※本記事は、and factory株式会社 の有価証券報告書(2025年8月期、2024年9月1日 ~ 2025年8月31日、2025年11月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、「日常に&を届ける」ことをミッションに、人々の生活を豊かにするサービスを提供しています。スマートフォンアプリ開発で培ったUI/UXデザイン構築力を強みとし、APP事業とRET事業を展開しています。
単体従業員数は128名、連結従業員数は131名です。セグメントはAPP事業、RET事業、その他、全社(共通)の4つです。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)サウスワークス(APP事業)などです。
直近では、株式会社サウスワークスの新規連結や「ソク読み」の事業譲受、占い事業の拡大がAPP事業の売上増加に寄与しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
and factoryは、テクノロジーを活用した事業を展開しており、従業員の平均年齢は比較的若く、勤続年数も堅実な傾向が見られます。柔軟な働き方を支援する制度も導入されており、個人のライフスタイルに合わせた働き方が可能となっています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の平均勤続年数が堅実であり、平均年齢も比較的若い構成となっています。これは、新しい人材が加わりつつも、一定の定着が見られる環境であることを示しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,098,000円 |
| 平均勤続年数 | 4.0年 |
| 平均年齢 | 34.7歳 |
| 単体従業員数 | 128人 |
| 連結従業員数 | 131人 |
| 単体のグループ内比率 | 97.7% |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「日常に&を届ける」というミッション達成のため、優秀な人材の採用と定着を重要視しています。待遇や業務内容において男女の区別なく機会の平等を確保し、コア・バリュー(Quality・Challenge・Team play・Speed)に基づき適切に評価する方針です。
柔軟な働き方を可能にするため、フレックスタイム制やリモートワークを取り入れた勤務体制を採用し、場所や時間に対する従業員の裁量を拡大しています。また、社員の能力開発・研鑽を支援するため、図書購入や勉強会参加に関する福利厚生を通じて教育体制の整備に取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
当社は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定による公表義務に基づく公表項目として選択しておらず公表していないため、提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
人材育成・エンゲージメント
アプリリリースサイクルのボトルネックとなっていた指標時間を可視化し、リリースサイクルを早めることを目的としています。目標は24時間でした。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| エンジニアが作成したソースコードの確認依頼を行ってから、別のエンジニアがソースコードが問題ないことを確認し、開発環境へ反映するまでの時間(指標時間) | 21.4時間 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
and factoryは「日常に&を届ける」ことをミッションに掲げ、人々の生活を豊かにするサービスを提供しています。主にスマートフォンアプリを基盤とするAPP事業と、宿泊施設運営や不動産関連のRET事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、スマートフォンアプリ開発で培ったUI/UXデザインの構築力を強みとし、多様な事業を展開しています。収益は主に、アプリ内課金や広告収入、施設運営の対価、不動産コンサルティング報酬などから得ています。
APP事業
同社グループの主力事業であり、スマートフォンアプリを基礎として運営されています。株式会社スクウェア・エニックスと共同開発したマンガアプリ「マンガUP!」や、株式会社白泉社と共同開発した「マンガPark」などのマンガアプリ、電話やチャットで占いができる「uraraca」などの占いアプリの開発・運用を行っています。
収益は、アプリ内で販売する電子マンガのダウンロード課金、アドネットワークを通じた広告収入、電話やチャットでの相談時間に応じた課金、コンテンツ提供による課金収入、月額利用料収入から得ています。運営は、and factoryおよび株式会社サウスワークスが行っています。
RET事業
主に宿泊施設「&AND HOSTEL」の運営、および不動産の売買仲介や開発コンサルティングを提供しています。「&AND HOSTEL」は、IoTを活用したウェルネス体験を提供するスマートホステルとして展開されています。
収益は、ホステルの企画・開発に係る対価、ホステル運営受託に係る対価、不動産アドバイザリー報酬、宿泊物件の売買仲介手数料から得ています。
その他の事業セグメント
主にマンガのIPを広告などに活用する事業を実施しています。
同社グループの売上高はAPP事業に大きく集中しており、特定の顧客からの収益もAPP事業に集中する傾向が見られます。主要な顧客としては、SBペイメントサービス株式会社、株式会社スクウェア・エニックス、株式会社小学館、株式会社集英社が挙げられます。
