※本記事は、株式会社カワサキ の有価証券報告書(2025年8月期、2024年9月1日 ~ 2025年8月31日、2025年11月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
カワサキは、服飾事業、賃貸・倉庫事業、ホテル事業を展開しています。輸入高級ハンカチ・タオルや婦人服飾雑貨の企画・販売、物流倉庫の賃貸・運営、太陽光発電、ホテル運営を手掛けています。
単体従業員数は61名です。セグメントは服飾事業、賃貸・倉庫事業、ホテル事業の3つです。
同社は2023年4月よりホテルレイクアルスターアルザ泉大津を直営化し、ホテル事業を強化しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社カワサキは、服飾事業、賃貸・倉庫事業、ホテル事業といった多角的な事業を展開しています。同社では、従業員の能力向上と働きやすい環境づくりに注力しており、多様な人材が活躍できる基盤を整えています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、比較的年齢層の高い従業員が、一定の勤続年数を経て業務に取り組んでいる傾向が見られます。従業員のスキルや専門知識の習得状況は、直属の上司が確認し、個別のフィードバックを通じて能力向上を支援しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 3,686,377円 |
| 平均勤続年数 | 5.8年 |
| 平均年齢 | 55.74歳 |
| 単体従業員数 | 61人 |
同社は確定拠出型の退職給付制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)として、中小企業退職金共済制度に加入しています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、環境・社会・企業統治における社会的課題に取り組み、持続可能な社会への貢献と企業価値の向上を目指す中で、人材の育成と社内環境整備を重要な戦略と位置付けています。人材の多様性の確保もその一環です。
社員教育は、定期的な各部門ミーティングを活用したOJTが中心であり、直属上司が各従業員のスキル・専門知識の取得状況を確認・把握しています。各従業員の通期での成果と成長が報酬等の処遇に一層反映されるよう、評価内容について個別面談でのフィードバックを実施し、従業員の能力と意欲の向上に取り組んでいます。
社内環境整備においては、女性社員や中途採用社員などの多様な人材が安心して活躍できる環境構築を積極的に推進しています。具体的には、資格取得の支援制度の導入などにより、従業員が能力を十分に発揮できる場を設けています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
カワサキは、服飾事業、賃貸・倉庫事業、ホテル事業の3つの事業を展開しています。それぞれの事業が異なる収益源を持ち、多角的なビジネスモデルを構築しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、主に3つの事業セグメントを通じて収益を上げています。服飾事業では、輸入高級ハンカチやタオル、ホームインテリア、婦人服飾雑貨全般の企画・生産・卸売・販売を手掛けています。賃貸・倉庫事業は、物流倉庫の賃貸や営業倉庫業、太陽光発電事業を運営し、安定した収益基盤を形成しています。ホテル事業では、直営ホテルでの宿泊および料飲サービスを提供しています。
各事業は、それぞれ異なる市場ニーズに対応しており、収益源も多様です。服飾事業は小売店や通販会社、直営店を通じた製品販売が中心です。賃貸・倉庫事業は、倉庫の稼働率に基づく賃料収入や営業倉庫サービス、太陽光発電による売電収入が収益の柱です。ホテル事業は、宿泊稼働率や宴会需要に連動したサービス提供による収益を得ています。当事業年度において、司企業株式会社への販売が総販売実績の16.3%を占めています。
服飾事業
同社は、シェニール織物を素材とする婦人身の回り品を中心に、輸入高級ハンカチ・タオル、ホームインテリア、バッグ、衣料などを企画しています。これらを国内や中国、台湾などで外注生産し、「レイクアルスター」ブランドで小売店、専門店、百貨店、通販会社を通じて販売しています。また、大阪市中央区と泉大津市に直営のレイクアルスターブティック店も出店しています。
収益は、主に製品の卸売および直営店での販売から得ています。当事業年度は、物価高や円安の影響を受けつつも、新製品投入や通販会社向け売上の増加、自社ECサイトの軌道化により売上を伸ばし、価格改定の効果もあって営業損失が改善しました。
賃貸・倉庫事業
同社は、大阪泉州地域を中心に物流倉庫等の賃貸業および営業倉庫業を展開しています。さらに、倉庫の屋根を活用した太陽光発電事業も行っています。
収益は、倉庫の賃貸料、営業倉庫サービス料、太陽光発電による売電収入から得ています。当事業年度も、高い倉庫稼働率と堅調な物流需要を背景に、安定した収益を維持し、売上高、営業利益ともに増加しました。
ホテル事業
同社は、南海本線泉大津駅前の「ホテルレイクアルスターアルザ泉大津」を直営化し、宿泊および料飲サービスの提供を行っています。
収益は、宿泊稼働率の向上や宴会需要の回復による宿泊料および飲食サービス料から得ています。当事業年度は、ビジネス利用や大阪・関西万博による観光客増加の恩恵を受け、売上高が大きく増加し、営業損失も改善しました。施設のリニューアル工事に伴う費用も発生しています。
| セグメント | 売上高(2024年8月期) | 売上高(2025年8月期) |
|---|---|---|
| 賃貸・倉庫事業 | 13.7億円 | 14.0億円 |
| 服飾事業 | 5.2億円 | 5.4億円 |
| ホテル事業 | 2.9億円 | 3.5億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも増加傾向を示しています。特に営業利益と経常利益は前年同期比で大幅な増加となり、当期純利益も堅調に伸びています。これは、各事業セグメントがそれぞれ好調に推移した結果と考えられます。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の従業員1人あたりの売上高(連結)および従業員1人あたりの当期純利益(連結)は、データに値がないため、具体的な推移を示すことはできません。しかし、一般的にこれらの指標は、組織全体の効率性や従業員一人ひとりの貢献度を示す重要な指標となります。これらの数値が安定している、または増加傾向にある場合、収益体質の強さや持続的な給与水準の維持に繋がる可能性があります。
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
カワサキは、本業で得た資金を投資に回しつつ、手元資金も確保している状況です。財務基盤の安定性と資金の流れから、同社の現在地を把握することができます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本比率やROE(自己資本利益率)の数値は開示されていませんが、手元資金の状況から安定性を確認できます。手元資金は増加傾向にあり、不測の事態への耐性があると言えます。
| 指標 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | - | - |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | 5.7億円 | 6.6億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローは、本業で安定した資金を生み出し、その資金を投資に充てながらも、余剰資金を確保している状況です。当事業年度の営業活動によるキャッシュフローは、税引前当期純利益や減価償却費などにより収入を確保しています。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出がありましたが、前期に比べて支出額は減少しました。
