※本記事は、株式会社エッチ・ケー・エス の有価証券報告書(2025年8月期、2024年9月1日 ~ 2025年8月31日、2025年11月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
エッチ・ケー・エスは、自動車等の関連部品の製造・販売を主な事業としています。同社グループは、マフラー、電子部品、ターボチャージャー、サスペンション、エンジン部品などの自動車関連製品に加え、軽量小型飛行機用エンジン部品の販売も手がけています。
単体従業員数は263名、連結従業員数は383名です。セグメントは自動車等の関連部品事業、その他の事業の2つです。
主な国内グループ会社は、日生工業(自動車等の・関連部品事業)、エッチ・ケー・エステクニカルファクトリー(同)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
エッチ・ケー・エスは自動車関連部品事業を展開しており、従業員の定着を重視し、専門性の向上と働きやすい環境づくりに力を入れていることがうかがえます。従業員が長期的にキャリアを築き、活躍できるような制度や文化が特徴となっています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高いことから、従業員が長期的にキャリアを築いている傾向が見られます。安定した環境で専門性を深めたいと考える方にとって、魅力的な職場環境であると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,816,000円 |
| 平均勤続年数 | 18.2年 |
| 平均年齢 | 42.6歳 |
| 単体従業員数 | 263人 |
| 連結従業員数 | 383人 |
| 単体のグループ内比率 | 68.7% |
エッチ・ケー・エスは確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)の退職給付制度を採用しています。同社および一部の国内連結子会社において退職一時金制度を設けています。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
エッチ・ケー・エスグループは、事業の充実と持続的成長のため、従業員への教育推進と従業員満足度の向上を重視し、人的資本経営に取り組んでいます。従業員のモチベーションと専門性の向上、働きやすい職場環境、闊達な組織づくりを目指し、「従業員と会社がともに成長する」ことを通じて企業価値向上に努める方針です。
具体的な施策として、技術的なテーマを扱う「HIPER SEMINAR」の定期開催や、ベテランの技術伝承と若手との交流を促す動画マニュアル作成ツールの展開を行っています。また、マネジメントスキルやビジネススキル獲得を推進するためのeラーニングアプリの展開を通じて、自己研鑽と自己実現を支援しています。企業理念やパーパス、経営目標を全従業員が共有し、ベクトルを合わせて取り組むための仕組みづくりも進められています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体のデータを示します。男女賃金差異は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 33.3% |
指標および目標
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性労働者の育児休業取得率 | 33.0% |
| 有給休暇取得率 | 77.0% |
| 労働者に占める女性労働者の割合 | 8.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
エッチ・ケー・エスは、自動車関連部品の製造・販売を主軸とし、軽量小型飛行機用エンジン部品の販売も手掛ける企業です。国内外のアフターマーケット事業と製造受託事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、自動車等の関連部品事業を主な事業内容としています。マフラー、電子部品、ターボチャージャー、サスペンション、冷熱部品、エンジン部品などの製品を製造・販売しています。また、軽量小型飛行機用エンジン部品の販売も行っています。
収益は主にアフターパーツ売上と受託売上から得ています。アフターマーケット事業は国内および海外販路で堅調に推移していますが、製造受託事業では一部で受注減の影響が見られます。同社グループの海外売上高は全体の約3割を占めており、円安の進行が売上総利益を押し上げる要因となるなど、為替変動の影響を受ける可能性があります。
海外では北米、アジア、ヨーロッパなど多様な地域で事業を展開しています。特定の顧客であるTurn 14 Distribution, Inc.への売上高が全体の1割程度を占める状況です。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期の業績を見ると、売上高は80億円台から90億円台で推移しています。経常利益は、7億円台に達した期もありましたが、直近では4億円台となっています。親会社株主に帰属する当期純利益も同様に変動が見られます。
直近の当期は、売上高が前期からわずかに減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は増加しています。
| 項目 | 2021年8月期 | 2022年8月期 | 2023年8月期 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 79.7億円 | 86.3億円 | 92.4億円 | 90.0億円 | 89.8億円 |
| 経常利益 | 4.6億円 | 7.2億円 | 7.3億円 | 4.8億円 | 4.6億円 |
| 経常利益率 | 5.7% | 8.4% | 7.9% | 5.3% | 5.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3.5億円 | 5.0億円 | 4.5億円 | 3.5億円 | 3.6億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 248.93 | 350.65 | 318.78 | 245.77 | 255.45 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から横ばいとなっています。一方、従業員1人あたり営業利益は前期から減少しました。これらの指標は、同社グループの生産性や収益体質の変化を示すものとなります。
| 指標 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 23.4百万円 | 23.4百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.1百万円 | 1.0百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
エッチ・ケー・エスは、強固な財務基盤と安定したキャッシュフローを維持しています。本業で着実に資金を生み出し、将来に向けた投資も行っている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
エッチ・ケー・エスは、高い自己資本比率を維持しており、強固な財務基盤を築いていることがうかがえます。これは、事業活動における安定性や、予期せぬ経済変動に対する耐性を示すものです。手元資金も十分に確保されており、事業運営の安定性につながっています。
| 指標 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 103億円 | 107億円 |
| 自己資本比率 | 77.3% | 80.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 3.4% | 3.4% |
