※本記事は、売れるネット広告社グループ株式会社(旧会社名 株式会社売れるネット広告社) の有価証券報告書(2025年7月期、2024年8月1日 ~ 2025年7月31日、2025年10月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
売れるネット広告社グループは純粋持株会社であり、単体従業員数は7名、グループ連結従業員数は54名です。
同社グループは、D2C(ネット通販)事業者のインターネット広告費用対効果改善を目的としたダイレクトマーケティング分野に特化して事業を展開しています。上場後は事業領域の拡大を進め、連結子会社7社とともにD2C向けデジタルマーケティング支援、D2C事業、グローバル情報通信事業の3事業を運営しています。
主な国内グループ会社は、売れるネット広告社、オルクス、JCNT(グローバル情報通信事業)などです。
売れるネット広告社グループは、2024年2月以降、複数の子会社取得・設立や吸収合併を実施し、2024年9月には持株会社体制へ移行するとともに社名変更を行いました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社グループは、人材を重要な資産と位置づけ、その成長と多様な働き方を重視しています。従業員が常に新しい環境にチャレンジできるような組織構築を目指し、人材育成と環境整備に力を入れています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、比較的若い年齢層の従業員が多く、人材の流動性が見られます。多様な働き方を推進し、従業員が健全な状態で活躍できる環境づくりに努めていることがうかがえます。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,376,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.9年 |
| 平均年齢 | 36.5歳 |
| 単体従業員数 | 7人 |
| 連結従業員数 | 54人 |
| 単体のグループ内比率 | 13.0% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「最強の売れるノウハウ®を用いて関わるすべての企業を100%成功に導くことで世界中にたくさんのドラマを創る」という企業理念のもと、事業拡大において人材を最も重要な資産と位置づけています。人の成長が不可欠であるとの考えから、採用と人材育成に特に力を入れています。
人材育成においては、定期的な人事ローテーションや新規事業の提案機会を創出することで、従業員が多様な業務経験を積み、常に新しい環境に挑戦できる組織づくりを進めています。また、従業員が健全な状態で活躍できるよう、子育て世代への在宅勤務導入や各種手当の充実など、多様で柔軟な働き方を推進しています。
管理職の登用に関しては、年齢や性別、社歴にとらわれず、個々の能力を公正に評価する制度を整備しています。これにより、適性と意欲のある人材が最大限に能力を発揮できる職場環境の整備に努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社および連結子会社は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、法定開示データは開示されていません。
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
同社グループは、D2C(ネット通販)事業者がインターネット広告の費用対効果を改善し、業績を拡大することを目的とする「ダイレクトマーケティング」分野に特化して事業を展開しています。上場後は事業領域の拡大を進め、現在はD2C(ネット通販)向けデジタルマーケティング支援事業、D2C(ネット通販)事業、グローバル情報通信事業の3つの事業を運営しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、創業以来「“最強の売れるノウハウ®”を用いて関わるすべての企業を100%成功に導くことで世界中にたくさんのドラマを創る」という企業理念を掲げています。持株会社体制へ移行し、積極的に事業領域を広げています。
D2C(ネット通販)向けデジタルマーケティング支援事業
この事業では、D2C(ネット通販)向けに「ネット広告/ランディングページ特化型クラウドサービス」、「マーケティング支援サービス」、「その他サービス(越境EC支援・M&A支援)」を提供しています。収益は、クラウドサービスの月額利用料、クリエイティブ制作費、コンサルティング料、成果報酬型広告、越境EC支援・M&A仲介サービスから得ています。運営は、売れるネット広告社、売れる越境EC社、売れるD2C業界M&A社が行っています。
D2C(ネット通販)事業
この事業では、化粧品・サニタリー用品・健康食品、機能性表示食品等のD2C(ネット通販)事業を行っています。収益は、自社で開発した商品の販売から得ています。運営は、オルクスが行っています。
グローバル情報通信事業
この事業では、海外・国内 Wi-Fi を中心としたBtoBに特化した通信機器レンタル事業を提供しています。収益は、通信機器レンタルサービスから得ています。運営は、JCNTが行っています。
当連結会計年度の売上高は、グローバル情報通信事業が最も大きく、次いでD2C(ネット通販)向けデジタルマーケティング支援事業、D2C(ネット通販)事業が続いています。前期と比較すると、D2C(ネット通販)事業は大きく伸長しましたが、D2C(ネット通販)向けデジタルマーケティング支援事業は軟調に推移しました。
| セグメント | 売上高(2024年7月期) | 売上高(2025年7月期) |
|---|---|---|
