※本記事は、株式会社浜木綿 の有価証券報告書(2025年7月期、2024年8月1日 ~ 2025年7月31日、2025年10月30日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
浜木綿は、東海地方を中心に中国料理専門店の店舗展開を行う企業です。1967年の創業以来、手頃な価格でおいしい中国料理を提供するため、自社での調理師育成や独自のオーダーシステム、セントラルキッチンによる調理オペレーションを確立し、多店舗展開を可能にしています。
単体従業員数は241名です。同社は飲食事業の単一セグメントで事業を展開しています。
浜木綿は、東海地方を中心に東京都から大阪府まで幅広い地域で中国料理専門店の直営店舗を展開しており、飲食事業の単一セグメントで事業を行っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
浜木綿は、飲食事業を展開する企業として、従業員の働きがいと成長を重視しています。多様な人材が活躍できる環境づくりに力を入れており、安定したキャリア形成を支援する制度も整えられています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均年齢が30代後半であり、平均勤続年数も10年近くに及んでいます。これは、比較的若手から中堅層が中心となって活躍しつつ、長期的なキャリアを築いている従業員が多い傾向を示していると言えるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,652,000円 |
| 平均勤続年数 | 9.9年 |
| 平均年齢 | 38.2歳 |
| 単体従業員数 | 241人 |
| 連結従業員数 | - |
| 単体のグループ内比率 | - |
同社は、従業員の退職給付制度として確定拠出制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を採用しています。この制度は国内の従業員に適用されています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、社是である「昨日より今日 今日より より良い明日へ」の考えのもと、持続的な成長と企業価値向上を目指し、人材の育成をサステナビリティの重点戦略としています。多様な国籍、属性、経験を持つ人材を積極的に採用し、継続的な人材育成に取り組む方針です。
具体的には、業務に必要な知識・技能の習得を目的とした階層別研修を実施し、学習機会を提供しています。また、育児・介護休業等に関する規程や育成制度、外国人が働きやすい環境整備などを通じて、様々な人材がやりがいを持って活躍できる組織づくりを推進しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率は、育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 6.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 47.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 73.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) | 110.7% |
多様性・登用
同社での役職者とは、店舗や本社、工場において、他の従業員を指導する職務や部署・部門を管理する役割を担う従業員を指します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 役職者に占める女性比率 | 15.3% |
| 役職者に占める外国人比率 | 6.1% |
育児・介護支援
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性育児休業取得率(正社員) | - |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社浜木綿は、東海地方を中心に中国料理専門店の店舗展開を行う企業です。同社の事業構造と収益モデルについて説明します。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は「新しい食文化を創造し、来店されたすべてのお客様に豊かでハッピーな食事時間を提供します」というミッションを掲げています。主力ブランドの「浜木綿」をはじめ、全室個室タイプの「四季亭」、少人数顧客向けの「桃李蹊」、新町中華専門店の「中国食堂はまゆう」といった多様な業態を展開しています。
客単価1,500円から3,000円程度の「ちょっと晴れの日マーケット」に焦点を当て、競合との差別化を図っています。土日祝日の家族利用に加え、平日昼は主婦層、平日夜は歓送迎会や忘年会、新年会等での宴会利用など、様々な用途に対応したメニューとオペレーションを提供しています。
広い駐車スペースを確保できる幹線道路のロードサイドなど、家族が利用しやすい立地への出店を基本戦略としています。新卒者を自社で調理師に育成し、独自のオーダーシステムやセントラルキッチンを活用することで、効率的な調理オペレーションを確立しています。これにより、少ない調理師の人数で安定した料理提供と多店舗展開を可能にしています。
同社は飲食事業の単一セグメントであるため、事業セグメント別の詳細な記述は省略されています。海外での事業展開や特定の顧客への収益集中に関する記述はありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
当事業年度の売上高は増加し、4期連続で増収となりました。しかし、営業利益、経常利益、当期純利益はいずれも減少しています。
これは、原材料価格の継続的な上昇に加え、人件費やエネルギーコストの増加が利益を圧迫したためです。新規出店や既存店の改装リニューアル、各種フェアの実施により、客足は堅調に推移しました。一方で、特別損失として減損損失などを計上しています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社の財務状況は、事業活動で得た資金を投資に充てている状況を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤を見ると、自己資本比率は34.0%となっています。これは東京証券取引所プライム市場の非製造業平均と比較して高い水準です。手元資金である現金及び預金等は、当期末に18.0億円を確保しており、前期から増加しています。これらの状況は、同社が安定した財務体質を維持していることを示しています。
| 指標 | 2024年7月期(前期) | 2025年7月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | - | 34.0% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | 16.0億円 | 18.0億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュ・フローは3.5億円の増加となりました。これは主に減価償却費2.0億円と税引前当期純利益1.5億円を計上したことによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出3.8億円が主な要因となり、△4.5億円の減少となっています。財務活動によるキャッシュ・フローは2.1億円の増加であり、長期借入れによる収入5.5億円があった一方で、長期借入金の返済による支出2.6億円がありました。
これらの結果、フリーキャッシュ・フローは△1.0億円の減少を示しています。同社は本業で資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている状況です。この資金の流れは、事業の成長を重視する姿勢を示しており、今後の事業拡大や雇用維持の基盤となる可能性があります。
