※本記事は、株式会社ライトオン の有価証券報告書(2025年8月期、2024年9月1日 ~ 2025年8月31日、2025年11月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ライトオンは、ジーンズを中核アイテムとしたカジュアルウェアおよび雑貨の販売を主たる業務としています。ショッピングセンター型を主としたジーンズカジュアルの専門店として、全国に店舗を展開しています。
同社の単体従業員数は435名です。
主な国内グループ会社は、W&Dインベストメントデザインなどです。
ライトオンは、中期経営計画に基づき110店舗を退店する構造改革を実施しました。また、株式会社W&Dインベストメントデザインが公開買付けにより親会社となりました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ライトオンは、アパレル業界において長年の歴史を持つ企業です。同社では、従業員の定着を重視し、働きがいのある環境づくりに力を入れていることがうかがえます。給与水準や働き方に関する具体的なデータから、同社の特徴を見ていきましょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、比較的長く勤める従業員が多く、安定したキャリアを築ける環境があると考えられます。平均年齢も30代半ばであり、経験を積んだ人材が活躍している傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 3,502,000円 |
| 平均勤続年数 | 13.2年 |
| 平均年齢 | 35.3歳 |
| 単体従業員数 | 435人 |
同社は、退職給付制度として確定給付型と確定拠出型の両方を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。
同社は規約型確定給付企業年金制度を採用しています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
退職給付債務は8.0億円、年金資産は14.8億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、継続的な成長において従業員やお客様といった「人」の支えが最も重要であると考えています。経営ビジョンの実現に向け、eラーニングをはじめとする教育・研修・資格取得機会を提供し、人的資本の充実を図ることを人事施策の基本方針としています。
2022年9月に改定されたミッショングレード制人事制度を有効活用し、人材育成や配置・登用を通じて、従業員一人ひとりが成長に向けて挑戦できる環境整備を進めています。女性活躍推進を経営の重要課題の一つと認識し、店長職以上の女性管理職比率30%以上を維持することを掲げています。
女性のキャリア開発・生活環境との両立支援、障がい者雇用の促進など、多様な価値観を受け入れられる環境づくりを推進しています。育児・介護への支援制度の拡充、短時間勤務制度の周知、有給休暇取得の促進など、ワークライフバランスを尊重することで従業員の多様性を大切にし、心身ともに健康で豊かな対話のある文化を築くことを目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。当社における管理職は、ブロック長・リーダー以上としております。男性労働者の育児休業取得率は、正規雇用労働者及び有期労働者のうち契約社員を対象として算出されています。パート・有期労働者の男女賃金差異は、8時間換算による人数を使用して算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 12.5% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 50.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 67.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 69.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) | 114.3% |
多様性・登用
当社における管理職は、ブロック長・リーダー以上としております。当社は女性管理職比率の向上を目指していくために、管理職候補であるトップマネージャー、店長、専門職以上の役職者に占める女性労働者の割合を維持・向上させることを目標として取り組んでおります。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 12.5% |
| 管理職候補以上の役職者に占める女性労働者の割合 | 34.6% |
育児・介護支援
育児休業取得率は、正規雇用労働者及び有期労働者のうち契約社員を対象として算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 育児休業取得率(女性) | 100.0% |
| 育児休業取得率(男性) | 50.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ライトオンは、ジーンズを中心としたカジュアルウェアや雑貨の販売を主業務とする専門店です。ショッピングセンターを中心に店舗を展開しており、全国にわたる店舗網を通じて顧客に商品を提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、ジーンズを中核商品として、カジュアルウェアや雑貨の販売を主な事業としています。ショッピングセンター型の店舗を主体としており、当事業年度末時点では230店舗を展開しています。
収益は、これらの店舗での商品販売から得ています。当事業年度の販売実績を見ると、ボトムスが最も大きな売上を占め、次いでカットソー・ニット、シャツ・アウター、その他の順となっています。仕入実績も同様にボトムスが最大であり、商品構成の中心であることがうかがえます。
