※本記事は、INTLOOP株式会社 の有価証券報告書(2025年7月期、2024年8月1日 ~ 2025年7月31日、2025年10月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
INTLOOPは、事業創造型コンサルティングファームとして、顧客企業の経営課題解決や企業変革を支援しています。プロフェッショナルフリーランス人材のソリューション提供とコンサルティングサービスを主軸に、自社社員とフリーランス人材を組み合わせたハイブリッドチーム支援も行っています。
単体従業員数は716名、連結従業員数は1,374名です。同社グループの事業セグメントはプロフェッショナル人材ソリューション&コンサルティング事業の単一です。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)ディクスホールディングス、(連結子会社)日本ディクス、(連結子会社)iTパートナーズ(IT人材サービス)、(連結子会社)エヌステージ(人材育成)などです。
当連結会計年度においては、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が5億6243万円計上されています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
INTLOOPは、プロフェッショナル人材ソリューション&コンサルティング事業を展開しています。従業員の平均年齢や勤続年数から、どのような人材が活躍しているか、またどのような働き方が可能かが見えてきます。人材育成や多様性に関する取り組みも、同社グループの働き方を理解する上で重要な要素となります。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は平均勤続年数が比較的短く、平均年齢も若めであることから、活発な人材流動性や若手社員の活躍がうかがえます。プロフェッショナル人材ソリューション&コンサルティング事業という特性上、専門性を高めながらキャリアを築くことが期待できる環境となっています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,108,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.1年 |
| 平均年齢 | 35.5歳 |
| 単体従業員数 | 716人 |
| 連結従業員数 | 1,374人 |
| 単体のグループ内比率 | 52.1% |
同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)の退職給付制度を国内グループ会社に設けています。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、当連結会計年度末における退職給付に係る負債の期末残高は114百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
INTLOOPグループは「in the loop 人と企業の成長が循環する社会へ」をビジョンに掲げ、自らが「成長」のシンボルとなり、人と企業の価値を最大化することを使命としています。コンサルティングサービスは知識集約ビジネスであり、コンサルタントのサービスレベルが成長の鍵となるため、人材育成とリテンションに尽力し、社内リソースの拡充に努めています。
健康管理においては、健康診断や産業医面談に加え、育児休業制度、リモートワーク、裁量労働制、フレックス制など、ライフスタイルに応じた柔軟な働き方を選択できる体制を整備しています。また、将来的なゆとりある働き方を支援するため、確定拠出年金や従業員持株会による資産形成の拡充も図っています。フリーランスに対しても健康経営や資産形成支援を強化しており、プロフェッショナル人材全体を対象としたマネジメントを実践しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。パート・有期労働者の男女賃金差異は、男性パート・男性有期労働者がいないため比較されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 12.9% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 76.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 72.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 73.6% |
連結子会社の法定開示
連結子会社である日本ディクス株式会社の法定開示データは以下の通りです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 10.9% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 33.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 68.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 76.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 46.3%
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
INTLOOPは、プロフェッショナル人材ソリューションとコンサルティングを主軸に事業を展開しています。顧客企業の経営課題解決や企業変革を支援し、成長のループを実現することを目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
INTLOOPは「in the loop / 成長のループ」の実現を目指す事業創造型コンサルティングファームです。同社グループはプロフェッショナル人材ソリューション&コンサルティング事業の単一セグメントとして事業を展開しています。新規事業や業務改革など様々な経営課題を抱える顧客企業に対し、専門性の高いプロフェッショナルフリーランス人材を提供しています。
また、同社グループの強みである戦略、業務、IT及びDX領域におけるコンサルティング業務の知見やノウハウを有する自社社員も加えたハイブリッドチーム支援も行っています。フリーランス人材(コンサルタント/ITエンジニア)を1名単位で支援するだけでなく、自社社員とフリーランス人材を組み合わせることで、様々な経営課題に対してワンストップでのサービス提供を可能にしています。
