アクシージア 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

アクシージア 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

アクシージアはスタンダード市場に上場し、主に化粧品および健康補助食品の製造・販売事業をグローバルに展開する企業です。直近の連結業績においては、日本向け販売の大幅な成長などにより前年比で増収を達成した一方で、原価率の上昇や広告宣伝費等の負担増などにより親会社株主に帰属する当期純利益は減益となっています。


※本記事は、株式会社アクシージアの有価証券報告書(第14期、自 2024年8月1日 至 2025年7月31日、2025年10月23日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. アクシージアってどんな会社?


日本と中国を中心に、高品質な美容施設向けおよび一般消費者向け化粧品を展開するグローバル企業です。

(1) 会社概要


2011年に美容施設向け化粧品の開発・製造を目的として設立され、2012年に現在の社名へ変更されました。2018年には中国(上海)および香港に子会社を設立して海外展開を加速し、2021年にマザーズ(現スタンダード市場)へ上場しました。その後も他社の連結子会社化を進め、事業基盤を拡大しています。

現在、同社グループの従業員数は連結で248名、単体で134名となっています。大株主については、筆頭株主である法人のCREATIVE TECHNOLOGY INDUSTRIAL LIMITEDをはじめ、第2位に創維国際、第3位に個人の段世純氏が名を連ねており、多様なステークホルダーによって支えられています。

氏名 持株比率
CREATIVE TECHNOLOGY INDUSTRIAL LIMITED 13.12%
創維国際 10.49%
段 世純 9.40%

(2) 経営陣


同社の役員は男性9名、女性2名の計11名で構成され、女性役員比率は18.2%です。代表取締役社長は段卓氏が務めており、取締役8名のうち社外取締役は3名で比率は37.5%です。

氏名 役職 主な経歴
段卓 代表取締役社長 1998年エイジス入社。2011年同社設立とともに代表取締役社長に就任。米国子会社や国内グループ各社の代表取締役・CEOを歴任し、現在に至る。
段暁維 取締役副社長 2005年Vmark International入社。2011年同社取締役、2018年に取締役副社長に就任。国内外のグループ企業で取締役などを兼任し現在に至る。
武君 常務取締役 2009年フェリーク入社。2018年同社取締役、2021年に常務取締役に就任。香港や深センなどの海外子会社における董事・董事長を歴任し現在に至る。
張輝 常務取締役 2012年フェリーク入社。2018年同社に入社し、2019年に取締役に就任。2021年より常務取締役を務め、海外グループ企業のトップとして事業を牽引。
福井康人 取締役 1988年大和銀行(現りそな銀行)入社。野村信託銀行などを経て、2018年に同社へ入社。2019年より取締役を務め、グループ各社の監査役なども兼任。


社外取締役は、荒川雄二郎(北浜法律事務所代表社員)、伊藤潤一(Capital Growth Strategies代表取締役)、下森右子(MODELY代表取締役)です。

2. 事業内容


同社グループは、「化粧品事業」の単一セグメントを構成し、販売地域やチャネルに応じた事業を展開しています。

(1) 中国向け事業


成長が期待される中国市場において、主にエステサロン向けの卸売や、主要なECプラットフォームを通じた一般消費者への直接販売・卸売を行っています。
収益源は製品の販売代金であり、事業運営は主に上海の子会社であるXiaozi Cosmetic (Shanghai) Inc.などが担い、越境ECでは保税区倉庫を経由して消費者に製品を届けています。

(2) 日本向けおよびその他地域向け事業


日本国内および東南アジアや北米において、エステサロンやドラッグストアなどの小売店への卸売、直営店や自社・他社ECを通じた消費者への直接販売を行っています。
国内販売やEC運営は同社およびユイット・ラボラトリーズ、エムアンドディなどが担い、顧客からの商品代金や卸売代金を収益源として多様なブランド展開を進めています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


直近5期間の業績推移を見ると、売上高は一貫して拡大を続けており、着実なトップラインの成長が伺えます。一方で、経常利益や当期利益等の利益面については直近2期で減少傾向にあり、利益率も低下しているため、売上成長に伴うコストコントロールが今後の焦点と言えます。

項目 2021年7月期 2022年7月期 2023年7月期 2024年7月期 2025年7月期
売上高 58億円 82億円 113億円 122億円 135億円
経常利益 14億円 17億円 19億円 11億円 5億円
利益率(%) 23.7% 21.3% 16.8% 9.2% 3.7%
当期利益(親会社所有者帰属) 7億円 9億円 10億円 6億円 2億円