同社は単一セグメントで事業を展開しており、特定の地域や顧客層に特化せず、幅広い層に向けてカジュアルファッションを提供しています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の連結業績は、第42期(2021年8月期)において売上高が496.1億円、経常利益が0.9億円となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は△20.7億円を計上しています。第43期以降は連結子会社が存在しなくなったため、連結財務諸表は作成されていません。
当事業年度(2025年8月期)の単体業績では、売上高が前期から減少しました。営業損失および経常損失は前期から改善し、当期純損失も前期から大幅に縮小しています。これは、聖域なき構造改革を軸とした中期経営計画に基づき、徹底的なコスト削減と商品構成の大幅な変更、不採算店舗の退店などが進められた結果です。
| 項目 | 2021年8月期 | 2022年8月期 | 2023年8月期 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 496億円 | - | - | - | - |
| 経常利益 | 87百万円 | - | - | - | - |
| 経常利益率 | 0.2% | - | - | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △20.7億円 | - | - | - | - |
| 1株当たり当期純利益(円) | △75.08 | - | - | - | - |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の単体従業員数は、当事業年度末時点で435人となっています。前事業年度に比べて従業員が189名減少しており、これは事業構造改革における退店計画の実行に伴う退職による自然減が主な理由とされています。
従業員数の変動は、組織のスリム化や店舗人員配置の見直しといったコスト構造改革の一環として進められています。これにより、効率的な組織運営を目指す同社の方向性が示されています。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、事業構造改革を進める中で、財務状況に重要な課題を抱えている状況です。本業の資金繰りや収益性の改善が喫緊の課題となっています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本比率がプライム市場平均と比較して低い水準にあります。純資産は増加傾向にあるものの、手元資金は減少しています。この状況は、事業構造改革を進める同社にとって、今後の資金繰りや事業運営の安定性に影響を与える可能性があります。
| 指標 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 3.2億円 | 5.0億円 |
| 自己資本比率 | - | 3.8% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び現金同等物 | 11.5億円 | 5.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社の当期のキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業キャッシュフローがマイナスとなっています。これは主に、仕入債務や店舗閉鎖損失引当金などの減少、未収消費税等の増加によるものです。
投資活動によるキャッシュフローはプラスとなっており、退店に伴う敷金及び保証金の回収による収入が主な要因です。財務活動によるキャッシュフローはプラスであり、短期借入金の純増額や関係会社からの長期借入れ、株式の発行による収入で資金を調達している状況です。フリーキャッシュフローはマイナスとなっており、事業活動と投資活動で資金が流出していることを示しています。
このような資金繰りの状況は、同社が事業構造改革を進める中で、コスト削減や収益改善が喫緊の課題であることを示唆しており、入社後の雇用や給与の安定性を検討する上で注視すべき点です。
| 項目 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | △42.3億円 |
| 投資CF | - | 7.7億円 |
| 財務CF | - | 30.8億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | △34.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
同社は、当事業年度まで3期連続で営業損失、経常損失及び7期連続で当期純損失を計上しています。当事業年度においても継続して営業損失、経常損失、当期純損失、重要なマイナスの営業キャッシュフローを計上しました。これらの事象は、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況に該当しています。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社が取扱う商品は、ファッショントレンドや消費者の嗜好の変化による影響を受けやすい傾向があります。消費者の需要動向に合わない商品の仕入れが行われた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、アパレル小売業の競争環境が厳しくなっている中で、既存店売上高の収益性向上が想定通りに進まない場合、債務超過に陥るリスクや借入金にかかる財務制限条項に抵触するリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は多数のパートタイム従業員を雇用しており、従業員に占める比率が高い状況です。種々の要因によりパートタイム従業員に係る費用が増加した場合、同社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ライトオンは、人々の生活を楽しく豊かにすることを目指し、世代を超えて愛され続けるジーンズの魅力を発信し続ける企業です。お客様の期待を超える満足を提供し、選ばれ必要とされる存在となることをビジョンとして掲げています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は、「VISION(私たちの目指すべき未来像)」として、ヒトとモノの魅力でお客様の期待を超える満足を提供し、お客様に選ばれ、必要とされる企業となることを掲げています。
