【平均年収504万円】アドベンチャー 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年6月期)

【平均年収504万円】アドベンチャー 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年6月期)

アドベンチャーは、旅行事業と投資事業を展開し、グループ各社とともに航空券等の比較・予約サイト「skyticket」を中心にオンラインでの旅行商品の販売を国内外で手掛けています。連結従業員数は607名で、直近の業績は増収減益となりました。


目次

※本記事は、株式会社アドベンチャー の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年10月31日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。

1. 企業概要:どんな会社?


アドベンチャーは、旅行事業と投資事業を展開する企業です。主力である旅行事業では、航空券等の比較・予約サイト「skyticket」を中心に、オンラインでの旅行商品の販売を国内外で手掛けています。

単体従業員数は158名、連結従業員数は607名です。セグメントは旅行事業、投資事業、全社の3つです。

主な国内グループ会社は、TET(航空券等の発券・仕入)、ラド観光(国内・国外ツアーの企画、販売)、Vacations(宿泊施設事業)、旅工房(旅行事業)、LALALA Plus(留学事業)などです。

当連結会計年度において、2023年10月27日に実施されたアヤベックスとの企業結合に係る暫定的な会計処理が確定しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


アドベンチャーは、従業員の平均年齢が比較的若く、勤続年数も短めであることから、活発な組織であることがうかがえます。多様な人材を積極的に採用し、グローバルな事業展開を支える人材育成に力を入れている点が特徴です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、従業員の平均勤続年数が短く、平均年齢も若年層に集中している傾向があります。これは、新しい人材が継続的に加わり、組織が常に変化している状況を示していると考えられます。

項目 数値
平均年間給与 5,040,000円
平均勤続年数 3年1ヶ月
平均年齢 33.5歳
単体従業員数 158人
連結従業員数 607人
単体のグループ内比率 26.0%


アドベンチャーグループでは、確定給付型の退職給付制度を導入しています。この制度は、給与や勤続年数に応じて将来の給付額が決まるものです。国内グループ会社および海外子会社に適用されます。

なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「世界中の”やりたい”を叶える」というVISIONの実現に向けて、多様性のある人材の採用が不可欠であると考えています。そのため、人的資本の確保と維持を重要な戦略として位置付けています。これにより、グローバル領域への進出や新規サービスの創出、サービス成長戦略に基づいたPDCAが可能になると考えています。

人材の育成においては、性別や国籍を問わず優秀な人材を採用・登用し、世界水準での育成を志向しています。具体的には、中長期的な組織の生産性向上を目指し、英語学習支援や活用機会の提供を行っています。

また、経営陣による全社教育や新規事業提案会の実施を通じて、経営者視点を持つ人材の創出にも取り組んでいます。海外子会社を含むグループ会社間の人材交流を活発化させ、組織人材の多様な経験値獲得を促進する方針です。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ 株式会社旅工房

株式会社旅工房は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の規定に基づき、管理職に占める女性労働者の割合のみを公表しています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 33.3%

多様性・登用

指標 数値
外国人比率 58.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


アドベンチャーグループは、オンライン旅行サービスを主軸とする旅行事業と、将来性のあるビジネスへの投資を行う投資事業を展開しています。インターネットを活用した独自のビジネスモデルで、顧客に多様なサービスを提供し収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


アドベンチャーグループは、旅行事業と投資事業の二つの事業を推進しています。旅行事業は、個人や企業に対して旅行商品やサービスを提供するものです。

同社グループは、航空券などの旅行商品の比較・予約サイト「skyticket」を中心に事業を運営しています。国内外の格安航空券をオンラインで予約できる「横断検索」機能が特徴で、世界中の航空会社のフライトスケジュールを一度に検索できる利便性を提供しています。創業以来、店舗を持たずにインターネットによるオンライン販売に特化しており、技術力とマーケティング力を強みとしています。開発経験豊富なエンジニアによる迅速なシステム対応や、自社ノウハウを活用した効率的な広告運用、UI/UX改善によるリピート率向上に注力しています。

