※本記事は、株式会社クラウディアホールディングス の有価証券報告書(2025年8月期、2024年9月1日 ~ 2025年8月31日、2025年11月21日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
クラウディアホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は24名、グループ連結従業員数は957名です。
同社グループは、婚礼に関連したブライダル事業を主たる業務としています。連結子会社15社により構成されており、婚礼衣裳の企画・製造・卸売から、販売・レンタル、リゾート挙式のプロデュース、写真・映像、美容、結婚式場運営まで幅広く事業を展開しています。
主な国内グループ会社は、クラウディア(ホールセール・事業部門)、クラウディアコスチュームサービス(コンシューマー・事業部門)などです。
2025年8月には連結子会社「大神宮会館クラウディア株式会社」を設立し、東京大神宮での挙式施設運営を通じて和装での神前結婚式事業の拡大を目指しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
クラウディアホールディングスは、ブライダル事業を通じて社会貢献と持続的成長を目指す同社グループの持株会社です。同社グループは人材を重要な資本と捉え、専門性の高い人材育成と多様な働き方を支援する環境整備に注力しています。社員の生活向上を社是の一つに掲げ、長期的な企業価値向上を目指しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の平均年齢が40代前半であり、平均勤続年数も10年を超えています。これは、比較的落ち着いた年齢構成と、一定期間にわたる安定した就業傾向を示していると言えます。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,085,000円 |
| 平均勤続年数 | 10.0年 |
| 平均年齢 | 42.1歳 |
| 単体従業員数 | 24人 |
| 連結従業員数 | 957人 |
| 単体のグループ内比率 | 2.5% |
同社グループは、退職給付制度として確定拠出年金制度および中小企業退職金共済制度を採用しています。これらの制度は、同社および一部の連結子会社に適用されています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、人材を重要な資本と位置づけ、グループ全体の成長を牽引する専門性の高い人材の育成に注力しています。多様な従業員がそれぞれのライフステージに合わせた働き方を継続できるよう、環境整備を重要な経営課題と認識しています。
具体的な育成方針としては、OJT研修やインターンシップ制度、全社員向けのコンプライアンス研修を通じて基礎的な教育を実施しています。さらに、資格取得支援や専門技術を学ぶ研修制度、社内コンテストの開催により、従業員の専門技術向上を図っています。
社内環境整備においては、フレックスタイム制度や時短勤務制度といった柔軟な働き方を導入しています。また、システム投資による業務効率の向上を通じて、残業時間の削減にも取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 株式会社クラウディア
男女の賃金の差異についての主な要因は、正規雇用労働者においては男女間の等級別人数構成の差及び時短勤務制度を利用している女性社員が多いこと等によるものです。非正規雇用労働者で差異が大きい要因は、男性はフルタイム労働者が多いことに対して、女性は短時間労働者が多いことによるものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 33.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | - |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 46.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 63.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) | 45.0% |
▼ 株式会社クラウディアコスチュームサービス
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 61.9% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 75.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 65.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 80.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) | 52.7% |
グループ全体(連結)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性従業員の割合(臨時従業員を除く) | 75.4% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
クラウディアホールディングスは、持株会社として、婚礼に関連するブライダル事業を同社グループ全体で展開しています。同社グループの事業は、主に「ホールセール事業部門」と「コンシューマー事業部門」の二つの柱で構成されています。
ホールセール事業部門では、婚礼衣裳の企画、製造、卸売、そして貸衣裳店向けのレンタル事業を手掛けています。収益は、主に製・商品の販売やレンタル収入から得ており、株式会社クラウディアや株式会社二条丸八などが事業を運営しています。この部門の売上高は前期に比べて減少しています。