プロフェッショナル人材ソリューションサービスでは、フリーランス向けの案件紹介サイトや転職支援サービスを運営しています。顧客企業からの業務委託料や転職成立時の成功報酬を収益としています。コンサルティングサービスでは、社員であるコンサルタント/ITエンジニアが中心となり、戦略からIT導入に至るまで多様なサービスを提供しています。役務提供や成果物納入による業務委託料が収益源です。
同社グループはWebサービスも提供しており、サービスの利用料や広告掲載料で収益を上げています。同社グループの売上高は、主にプロフェッショナル人材ソリューションサービス及びコンサルティングサービスで占められています。顧客との契約から生じる収益は、一時点で移転される財またはサービスと、一定の期間にわたり移転する財またはサービスから構成されています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、当連結会計年度において売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前年同期から増加しています。特に親会社株主に帰属する当期純利益は大幅な増加となりました。
これは、個人消費の増加や企業の設備投資の拡大、DX投資の拡大を背景に、プロフェッショナル人材ソリューション&コンサルティング事業への引き合いが増加したことによるものです。積極的な採用活動を進めた結果、業績が大きく伸長しました。
| 項目 | 2021年7月期 | 2022年7月期 | 2023年7月期 | 2024年7月期 | 2025年7月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | 271億円 | 336億円 |
| 経常利益 | - | - | - | 15.4億円 | 22.2億円 |
| 経常利益率 | - | - | - | 5.7% | 6.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | 9.0億円 | 13.7億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | 97.18 | 146.49 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から当期にかけて増加しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から当期にかけて増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。これらの指標の改善は、同社グループの事業拡大と効率的な運営が寄与していることを示しています。
| 指標 | 2024年7月期 | 2025年7月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 23.4百万円 | 24.4百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.3百万円 | 1.6百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定した資金を稼ぎ出しながらも、将来に向けた積極的な投資を継続している成長投資フェーズにあります。手元資金は潤沢に確保されており、財務基盤は安定している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は前期から改善し、当期はプライム市場の非製造業平均と比較しても高い水準にあります。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を大きく上回る水準で推移しており、効率的な経営が行われていることを示しています。手元資金も十分に確保されており、事業運営の安定性につながる財務基盤が構築されています。
| 指標 | 2024年7月期(前期) | 2025年7月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 50.8億円 | 66.0億円 |
| 自己資本比率 | 39.4% | 45.2% |
| ROE(自己資本利益率) | 18.9% | 25.0% |
| 現金及び預金 | 57.1億円 | 40.7億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上が主な増加要因となり、資金を獲得しています。投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得や子会社株式の取得、有形・無形固定資産の取得による支出が主な減少要因となり、資金を使用しています。財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金および長期借入金の返済による支出が主な減少要因となり、資金を使用しています。
当期は営業活動で資金を稼ぎ出しているものの、投資活動による支出がそれを上回り、フリーキャッシュ・フローはマイナスとなっています。これは、事業拡大のための積極的な投資を行っている成長フェーズにあることを示しており、将来の成長に向けた基盤を構築している状況です。
| 項目 | 2024年7月期(前期) | 2025年7月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 12.3億円 | 17.4億円 |
| 投資CF | △8.1億円 | △22.5億円 |
| 財務CF | 12.6億円 | △11.3億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 4.2億円 | △5.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループのプロフェッショナル人材ソリューションサービス及びコンサルティングサービスは、主要顧客が大手企業かつ国内外に事業を展開する企業が中心です。そのため、国内外の景気動向や主要顧客の経営状態・業績により、事業投資やIT投資が抑制された場合には業績に影響を及ぼす可能性があります。また、特別な許認可や独自のテクノロジーを用いる事業ではないため参入障壁は高くなく、競合他社の新規参入等により競争が激化した場合には、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループの事業展開においては、高い専門性を有したプロフェッショナル人材を継続的に確保することが不可欠です。計画どおりに人材を確保できなかった場合、または一定数の人材を確保できなくなった場合には、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
