※本記事は、グローバルスタイル株式会社 の有価証券報告書(第78期、自 2024年8月1日 至 2025年7月31日、2025年10月24日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. グローバルスタイルってどんな会社?
同社は、老舗生地問屋をルーツに持ち、高品質なオーダースーツをリーズナブルな価格で提供するSPA(製造小売)企業です。
■(1) 会社概要
1928年に創業した「丹後屋羅紗店」を起源とし、1949年に法人化しました。2009年に「Global Style」1号店を開業してオーダースーツ事業を本格化させ、2021年にJASDAQ(現スタンダード)市場へ上場しました。2022年には商号を現在のグローバルスタイルに変更しています。
同社(単体)の従業員数は254名です。大株主は、筆頭株主から第3位までがいずれも代表取締役社長の資産管理会社であり、創業家による安定的な保有構造となっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| Sマネジメント | 16.30% |
| Yマネジメント | 13.33% |
| GSマネジメント | 6.89% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性8名、女性1名の計9名で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は田城弘志氏が務めています。社外取締役比率は11.1%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 田城 弘志 | 代表取締役社長 | オンリー常務取締役等を経て、2017年より現職。GSマネジメント代表取締役社長を兼任。 |
| 名本 育広 | 取締役管理本部長 | タキヒヨー、リンクアンドモチベーションを経て入社。2020年より現職。 |
| 中川 智雄 | 取締役業務システム本部長 | オンリー執行役員マーケティング部長等を経て入社。2019年より現職。 |
| 江森 義信 | 取締役商品本部長 | ライカ、エム&エムを経て、スチリスタデザイン事務所代表。2024年より現職。 |
| 窪田 正彦 | 取締役マーケティング本部長兼経営戦略室長 | 電通東日本、オンリー取締役、ローソン等を経て入社。2024年より現職。 |
社外取締役は、井出久美(井出久美公認会計士事務所所長)です。
2. 事業内容
同社グループは、「オーダースーツ販売事業」および「その他」事業を展開しています。
**オーダースーツ販売事業**
メンズ、レディス、キッズ・ジュニアのオーダースーツ、シャツ、コート、シューズ等の企画・販売を行っています。主要ブランドとして個室空間を備えた「GINZA Global Style」やカフェ併設の「GINZA Global Style COMFORT」などを展開し、一般消費者を対象としています。
収益は、店舗およびオンラインサービスを通じた製品の販売代金です。SPA(製造小売)モデルを採用し、企画から販売までを垂直統合することでコスト競争力を高めています。運営は主にグローバルスタイルが行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近5期間の業績を見ると、売上高は83億円から115億円へと順調に拡大傾向にあります。経常利益も3億円台から8億円台へと成長しており、利益率も改善傾向が見られます。特に直近では増収増益を達成し、過去最高の売上水準を更新しています。
| 項目 | 2021年7月期 | 2022年7月期 | 2023年7月期 | 2024年7月期 | 2025年7月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 83億円 | 91億円 | 104億円 | 112億円 | 115億円 |
| 経常利益 | 3.2億円 | 5.6億円 | 6.9億円 | 6.6億円 | 8.2億円 |
| 利益率(%) | 3.8% | 6.2% | 6.6% | 5.9% | 7.2% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 2.4億円 | 3.4億円 | 4.7億円 | 4.4億円 | 5.0億円 |
■(2) 損益計算書
直近2期間の損益構成を見ると、売上高の増加に伴い売上総利益、営業利益ともに増加しています。売上総利益率は50%を超えており、高い収益性を維持しています。営業利益率も改善しており、効率的な事業運営が行われています。
| 項目 | 2024年7月期 | 2025年7月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 112億円 | 115億円 |
| 売上総利益 | 60億円 | 64億円 |
| 売上総利益率(%) | 53.6% | 55.8% |
| 営業利益 | 6.3億円 | 8.0億円 |
| 営業利益率(%) | 5.6% | 7.0% |
販売費及び一般管理費のうち、広告宣伝費が16億円(構成比28%)、給与及び賞与が11億円(同20%)を占めています。売上原価においては、外注費(縫製加工賃等)が約33億円(売上原価比65%)と大きな割合を占めています。
■(3) セグメント収益