一方、コンシューマー事業部門は、婚礼衣裳の販売・レンタル、リゾート挙式のプロデュース、写真・映像、美容、結婚式場の運営といった多岐にわたるサービスを提供しています。収益は、衣裳取扱収入、式場運営収入、写真・映像・美容等売上高が中心であり、株式会社クラウディアコスチュームサービスや内田写真株式会社が主要な役割を担っています。この部門は同社グループの売上高の大部分を占めており、前期に比べて増加しています。特に式場運営収入や衣裳取扱収入が伸びています。
同社グループは、婚礼衣裳の“ものづくり”を核としつつ、M&Aや新規出店を通じて挙式関連サービス事業領域の開拓を推進しています。国内での事業展開が中心であり、特定の顧客への収益集中は見られません。
| セグメント | 売上高(2024年8月期) | 売上高(2025年8月期) |
|---|---|---|
| コンシューマー事業部門 | 9兆9,379億円 | 10兆5,843億円 |
| ホールセール事業部門 | 3兆2,813億円 | 3兆69億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、直近5年間で売上高が着実に増加傾向にあります。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益も、一時的な変動はあったものの、回復基調を示しています。
特に当期は、売上高が前期に比べて増加しました。利益面では、販売費及び一般管理費が増加したものの、営業利益、経常利益ともに前期を上回る増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益も、法人税等の削減が寄与し、大幅な増益を達成しています。
| 項目 | 2021年8月期 | 2022年8月期 | 2023年8月期 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 70.2億円 | 95.1億円 | 115億円 | 132億円 | 136億円 |
| 経常利益 | △4.0億円 | 6.9億円 | 6.2億円 | 3.9億円 | 4.2億円 |
| 経常利益率 | △5.8% | 7.2% | 5.4% | 2.9% | 3.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △8.1億円 | 8.2億円 | 5.6億円 | 1.9億円 | 3.1億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △92.20 | 93.21 | 63.18 | 21.52 | 34.72 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。また、従業員1人あたり営業利益も前期に比べて増加しており、従業員一人ひとりの稼ぐ力が高まっていることが示されています。これは、組織全体の効率化が進んでいることを示唆しています。
| 指標 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 12.7百万円 | 14.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.3百万円 | 0.4百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
株式会社クラウディアホールディングスは、堅実な財務基盤と安定したキャッシュフローを維持しています。本業で得た資金を効率的に活用し、将来に向けた投資も行っている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率とROE(自己資本利益率)からその健全性を確認できます。自己資本比率は当期に31.4%となり、前期の29.9%から増加しました。これはプライム市場の非製造業平均24.2%を上回る水準です。
ROE(自己資本利益率)は当期に8.0%となり、前期の5.1%から改善しています。プライム市場平均の9.4%には及ばないものの、収益性を高める傾向が見られます。手元資金である現金及び預金は当期末に18.9億円を確保しており、前期の18.1億円から増加しました。これらの財務状況は、事業運営の安定性を示すものと言えます。
| 指標 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 38.3億円 | 39.7億円 |
| 自己資本比率 | 29.9% | 31.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 5.1% | 8.0% |
| 現金及び預金 | 18.1億円 | 18.9億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、投資活動も行っている状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは当期に8.6億円の収入となり、前期の5.3億円の収入から増加しました。これは主に、税金等調整前当期純利益や減価償却費、差入保証金の減少による収入が寄与しています。
投資活動によるキャッシュフローは当期に△4.6億円の支出となり、前期の△9.8億円の支出から支出額が減少しました。これは主に、有形固定資産の取得や定期預金の預入による支出があった一方で、定期預金の払戻による収入も発生したためです。財務活動によるキャッシュフローは当期に△1.9億円の支出となり、前期の36百万円の収入から支出に転じました。これは短期借入金や長期借入金の返済があった一方で、長期借入れによる収入も得られたためです。
これらの結果、フリーキャッシュフローは当期に4.0億円のプラスとなり、前期の△4.5億円のマイナスから改善しました。本業で得た資金が投資活動の支出を上回っており、事業の安定性と成長に向けた健全な資金運用が行われていることがうかがえます。
