※本記事は、株式会社Ridge-i の有価証券報告書(2025年7月期、2024年8月1日 ~ 2025年7月31日、2025年10月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
Ridge-iは、AI・ディープラーニング等の先端技術を用いて社会課題や顧客課題を解決するテクノロジーカンパニーです。現場に入り込んだコンサルテーションから開発、導入、運用まで一貫した実用的なソリューションを提供しています。
単体従業員数は39名、連結従業員数は74名です。セグメントはカスタムAIソリューション事業、デジタルマーケティング事業の2つです。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)スターミュージック・エンタテインメント(デジタルマーケティング事業)などです。
同社グループは前連結会計年度末に株式会社スターミュージック・エンタテインメントを子会社化し、これにより報告セグメントが従来のカスタムAIソリューション事業の単一セグメントから、デジタルマーケティング事業を加えた2事業体制に移行しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
Ridge-iは、AIソリューション事業を展開する企業として、専門性の高い人材が活躍できる環境を提供しています。従業員の成長を重視し、多様な働き方を支援する方針が見られます。このような環境は、自身のスキルを活かし、キャリアアップを目指す方にとって魅力的な要素となるでしょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
Ridge-iでは、平均年齢が比較的若く、平均勤続年数も短めであることから、活発な人材の流動性や成長フェーズにある組織の特性がうかがえます。新しい技術や事業領域に挑戦する意欲の高い人材が集まり、キャリアを形成している傾向があると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 8,192,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.5年 |
| 平均年齢 | 35.5歳 |
| 単体従業員数 | 39人 |
| 連結従業員数 | 74人 |
| 単体のグループ内比率 | 52.7% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
Ridge-iは、従業員を事業成長を支える重要な存在と認識し、人的資本への投資を重視しています。多様な人材が仕事と家庭を両立し、最大限の能力を発揮できる職場環境や企業風土の醸成に取り組んでいます。
具体的には、働きがいのある環境づくりのため、在宅勤務の導入や休暇取得の促進といった従業員の意向を踏まえた快適な労働環境を提供しています。また、研修や定期的な勉強会を実施することで、自己研鑽の機会を設けています。
人事制度においては、社員一人ひとりの自己能力を高める業務体制を整え、年齢、国籍、性別等に関わらず、意欲と能力のある従業員が平等に管理職への登用機会を得られるよう努めています。女性や中途採用者の管理職への登用を推進しており、その数は増加傾向にあると示されています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法及び育児介護休業法の規定による公表義務に基づく公表項目としてこれらを選択していないため、記載を省略しております。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
Ridge-iは、AI・ディープラーニング等の先端技術を活用したソリューション提供と、デジタルマーケティング事業を展開するテクノロジーカンパニーです。顧客の課題解決から新しい社会の実現を目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
Ridge-iグループは、AI技術とビジネス知見を組み合わせたソリューション提供と、デジタルマーケティングの二つの事業を柱としています。様々な社会課題や顧客課題に対し、現場に入り込んだコンサルテーションから開発、導入、運用まで一貫した実用的なソリューションを提供しています。
収益モデルとしては、AI活用コンサルティング・AI開発サービスを中心としたフロー収益を主としつつ、受託開発したシステムの保守を担うAI保守運用サービスによるストック収益も得ています。海外への売上高や有形固定資産の記載はなく、国内市場に注力していることがうかがえます。
特定の業界に特化せず幅広い顧客に対応していますが、AI活用ニーズの高い大手製造業の顧客が多い傾向にあります。主要な顧客として、荏原環境プラント株式会社への売上高が同社グループの総販売実績の11.3%を占めています。
カスタムAIソリューション事業
この事業では、「データ・AIを駆使した最先端技術とビジネス知見を用いて、未解決の課題に挑み、新しい社会を実現する」をミッションに掲げています。顧客の目的や現場の課題を深く理解し、最適なAIソリューションの提案から実装までを一貫して行っています。
収益は、AI活用コンサルティング・AI開発サービス、AI保守運用サービス、人工衛星データAI解析サービスから得ています。運営は、Ridge-iが行っています。
デジタルマーケティング事業
この事業は、主要な動画配信プラットフォーム企業と提携し、企業向けマーケティングコンサルティングやクリエイターネットワークを活用した広告事業を展開しています。また、独自の原盤配信ビジネスや著作権ビジネスを行う音楽レーベル機能も有しています。
収益は、ソーシャルメディアマーケティングサービスと音楽制作配信サービスから得ています。運営は、スターミュージック・エンタテインメントが行っています。
| セグメント | 売上高(2024年7月期) | 売上高(2025年7月期) |
|---|---|---|
| デジタルマーケティング事業 | - | 13.1億円 |