収益は、国内航空券、海外航空券、ホテル、レンタカー、高速バス、ツアー、その他といった多様な旅行商品・サービスの提供から得ています。投資事業は、将来性があり、キャピタルリターンの期待できるビジネスや企業への投資を行っています。同社グループの収益は、外部顧客からの収益のうち本邦がほとんどを占めています。また、連結損益計算書の収益の10%以上を占める特定の顧客は存在しません。旅行事業が収益の大部分を占めており、投資事業はそれに次ぐ規模となっています。

セグメント 収益(2024年6月期) 収益(2025年6月期) セグメント利益(2024年6月期) セグメント利益(2025年6月期) 利益率
旅行事業 224億円 251億円 15.3億円 △11.3億円 △4.5%
投資事業 △37百万円 2.9億円 △37百万円 △28百万円 △9.8%

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの収益は、過去5期間で増加傾向にあります。一方で、税引前利益および親会社の所有者に帰属する当期利益は、直近の当期において損失に転じています。

当期の損失は、主にのれんの減損損失を計上したことによるものです。営業活動によるキャッシュ・フローは増加しており、本業のキャッシュ創出力は堅調に推移しています。

項目 2021年6月期 2022年6月期 2023年6月期 2024年6月期 2025年6月期
収益 80.4億円 118億円 200億円 224億円 254億円
税引前利益 8.2億円 20.1億円 28.5億円 13.8億円 △12.9億円
税引前利益率 10.2% 17.1% 14.2% 6.2% △5.1%
親会社の所有者に帰属する当期利益 8.5億円 16.1億円 18.3億円 7.1億円 △17.1億円
1株当たり当期純利益(円) 125.95 225.03 243.15 95.08 △230.24

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


当期の従業員1人あたり収益は、前期と比較して増加しています。一方で、従業員1人あたり営業利益は、当期に営業損失を計上した影響により、前期から減少しています。

これは、主にのれんの減損損失の計上が影響していると考えられます。

指標 2024年6月期 2025年6月期
従業員1人あたり収益(連結) - 41.8百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) - △1.9百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、事業活動による資金創出と投資活動のバランスから、現在の資金の流れを示しています。この状況は、今後の事業展開と雇用安定性を考える上で重要な要素となります。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は当期32.7%で、前期の37.1%から減少しました。プライム市場の非製造業平均24.2%と比較すると高い水準です。ROE(自己資本利益率)は当期△17.1%とマイナスに転じています。手元資金である現金及び現金同等物は163億円を確保しており、事業運営の安定性を示す指標となります。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性を判断する上で重要な情報です。

指標 2024年6月期(前期) 2025年6月期(当期)
自己資本 110億円 89.9億円
自己資本比率 37.1% 32.7%
ROE(自己資本利益率) 6.4% △17.1%
現金及び現金同等物 170億円 163億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当期のキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは22.2億円のプラスとなり、前期から増加しています。これは主に減損損失による収入が寄与しています。投資活動によるキャッシュフローは△11.4億円のマイナスで、子会社株式の取得による支出が主な要因です。これにより、フリーキャッシュフローは10.8億円のプラスとなっています。財務活動によるキャッシュフローは△16.1億円のマイナスで、長期借入金の返済による支出が主な内容です。本業で資金を創出し、投資活動を行いつつも、自由に使える資金を確保している状況です。この資金の流れは、事業の継続性や成長性、ひいては雇用や給与の安定性を判断する上で重要な情報となります。

項目 2024年6月期(前期) 2025年6月期(当期)
営業CF 8.6億円 22.2億円
投資CF △2.9億円 △11.4億円
財務CF 23.8億円 △16.1億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 5.6億円 10.8億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、オンラインを中心とした旅行事業において有力な競合企業が存在しており、競争激化による事業及び業績への影響をリスクとして認識しています。また、世界的な感染症の発生・蔓延や天候の変動、景気の悪化等により消費者の旅行意欲が減退した場合、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、今後の事業拡大や事業内容の多様化に対応するため、人員強化や内部管理体制の充実を図る予定です。しかし、人材の採用が予定どおりに進まなかった場合や既存の人材が社外に流出した場合、事業及び業績に影響を与える可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


