※本記事は、株式会社地域新聞社 の有価証券報告書(2025年8月期、2024年9月1日 ~ 2025年8月31日、2025年11月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
地域新聞社は、地域情報紙「ちいき新聞」の発行を主軸とした広告関連事業を展開しています。フリーペーパーの制作・配布を通じて地域に密着した情報と広告を提供し、企業の販売促進を支援。不動産賃貸事業やウェブサイト運営なども手掛けています。
単体従業員数は167名です。セグメントは広告関連事業、不動産事業、その他の事業の3つです。
地域新聞社は、自社で発行する地域情報紙「ちいき新聞」の制作・配布、折込チラシ配布、販売促進支援、不動産賃貸、ウェブサイト運営などの事業を直接展開しています。
同社は当事業年度より報告セグメントの区分を変更しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
地域新聞社は、地域社会とのつながりを重視し、情報インフラを通じて豊かな社会の実現を目指しています。従業員一人ひとりの働きがいを大切にする「人を犠牲にしない」人的資本経営を掲げ、ワークライフバランスを重視した柔軟な働き方を推進していることが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が8.5年、平均年齢が40.5歳となっており、比較的安定した定着傾向と、バランスの取れた年齢構成がうかがえます。従業員が長期的にキャリアを築きやすい環境が整っていると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,339,000円 |
| 平均勤続年数 | 8.5年 |
| 平均年齢 | 40.5歳 |
| 単体従業員数 | 167人 |
退職給付制度として、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)の制度を採用しています。この制度は国内の従業員を対象としています。退職一時金制度があり、給与と勤務期間に基づいた一時金が支給されます。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
地域新聞社は、持続的な成長と事業価値の向上において、人材を最も重要な経営資源と位置付けています。「地域の人と人をつなぎ、あたたかい地域社会を創る」というミッションのもと、「人を犠牲にしない」人的資本経営を推進しています。一人ひとりが自らの人生や幸せのために働ける、やりがいのある環境づくりに努め、エンゲージメント向上をイノベーション創出の原動力としています。
特に、育児や介護等でキャリアが寸断されがちな社員、中でも女性社員がキャリアを継続し、キャリアアップを目指しやすい仕組みづくりに注力しています。具体的には、フレックスタイム制度や時間有給制度の導入、テレワーク推奨など、ワークライフバランスを実現できる柔軟な働き方を構築しています。人材に対する成長支援としては、自身の役割を全うするだけでなく、地域社会と会社を継続発展させる人材を後押しする方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 18.5% |
グループ全体(連結)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 従業員の男女比(男性) | 44.9% |
| 従業員の男女比(女性) | 55.1% |
| 管理職の男女比(男性) | 81.5% |
| 管理職の男女比(女性) | 18.5% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
地域新聞社は、地域に根ざした情報提供と販売促進支援を主軸に事業を展開しています。具体的には、広告関連事業、不動産事業、その他の事業の三つの柱で収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
地域新聞社は、地域に密着した情報提供と販売促進支援を核とする事業を展開しています。主な事業は「広告関連事業」「不動産事業」「その他の事業」の三つで構成されています。同社の収益は、これらの事業を通じて地域社会と企業を結びつける多様なサービスから得られています。
広告関連事業
同社の広告関連事業は、地域情報紙「ちいき新聞」の発行を主軸としています。紙面への広告掲載や、求人情報紙「Happiness」の発行、折込チラシの配布などを通じて、地域の企業や店舗の販売促進を支援しています。また、行政機関の刊行物制作・配布受託や広告イベントの企画運営など、幅広い販売促進活動を総合的に支援しています。収益は、広告枠の販売、広告制作、配布サービス、各種受託業務から得ています。
不動産事業
不動産事業では、千葉県市川市に所有する賃貸マンションや賃貸土地の不動産賃貸事業を運営しています。収益は、これらの不動産の賃料から得ています。
その他の事業
その他の事業として、同社はWEBサイト「チイコミ!」の運営、カルチャースクール運営、優良業者紹介のマッチング事業、地域性のある商品を販売する通信販売事業などを展開しています。さらに、小中学校向けキャリア教育支援副教材の発行や、生成AIを活用した広告効果最大化技術に関する特許出願と実証実験も進めています。収益は、サイト運営、受講料、紹介手数料、商品販売、受託業務など多岐にわたります。
| セグメント | 売上高(2024年8月期) | 売上高(2025年8月期) |
|---|---|---|
| 広告関連事業 | - | 29.7億円 |
| 不動産事業 | - | 11百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高、経常利益、当期純利益のいずれも大幅な増収増益を達成しました。これにより、業績トレンドが明確に転換した期となっています。前事業年度での黒字転換を経て、成長戦略「Strategic Plan」のもとで進めてきた各種の取り組みが具体的な成果として現れ始めています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の単体従業員数は167人です。従業員の平均年齢は40.5歳、平均勤続年数は8.5年となっています。平均年間給与は4,339,000円です。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
地域新聞社は、成長戦略「Strategic Plan」のもとで各種の取り組みを進め、業績トレンドが転換したことを示しています。本業で得た資金を投資活動に充て、将来に向けた成長投資を行っている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
| 指標 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | - | - |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | - | - |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社は、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュ・フローが収入となっています。これは、税引前当期純利益や仕入債務の増加などが主な要因です。
一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは支出となっています。これは主に有形固定資産の取得や投資有価証券の取得による支出が影響しています。
財務活動によるキャッシュ・フローは収入となっており、長期借入れや新株予約権の行使による収入が主な要因です。これらの資金の流れから、同社は本業で得た資金を将来に向けた成長投資に積極的に充てている状況がうかがえます。これは、今後の事業拡大と成長への意欲を示しています。