| カスタムAIソリューション事業 | - | 12.8億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近の業績は、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに、連結財務諸表の作成初年度である当連結会計年度に初めて計上されました。売上高は25.9億円、経常利益は2.9億円、親会社株主に帰属する当期純利益は1.4億円となりました。
これは、既存顧客からのAIプロジェクトの継続や生成AIテーマ案件の増加、一部案件の大型化に加え、前連結会計年度末に連結子会社化したデジタルマーケティング事業が加わったことによるものです。営業利益率は10.9%で、当初想定を上回る結果となっています。
| 項目 | 2021年7月期 | 2022年7月期 | 2023年7月期 | 2024年7月期 | 2025年7月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | - | 25.9億円 |
| 経常利益 | - | - | - | - | 2.9億円 |
| 経常利益率 | - | - | - | - | 11.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | - | 1.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | - | 36.00 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は35.0百万円、従業員1人あたり営業利益は3.8百万円となっています。これらの数値は、同社グループが従業員一人ひとりの専門性を活かし、効率的に収益を生み出している状況を示しています。特に、AI関連技術とデジタルマーケティングという専門性の高い事業領域において、高い生産性を維持していることがうかがえます。
| 指標 | 2024年7月期 | 2025年7月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | 35.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | - | 3.8百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
株式会社Ridge-iは、財務基盤と資金の流れにおいて、成長に向けた投資を継続している状況です。同社グループの経営の安定性を多角的に見ていきます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が高く、安定した状態を示しています。これは、外部環境の変化に対する耐性があることを示唆しています。一方で、自己資本利益率はプライム市場平均と比較すると低い水準となっています。手元資金は潤沢に確保されており、事業運営における資金の柔軟性がある状況です。
| 指標 | 2024年7月期(前期) | 2025年7月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 24.4億円 | 24.6億円 |
| 自己資本比率 | 69.7% | 77.0% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 6.5% |
| 現金及び預金 | 21.2億円 | 18.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、営業活動による資金がプラスとなっています。これは、税金等調整前当期純利益があった一方で、売上債権及び契約資産の増加や契約負債の減少があったためです。投資活動による資金はマイナスとなっており、主にサーバー購入代金の支払いによる有形固定資産の取得に資金が使われています。財務活動による資金もマイナスとなっており、子会社株式の追加取得や長期借入金の全額返済に資金が充てられました。
これらの状況から、同社グループは本業で資金を生み出しつつ、成長のための投資を継続していることがうかがえます。フリーキャッシュフローはマイナスですが、これは成長投資フェーズにあることを示しており、将来の事業拡大に向けた取り組みが進められている状況です。
| 項目 | 2024年7月期(前期) | 2025年7月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | 0.5億円 |
| 投資CF | - | △0.5億円 |
| 財務CF | - | △2.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | △2百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、事業を展開するAI業界において、国内外の経済情勢や景気動向、それに伴う設備投資意欲の減退による市場成長の鈍化リスクを認識しています。また、技術革新が速いAI業界において、同社グループが技術革新に即座に対応できない場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、優秀な人材の確保及び育成が極めて重要な要素であると認識しており、人材獲得競争の激化や優秀な人材の流出が事業展開に制約を与えるリスクを挙げています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
Ridge-iは、データ・AIの最先端技術とビジネス知見を駆使し、未解決の課題に挑み、新しい社会の実現を目指す企業です。社会課題の解決と持続的な成長を両立させることを重視しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「データ・AIを駆使した最先端技術とビジネス知見を用いて、未解決の課題に挑み、新しい社会を実現する」をミッションとして掲げています。企業や各種業界が抱える様々な社会課題・顧客課題をAI・ディープラーニング等の先端技術を用いて解消するため、実用的なソリューションを提供しています。