INTLOOPは、人と企業の成長が循環する社会を目指し、自らが成長のシンボルとなることを掲げる企業です。本質的な視点での伴走を通じて、顧客の経営課題解決や企業変革を支援しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「in the loop 人と企業の成長が循環する社会へ」をビジョンに掲げています。ミッションとしては、「自らが『成長』のシンボルとなり、人と企業の価値を最大化する」ことを目指しています。
同社グループは、本質的な視点での伴走を通じて、さまざまな経営課題の解決や企業変革を支援する事業創造型コンサルティングファームです。自社の事業運営ノウハウを提供価値に還元しています。
また、「企業も人間も周りの支えがなければ存在しえない」という企業理念を実現するため、既存事業だけでなく新規事業にも積極的に投資を行っています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループのコンサルティングサービスは知識集約型ビジネスであり、コンサルタントのサービスレベルが成長の鍵となっています。業界やサービス領域に特化せず、顧客のニーズに応えた実現性のあるサービス提供ができる点を特徴としています。
同社グループは、従業員が心身の健康を維持できるよう、多様な働き方を可能にする体制を整備しています。具体的には、育児休業制度やリモートワーク、一部社員への裁量労働制、フレックス制などを導入しています。
また、従業員が現在だけでなく将来的にもゆとりを持った働き方を選択できるよう、確定拠出年金や従業員持株会による資産形成の拡充も行っています。人材の育成だけでなく、リテンションにも尽力し、社内リソースの拡充に努める方針です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、優秀な人材の採用と育成を優先的に対処すべき課題の一つとしています。新卒採用を含めた積極的な採用を継続的に進め、既存のコンサルティングサービスに加え、DX支援や人材ソリューション、教育事業、メディア事業などの新規事業を行う事業会社としての魅力を伝えています。
登録プロフェッショナル人材の確保も重要な課題であり、Webマーケティングや様々な広告を取り入れ、あらゆる領域のフリーランス人材の集客を行っています。フリーランス人材向けの福利厚生サービス紹介などの施策も継続的に実施しています。
情報管理体制の強化も重点テーマであり、個人情報保護法を遵守し、「プライバシーマーク」認証の取得や個人情報保護規程に則ったルールの整備を進めています。今後も社内体制や管理方法の強化・整備を行う方針です。
認知度の向上にも積極的に取り組んでおり、費用対効果を見極めながら広告宣伝活動及び広報活動を進めています。新規事業の展開として、AI等の新規分野への投資を積極的に行い、事業領域の拡大を図っています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
INTLOOPは監査等委員会設置会社であり、取締役会は代表取締役を議長とし、社外取締役を含む5名で構成されています。監査等委員会は3名の社外取締役で構成され、経営の監督機能を強化しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
INTLOOPの株主構成を見ると、筆頭株主は代表取締役である林博文氏です。また、第2位のKSMは林博文氏の資産管理会社であり、同氏が個人と資産管理会社を通じて同社グループの株式を保有していることが特徴です。これにより、創業者が経営に強い影響力を持っていることがうかがえる資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 林 博文 | 49.66% |
| KSM | 21.36% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 2.93% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 2.46% |
| MSIP CLIENT SECURITIES | 2.10% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は5名(男性5名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役は林博文氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 林 博文 | 代表取締役 | 1996年アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)入社。2005年2月同社設立、代表取締役に就任。KSMやディクスホールディングス等の代表取締役・取締役会長を兼任し、現在に至ります。 |
| 内野 権 | 取締役管理本部長 | 1996年アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)入社。アクセンチュアのパートナーを経て、2017年3月同社に入社し管理本部長に就任。2019年1月より取締役管理本部長を務めています。 |
社外取締役は、川端章夫氏(元ザインエレクトロニクス常勤監査役・日本電子デバイス産業協会監事)、小山史夫氏(トード・エス・ポッシブレ・ジャパン相談役)、下稲葉耕治氏(元日本総合研究所専務執行役員・CFBジャパン取締役・ウィルズ社外監査役)です。
同社は監査等委員会設置会社を採用しており、3名の監査等委員はすべて社外取締役で構成されています。これにより、取締役会における議決権を通じて、経営陣に対する実効性の高い監督機能が確保されています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
INTLOOPの役員報酬は、監査等委員を除く取締役に対しては年額200百万円、監査等委員である取締役に対しては年額36百万円の総額限度内で設定されています。監査等委員を除く取締役の個別報酬は、月例の固定金銭報酬のみで構成されており、代表取締役社長が職責や貢献度などを総合的に勘案して決定しています。監査等委員である取締役の報酬は、監査等委員会の決議により決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 2名 | 71百万円 | 35.4百万円 |
| 社外取締役 | 3名 | 10百万円 | 3.2百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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