「MISSION(私たちの使命)」では、人々の生活を楽しく豊かなものにするため、世代を超え、愛され続けるジーンズの魅力を発信していくことを使命としています。
また、「POLICY(私たちの方針)」として、お客様を第一に考え、社会から信頼され、人を育て活かし働き甲斐のある会社を目指すことを定めています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、企業理念に基づき「サステナビリティ推進基本方針」を定め、社会課題の解決に貢献するビジネスの推進、社会との相互信頼づくり、環境・人権に配慮したバリューチェーンの構築、従業員への教育・啓発を重視しています。
また、コーポレートガバナンスの強化と「ライトオン行動指針」の実践促進を通じて、透明・公正な意思決定を追求しています。
人材育成においては、従業員の成長と挑戦を支援する環境整備を推進し、多様性の確保として女性活躍推進を経営の重要課題と認識しています。ワークライフバランスを尊重し、心身ともに健康で豊かな対話のある文化づくりに努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、中期経営計画において「コスト構造改革の貫徹、組織安定化」を初年度のフェーズ1と位置付けています。
重点施策として、本部組織のスリム化と店舗人員の最適化による人件費削減、本部拠点の集約による賃借料及びその他の販売費及び一般管理費の削減に取り組んでいます。
また、フェーズ3では「持続的な事業基盤の構築、付加価値創造・挑戦」を掲げ、リブランディングの推進、再現性と自動化の徹底追求、健全なプライドの構築、革新と持続可能な成長への移行を目指しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ライトオンは、迅速かつ適正な意思決定と経営の透明性・公正性を確保し、実効的にコーポレート・ガバナンスの充実に取り組むことで、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図っています。取締役会は、取締役3名と社外取締役1名によって構成されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ライトオンの筆頭株主は株式会社W&Dインベストメントデザインであり、同社は当事業年度末に主要株主となりました。その他、豊島や三菱UFJ銀行といった事業会社や金融機関が上位株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| W&Dインベストメントデザイン | 51.92% |
| 豊島 | 5.99% |
| 三菱UFJ銀行 | 1.76% |
| 常陽銀行 | 1.48% |
| 今井 辰男 | 1.08% |
なお、前事業年度末において主要株主でなかったW&Dインベストメントデザインは、当事業年度末現在では主要株主になっています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長執行役員は大峯伊索氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 大峯伊索 | 代表取締役社長執行役員 | 1986年ワールド入社。事業開発部統括マネジャー、キャリア統括部統括部長、ミドルアッパー店舗MD本部本部長などを歴任。2017年イノベーションリンク代表取締役社長、2018年ワールドグループ執行役員。2024年11月同社社長執行役員、2025年1月同社代表取締役社長執行役員より現職。 |
| 大友博雄 | 取締役 構造改革本部 担当 | 1982年兼松江商(現兼松)入社、1999年兼松繊維入社。2001年同社入社、商品生産部長、内部監査室長、執行役員人材開発部長などを歴任。2020年11月同社取締役、2024年11月同社取締役構造改革本部担当より現職。 |
| 廣橋清司 | 取締役 | 1988年ワールド入社。リフレクトブランド長、ミドルアッパー第一統括BU統括BU長などを歴任。2018年インターキューブ代表取締役社長。2024年3月W&Dインベストメントデザイン代表取締役、2025年1月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、中澤歩氏(中澤法律事務所所長パートナー)です。
同社は監査役会設置会社制度を採用しています。社外取締役1名を選任しており、外部的視点から業務執行を公正かつ適正に監督する体制をとっています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ライトオンの取締役(社外取締役を除く)の報酬は、基本報酬(固定報酬)と賞与(変動報酬)で構成されています。優秀な人材の確保、持続的な企業価値の向上、株主への説明責任を果たせる透明性・公正性・合理性の高い報酬体系を目指しています。賞与は事業年度ごとの経常利益額実績に応じて決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 社外役員 | 6名 | 25百万円 | 4.2百万円 |
報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の開示はありません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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