| セグメント | 売上高(2024年8月期) | 売上高(2025年8月期) |
|---|---|---|
| APP事業 | - | 30.6億円 |
| RET事業 | - | 1.2億円 |
| その他の事業セグメント | - | 27百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループは当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、それ以前の期間との比較は行われていません。当連結会計年度の売上高は32.1億円となりましたが、経常損失は△2.7億円、親会社株主に帰属する当期純損失は△3.3億円を計上しています。営業損失は、新規事業コストへの投資が重なったことなどが要因となっています。
| 項目 | 2021年8月期 | 2022年8月期 | 2023年8月期 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | - | 32.1億円 |
| 経常利益 | - | - | - | - | △2.7億円 |
| 経常利益率 | - | - | - | - | △8.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | - | △3.3億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | - | △28.95 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループは当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前期との比較はできません。当連結会計年度における従業員1人あたりの売上高は24.5百万円となっています。また、従業員1人あたりの営業利益は△2.1百万円となりました。
| 指標 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | 24.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | - | △2.1百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
and factoryグループは、現在、事業の成長に向けた投資を進めている状況です。本業の資金繰りを示す営業キャッシュフローがマイナスとなっており、手元資金も減少傾向にあります。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
and factoryグループの自己資本比率は、非製造業のプライム市場平均と比較して高い水準にあります。一方で、ROE(自己資本利益率)はマイナスとなっており、収益性の改善が課題となっています。現金及び預金は前期から減少しており、今後の資金繰りの動向が注目されます。
| 指標 | - | 2025年8月期 |
|---|---|---|
| 純資産 | 12.1億円 | 8.9億円 |
| 自己資本比率 | - | 43.9% |
| ROE(自己資本利益率) | - | △31.0% |
| 現金及び預金 | 15.6億円 | 8.6億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
and factoryグループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純損失や未払消費税等の減少額などにより、△4.3億円の使用となりました。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産や無形固定資産の取得、貸付による支出などにより、△1.2億円の使用となっています。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金や短期借入金の返済により、△1.5億円の使用となりました。
これらの結果、フリーキャッシュフローは△5.5億円となり、資金が減少している状況です。本業での資金創出力の強化と、投資の成果が今後の雇用や給与の安定性、成長性に影響を与える可能性があります。
| 項目 | - | 2025年8月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | - | △4.3億円 |
| 投資CF | - | △1.2億円 |
| 財務CF | - | △1.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | △5.5億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
and factoryグループは、APP事業においてスマートフォンアプリ市場の成長性や他社との競争にさらされるリスクを認識しています。ユーザーの嗜好の移り変わりが激しく、ニーズに対応するコンテンツを提供できない場合、収益に影響を及ぼす可能性があります。
また、RET事業ではホステル業界の景気動向や個人消費の低迷、世界情勢の変化による訪日外国人旅行客の減少が宿泊需要を減少させ、業績に影響を与える可能性があります。不動産市場の動向も事業計画に影響を及ぼすリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
and factoryグループは、事業の急速な成長や企業規模の拡大に伴い、優秀な人材の継続的な採用と育成が必須であると認識しています。採用基準を満たす人材の確保や人材育成が計画通りに進まない場合、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
