【平均年収405万円】ハピネス・アンド・ディ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年8月期)

【平均年収405万円】ハピネス・アンド・ディ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年8月期)

ハピネス・アンド・ディは、宝飾品や時計、バッグ・小物などの製造・販売を手がけ、全国の商業施設でブランド品のセレクトショップやジュエリー専門店を展開しています。直近3期は売上高が減少し、経常利益と当期純利益は損失が続いています。


目次

※本記事は、株式会社ハピネス・アンド・ディ の有価証券報告書(2025年8月期、2024年9月1日 ~ 2025年8月31日、2025年11月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


同社グループは、宝飾品、時計、バッグ・小物などの製造・販売を手掛けています。全国のショッピングセンターや商業施設を中心に、ブランド品のセレクトショップやジュエリー専門店を展開しています。

単体従業員数は283名、連結従業員数は316名です。同社グループの事業セグメントは単一です。

主な国内グループ会社は、AbHeri、No.などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


株式会社ハピネス・アンド・ディは、従業員のキャリア形成支援と働きやすい環境整備に力を入れています。自律的な成長を促す人材育成方針と、多様な働き方に対応する社内環境整備方針を両立させ、従業員が長く活躍できる基盤づくりを進めている会社です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均年齢が40代前半であり、平均勤続年数も比較的長い傾向が見られます。これは、従業員が一定期間定着し、キャリアを築いている状況を示していると言えるでしょう。

項目 数値
平均年間給与 4,054,000円
平均勤続年数 8.42年
平均年齢 40.1歳
単体従業員数 283人
連結従業員数 316人
単体のグループ内比率 89.6%


なお、退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、大きく変化する社会環境や経営環境に対応するため、人材戦略を「自律型成長人財の育成」と「働きやすい労働環境の構築」の2本の柱として推進しています。従業員が自ら考え、判断し、行動できるような能力開発を支援する方針です。

具体的には、自律的なキャリア形成支援として、従業員が自発的に応募し異動を実現する社内公募制度や、非正社員を対象とした正社員登用制度を設けています。また、業務遂行能力の向上と自己啓発促進のため、会社が認定する6種類の資格について受験料などを負担する資格取得援助制度があります。

人的資本価値を向上させるための教育研修にも力を入れており、管理職や経営陣が直接指導する階層別教育や、AIロールプレインズ研修を導入しています。働きやすい労働環境の整備としては、テレワーク制度、店舗勤務者向けのシフト制、短時間正社員への雇用形態変更などの多様な働き方に対応する制度を導入しています。さらに、育児休業等を取得しても中長期的に処遇上の差を取り戻せる昇進基準や人事評価制度の構築、年次有給休暇の取得促進にも取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データを示します。連結子会社は公表義務の対象外のため、記載を省略しています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 36.5%
男性労働者の育児休業取得率 50.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 69.4%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 75.5%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 122.3%

自律的なキャリア形成支援

指標 数値
社内公募制度(2025年8月期) 0件
正社員登用制度(2025年8月期) 2件

業務利用及び自己啓発促進のための資格取得の奨励

指標 数値
ジュエリーコーディネーター検定合格者(2024年8月期) 33名

働きやすい労働環境への取り組み

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 36.5%
男性労働者の育児休業取得率 50.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ハピネス・アンド・ディは、宝飾品、時計、バッグ・小物などの製造・販売を手がける企業です。全国のショッピングセンターや商業施設を中心に、ブランド品のセレクトショップやジュエリー専門店を展開しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、宝飾品、時計、バッグ・小物等の製造・販売業という単一セグメントで事業を展開しています。主に全国のショッピングセンターに「ハピネス」や「GINZA Happiness」といった店舗を展開し、宝飾品や地金商品、インポートブランド品を販売しています。人生の節目や大切な記念日のプレゼント選びの場を提供する「アニバーサリーコンセプトショップ」を基本コンセプトとしています。

取扱商品はインポートブランド品を中心に幅広く、流行をいち早く捉えて選定・販売しています。オリジナルブランド「h&d」も展開しており、買いやすい価格帯、シンプルで飽きのこないデザイン、社会課題の解決テーマを開発ポリシーとしています。また、2019年8月期からはブランド品買取り事業者との協業による下取り・買取り事業を開始し、2025年8月期の下期からはインポートブランド品のヴィンテージ(リユース)商品の取扱いも順次拡大しています。