アドベンチャーグループは、「社会貢献とビジネスの両立」をミッションに掲げ、世界中の人々の「やりたい」を叶えることを目指しています。高潔な倫理観と挑戦的な姿勢、そして柔軟性を大切にする企業文化を築いています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


アドベンチャーグループは、「社会貢献とビジネスを両立する」ことをミッションに掲げています。また、「世界中の”やりたい”を叶える」ことをビジョンとしています。同社グループは、この経営理念に基づき事業を推進しています。

中長期的には、オンライン旅行会社(OTA)事業において世界的に優位性のある地位を確立し、世界中で信頼される「Global OTA」を目指す方針です。サービスの拡充とシステムの改善を通じて、顧客の利便性向上や業務効率化を強化しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


アドベンチャーグループは、以下の3つのバリュー(価値観)を大切にしています。Integrity(高潔な倫理観を持ち、誠実かつ公正に業務を遂行する)、Visionary(理想から妥協せず、社会公益性の高い事業の創出にリスクを恐れず挑戦する)、Flexibility(市場や社会情勢の変化に対応する柔軟性を持ち、常に最適な手段を選択する)です。これらのバリューに基づき、持続可能な社会の実現と自らの成長発展を目指しています。

多様性のある人材の採用を重視し、日本国内だけでなく海外人材も積極的に採用しています。国籍や宗教に関わらず入社の機会を提供できる環境整備を進めています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


アドベンチャーグループは、優先的に対処すべき課題として、グローバル人材の採用を挙げています。国内外の優秀な人材を確保するため、社内研修制度の充実や語学に堪能な人材の採用強化に取り組んでいます。

また、多様化する顧客ニーズに応えるため、常に新しいサービスの提供を検討・実施しており、民泊運営やオフショア開発といった新規事業領域への参入も積極的に進めています。顧客一人ひとりのニーズに合った情報提供や、サイトの認知度向上、スマートフォン対応の機能充実による顧客利便性の向上にも努めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


アドベンチャーは、株主総会、取締役会、監査役会を設置する監査役会設置会社です。取締役会は社外取締役を含めて構成され、監査役会も全て社外監査役で構成されています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


アドベンチャーの筆頭株主は代表取締役社長の中村俊一氏です。同氏が個人として、また関連会社を通じて上位株主として名を連ねており、同社グループの資本構成において強い影響力を持つことがうかがえます。その他、信託銀行や海外の機関投資家も上位株主として名を連ねています。

株主名 持株比率
中村 俊一 66.58%
日本カストディ銀行(信託口) 5.64%
DAIWA CM SINGAPORE LTD- NOMINEE YAGI RIEKO 2.08%


なお、第6位の「株式会社中村」名義の株式は、中村俊一氏が実質株主として所有しており、これにより中村俊一氏の持株数は5,035千株、発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は67.72%となります。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


アドベンチャーの役員は8名(男性4名・女性4名)で構成され、女性役員比率は50.0%です。代表取締役社長は中村俊一氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。

氏名 役職 主な経歴
中村 俊一 代表取締役社長 2004年10月旧アドベンチャー設立代表取締役就任、2006年12月同社設立代表取締役社長就任より現職。
中島 照 取締役 1998年6月ハーベストフューチャーズ株式会社入社、2013年9月同社入社経営企画室マネージャー、2015年9月同社取締役就任より現職。


社外取締役は、三島健氏(Rokt合同会社日本代表)、雷蕾氏(シンフロンテラ株式会社代表取締役社長)、永田ゆかり氏(データビズラボ株式会社代表取締役)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会は社外取締役3名を含む5名で構成されています。また、監査役3名全員が社外監査役であり、経営の監視機能の強化を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


アドベンチャーの役員報酬は、原則として月額固定報酬を基本としています。取締役の報酬は、同社グループの業績や事業環境、各取締役の役割や責任の大きさ、業界水準を総合的に勘案し、取締役会で決定されます。監査役の報酬は、経営に対する独立性と客観性を重視する観点から固定報酬のみで構成されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 2名 98百万円 49.2百万円
社外取締役 4名 8百万円 1.9百万円
社外監査役 3名 17百万円 5.6百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。