| 項目 | 2024年7月期(前期) | 2025年7月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 3.7億円 | 3.5億円 |
| 投資CF | △3.8億円 | △4.5億円 |
| 財務CF | 1.6億円 | 2.1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △0.1億円 | △1.0億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
外食産業は、人口減少や少子高齢化によって市場規模の拡大が見込みにくい状況にあり、企業間・店舗間競争の激化により厳しい経営環境が続いています。また、原材料費の価格高騰も同社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、安定的な成長を達成するために優秀な人材の確保が必要不可欠と考えています。人材採用環境の変化等により十分な人材の確保及び育成ができない場合は、サービスの低下や計画どおりの出店が困難となること等により、同社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
浜木綿は、新しい食文化の創造と顧客への豊かな食事時間の提供をミッションとしています。チームワークを重視し、変化に柔軟に対応しながら、おいしい料理を通じて顧客とのつながりを大切にする企業文化を育んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は、「新しい食文化を創造し、来店されたすべてのお客様に豊かでハッピーな食事時間を提供します」というミッションを掲げています。質の高い料理とサービスを価値ある価格で顧客に提供することを基本方針としています。
また、企業スローガンを「おいしい時間はつながる時間」とし、顧客が家族や仲間と楽しい時間を共有できるような料理の提供に取り組んでいます。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、従業員一人ひとりがチームの一員としてミッションを意識し、顧客ニーズに柔軟に対応することを重視しています。社是「昨日より今日 今日より より良い明日へ」のもと、持続的な成長と企業価値向上を目指し、社会的貢献と責任を果たすことを基本方針としています。
多様な国籍や経験を持つ人材を積極的に採用し、階層別研修を通じて継続的な人材育成に取り組んでいます。育児・介護休業制度や外国人が働きやすい環境整備も進め、やりがいを持って働ける組織づくりを推進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、変化するライフスタイルや多様な顧客ニーズへの柔軟な対応を課題としています。具体的には、商品・サービスの強化として「ちょっと晴れの日マーケット」の需要掘り起こしや店舗リニューアルを進めています。
また、「中国食堂はまゆう」業態の強化による日常マーケットへの進出も図っています。労働力不足に対応するため、DX化やロボット導入による省人化を促進し、生産性向上に取り組んでいます。
優秀な人材の確保と育成を最重要課題とし、国籍や性別を問わない積極的な採用と教育研修の強化を進めています。さらに、経営管理体制や本部機能の強化、衛生・品質管理の徹底にも注力しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
浜木綿は監査等委員会設置会社であり、取締役会は監査等委員を含む取締役で構成されています。これにより、経営の透明性と監督機能の強化を図るガバナンス体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
浜木綿の筆頭株主は有限会社AMcosmosであり、代表取締役社長の資産管理会社となっています。上位株主には創業家関係者や関連会社が複数名を連ねており、特定の株主グループが経営に影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 有限会社AMcosmos | 19.41% |
| 三菱UFJeスマート証券 | 9.07% |
| サッポロビール | 3.69% |
| 浜木綿従業員持株会 | 3.30% |
| 武藤 まなみ | 2.77% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.2%です。代表取締役社長は林永芳氏が務めています。社外取締役比率は11.1%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 林 永芳 | 代表取締役社長 | 1971年4月に同社に入社し、1975年9月に取締役、1977年9月に専務取締役を歴任。1978年10月には有限会社ハマユウフードシステムズ(現 有限会社AMcosmos)代表取締役社長に就任し、1987年9月より同社代表取締役社長現職。 |
| 嶋津 義隆 | 専務取締役兼 店舗運営部長 | 1988年4月に同社に入社し、執行役員浜木綿運営部長、取締役店舗運営本部長などを歴任。2016年8月より取締役店舗運営部長を務め、2024年10月より専務取締役兼店舗運営部長現職。 |
| 山本 美穂 | 取締役営業企画部長 | 2001年9月に同社に入社し、開発部企画開発グループマネジャー、企画部営業企画グループマネジャーなどを経て、2015年10月に営業企画部長に就任。2016年10月より取締役営業企画部長現職。 |
| 三浦 祐明 | 取締役業務部長 | 1986年4月にアトムに入社し、同社経理部長を務める。2007年12月に同社に入社し業務部長に就任。2016年10月より取締役業務部長現職。 |
| 生田 彰則 | 取締役店舗開発部長 | 1987年4月に同社に入社し、営業部マネジャー、店舗運営本部副部長などを歴任。2015年10月に店舗開発部長に就任し、2016年10月より取締役店舗開発部長現職。 |
| 大島 敏幸 | 取締役調理開発部長 | 1977年4月に名古屋国際ホテル(現 ワシントンホテル)に入社し、中国料理スーパーバイザーを務める。2008年3月に同社に入社後、開発部調理・調理師開発グループマネジャーなどを経て、2021年10月より取締役調理開発部長兼商品部管掌現職。 |
社外取締役は、野口葉子氏(and LEGAL弁護士法人弁護士・監査等委員)、岩田国良氏(岩田国良公認会計士事務所開設・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社を採用しており、社外取締役2名を含む監査等委員3名で構成される監査等委員会が、取締役会の監査・監督機能を強化しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
浜木綿の役員報酬は、固定報酬である基本報酬と譲渡制限付株式報酬(非金銭報酬)で構成されています。基本報酬は職責に応じた堅実な職務遂行を促すものであり、譲渡制限付株式報酬は長期的な企業価値向上へのインセンティブとなるよう設計されています。監査等委員の報酬は基本報酬のみとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 6名 | 1.2億円 | 19.6百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 6百万円 | 6.4百万円 |
| 社外役員 | 2名 | 9百万円 | 4.4百万円 |
なお、同社は使用人分給与を支給している兼務役員はいません。また、取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)に対する非金銭報酬等の総額の内訳は、譲渡制限付株式報酬23,658千円です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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