員数は193名です。セグメントはインターネットサービス事業の単一です。
主な国内グループ会社は、Brightech、バリューコンサルティング、Link-U Technologies(サーバープラットフォーム事業)などです。
同社グループは、前連結会計年度に株式会社Link-U Technologies、株式会社Link-U Marketing、株式会社Romanz、株式会社ビューンを連結子会社化しました。当連結会計年度にはリベラルマーケティング株式会社を連結範囲から除外しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
Link-Uグループは、ITサービスを主軸とする企業として、従業員の働きがいと成長を重視する姿勢が見られます。特に、優秀なエンジニアの確保を重要課題と認識し、人材育成やワークライフバランスの向上に積極的に取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は比較的若い年齢層の従業員が多く、平均勤続年数も短めであることから、活発な人材の流動性や成長機会の多さがうかがえます。新しい環境で経験を積みたい方にとって、魅力的な選択肢となる可能性があります。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,207,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.1年 |
| 平均年齢 | 32.8歳 |
| 単体従業員数 | 35人 |
| 連結従業員数 | 193人 |
| 単体のグループ内比率 | 18.1% |
同社グループは、従業員の退職後給付制度として確定拠出制度を採用しています。確定拠出型とは、会社が拠出した資金を従業員が自ら運用し、その運用実績によって将来の給付額が決まる制度です。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
Link-Uグループは、「あらゆる価値を解放し、ココロ震える体験を世界に。」を経営理念に掲げ、主力事業である電子マンガサービスの国内外への拡大や企業のDX化推進を通じて、新たな価値創造を支援しています。ITサービスを展開する上で、優秀なエンジニアの確保を重要課題と認識しており、人材育成と多彩な人材活用の基盤確立に注力しています。
具体的には、産休育休の取得推進やフレックスタイム制の導入などにより、従業員のワークライフバランスの向上に努めています。また、2024年7月期から3か年の中期経営計画を策定しており、その一環として、人材育成方針や社内環境整備方針を含む人的資本に関する指標や目標について、具体的な内容を検討していく方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異は、公表義務の対象ではないため、記載を省略されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 37.5% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
Link-Uグループは、「あらゆる価値を解放し、ココロ震える体験を世界に。」というグループパーパスのもと、自社設計のオリジナルサーバーを基軸としたデータ配信とAIソリューションを組み合わせたサーバープラットフォームビジネスを展開しています。同社グループはサーバーインフラ技術、データ処理技術、コンテンツ処理技術を強みとしています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループの事業は「インターネットサービス事業」の単一セグメントで構成されており、主に「リカーリングサービス」と「初期開発・保守開発サービス」の二つのサービスを提供しています。
リカーリングサービスは、レベニューシェア収益と月額固定収益で構成されるストック型のビジネスモデルです。サーバーの調達、システム構築、データセンター設置のサーバー保守運用、スマートフォンアプリケーションの開発・アップデート、サービス運用、広告運用、コンテンツ調達・提供などを組み合わせて提供しています。特に電子書籍配信サービスに注力しており、株式会社小学館の「マンガワン」や株式会社集英社の「ゼブラック」などのマンガアプリに、サーバー、アプリ開発、サービス運用をまとめて提供しています。収益はユーザーからの課金と広告収入が主であり、フリーミアムモデルを採用しています。オンプレミスサーバーでの配信を核とし、画像処理技術やデータ分析を付加価値として提供することで、継続的な収益基盤を築いています。このサービスは前期から収益が大きく伸長しています。
初期開発・保守開発サービスは、リカーリングサービス案件獲得のための受託開発を提供するものです。取引先の新規サービス立ち上げ時や既存サーバーからの乗り換え時に、サーバープラットフォームやアプリケーションなどをワンストップで提供しています。また、サービスのアップデートのための開発も請け負っています。このサービスも前期から収益が大きく伸びています。
同社グループの収益は、主に日本国内の顧客から得られており、海外比率に関する特筆すべき記載はありません。当連結会計年度においては、連結売上収益の10%以上を占める特定の顧客は存在しません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5期間にわたり売上収益が着実に増加傾向を示しています。直近の連結会計年度では、売上収益は大きく伸長し、営業利益も増加しました。一方で、税引前当期利益は前期とほぼ同水準で推移し、親会社の所有者に帰属する当期利益は減少しています。営業活動によるキャッシュ・フローは獲得額が減少傾向にあり、投資活動および財務活動によるキャッシュ・フローは支出が増加しています。
| 項目 | 2021年7月期 | 2022年7月期 | 2023年7月期 | 2024年7月期 | 2025年7月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 16.3億円 | 22.8億円 | 31.3億円 | 36.7億円 | 48.4億円 |