財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済による支出が主な要因となっています。結果として、本業で稼いだ資金が投資を上回り、自由に使える資金が確保されている状態です。これは、同社が事業の安定性を保ちつつ、将来に向けた投資も行っていることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる基盤があると言えます。
| 項目 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 9.1億円 | 6.0億円 |
| 投資CF | △5.9億円 | △1.1億円 |
| 財務CF | 0.2億円 | △4.1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 3.2億円 | 5.0億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社の主要事業である服飾事業では、特定ブランドへの売上依存度が高く、購買層が50歳代以上の婦人に集中しています。景気変動や消費者の嗜好変化が業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、原材料・製品の輸入に依存しているため、ドル円レートやユーロ円レートの変動による為替変動リスクも存在します。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
カワサキは、「合掌の心」を社是とし、お客様やお取引先様、地域への感謝を企業活動の原点に据えています。この価値観のもと、持続可能な社会への貢献と企業価値の向上を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
カワサキは、「合掌の心」を社是とし、お客様、お取引先様、地域への感謝を企業活動の原点に置いています。同社は収益力の向上を目指し、企業価値の向上を通じて株主・投資家の期待に応えていくことを基本方針としています。
特に服飾事業では、「THE BEST FROM THE WORLD -いいものを世界から-」をテーマに、世界各地から良いものを安く・早く提供することを基本理念としています。独創的な製品を通じて、市場での存在感を高めることを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
カワサキは、「合掌の心」を社是とし、お客様やお取引先様、地域への感謝を企業活動の原点としています。同社では、「行動基準」「経営目標」「経営理念」「行動規範」に則り、環境・社会・企業統治における社会的課題に取り組むことで、持続可能な社会への貢献と企業価値の向上を目指しています。
人材育成においては、OJTを中心とした社員教育を通じて、従業員の能力と意欲の向上に取り組んでいます。また、女性社員や中途採用社員など多様な人材が安心して活躍できる環境を積極的に推進しており、資格取得支援制度の導入などにより、能力を発揮できる場を設けています。性別や国籍、入社時期に関わらず、能力を本位とする人材登用を重視する企業風土です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
カワサキは、服飾事業において「THE BEST FROM THE WORLD -いいものを世界から-」をテーマに、新製品の開発と販売チャネルの拡大を重点課題としています。団塊の世代の新しいニーズに対応するため、時代にマッチしたデザインとオリジナリティ溢れる製品開発に努めています。販売チャネルは、従来の百貨店や専門店に加え、通販や各種宣伝媒体を通じて拡大を図る方針です。
ホテル事業では、サービス品質の維持・向上とリピーターの獲得に注力しています。飲食部門との連携強化によるシナジー創出や、地域イベント・観光需要の取り込みも重要な課題です。予約動向の分析強化や販路チャネルの最適化を通じて、稼働率の向上と事業全体の競争力向上に取り組んでいます。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会の監査・監督機能とコーポレート・ガバナンスの強化を図っています。権限委譲により迅速な意思決定を行い、経営の効率化を高めることを目的としています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
株式会社KWSが筆頭株主であり、川崎貴美子氏や代表取締役社長の川崎久典氏も上位株主として名を連ねています。創業家やその関連会社が上位を占める資本構成となっており、経営に強い影響力を持つことがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 株式会社KWS | 40.38% |
| 川崎 貴美子 | 8.53% |
| 光通信 | 7.45% |
| 川崎 久典 | 6.56% |
| 商工組合中央金庫 | 2.34% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は5名(男性5名・女性-名)で構成され、女性役員比率は-%です。代表取締役社長は川崎久典氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 川 崎 久 典 | 代表取締役社長 | 1995年中小企業金融公庫入庫、2000年同社入社、オーアンドケイ代表取締役社長を経て、2003年同社取締役。2019年同社社長室室長、2020年同社取締役、2021年同社代表取締役より現職。 |
| 片 岡 英 隆 | 取締役営業統括 | 2015年同社入社、東京支店長、営業部長を歴任。2022年同社取締役より現職。 |
社外取締役は、明松英之氏(明松英之公認会計士事務所代表・監査等委員)、逵吉隆氏(逵登記測量事務所代表・司法書士・監査等委員)、小西勝氏(エアーズ社会保険労務士法人代表・社会保険労務士・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役3名全員を社外取締役とすることで、取締役会の監督機能の強化に資する体制をとっています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の報酬は、月例の固定金銭報酬のみで構成されています。役位、職責、同社の業績、他社水準を総合的に勘案して決定されています。
取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬限度額は年額80,000千円以内、監査等委員である取締役の報酬限度額は年額10,000千円以内と定められています。個人別の報酬額は、代表取締役社長に決定が委任されており、株主総会で決議した報酬総額の範囲内で、各取締役の職務内容や貢献度を考慮して決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 2名 | 33百万円 | 16.5百万円 |
なお、退職慰労金については、当事業年度に係る役員退職慰労引当金繰入額を記載しております。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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