※本記事は、ウォンテッドリー株式会社 の有価証券報告書(2025年8月期、2024年9月1日 ~ 2025年8月31日、2025年11月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ウォンテッドリーは、ビジネスSNS「Wantedly」を運営する企業です。同社グループは「究極の適材適所により、シゴトでココロオドルひとをふやす」をミッションに掲げ、ビジョンや価値観を重視したマッチングサービスを提供しています。
単体従業員数は134名、連結従業員数は135名です。セグメントはビジネスSNS事業の1つです。
ウォンテッドリーグループは、ウォンテッドリーと子会社1社(Wantedly Singapore Pte. Ltd.)で構成されています。国内向けサービスはウォンテッドリーが運営しており、ビジネスSNS事業の単一セグメントで事業を展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ウォンテッドリーは、ビジネスSNS事業を単一セグメントとして展開しており、従業員一人ひとりの成長と働きがいを重視する企業文化が特徴です。多様な働き方を支援する制度や、人材育成への積極的な取り組みを通じて、従業員が仕事に熱中し、自己実現できる環境づくりを目指しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の平均年齢が比較的若く、平均勤続年数も短めである傾向が見られます。事業の拡大に伴い期中採用が増加しており、組織の成長フェーズにあることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,483,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.5年 |
| 平均年齢 | 32.3歳 |
| 単体従業員数 | 134人 |
| 連結従業員数 | 135人 |
| 単体のグループ内比率 | 99.3% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「究極の適材適所により、シゴトでココロオドルひとをふやす」というミッションのもと、はたらくすべての人のインフラ構築を目指し、人的資本への取り組みを重視しています。特に、人材の多様性の確保と成長支援、そして社内環境整備に注力しています。
具体的には、半期ごとの人事評価において、直属マネージャーだけでなく、取締役や執行役員等で構成される評価会議での多面的な議論や、部下・他部門からの評価も取り入れ、成長に向けたフィードバックやキャリア形成を支援しています。また、経営層や管理職のサクセッションプラン作成・実行のための人材育成会議を定期的に開催し、原則週に一度の1on1面談を通じて日常的な成長支援を実施しています。
社内環境整備としては、従業員エンゲージメント向上のため、フレックスタイム制や在宅勤務の導入、出産・育児・介護休暇制度を整備しています。さらに、書籍購入補助手当や語学学習支援、カンファレンス登壇発表支援制度といった各種学習・研修支援制度も充実させています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法及び育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
育児・介護支援
同社グループは、人的資本への取り組みの中でも特に育児休業復職率を重要な指標と位置付けています。
| 指標 | 目標 | 第14期(2024年8月) | 第15期(2025年8月) |
|---|---|---|---|
| 育児休業復職率 | 100% | 100% | 100% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ウォンテッドリーは、ビジネスSNS「Wantedly」を運営し、働く人々のキャリアにおける出会いから定着・活躍までを支援する事業を展開しています。ビジョンや価値観といった従来の採用では見過ごされがちな要素を重視し、仕事に熱中できる環境を創出することを目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、全てのビジネスパーソンのためのビジネスSNS「Wantedly」を主力サービスとしています。このプラットフォームを通じて、個人のキャリア形成を支援し、企業と個人の新しい出会いを創出しています。具体的には、会社訪問アプリ「Wantedly Visit」を中心に、ビジョンに共感する個人と企業のマッチングを提供しています。
収益は、主に「Wantedly Visit」への募集掲載などを管理するサブスクリプション型の「採用」サービスから得ています。この基本プランの利用料がストック収益の大部分を占めています。また、スカウト機能、認知度向上・流入促進のための広告代行、コンテンツ作成支援といったオプション機能も提供しており、これらがフロー収益として計上されています。同社グループの収益は特定の顧客に依存しておらず、上位顧客からの売上割合は低い水準です。事業はビジネスSNS事業の単一セグメントであり、収益の大部分は日本国内の外部顧客から得られています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績は、営業収益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも、全体として増加傾向を示しています。特に経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の期間において着実に伸びています。営業収益も直近の期間で増加しており、堅調な推移がうかがえます。
| 項目 | 2021年8月期 | 2022年8月期 | 2023年8月期 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業収益 | 35.7億円 | 45.0億円 | 47.5億円 | 47.2億円 | 49.1億円 |
| 経常利益 | 4.1億円 | 12.4億円 | 15.6億円 | 15.8億円 | 16.4億円 |
| 経常利益率 | 11.3% | 27.5% | 33.0% | 33.4% | 33.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2.4億円 | 7.4億円 | 10.0億円 | 10.4億円 | 10.8億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 25.29 | 78.97 | 104.93 | 109.13 | 114.04 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり営業収益および営業利益は、直近の期において前期から減少しています。これは、業容拡大に伴う従業員数の増加が、営業収益や営業利益の伸びを上回ったことによるものです。組織の拡大フェーズにおける生産性のバランスが今後の注目点となります。
| 指標 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり営業収益(連結) | 39.0百万円 | 36.4百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 13.2百万円 | 12.2百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ウォンテッドリーは、安定した財務基盤とキャッシュフローを維持しています。本業で着実に資金を生み出し、将来に向けた投資も行っている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループは、強固な財務体質を保っています。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあり、ROE(自己資本利益率)も高い水準を示しています。事業運営に必要な資金を十分に確保していることがうかがえます。
| 指標 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 40.1億円 | 49.1億円 |
| 自己資本比率 | 75.8% | 68.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 29.0% | 24.4% |