| 項目 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 5.3億円 | 8.6億円 |
| 投資CF | △9.8億円 | △4.6億円 |
| 財務CF | 36百万円 | △1.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △4.5億円 | 4.0億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの業績は、婚姻件数や将来の人口動態、婚姻年齢及び未婚率の動向により影響を受ける可能性があります。また、近年多様化する挙式・披露宴の形態に対応できない場合や、変化に応じた製・商品の市場への供給に時間を要した場合には業績に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
クラウディアホールディングスは、婚礼衣裳の製造販売を主軸に、ブライダル事業を通じて社会に貢献することを目指す企業です。お客様、社会、社員の利益を重視する理念のもと、夢を創造し提供する企業風土を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは創業以来、婚礼衣裳の製造販売を主たる業務としています。社是として「お客さまの利益を創る」「社会奉仕」「社員の生活向上」の3つの理念を掲げています。
また、信条として「夢を持って」「夢を創り」「夢を売ろう」を掲げ、労使一体の経営を進めています。同社グループは「総合ブライダル企業」として、ブライダル事業を通じて社会に貢献し、持続的成長と長期的な企業価値向上を実現するサステナビリティ経営を推進しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、社是である「お客さまの利益を創る」「社会奉仕」「社員の生活向上」の3つの理念を経営の根幹に置いています。信条として「夢を持って」「夢を創り」「夢を売ろう」を掲げ、労使一体の経営を進めることを大切にしています。
人材を資本と捉え、専門性の高い人材育成を通じて企業価値向上に取り組む方針です。多様な従業員が各々のライフステージに左右されずに働ける環境整備を重要課題と認識しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、中長期的な成長を目指し、いくつかの課題に対処しています。その一つに、優秀な人材の確保と育成を挙げています。
事業戦略に沿った採用施策の強化や社員教育の充実を図り、多様化する顧客ニーズに対応できる人材を育成する方針です。また、激しく変化する環境に対応できる柔軟な組織づくりを目指しています。
持続的な成長のため、内部管理体制の強化も重要課題と認識しており、コーポレート・ガバナンスのさらなる強化やリスク管理、コンプライアンスの徹底に取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
クラウディアホールディングスは、取締役会による経営の意思決定と監督、そして業務執行の分離を図るガバナンス体制を構築しています。社外取締役が過半数を占める監査等委員会を設置し、監督機能の強化に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
クラウディアホールディングスの株主構成を見ると、筆頭株主は有限会社クラエンタープライズであり、創業家やその関連会社が上位に名を連ねています。また、従業員持株会も上位株主として存在しており、特定の株主グループが経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 有限会社クラエンタープライズ | 38.98% |
| クラウディア従業員持株会 | 3.24% |
| 丸文 | 2.99% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役会長兼社長は倉 正治氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 倉 正治 | 代表取締役会長兼社長 | 1966年4月株式会社トクミ入社、1974年4月京都オーダーソーイング創業、1976年12月同社設立代表取締役社長。2011年11月より同社代表取締役会長兼社長。 |
| 山本 大輔 | 常務取締役 | 1995年9月同社入社。2017年9月クラウディア取締役常務執行役員。2021年11月より同社常務取締役。 |
| 山田 清志 | 取締役 | 1985年7月同社入社。2006年11月クラウディアコスチュームサービス代表取締役社長。2016年11月より同社取締役。 |
| 野﨑 浩司 | 取締役 | 1988年4月同社入社。2016年9月クラウディア代表取締役社長。2016年11月より同社取締役。 |
社外取締役は、滝 亮史氏(CISコンサルティング税理士法人代表社員・監査等委員)、梅山 克啓氏(梅山税理士法人代表社員・監査等委員)、青野 理俊氏(弁護士法人白浜法律事務所社員・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役が過半数を占める監査等委員会を設置しています。これにより、取締役会の監督機能を強化し、監督と業務執行の分離による迅速な意思決定を目指しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして機能するよう設計されています。業務執行取締役には固定報酬としての基本報酬、業績連動報酬、そして非金銭報酬である株式報酬が支給されます。一方、監査・監督機能を担う監査等委員である取締役には基本報酬のみが支払われる仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 社外役員 | 3名 | 10百万円 | 3.3百万円 |
個人別報酬が開示されている役員は、倉 正治氏(1.40億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。