| 項目 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | - |
| 投資CF | - | - |
| 財務CF | - | - |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | - |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、総売上高の94.0%を広告関連事業が占めており、景況の悪化に伴う広告需要の減少が事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、フリーペーパー市場は成熟期に移行し、競合紙(誌)間での激しい競争が行われています。折込チラシ配布事業および販売促進総合支援事業においても、市場の成長率が鈍化し、競合者が少なくない状況です。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、事業成長を継続するために人材の確保と育成を予定しています。しかし、人材の確保および育成が事業の成長スピードに追いつかない場合には、事業、業績または財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
地域新聞社は「人の役に立つ」を経営理念とし、「地域の人と人をつなぎ、あたたかい地域社会を創る」ことをミッションに掲げています。この理念とミッションのもと、同社がどのような組織を目指しているかを紹介します。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
地域新聞社の経営理念は「人の役に立つ」です。これは、働く人々の豊かな生活と生きがいを生み出す場を確保し続け、地域社会のお客様・読者・業者・社会に喜ばれる事業を行い続けることを意味しています。会社は広義において奉仕活動であり、理念に基づき活動の範囲を広げ、成長と拡大を行い続ける義務と責任があると考えています。
同社のミッションは「地域の人と人をつなぎ、あたたかい地域社会を創る」です。日々の暮らしの中に、出会い・発見・感動を提供し、それらが分かち合われ生まれる絆によって、人が人を、人が地域を慈しむ社会を創ることを目指しています。中長期的な経営戦略としては、創業以来培ってきたアセット(企業資産)に改めて光を当て、他社との連携を通じて新サービスを創出する「アセット活用型シーパワー・ストラテジー」で非連続な成長を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は「人の役に立つ」という経営理念と「地域の人と人をつなぎ、あたたかい地域社会を創る」というミッションを掲げています。持続可能で豊かな社会の実現に向けて、地域社会の繋がりを強固にする情報インフラを構築し、平等に地域情報を届ける仕組みを提供することで、持続的成長と企業価値向上を目指しています。
同社が考える人的資本経営とは「人を犠牲にしない」経営です。従業員一人ひとりが「地域新聞社で働いている自分のことが好きだから」と答えられる状態を理想とし、お金や生活のためだけでなく、自らの人生や幸せのために働ける、やりがいのある環境づくりに努めています。エンゲージメント向上をイノベーション創出の原動力と位置づけています。
人材に対する成長支援では、自身の役割を全うするだけでなく、地域社会と会社を継続発展させる人材を後押しすることを方針としています。また、経営理念やサステナビリティに関する基本方針を効果的に実現するため、中長期的な企業価値向上を目指したコーポレート・ガバナンス体制の構築とさらなる高度化に取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
地域新聞社は監査役制度を採用しており、取締役会、監査役会、経営会議を通じて企業統治を強化しています。取締役会は社外取締役を含む構成となっています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
地域新聞社の筆頭株主はMTMCapitalです。上位株主には、MTMCapitalのほか、マイルストーン・キャピタル・マネジメントやライフイン24groupといった事業会社や投資会社が名を連ねています。特定の株主グループが経営に強い影響力を持つ傾向が見られます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| MTMCapital | 15.94% |
| マイルストーン・キャピタル・マネジメント | 7.55% |
| ライフイン24group | 5.89% |
| 中広 | 5.43% |
| 合同会社Happyhorse | 3.85% |
なお、前事業年度末において主要株主でなかったMTMCapitalは、当事業年度末現在では主要株主になっております。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性6名・女性2名)で構成され、女性役員比率は25.0%です。代表取締役社長は細谷佳津年氏が務めています。社外取締役比率は20.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 細谷 佳津年 | 代表取締役 社長 | 2009年9月 株式会社エー・ディー・ワークス管理部長、2011年6月 同社取締役CFO兼経営管理部長、2020年12月 株式会社エンジェル・トーチ代表取締役社長、2024年2月 同社代表取締役社長就任より現職。 |
| 金箱 義明 | 取締役 印刷・物流・配布等 業務全般 管掌 | 1998年5月 同社入社、2003年7月 同社東葛支社支社長、2014年11月 同社取締役就任、2024年11月 同社印刷・物流・配布等業務全般管掌より現職。 |
| 松川 真士 | 取締役 人的資本経営 管掌 | 2004年4月 同社入社、2008年9月 同社船橋支社支社長、2014年11月 同社取締役就任、2024年11月 同社人的資本経営管掌より現職。 |
| 齋藤 律子 | 取締役 コーポレートガバナンス・リスクマネジメント管掌 | 2010年1月 株式会社エー・ディー・ワークス経営企画室ジェネラルカウンセル、2023年1月 株式会社エンジェル・トーチ取締役、2024年11月 同社取締役就任、コーポレートガバナンス・リスクマネジメント管掌より現職。 |
社外取締役は、田中康郎氏(弁護士・明治大学法科大学院教授・建設技術研究所監査役)です。
同社は監査役制度を採用しており、取締役会、監査役会、経営会議を設置しています。社外取締役は外部的視点から取締役の業務執行を監視し、独立の立場で発言を行う役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、経営理念の実践と企業価値の持続的向上を目的として設計されています。取締役の報酬は、職務内容や成果、会社業績、中長期的な企業価値向上への貢献などを勘案して決定されます。監査役の報酬は、職責と常勤・非常勤の区分に基づいた月額固定報酬です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 41百万円 | 10.3百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 18百万円 | 4.4百万円 |
上表には2024年11月26日付で社外取締役から取締役に就任した1名の社外取締役在任期間分の総額と員数については取締役に含めています。報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の開示は行われていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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