※本記事は、株式会社さいか屋 の有価証券報告書(2025年8月期、2024年9月1日 ~ 2025年8月31日、2025年11月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
さいか屋グループは、百貨店業を中核に、不動産業やビル管理運営業など多角的な事業活動を展開しています。横須賀市や藤沢市での百貨店運営に加え、川崎市ではサテライト型店舗も営業しています。
単体従業員数は137名、連結従業員数も137名です。同社グループのセグメントは百貨店事業と不動産事業(アパート事業等)の2つです。
主な国内グループ会社は、アルファトレンド・4(百貨店業)、さいか屋友の会・4(同)などです。
さいか屋は当連結会計年度より、百貨店事業を補完する不動産事業(アパート事業等)を開始し、セグメントを従来の百貨店事業の単一セグメントから2つのセグメントに変更しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
さいか屋は、百貨店事業を核とする同社グループにおいて、従業員が長期的にキャリアを形成できる環境が特徴です。経験豊富な人材が多数在籍しており、安定した働き方ができる傾向にあることが示されています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社グループでは、従業員の平均年齢や勤続年数から、長期にわたってキャリアを築くことができる環境がうかがえます。経験豊富な人材が多数在籍しており、安定した働き方ができる傾向にあることが示されています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 3,819,000円 |
| 平均勤続年数 | 18.9年 |
| 平均年齢 | 52.4歳 |
| 単体従業員数 | 137人 |
| 連結従業員数 | 137人 |
| 単体のグループ内比率 | 100.0% |
同社は、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付型と、会社が拠出した資金を従業員が運用する確定拠出型の退職給付制度を採用しています。これらの制度は国内の従業員に適用されます。退職一時金制度がありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、確定給付制度における退職給付債務は2.2億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、社員一人ひとりが働きがいを感じ成長することがグループ全体の発展に繋がると考えています。これを人材の多様性の確保を含む人材育成の基本方針としています。
全ての従業員が成長できる機会を提供し、「笑顔を絶やさず」「積極的に行動し」「あらゆることに興味を持って」「専門知識を深め」「若々しい感性で」「進んでいく」といった「さいか屋スピリッツ」にふさわしい人材の育成を目指しています。性別や年齢、国籍や職歴で分け隔てることなく従業員が安心して働け、成長できる環境づくりを目指しており、中核人材の登用等においては能力・成果に応じた人事評価を行っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
男性労働者の育児休業取得率は、取得実績がないため算出されていません。労働者の男女の賃金の差異は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 24.1% |
連結子会社の法定開示データは、直接雇用従業員が不在のため算出されていません。
多様性・登用
2025年8月31日現在
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職割合 | 24.1% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
さいか屋は、百貨店事業を中核に、不動産事業も展開する企業グループです。顧客への商品販売と物件賃貸による収益を主なビジネスモデルとしています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、百貨店業を中核事業とし、これに関連する各種事業活動を展開しています。当連結会計年度からは、百貨店事業を補完する形で不動産事業も開始し、事業の多角化を進めています。
百貨店事業
同社グループの主力事業であり、衣料品や食品などの販売を主に行っています。テナント誘致による賃料収入も収益源の一つとなっています。運営は、さいか屋が行っています。
不動産事業
当連結会計年度より百貨店事業を補完する事業として開始されました。保有する物件の賃貸(アパート事業等)を行っており、賃料収入を得ています。
| セグメント | 売上高(2024年8月期) | 売上高(2025年8月期) |
|---|---|---|
| 百貨店事業 | 49.5億円 | 46.2億円 |
| 不動産事業 | - | 9百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5期を見ると、売上高は一時的な変動を経て直近では緩やかな減少傾向にあります。一方で、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、過去に損失を計上した時期がありましたが、直近3期は黒字を継続しており、収益性が改善している傾向が見られます。特に当期は、売上高が減少したものの、利益は増加となりました。
| 項目 | 2021年8月期 | 2022年8月期 | 2023年8月期 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 138億円 | 24.2億円 | 52.0億円 | 49.5億円 | 46.3億円 |