連結子会社である株式会社AbHeri(アベリ)は、自社工房でデザインから一貫して製作したジュエリーを、卸売りのほか都市型の直営店舗やECで販売しています。さらに、2023年10月には宝飾部門を強化するため、新たな子会社として株式会社No.(ナンバードット)を設立しました。No.は新ジュエリーブランドの創出と販路拡大を目指し、催事やポップアップ店舗、EC店舗で販売を行っています。同社グループの収益は、これらの宝飾品、時計、バッグ・小物等の販売から得られています。海外からの売上高は連結損益計算書の90%を超えないため、事業は国内市場に強く集中しています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、直近3期にわたり売上高が減少傾向にあり、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も損失が続いています。特に当期は、不採算店舗の閉店による売上規模の減少が大きく影響しました。一方で、営業活動によるキャッシュ・フローは前期から減少したものの、引き続きプラスを維持しています。これは、棚卸資産の減少や減損損失の計上などが要因として挙げられます。

項目 2021年8月期 2022年8月期 2023年8月期 2024年8月期 2025年8月期
売上高 - - 127億円 108億円 88.4億円
経常利益 - - △2.4億円 △1.9億円 △4.4億円
経常利益率 - - △1.9% △1.7% △4.9%
親会社株主に帰属する当期純利益 - - △6.7億円 △4.6億円 △8.1億円
1株当たり当期純利益(円) - - △263.44 △180.39 △317.59

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から減少しています。また、従業員1人あたり営業利益も前期から損失額が拡大する傾向が見られます。これは、不採算店舗の閉店による売上高の減少や、特別損失の計上などが影響していると考えられます。

指標 2024年8月期 2025年8月期
従業員1人あたり売上高(連結) 30.0百万円 28.0百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) △0.4百万円 △1.3百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


ハピネス・アンド・ディグループは、本業で資金を生み出しているものの、自己資本比率やROEに課題が見られます。財務基盤の強化が今後の安定性にとって重要となっています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は前期から大幅に低下し、プライム市場の非製造業平均(24.2%)を下回っています。ROEも大幅なマイナスとなっており、収益性には課題が見られます。手元資金も減少傾向にあり、財務基盤の強化が今後の安定性にとって重要となっています。

指標 2024年8月期(前期) 2025年8月期(当期)
純資産 10.2億円 2.0億円
自己資本比率 13.7% 2.7%
ROE(自己資本利益率) -37.8% -143.6%
現金及び預金 9.8億円 6.9億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、前期の7.6億円の増加から当期は1.7億円の増加へと減少しています。これは主に税金等調整前当期純損失や法人税等の支払額、仕入債務の減少があった一方で、棚卸資産の減少や減損損失、減価償却費があったことによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前期の△42百万円の減少から当期は△1.1億円の減少へとマイナス幅が拡大しています。敷金及び保証金の回収による収入があったものの、有形固定資産の取得や資産除去債務の履行による支出が増加したことが主な要因です。財務活動によるキャッシュ・フローは、前期の△16.7億円の減少から当期は△3.5億円の減少へとマイナス幅が縮小しています。短期借入れや長期借入れによる収入があった一方で、長期借入金の返済や配当金の支払いが主な要因となっています。フリーキャッシュ・フローはプラスを維持しているものの、前期の7.1億円の増加から当期は57百万円の増加へと減少傾向にあります。本業で資金を生み出しているものの、投資活動による支出が増加し、フリーキャッシュ・フローは減少傾向にあります。これは、今後の事業展開や資金繰りの状況が、雇用や給与の安定性に影響を与える可能性があることを示しています。

項目 2024年8月期(前期) 2025年8月期(当期)
営業CF 7.6億円 1.7億円
投資CF △42百万円 △1.1億円
財務CF △16.7億円 △3.5億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 7.1億円 57百万円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

同社グループは、2022年8月期以降の急激な円安進行や物価高騰、不採算店舗の閉店により、2023年8月期以降継続して営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しています。当連結会計年度においても同様の損失を計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在すると認識されています。しかし、中期経営計画に基づく構造改革や新規事業立ち上げ、展開拡大等の取り組みを推進し、資金面では取引金融機関との協調体制を構築しています。また、第三者割当による新株予約権及び無担保普通社債の発行も行われており、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断されています。

② 事業構造・収益性に関するリスク

商品仕入れ及び在庫に関するリスクとして、海外ブランド商品の供給政策や流通トラブル、自然災害等により、特定のブランド品を仕入れられなくなる可能性が挙げられています。また、為替や貴金属相場の変動、カントリーリスクとして、ナショナルブランド商品やプライベートブランド商品の生産拠点が海外にあることによる為替変動の影響や、宝飾品等の原材料である貴金属の価格変動を販売価格に速やかに反映できないリスクが示されています。