| 現金及び預金 | 45.2億円 | 62.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュフローは、当連結会計年度において20.6億円の収入となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上、移転補償金の受取額、法人税等の支払額によるものです。投資活動によるキャッシュフローは1.6億円の支出となり、敷金及び保証金の差入による支出が主な要因となっています。
財務活動によるキャッシュフローは1.9億円の支出であり、配当金の支払額が主な要因です。フリーキャッシュフローは当連結会計年度で19.0億円のプラスとなっています。総合的に見て、同社グループは本業で安定した資金を創出し、成長のための投資も行いつつ、十分な手元資金を確保している優良なキャッシュフロー状況を示しています。これは、事業の持続的な成長と雇用・給与の安定性につながる傾向です。
| 項目 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 10.2億円 | 20.6億円 |
| 投資CF | △0.2億円 | △1.6億円 |
| 財務CF | △1.9億円 | △1.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 10.1億円 | 19.0億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの主な収益は「Wantedly Visit」への募集掲載などを管理するサービス利用料であり、収益依存度が高い状況です。求人市場における他の媒体との競合激化等により、当該サービスの利用による収益が減少した場合には、業績に大きく影響を与える可能性があります。また、利用企業の採用計画や雇用情勢等の動向により業績変動の影響を受ける可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、今後の事業展開に応じて、従業員の育成及び人員の採用を行うとともに業務執行体制の充実を図っていく方針です。しかしながら、人材の確保が思うように進まない場合や、社外流出等何らかの事由によりこれらの施策が計画どおりに進行しなかった場合には、事業及び業績に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ウォンテッドリーは、「究極の適材適所により、シゴトでココロオドルひとをふやす」というミッションを掲げ、全てのビジネスパーソンのためのプラットフォームを運営しています。仕事を通じて自己実現を追求し、社会に貢献する企業文化を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ウォンテッドリーは、「究極の適材適所により、シゴトでココロオドルひとをふやす」というミッションを掲げています。全てのビジネスパーソンのためのプラットフォームとして、ビジネスSNS「Wantedly(ウォンテッドリー)」を運営しています。同社グループは、仕事に熱中し心から楽しめる状態(“シゴトでココロオドル”)になれる環境作りを目指しています。自律・共感・挑戦のある適材適所を構造的に生み出し続け、「はたらくすべての人のインフラ」を構築していくことを目標としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ウォンテッドリーグループは、自律・共感・挑戦のある適材適所を生み出し続けることを重視しています。多様な従業員が個々の強みを活かし成長することが、同社グループの長期的な成長につながると考えています。また、コンプライアンスを尊重する企業風土の確立にも取り組んでいます。リスク・コンプライアンス委員会を設置し、組織的なリスク管理を推進しています。従業員に対しては、コンプライアンスや情報セキュリティ管理に関する研修を継続的に実施しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ウォンテッドリーグループは、事業組織体制の強化を重要な課題としています。今後の事業拡大と収益基盤の強化に向けて、優秀な人材の採用と育成に注力し、事業規模に応じた組織体制の整備を進めています。また、個人情報を含む多くの機密情報を保有しているため、情報管理体制の強化にも取り組んでいます。社内規程の厳格な運用、定期的な社内教育の実施、セキュリティシステムの整備等を通じて、情報管理体制を強化しています。さらに、AI技術の活用を積極的に進め、社内の生産性向上や社員の創造的・戦略的な業務への集中を推進しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ウォンテッドリーは監査等委員会設置会社として、経営の意思決定と業務執行の監督に透明性を確保し、適正かつ効率的な経営活動に取り組んでいます。取締役会は社外取締役が過半数を占め、客観的な経営監視体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ウォンテッドリーの筆頭株主は創業者の仲暁子氏であり、同社グループの経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。その他、事業会社や個人投資家が上位株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 仲暁子 | 68.20% |
| 株式会社サイバーエージェント | 7.67% |
| 川田尚吾 | 5.77% |
| CALLON SAM ANDERBERG | 2.18% |
| アーキタイプグループ株式会社 | 1.29% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は5名(男性4名・女性1名)で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役は仲暁子氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 仲 暁子 | 代表取締役 | 2008年4月ゴールドマン・サックス証券株式会社入社、2010年7月Facebook Japan株式会社入社、2010年9月同社設立、代表取締役就任より現職。 |
| 恩田 将司 | 取締役 | 2009年4月株式会社リクルートスタッフィング入社、2017年4月株式会社リクルートテクノロジーズ(現:株式会社リクルート)入社、2019年4月同社入社、2022年11月同社取締役就任より現職。 |
社外取締役は、成松淳氏(公認会計士・指名報酬諮問委員会委員長)、桃原隼一氏(公認会計士)、曽和利光氏(人材研究所代表取締役社長・指名報酬諮問委員会委員)です。
ウォンテッドリーは監査等委員会設置会社を採用しており、取締役による監督機能を強化することでコーポレート・ガバナンスの充実を図っています。監査等委員会は全員が社外取締役で構成され、独立した観点から経営監視を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ウォンテッドリーの役員報酬は、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして、株主利益と連動した報酬体系を基本方針としています。報酬は固定報酬としての基本報酬、業績連動報酬、非金銭報酬である譲渡制限付株式報酬により構成されています。監査等委員である取締役については、独立性確保の観点から固定報酬のみとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 2名 | 47百万円 | 23.3百万円 |
なお、業績連動報酬等に係る業績指標は連結営業収益及び連結営業利益であり、その実績は49.1億円及び16.4億円であります。当該指標は、取締役の責務や期待される役割を評価するうえで、継続的な営業収益及び営業利益の成長が企業価値向上に資すると判断したため選択されています。また、取締役(監査等委員及び社外取締役であるものを除く)に対する非金銭報酬等の内訳は、譲渡制限付株式報酬2,514千円であります。
個人別報酬が開示されている役員は存在しません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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