| 経常利益 | △4.6億円 | △79百万円 | 1.3億円 | 1.0億円 | 1.4億円 |
| 経常利益率 | △3.4% | △3.3% | 2.5% | 2.0% | 2.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △5.1億円 | △83百万円 | 10百万円 | 73百万円 | 1.1億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △109.64 | △16.66 | 1.97 | 14.67 | 22.26 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は前期からわずかに減少しましたが、従業員1人あたり営業利益(連結)は横ばいを維持しています。これは、売上高の変動がある中でも、従業員一人ひとりの利益創出能力が安定している傾向を示しています。
| 指標 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 34.1百万円 | 33.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.8百万円 | 0.8百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、本業で資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている段階にあります。これにより、事業の成長性と安定性のバランスが図られています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤を見ると、純資産は前期から増加傾向にあり、当期は7.9億円となっています。自己資本比率は当期6.7%と、前期から改善しています。これはプライム市場の非製造業平均(24.2%)と比較すると低い水準です。
ROE(自己資本利益率)は当期13.9%と、プライム市場平均(9.4%)を上回る水準を示しています。手元資金である現金及び預金は当期末で14.3億円となっており、前期から減少しています。これらの指標は、同社の事業運営における資金の状況と、株主資本の効率性を表しています。
| 指標 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 6.2億円 | 7.9億円 |
| 自己資本比率 | 5.2% | 6.7% |
| ROE(自己資本利益率) | 11.8% | 13.9% |
| 現金及び預金 | 16.5億円 | 14.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当期に4.1億円の収入となり、前期から増加しています。これは主に減価償却費の計上によるものです。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出が主な要因となり、当期は6.2億円の支出と、前期から支出が増加しています。
財務活動によるキャッシュフローは、リース債務の返済による支出が主な要因で、当期は5百万円の支出となっています。これらの結果、自由に使える資金を示すフリーキャッシュフローは当期に2.1億円のマイナスとなっており、本業で得た資金を上回る投資を行っている成長投資の状況を示しています。この資金の流れは、事業の成長に向けた投資が継続されていることを示しており、将来の事業拡大に期待が持てる一方で、短期的な資金の流出が続いている状況です。
| 項目 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 2.6億円 | 4.1億円 |
| 投資CF | △3.9億円 | △6.2億円 |
| 財務CF | △4百万円 | △5百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △1.3億円 | △2.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、気候状況や景気動向、消費者動向等の経済状況、疾病や騒乱等の社会状況、また同一商圏内における同業・異業種参入による競争状況が、業績や財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があると認識しています。
また、国内外で発生する可能性のある感染症等は、百貨店業にとって消費行動を控えさせ、消費者心理を冷え込ませる最も懸念すべきリスクです。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
株式会社さいか屋は、地域のお客様に深く根ざした百貨店事業を核とし、持続可能な社会への貢献と企業価値の向上を目指しています。社員一人ひとりの成長を重視し、地域社会とともに歩む企業文化を育んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
さいか屋グループは、百貨店事業を核として「人々に安心と潤いのある生活の提案を行う生活文化企業」を目指すことを経営理念としています。永い間培ってきた信用を命とし、「地域のお客様に最も支持される百貨店」となることを目指しています。地域のお客様とともに歩み、地域に根差した経営活動を通じて、社会の持続可能な発展への貢献と企業価値の向上を目指すことを基本方針としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