and factoryは、「日常に&を届ける」をミッションに掲げ、人々の生活を豊かにするサービスや事業の創出に取り組んでいます。特にスマートフォン関連事業を軸に、多様なサービス・アプリケーションを展開している企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
and factoryグループは、「日常に&を届ける」をミッションとして掲げています。人々の生活を豊かにするサービスや事業の創出に取り組むことを目指しています。
特に生活必需品として普及が進むスマートフォン関連事業を軸に展開することで、より日常に影響を与えるサービス創出が可能であると判断しています。人々の暮らしに&を届け続けていくfactoryとして、様々なサービス・アプリケーションに真摯に取り組む方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
and factoryグループは、コア・バリューとして「Quality(品質)」「Challenge(挑戦)」「Team play(チームワーク)」「Speed(スピード)」を掲げています。これらの価値観に基づき、従業員を適切に評価する方針です。
組織設計では少人数単位でのチーム制を採用し、チームごとの自律性を促すために権限の委譲を推進しています。これにより、意思決定の質とスピードを維持し、従業員のパフォーマンスを最大化する取り組みを継続しています。
また、関係法令・規則の遵守や役職員一人ひとりの高い倫理観の醸成、社会的良識を持った責任ある行動を目指し、社内教育を行っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
and factoryグループは、今後の事業拡大に向けて組織体制の強化を重点課題としています。従業員のモチベーションを引き出す人事制度構築に努め、優秀な人材の採用に取り組んでいます。
また、持続的な企業価値向上と透明性の高い健全な経営を実現するため、内部統制およびコンプライアンス体制の強化も重要な課題です。
サービス提供の安定性を確保するシステム基盤の強化、および先端テクノロジーへの適時な対応も事業展開上の重要な要素として、継続的に取り組む方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
and factoryは、株主重視の基本方針に基づき、経営の効率性、透明性、健全性を確保できる経営管理体制の強化に取り組んでいます。同社は監査等委員会設置会社へ移行し、取締役の職務執行の監査等を通じて取締役会の監督機能を強化しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
創業者である小原崇幹氏と代表取締役社長の青木倫治氏が上位株主として名を連ねています。また、事業会社であるセプテーニ・ホールディングスも同率の筆頭株主であり、複数のコンテンツ関連企業も上位株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 小原 崇幹 | 21.29% |
| セプテーニ・ホールディングス | 21.29% |
| 青木 倫治 | 4.56% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性5名・女性1名)で構成され、女性役員比率は16.7%です。代表取締役社長は青木倫治氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 青木 倫治 | 代表取締役社長 | 2006年4月シーエー・モバイル入社。2015年8月同社取締役就任。2019年11月同社代表取締役社長就任より現職。 |
| 小原 崇幹 | 取締役会長 | 2009年4月シーエー・モバイル入社。2014年9月同社設立、代表取締役就任。2020年11月同社取締役会長就任より現職。 |
| 蓮見 朋樹 | 取締役 Corporate Div. Manager | 2006年12月あずさ監査法人入所。2016年4月同社入社。2019年11月同社取締役就任より現職。 |
社外取締役は、藤原久美子氏(藤原公認会計士事務所設立・独立社外取締役(監査等委員))、小名木俊太郎氏(弁護士法人GVA法律事務所代表弁護士・独立社外取締役(監査等委員))、呉鼎氏(セプテーニ・ホールディングスグループ上席執行役員・社外取締役(監査等委員))です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役の職務執行の監査等を通じて取締役会の監督機能を強化しています。取締役6名のうち3名が社外取締役であり、独立社外取締役が客観的・中立的な立場で経営上の助言や監督を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
and factoryの取締役の報酬は、基本報酬と業績連動報酬で構成されています。個々の取締役の報酬は、株主総会で決議された限度額内で、役位や職責、在任年数などを踏まえて決定されています。業務執行取締役の業績連動報酬は、連結税金等調整前当期純利益の予算超過額をもとに算定される仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 29百万円 | 9.6百万円 |
| 社外監査等委員 | 2名 | 7百万円 | 3.7百万円 |
なお、報酬等の員数には、無報酬の社外取締役(監査等委員)1名を除いています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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