(2) 損益計算書


直近2期間の業績を比較すると、売上高は前年を上回っていますが、原価率の高い子会社の売上構成比上昇により売上総利益率は低下しています。さらに、販売強化に伴うコスト増や人件費の増加が影響し、営業利益も減少する結果となりました。

項目 2024年7月期 2025年7月期
売上高 122億円 135億円
売上総利益 96億円 99億円
売上総利益率(%) 78.8% 73.3%
営業利益 9億円 5億円
営業利益率(%) 7.5% 3.8%


販売費及び一般管理費のうち、広告宣伝費が35億円(構成比37.0%)、支払手数料が20億円(同21.6%)、従業員給料及び手当が10億円(同11.1%)を占めています。

(3) セグメント収益


地域別の売上高を見ると、日本売上が新子会社の連結効果やEC販売の好調により前年比で大きく伸長し、全体の増収を強力に牽引しました。一方、中国売上は景況感悪化や競争激化により前年をわずかに下回り、その他地域の売上も減少しています。

区分 売上(2024年7月期) 売上(2025年7月期)
中国 100億円 97億円
日本 18億円 34億円
その他 4億円 3億円
連結(合計) 122億円 135億円

(4) キャッシュ・フローと財務指標


営業CFがプラス、投資CFおよび財務CFがマイナスとなっており、本業で稼いだ資金をもとに借入金の返済や必要な投資を手元資金で賄っている健全型のキャッシュ・フロー状況を示しています。

項目 2024年7月期 2025年7月期
営業CF 8億円 8億円
投資CF -6億円 -2億円
財務CF -16億円 -15億円


企業の収益力を測るROEは4.0%で市場平均を下回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は79.1%で市場平均を上回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社は「女性の染色体XXを美の象徴と位置づけ、アジア(ASIA⇒AZIA)の美を日本から世界へ発信する総合ビューティーソリューションカンパニーを目指す」という信念を掲げています。日本発の高品質な製品を通じて、すべての人を美しく幸せにすることをミッションとしています。

(2) 企業文化


行動指針として「まず行動し、常識・慣習を打ち破れ」「思いやりを持ち、謙虚たれ」を掲げています。組織の機動力を最大限に活かしたスピーディーな製品開発を重視し、社員一人ひとりが高い専門性と自らの強みを発揮するプロフェッショナル集団としての価値観が根付いています。

(3) 経営計画・目標


経営環境の変化に柔軟に対応するため、毎年、直前事業年度の業績を踏まえて次年度以降3ヵ年の中期事業計画を見直しています。現在の成長段階や株主の期待に応えるため、とくに売上高成長、売上高営業利益率、自己資本当期純利益率の向上を重要な経営指標として意識した経営に取り組んでいます。

(4) 成長戦略と重点施策


「日中各々の優位性を活かした事業展開」を中核とし、中国でのマーケティング力とニーズに応じた製品開発力を強みとしています。「内外美容」をコンセプトとした製品拡充や、ライブコマース等の戦略的広告投資の強化を図るとともに、日本やその他地域への展開を加速し、持続的なグローバル成長を目指しています。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


今後のさらなる事業拡大に向け、優秀な人材の確保と成長フェーズに応じた組織体制の強化を不可欠な課題と位置付けています。企業風土に合致した国内外の人材を積極的に採用・登用し、入社年数などの各段階に合わせた体系的な教育プログラムを実施することで、従業員のスキル向上と価値最大化を図る方針です。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均とほぼ同じ水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年7月期 35.3歳 2.7年 6,168,000円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 55.9%
男性育児休業取得率 100.0%
男女賃金差異(全労働者) 60.4%
男女賃金差異(正規雇用) 75.7%
男女賃金差異(非正規雇用) 203.0%

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 天災や事故等による供給への影響


原材料調達先や生産委託先の拠点、および同社グループの所在地域において地震などの自然災害や事故が発生した場合、原材料や製品の供給遅延が生じる可能性があります。同社は複数調達先の確保や生産委託先の分散化に取り組むことでリスクの最小化を図っています。

(2) 海外子会社管理に関するリスク


同社は中国をはじめ海外での売上比率が高く、海外子会社の統治が不十分な場合、不正や不祥事が発生し企業イメージや信用が低下する恐れがあります。これを防ぐため、社内規程の整備や計画的な内部監査を実施し、コーポレート・ガバナンス体制の強化に努めています。

(3) インバウンド需要変動の影響


同社は中国をはじめとする訪日外国人観光客のインバウンド需要の影響を強く受けています。現地の経済情勢の変化、各国の政策変更、国際関係の悪化などにより需要が急激に低迷した場合、業績に影響が及ぶ可能性があるため、常に動向を注視し機動的な対策を講じる体制を整えています。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。