| 税引前利益 | - | - | - | 3.1億円 | 3.1億円 |
| 税引前利益率 | - | - | - | 8.5% | 6.4% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | - | - | - | 1.6億円 | 1.5億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 11.20 | 2.40 | 14.44 | 11.10 | 10.44 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上収益は前期から増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。従業員1人あたりの営業利益も前期からわずかに増加しており、組織全体の収益創出力が維持されていることを示しています。これらの指標は、同社グループが効率的な事業運営を継続していることを示唆しています。
| 指標 | 2024年7月期 | 2025年7月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上収益(連結) | 19.1百万円 | 25.1百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.6百万円 | 1.7百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
Link-Uグループは、本業で安定した資金を生み出しつつ、将来に向けた投資も行っている状況です。
これにより、財務基盤の健全性を保ちながら、事業の成長を目指していることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均に近い水準にあり、一定の安定性を示しています。
手元資金も十分に確保されており、事業運営における資金繰りの安定性がうかがえます。
ROEはプライム市場平均を下回る水準ですが、自己資本の厚みと手元資金の確保は、事業の継続性や将来の成長投資を支える上で重要な要素となります。
| 指標 | 2024年7月期(前期) | 2025年7月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本 | 25.9億円 | 25.9億円 |
| 自己資本比率 | 51.4% | 45.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 6.4% | 5.7% |
| 現金及び現金同等物 | 19.1億円 | 16.5億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは2.2億円の獲得となりました。これは主に税引前当期利益の計上によるものです。
本業で安定的に資金を生み出している状況がうかがえます。
投資活動によるキャッシュ・フローは△1.1億円の支出となり、前連結会計年度と比較して支出が増加しています。これは主に無形資産の取得による支出が要因です。
フリーキャッシュ・フローは1.1億円のプラスとなっており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金がある状態を示しています。
財務活動によるキャッシュ・フローは△3.6億円の支出となりました。これは長期借入による収入があったものの、長期借入金の返済や連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が主な要因です。
これらのキャッシュ・フローの状況から、同社グループは本業で着実に資金を稼ぎながら、将来に向けた成長投資も積極的に行っていることがわかります。
| 項目 | 2024年7月期(前期) | 2025年7月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 2.6億円 | 2.2億円 |
| 投資CF | △0.3億円 | △1.1億円 |
| 財務CF | △0.9億円 | △3.6億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 2.3億円 | 1.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、コンテンツ配信市場、特に電子マンガ配信市場の動向に経営成績が影響を受ける可能性があります。
また、主要顧客上位3社への売上収益依存度が高く、各顧客の方針や経営成績によっては同社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼすリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、高度な技術を有する人材やグローバル人材など、多様な人材の確保と定着化が事業成長において重要であると認識しています。
適切な人材を十分に確保できなかった場合や想定を超える人材流出があった場合には、事業拡大に制約を受ける可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
Link-Uグループは、独自の経営理念と戦略に基づき、革新的なサービスを通じて社会に貢献することを目指しています。ここでは、同社グループが掲げるビジョンや企業風土、そして今後の重点テーマについてご紹介します。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「あらゆる価値を解放し、ココロ震える体験を世界に。」という経営理念を掲げています。この理念のもと、よりよい未来を築くことを経営の基本方針としています。