| GlobalInformationAndCommunicationsBusinessReportableSegmentReportableSegment | - | 6.9億円 |
| D2C(ネット通販)向けデジタルマーケティング支援事業 | 6.7億円 | 6.6億円 |
| D2C(ネット通販)事業 | 82百万円 | 2.2億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、当連結会計年度において前期から大幅に増加しました。一方で、経常損失および親会社株主に帰属する当期純損失が継続しています。営業損失と経常損失は前期から縮小傾向にあります。
親会社株主に帰属する当期純損失は拡大していますが、これは連結子会社であるオルクスに係るのれん等の減損損失を特別損失に計上したことなどが主な要因となっています。営業活動によるキャッシュ・フローは引き続き支出超過ですが、前期と比較すると支出額は縮小しています。
| 項目 | 2021年7月期 | 2022年7月期 | 2023年7月期 | 2024年7月期 | 2025年7月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | 7.6億円 | 15.7億円 |
| 経常利益 | - | - | - | △3.2億円 | △1.7億円 |
| 経常利益率 | - | - | - | △41.7% | △10.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | △3.3億円 | △4.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | △48.74 | △61.57 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期と比較して増加しています。これは、事業規模の拡大に伴い、従業員あたりの収益創出能力が向上していることを示しています。
また、従業員1人あたり営業利益は、前期の損失から改善傾向にあります。これは、営業損失が縮小したことによるもので、組織全体の効率化が進んでいる状況がうかがえます。
| 指標 | 2024年7月期 | 2025年7月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 16.1百万円 | 29.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △6.6百万円 | △3.1百万円
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動や投資活動において資金の流出が見られる状況です。今後の事業成長に向けた資金の確保が課題となっています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は当期35.5%と、前期の48.5%から減少しています。これはプライム市場の非製造業平均と比較すると高い水準です。ROE(自己資本利益率)は当期-64.8%とマイナスであり、プライム市場平均を下回っています。現金及び預金は当期5.0億円と前期から増加しており、手元資金は厚みを増しています。自己資本の健全性を維持しつつ、収益性の改善が今後の課題となる状況です。
| 指標 | 2024年7月期(前期) | 2025年7月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 6.9億円 | 6.8億円 |
| 自己資本比率 | 48.5% | 35.5% |
| ROE(自己資本利益率) | - | -64.8% |
| 現金及び預金 | 2.8億円 | 5.0億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは△0.6億円の支出となりました。これは主に減価償却費や減損損失の計上があった一方で、税金等調整前当期純損失の計上や売上債権の増加があったことによるものです。投資活動によるキャッシュフローは△0.9億円の支出となり、主に投資有価証券の取得やD2Cクラウドサービスの新機能開発のための固定資産取得による支出がありました。財務活動によるキャッシュフローは3.6億円の収入となり、株式の発行による収入が長期借入金の返済による支出を上回っています。これらの結果、フリーキャッシュフローは△1.5億円の支出となりました。前期と比較すると、営業活動および投資活動による資金流出の幅は縮小しています。本業での資金創出が課題であり、今後の事業成長に向けた資金の確保が継続的な雇用や給与の安定性に関わる状況です。
| 項目 | 2024年7月期(前期) | 2025年7月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △3.8億円 | △0.6億円 |
| 投資CF | △1.9億円 | △0.9億円 |
| 財務CF | 4.7億円 | 3.6億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △5.8億円 | △1.5億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの事業領域は参入障壁が低いデジタル広告領域であり、参画企業の増加による競合激化のリスクがあります。また、成果報酬型広告によるマーケティング支援サービスを提供しており、クライアントのマーケティング成果が確定しない限り売上高が確定しないリスクも存在します。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは急激な事業拡大に伴い、優秀な人材の確保とその育成が重要な課題であると認識しています。必要な人材をタイムリーに獲得できない場合、効率的な事業運営に支障をきたし、競争力に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