| 現金及び預金 | 21.2億円 | 20.0億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出しつつ、事業成長のための投資も行っている状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは、棚卸資産の増加やその他流動負債の減少といった資金の減少要因があったものの、減価償却費や税金等調整前当期純利益の増加要因により、前期から増加しています。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得や有価証券の取得に資金を充てたことで、資金を使用しています。
財務活動によるキャッシュフローは、借入金の返済や配当金の支払により資金が減少しています。これらの資金の流れから、同社グループは安定した事業基盤を持ち、将来の成長に向けた投資も継続している状況であり、雇用や給与の安定性にもつながると考えられます。
| 項目 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 3.8億円 | 9.9億円 |
| 投資CF | △0.1億円 | △6.1億円 |
| 財務CF | △2.4億円 | △3.2億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 3.7億円 | 3.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、アフターパーツ市場における競争にさらされています。自動車メーカーがアフターパーツ市場に積極的な姿勢を示しており、競争が激化する可能性があります。また、各国の関税率の変動や海上運賃等の物流コストの高騰も、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
エッチ・ケー・エスは、「感性に訴えるこだわりのもの造り」を通じて、お客様のライフスタイルを個性豊かに演出することに挑戦し続けることを経営理念としています。従業員と会社がともに成長する文化を醸成し、持続的な企業価値向上を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
エッチ・ケー・エスは、「感性に訴える こだわりのもの造りを通じて お客様のライフスタイルを より個性豊かなものに演出する事に 挑戦し続ける」ことを経営理念としています。
この理念に基づき、「お客様の立場で行動する」「全ての品質を向上する」「世界的視野で行動する」「市場は自ら創造する」「環境との調和を図る」という5つの経営方針を掲げています。
同社グループは、収益重視の経営体質を目指しており、売上高と経常利益を重要な経営指標として位置づけています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
エッチ・ケー・エスは、従業員への教育推進と従業員満足度の向上が最も重要であると認識し、人的資本経営に積極的に取り組んでいます。
従業員のモチベーションや専門性の向上、働きやすい職場環境、意見を出し合える闊達な組織づくりを通じて、「従業員と会社がともに成長する」ことを目指しています。
同社グループは、新たな評価制度を通じて従業員がさらなる成長を目指す施策を進め、HKSフィロソフィー、ミッション、ビジョン、バリューを全社に浸透させ、「皆で創る」を体現しています。
また、従業員がお互いに学び合い、教え合う環境を形成し、皆で成長する文化を醸成していく方針です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
エッチ・ケー・エスは、従業員が自身を見つめ、さらなる成長を目指すための新たな評価制度の導入を進めています。
HKSフィロソフィー、ミッション、ビジョン、バリューを全社に浸透させ、全社方針を共有し、「皆で創る」を体現することを目指しています。
また、お客様の要求を製品開発に反映させる各種手法を導入し、顧客品質の向上を図るとともに、お客様を不安にさせない、不満を作らないための取り組みを進めています。
サステナビリティの観点からは、エンジン車両の電動化や旧世代エンジンの燃焼効率向上に関する研究、カーボンニュートラル燃料の開発に注力しています。
さらに、男性労働者の育児休業取得率と有給休暇取得率の向上、女性人財の採用強化を通じて、女性が活躍する職場を目指すことを目標としています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
エッチ・ケー・エスは監査役制度を採用しており、取締役会と監査役会がそれぞれの役割を担う体制を構築しています。取締役会は事業活動に関する意思決定と業務執行の監督を行い、監査役会は独立した立場で監査を実施しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
エッチ・ケー・エスは、特定の事業会社が筆頭株主として経営を支える資本構成となっています。筆頭株主であるアポロは、同社の発行済株式の44.89%を保有しており、経営に強い影響力を持つ株主グループであると言えます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| アポロ | 44.89% |
| 静岡銀行(常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行) | 4.81% |
| 服部 勝也 | 4.64% |
| 山本 衛 | 2.65% |
| 東京海上日動火災保険 | 2.54% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は水口大輔氏が務めています。社外取締役比率は16.7%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 水口 大輔 | 代表取締役社長 | 1993年4月同社入社、2012年11月同社取締役就任、2016年11月同社代表取締役社長就任より現職。 |
| 坂詰 達也 | 取締役営業部長 | 1987年8月同社入社、2014年11月同社取締役就任、2019年9月同社営業部長就任より現職。 |
| 天野 健太郎 | 取締役製造部長兼資材管理部長 | 1997年4月同社入社、2017年3月同社製造部長就任、2022年10月同社資材管理部長就任、2023年11月同社取締役就任より現職。 |
| 長谷川 和代 | 取締役社長室長 | 2016年1月同社入社、2018年9月同社社長室長就任、2023年11月同社取締役就任より現職。 |
| 木本 慎也 | 取締役管理部長兼財務部長 | 1994年4月同社入社、2023年9月同社管理部長就任、2023年10月同社財務部長就任、2023年11月同社取締役就任より現職。 |
社外取締役は、車田聡氏(元日産車体取締役開発担当役員)です。
同社は監査役制度を採用しており、監査役3名全員が社外監査役として独立した立場で監査を行っています。社外取締役は経営上の意思決定および業務執行の監督を、社外監査役は客観的・中立的な監査業務を通じてコーポレート・ガバナンスに寄与しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、役位、職責、在任年数等を考慮した毎月定額の固定給である基本報酬と、退任後に支払われる退職慰労金により構成されています。経済情勢や経営環境、市場水準、従業員給与とのバランスを総合的に勘案して決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 35百万円 | 7.1百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 14百万円 | 3.5百万円 |
取締役の報酬等の総額には、使用人兼務役員の使用人給与は含まれておりません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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