具体的には、マンガアプリのような革新的なプロダクトの創出や、原作の魅力を伝えるコミカライズ、増加するデジタルデータに対する新しいソリューションの提案などを事業として展開しています。現状を疑い、前例にないことも恐れず、新たな可能性を探りながらココロ震わせる仕掛け作りに挑戦し続けています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、「あらゆる価値を解放し、ココロ震える体験を世界に。」という経営理念のもと、技術革新を進め、できるだけ多くの方々にココロ震える体験を届けることに取り組んでいます。現状を疑い、前例のないことを恐れずに、新たな可能性を探る姿勢を大切にしています。
ITサービスを展開する上で、優秀なエンジニアの確保を重要課題と認識しています。そのため、人材育成や多彩な人材活用の基盤確立、産休育休の取得推進、フレックスタイム制の導入などによるワークライフバランスの向上に努めています。また、リスク・コンプライアンス委員会を設置し、サステナビリティ関連のリスクと機会を識別・評価・管理しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、事業拡大に向けた複数の経営課題に取り組んでいます。システム技術の強化として、大量データ配信やユーザー数増加、IoTデバイスに対応した新しい技術開発を進めています。
また、自社IPの創出と新たなコンテンツホルダーとの契約実現も重要なテーマです。制作体制を強化し、オリジナルヒット作品の供給を増やすとともに、動画・音楽等の分野で新たなコンテンツホルダーとの契約を目指しています。将来を見据えた新規事業の創出や技術力向上、海外事業展開の推進も重点的に取り組むべき課題としています。
優秀な人材の確保も課題の一つであり、株式報酬制度や社内教育制度の整備、福利厚生の充実を通じて採用強化を図っています。知的財産権の管理体制強化や、グループ全体の内部管理体制の強化、グループシナジーの創出にも注力しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
Link-Uグループは、2025年10月29日開催の定時株主総会で監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しました。同社グループは、取締役会による迅速な意思決定と業務執行の監督、監査等委員会による独立した監査を通じて、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいます。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
Link-Uグループの筆頭株主は、代表取締役グループCEOである松原裕樹氏です。上位株主には、同社の経営陣である松原裕樹氏と、個人株主の山田剛史氏が名を連ねています。また、事業会社であるメディアシークも主要な株主の一つとして名を連ねており、特定の株主が経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 松原 裕樹 | 31.30% |
| 山田 剛史 | 29.30% |
| メディアシーク | 7.85% |
| 小宮 健司 | 3.32% |
| 三菱UFJeスマート証券 | 1.82% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性5名・女性1名)で構成され、女性役員比率は17.0%です。代表取締役グループCEOは松原裕樹氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 松原 裕樹 | 代表取締役グループCEO | 2011年4月楽天株式会社入社、2012年2月株式会社サイバーエージェント入社、2013年4月株式会社電通入社。2013年8月同社設立取締役、2014年12月同社代表取締役社長。2024年2月同社代表取締役グループCEOより現職。 |
| 藤田 貴弘 | 取締役 グループ管理統括 | 2005年4月株式会社アビ代表取締役社長。2014年12月株式会社商業藝術取締役管理本部長。2022年12月同社入社。2024年2月同社取締役グループ管理統括 兼 執行役員グループ経営管理本部長より現職。 |
| 平文 英徳 | 取締役 グループ事業統括 | 2005年4月ソフトバンクBB株式会社入社。2017年1月同社入社、同社VaLa担当執行役員。2022年9月株式会社Studio Moon6代表取締役CEO。2025年10月同社取締役グループ事業統括より現職。 |
社外取締役は、安藤伸次氏(元日本銀行・元かんぽ生命コンプライアンス担当・常勤監査等委員)、塚田英樹氏(塚田会計事務所所長・監査法人クレア社員・監査等委員)、萩生田彩氏(株式会社CREA LEGAL代表取締役・NEXTi法律会計事務所代表・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社へ移行しています。監査等委員である取締役3名全員が社外監査等委員であり、客観的かつ中立的な立場から業務執行の監督と経営への助言を通じて、取締役会の透明性維持と牽制機能を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
Link-Uグループの役員報酬は、株主総会で決議された総枠の範囲内で決定されています。報酬体系は基本報酬で構成されており、企業価値の持続的な向上に資する水準と、優秀な人材の確保・維持を可能にする報酬体系を基本方針としています。個々の取締役の報酬は、各職責を踏まえた適正な水準とされています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 53百万円 | 10.6百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 18百万円 | 3.0百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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