特に宇宙関連ビジネスに注力しており、衛星データ解析の国内トッププレイヤーを目指す方針です。また、衛星画像による土砂崩れの解析やドローンを使った海ごみ解析など、環境モニタリングAIを中心にSDGsの目標達成に向けた社会課題解決にも積極的に取り組んでいます。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、高度な技術・専門性とチャレンジ精神を持った優れた従業員を財産と認識しています。ミッション遂行のため、ビジネス・社会の重要な問題解決に必要な技術を見立て、応用化に向けた開発を一気通貫・迅速に実行するプロフェッショナル集団として事業を遂行しています。
多様な人材が仕事と家庭を両立し、最大限の能力を発揮できる職場環境や企業風土の醸成に取り組んでいます。年齢、国籍、性別等区別することなく、意欲と能力のある従業員が平等に管理職への登用機会が得られるような人事制度を整えていることが特徴です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、AIをはじめとした先端技術の研究開発及び開発体制の強化を重要な課題としています。具体的には、AI技術者などの専門的な技術を持つ人材の確保・採用を進め、産学連携や新技術を持つ企業との業務提携、共同研究等に注力しています。
従業員の働きがいの向上も優先課題の一つであり、従業員が成果の創出に集中できるような働きがいのある環境づくりに取り組んでいます。また、情報管理体制の強化や内部管理体制の強化も、継続的な発展のために必須と認識し、取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
Ridge-iは監査等委員会設置会社であり、取締役会は業務執行の決定と監督を担っています。監査等委員会は、取締役の職務執行の妥当性及び適法性を監査する役割を担っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
Ridge-iの株主構成を見ると、筆頭株主は代表取締役社長である柳原尚史氏です。また、同氏が関連する柳原ホールディングスも上位株主として名を連ねており、創業家が同社の資本構成において重要な位置を占めていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 柳原 尚史 | 26.89% |
| 柳原ホールディングス | 16.58% |
| バルカー | 10.65% |
| 特定金外信託受託者 SMBC信託銀行 | 5.56% |
| 荏原環境プラント | 2.13% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性9名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は柳原尚史氏が務めています。社外取締役比率は55.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 柳原 尚史 | 代表取締役社長 | NTTコミュニケーションズ株式会社、HSBC Services Japan、大和証券キャピタル・マーケッツ株式会社等を経て、2016年7月同社創設 代表取締役社長より現職。 |
| 市來 和樹 | 常務取締役カスタムAIソリューション 事業部長 | 株式会社フォワードネットワークを経て、2018年2月同社入社。執行役員、取締役を経て、2024年8月より常務取締役カスタムAIソリューション事業部長より現職。 |
| 小松 平佳 | 常務取締役AI・DX事業共創 | 富士重工業株式会社、株式会社ボストン・コンサルティング・グループを経て、2017年4月同社入社。取締役、執行役員を経て、2024年8月より常務取締役AI・DX事業共創より現職。 |
| 中井 努 | 取締役管理部長 | 新日本監査法人、あずさ監査法人、株式会社プロロジス等を経て、2019年5月同社入社。執行役員を経て、2022年6月より取締役管理部長より現職。 |
社外取締役は、西村竜彦氏(Frontier Innovations代表取締役社長)、椿山善昭氏(バルカー専務執行役員)、松本範平氏(元SMBC日興証券常務執行役員・常勤監査等委員)、櫟本健夫氏(とちもと公認会計士事務所所長・監査等委員)、齊藤友紀氏(法律事務所LAB-01代表弁護士・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役の職務執行の妥当性及び適法性を監査する体制を構築しています。社外取締役は、経営の独立性を確保し、公正な意見表明を通じて企業統治に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
Ridge-iの役員報酬は、取締役の継続的な業績向上意欲と企業価値増大への貢献を目的として設計されています。常勤取締役(社外取締役を除く)の報酬は、固定金銭報酬、連結業績等に応じて決定される業績連動金銭報酬、そして中長期的な企業価値向上を目的とした新株予約権等を組み合わせた体系となっています。業績連動報酬の指標には、売上高及び営業利益が採用されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 92百万円 | 22.9百万円 |
| 社外取締役(監査等委員を除く) | 2名 | 4百万円 | 2.1百万円 |
なお、有償新株予約権は報酬等の総額には含まれていません。また、上記のほか、取締役3名に対し特許に係る出願時支払金・登録時支払金412千円を支払っています。
報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の開示はありません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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