さいか屋グループは、社員一人ひとりが働きがいを感じ成長することがグループ全体の発展に繋がると考えています。これにより、「持続可能な社会への貢献」と「企業価値の向上」の両立を実現できるという考えから、人材の多様性の確保を含む人材育成に取り組んでいます。全ての従業員が成長できる機会を提供し、社員一人ひとりが「笑顔を絶やさず」「積極的に行動し」「あらゆることに興味を持って」「専門知識を深め」「若々しい感性で」「進んでいく」といった「さいか屋スピリッツ」にふさわしい人材を育成していく方針です。性別や年齢、国籍や職歴で分け隔てることなく従業員が安心して働け、成長できる環境づくりを目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
さいか屋グループは、抜本的な経営スキームの改革を未だ途上と認識し、安定した黒字化と利益の増大には更なる改革の推進が必要であると考えています。引き続き全社的な既存店舗の再編、グループシナジー効果を活用した各種施策の実行、金・地金買取強化の推進を継続的におこなう方針です。費用面では、ローコストオペレーションの更なる推進を実行し、各種経費の削減と合理化に努め、効果的な経費運用に取り組んでいくとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
さいか屋は監査等委員会設置会社であり、取締役会は業務執行に関する意思決定機関として機能しています。監査等委員会が取締役会の監査機能を強化し、コーポレート・ガバナンス体制の充実を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
さいか屋の筆頭株主はAFC-HDアムスライフサイエンスであり、同社グループの経営を支える主要な事業会社です。また、代表取締役会長である淺山忠彦氏が個人としても上位株主として名を連ねています。京浜急行電鉄も主要株主の一角を占めており、複数の事業会社と創業家が同社グループの資本を構成していることが特徴です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| AFC-HDアムスライフサイエンス | 37.08% |
| 淺山 忠彦 | 13.09% |
| 京浜急行電鉄 | 9.35% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.2%です。代表取締役社長は山野井輝夫氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 山野井 輝夫 | 代表取締役社長 営業本部長 | 1979年森谷健康食品株式会社入社。2011年株式会社エーエフシー入社、取締役百貨店事業担当。2016年同社関連事業部長。2021年同社取締役常務執行役員企画開発本部長。2022年同社代表取締役社長。2024年12月より現職。 |
| 浅山 忠彦 | 代表取締役会長 | 1969年あさやま商事創業。1980年味王食品株式会社(現AFC-HDアムスライフサイエンス)設立代表取締役。2002年株式会社エーエフシー代表取締役会長。2016年AFC-HDアムスライフサイエンス永世名誉会長。2022年同社代表取締役会長より現職。 |
| 脇田 篤朗 | 専務取締役執行役員 百貨店事業本部長 | 1983年同社入社。2010年同社川崎店長。2014年同社横須賀店長。2016年同社執行役員横須賀店長。2021年同社取締役執行役員営業本部横須賀店長。2022年同社取締役専務執行役員営業本部長。2024年12月より現職。 |
| 中野 宏治 | 常務取締役執行役員 管理本部長 | 1991年同社入社。2017年同社MD企画計画部長。2020年同社執行役員営業本部副本部長兼営業計画部長。2021年同社取締役執行役員営業本部副本部長兼営業企画部長。2023年同社常務取締役執行役員管理本部長より現職。 |
| 田中 雄大 | 取締役執行役員 営業副本部長兼藤沢店長 | 1989年同社入社。2013年同社町田ジョルナ店長。2016年同社執行役員藤沢店長。2017年同社執行役員川崎店長。2021年同社取締役執行役員営業本部藤沢店長。2022年同社取締役執行役員営業副本部長兼藤沢店長より現職。 |
| 淺山 雄彦 | 取締役 | 1999年株式会社ディーバプレゼンテーション入社。2001年株式会社AFC-HDアムスライフサイエンス入社、取締役営業企画部長。2003年同社代表取締役社長。2009年株式会社エーエフシー代表取締役社長。2021年同社取締役より現職。 |
社外取締役は、木村絵美氏(弁護士法人たちばな法律事務所弁護士・監査等委員)、嶋田麗子氏(追手町法律事務所弁護士・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役が取締役会の監査機能を強化することで、コーポレート・ガバナンス体制の充実を図っています。取締役会は毎月開催され、事業経営の方針に関する重要事項を審議・決議しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
さいか屋の役員報酬は、基本報酬のみで構成されています。取締役の個人別月額報酬は、株主総会で決定された報酬総額の限度内で、代表取締役が世間水準や会社業績、従業員給与とのバランスを考慮して決定しています。監査等委員の個人別月額報酬は、監査等委員会の協議により決定される仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 6名 | 23百万円 | 3.8百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 5百万円 | 5.3百万円 |
| 社外役員 | 2名 | 1百万円 | 0.6百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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