③ 人材・組織に関するリスク

人材不足のリスクとして、人材の獲得競争激化や転職市場の活発化による離職者の増加により、人材不足となる可能性が挙げられています。これにより、売上高及び利益の減少や店舗運営が困難となる影響が想定されています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ハピネス・アンド・ディは、「信頼とふれあいの輪」を基本理念とし、お客様に感動と喜びを提供する「アニバーサリーコンセプトショップ」の展開と「おもてなしの接客」を事業コンセプトとしています。持続可能な社会の実現と企業価値向上を目指し、サステナビリティ経営を推進している会社です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、お客様・お取引先様・従業員による「信頼とふれあいの輪」を基本理念としています。お客様に感動を与えるプレゼント選びの場を提供する「アニバーサリーコンセプトショップ」と、お客様が何度でも足を運びたくなる「おもてなしの接客」を事業コンセプトに掲げています。

事業を通じて、常に洗練された品のあるファッションを提供し続ける会社を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、経営理念である「信頼とふれあいの輪」のもと、すべてのステークホルダーとともに時代のニーズに合わせた環境づくり、組織づくり、人財づくり、商品づくりを推進しています。お客様への「おもてなしの接客」と「お客様の立場でのご提案」を重視した店づくりを目指しています。

人財戦略においては、自律型成長人財の育成を目指す「人財育成方針」と、働きやすい労働環境の構築を目指す「社内環境整備方針」の2本柱を掲げています。従業員が自ら考え、判断・行動し、それぞれの持つポテンシャルを最大限発揮できるよう、個々の能力開発を支援する企業風土です。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、経営環境の変化に対応するため、グループ経営による事業モデルの多様化を急務と捉えています。具体的には、宝飾品製造・販売の株式会社AbHeriの完全子会社化や、宝飾品の新業態展開を目的とした株式会社No.の設立により、グループ経営体制を強化しています。

また、ハピネス・アンド・ディ本体の構造改革として、ヴィンテージ商品の展開拡大、宝飾・地金商品の強化、カジュアルブランド商品の強化、不採算店舗の統廃合を進めています。マーチャンダイジング(MD)の強化や店舗DXの推進も重要なテーマであり、顧客接点の創出・強化、自社ECサイトの拡大、オムニチャネル化の推進に取り組んでいます。人材の確保と育成も重点課題であり、給与水準の見直しや福利厚生施策の拡充、育成体制の強化を進めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ハピネス・アンド・ディは監査等委員会設置会社であり、経営の効率性と透明性を確保し、企業価値の継続的な向上を目指すガバナンス体制を構築しています。取締役会は、業務執行の監督と意思決定を担っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ハピネス・アンド・ディの株主構成を見ると、創業家関係者が上位を占めています。筆頭株主は田篤史氏、次いで田泰夫氏が続き、さらに有限会社DENも上位に名を連ねています。これらの株主は同社の経営に大きな影響力を持つ資本構成を示しています。

株主名 持株比率
田 篤史 23.08%
田 泰夫 21.93%
有限会社DEN 5.89%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性6名・女性2名)で構成され、女性役員比率は25.0%です。代表取締役社長は前原聡氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。

氏名 役職 主な経歴
田 泰夫 代表取締役 会長 1967年11月有限会社デン時計店入社、1990年9月同社設立代表取締役社長、2019年11月同社代表取締役会長より現職。
前原 聡 代表取締役 社長 1991年4月株式会社富士銀行入行、2020年6月同社入社専務執行役員、2025年6月同社代表取締役社長より現職。
田 篤史 取締役副社長 1992年4月同社入社、2002年10月同社取締役、2019年11月同社代表取締役社長、2025年6月同社取締役副社長より現職。
丸山 誠 取締役管理部長 1997年4月株式会社キムラヤ入社、2008年1月同社入社、2025年6月同社取締役管理部長より現職。
平住 明子 取締役 商品本部長 2007年2月同社入社、2020年6月同社執行役員商品部長、2024年11月同社取締役商品本部長より現職。


社外取締役は、久保達弘氏(松田綜合法律事務所パートナー弁護士・監査等委員)、太田美和子氏(太田美和子税理士事務所代表・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役3名のうち2名が社外取締役で構成されています。社外取締役は、客観的な視点から経営全般の監督と監査を行い、コーポレート・ガバナンスの充実を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


ハピネス・アンド・ディの役員報酬は、固定報酬、役員賞与、および譲渡制限付株式報酬で構成されています。固定報酬は地位や職責に基づいて決定され、役員賞与は年度の業績や目標達成水準を考慮して支給されます。譲渡制限付株式報酬は、企業価値の持続的な向上へのインセンティブと株主との価値共有を目的としています。監査等委員の報酬は、監査等委員会での協議により決定される仕組みです。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 7名 41百万円 5.8百万円
社外役員 2名 6百万円 3.2百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。