店舗ブランドごとの売上を見ると、主力の「GINZA Global Style COMFORT」や「GINZA Global Style」が売上の大半を占めています。新業態である「GINZA Global Style PREMIUM」が大きく伸長しており、高価格帯や新サービスへの需要を取り込んでいます。
| 区分 | 売上(2024年7月期) | 売上(2025年7月期) |
|---|---|---|
| GINZA Global Style | 42億円 | 37億円 |
| GINZA Global Style COMFORT | 47億円 | 46億円 |
| Global Style | 2.6億円 | 2.2億円 |
| MARUNOUCHI Global Style | 11億円 | 3.5億円 |
| GINZA Global Style PREMIUM | 5.2億円 | 18億円 |
| Premium Marunouchi | - | 6.4億円 |
| GSオンラインオーダーサービス | 1.0億円 | 1.1億円 |
| TANGOYA | 1.9億円 | 0.3億円 |
| その他 | 0.1億円 | 0.1億円 |
| 連結(合計) | 112億円 | 115億円 |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
| 項目 | 2024年7月期 | 2025年7月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 6.3億円 | 7.3億円 |
| 投資CF | -4.5億円 | -2.8億円 |
| 財務CF | -3.9億円 | -6.8億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は18.7%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は39.0%で市場平均を下回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社は、「豊かで価値あるビジネスを展開し、人々の暮らしぶりに貢献する」という経営理念を掲げています。この理念を全取締役・従業員の職務執行上の拠り所とし、ステークホルダーとの関わりの中で持続的に成長することを目指しています。
■(2) 企業文化
経営理念を実現するための行動指針として「GSフィロソフィー5箇条」を定めています。「Enjoy Order(すべてのお客様にオーダーメイドを楽しんでいただく)」、「User Friendly」、「Social Responsibility」、「Think Differently」、「Act Without Being Afraid Of Risks」の5つを軸に、常識にとらわれない成長と進化を目指す文化があります。
■(3) 経営計画・目標
2027年7月期を最終年度とする中期経営計画を策定しています。「GS事業でのさらなる収益拡大を狙う」ことを基本方針としています。具体的な数値目標の記載はありませんが、持続的な成長に向けた基盤強化を推進しています。
■(4) 成長戦略と重点施策
「全国の政令指定都市、大都市近郊エリアを中心に出店」、「多店舗展開を行うため、人材の採用・育成を強化」、「国内外縫製工場とのネットワーク強化」、「物流機能の効率化」の4つを重点施策として掲げています。また、インバウンド需要への対応や、商品ラインナップの強化、オムニチャネル戦略の推進にも注力しています。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
顧客ニーズに応える人的サービスを提供するため、従業員への教育・研修を強化し、接客力の向上に取り組んでいます。東京・大阪にトレーニングショップを設け、実店舗と同様の環境で研修を実施しています。また、性別や年齢に関わらず意欲と能力によって人材を登用する方針をとっています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均を大きく下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年7月期 | 32.9歳 | 5.4年 | 4,109,000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 需要見込みの変動リスク
原材料の仕入計画は概ね6ヵ月前に実行しているため、実需予測と実績に乖離が生じた場合、在庫回転率の低下等により業績に影響を与える可能性があります。
■(2) 仕入原価の変動
生地の多くをイタリア等から輸入しており、ユーロ建て取引の為替変動リスクがあります。また、主要な生産委託先である中国の人件費や諸経費が高騰した場合、仕入原価が上昇する可能性があります。
■(3) 店舗展開について
全国の主要都市および都市郊外エリアへの出店を計画していますが、条件に合致した物件が確保できず計画通りに出店できない場合、売上高が計画を下回る可能性があります。
■(4) 人材の育成、採用について
オーダースーツ販売には専門的な採寸技術や商品知識が必要です。計画通りの人材採用や育成が進まない場合、店舗の販売力が低下し、業績に影響を及ぼす可能性があります。



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