売れるネット広告社グループは、「“最強の売れるノウハウ®”を用いて関わるすべての企業を100%成功に導くことで世界中にたくさんのドラマを創る」という企業理念を掲げ、ダイレクトマーケティング分野で顧客の成功を追求しています。上場後は「世界中をダイレクトマーケティングだらけにする」というビジョンを掲げ、事業の多角化を進めている会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「“最強の売れるノウハウ®”を用いて関わるすべての企業を100%成功に導くことで世界中にたくさんのドラマを創る」という企業理念を掲げています。ダイレクトマーケティング分野を中心に事業を展開してきました。
上場後には「世界中をダイレクトマーケティングだらけにする」というビジョンを掲げています。同社グループに依頼すれば、世界中のすべてのダイレクトマーケティング領域の課題が解決することを目指し、M&Aや新規事業等による事業の多角化を進めている状況です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、人材を重要な資産と捉え、事業拡大には人の成長が不可欠であると考えています。そのため、採用と人材育成に力を入れている企業風土です。
人材育成においては、定期的な人事ローテーションや新規事業の提案機会の創出等を通じて、様々な業務経験を積み、新しい環境に挑戦できる組織構築を進めています。また、従業員が健全な状態で多様な働き方を実現し、多様な人材が活躍できる風土を醸成するため、子育て世代への在宅勤務導入や各種手当の充実等、柔軟な働き方を推進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループが対処すべき課題として、人材の確保と育成の強化を挙げています。知名度の向上や教育の充実を図り、優秀な人材が長期にわたりやりがいを感じて働ける職場環境の整備を進めています。
また、情報セキュリティ体制の更なる整備や内部管理体制の強化にも取り組んでいます。グループ連携によるクライアントへの提案活動も重点テーマであり、グループ間の人員交流機会を増やし、クライアントからの要望に機動的に対応することでグループシナジーの最大化を目指しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
売れるネット広告社グループは、取締役会制度と監査等委員会制度を採用しており、経営の意思決定、業務執行、監督・監査を行っています。株主重視の基本方針に基づき、収益拡大と企業価値向上を目指し、経営管理体制の整備を進めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社グループの株主構成を見ると、創業者の加藤公一レオ氏が筆頭株主であり、その資産管理会社であるレオアセットマネジメントも上位に位置しています。これにより、創業家が同社グループの経営に対して強い影響力を持つ資本構成となっていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 加藤公一レオ | 33.87% |
| レオアセットマネジメント | 30.97% |
| 楽天証券 | 4.11% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長CEOは加藤公一レオ氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 加藤 公一レオ | 代表取締役社長 | 1998年4月三菱商事入社、2001年4月アサツー・ディーケイ入社。2010年1月同社設立、同社代表取締役社長CEOに就任より現職。 |
| 植木原 宗平 | 取締役 | 2006年4月大日本商事入社、2016年2月アクセンチュア入社、2019年1月同社入社。2022年5月同社取締役CFOに就任より現職。 |
| 板越 英真 | 取締役 | 1995年4月Itasho America, Inc.設立代表取締役、2015年1月Global Labo, Inc.設立代表取締役。2024年10月同社取締役に就任より現職。 |
社外取締役は、池戸秀勝氏(ワンシップ代表取締役・監査等委員)、瀧本岳氏(イントゥスタンダード代表取締役・監査等委員)、播摩洋平氏(弁護士法人グレイス弁護士・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役全員が社外取締役で構成されています。これにより、社外の視点を取り入れた客観的な経営監視機能が確保されています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は監査等委員会設置会社として、取締役(監査等委員を除く)と監査等委員である取締役それぞれの職務内容と責任に応じた報酬体系を採用しています。取締役(監査等委員を除く)には経営方針の遂行と株主との価値共有を考慮した基本報酬が、監査等委員である取締役には客観的な経営助言と監督のための基本報酬が支給されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 2名 | 60百万円 | 30.2百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 4百万円 | 4.5百万円 |
| 社外取締役(監査等委員) | 3名 | 8百万円 | 2.8百万円 |
報酬等の総額が1億円以上の役員はいないため、個人別の報酬開示は行われていません。
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