【平均年収635万円】ヴィッツ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年8月期)

【平均年収635万円】ヴィッツ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年8月期)

ヴィッツは、ソフトウェア開発やコンサルティング、X線検査装置の製造・販売などをグループ各社とともに展開しています。連結従業員数は317名で、直近の業績は大幅な増収増益となりました。


目次

※本記事は、株式会社ヴィッツ の有価証券報告書(2025年8月期、2024年9月1日 ~ 2025年8月31日、2025年11月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


同社グループは、ソフトウェア開発、コンサルティング、教育サービス、コンテンツ販売を主軸とし、自動車や産業機械向けに技術提供を行っています。また、X線検査装置の製造・販売・保守、クラウド型施設予約システムの開発・保守サービスも展開しています。

単体従業員数は197名、連結従業員数は317名です。セグメントはソフトウェア事業、センシング事業、その他事業の3つです。

主な国内グループ会社は、アトリエ(ソフトウェア事業)、テスコ(センシング事業)、リザーブマート(その他)などです。

同社グループは、当連結会計年度にヴィッツは株式会社リザーブマートを新たに連結子会社とし、報告セグメントの区分を変更しました。前期には株式会社クリスタライト、株式会社イーガー、テスコ株式会社も連結子会社化しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


ヴィッツは、ソフトウェア事業とセンシング事業を展開する企業です。平均年齢が比較的若く、従業員の定着も一定見られることから、若手から中堅層が中心となって活躍し、キャリアを形成しやすい環境である傾向がうかがえます。また、人材育成や多様性、働きやすい環境づくりにも注力していることが示されています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、若手から中堅層が中心となっており、平均勤続年数も一定の長さがあることから、従業員が長期的にキャリアを築ける環境である傾向を示しています。

項目 数値
平均年間給与 6,348,915円
平均勤続年数 8.11年
平均年齢 35.3歳
単体従業員数 197人
連結従業員数 317人
単体のグループ内比率 62.1%


同社及び一部の連結子会社は、確定給付型の制度として退職一時金制度、確定拠出型の制度として確定拠出年金制度を設けています。退職一時金制度は存在しますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


ヴィッツは、持続的な企業価値の向上を実現するため、「世の中のニーズを敏感に察知し、半歩先のソフトウェア技術で解決する」企業集団となることを目指しています。同社において最も重要な経営資源はヒトであるとし、人財の育成、多様性、流動性、健康、安全、従業員エンゲージメントなどに配慮し、すべての社員が最大限の能力を発揮できるように人的資本経営に取り組むことを必要不可欠と考えています。

人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針として、新卒・キャリア、性別、年齢、国籍等を問わず、能力や貢献に応じた適正な報酬が得られる公明正大な評価・処遇を行う人事評価制度・賃金制度の改定に取り組み、社員の自律的かつ持続的な成長を支援しています。具体的には、新卒入社社員向け社内研修内容の改善・充実による配属後の早期立ち上がり支援や、定期的なキャリアビジョンアンケートに基づいた本人の志向と適性を考慮した配置や教育に取り組んでいます。

また、社内環境整備に関する方針として、会社に所属する全ての者とその家族が豊かな生活を送れるように、心と体の健康を重視し健康経営に取り組んでいます。組織、性別、年齢、役職、国籍等を問わず、役職員が交流できる機会を増やし、一人ひとりがフラットにコミュニケーションを図れる環境を整備しています。有給奨励日の設定及び取得の促進、残業時間モニタリングによる長時間残業者の抑止等を推進し、健康的な働き方ができる環境を整備しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休暇取得率及び労働者の男女の賃金の差異は、公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

指標 数値
女性管理職比率 8.3%

多様性・登用

指標 数値
管理職における中途採用社員比率 29.2%
女性エンジニア比率 9.9%


(注)女性エンジニア比率とは、エンジニア職従業員における女性従業員(正社員のみ)の割合を指します。

育児・介護支援

指標 数値
男性社員の育児休業取得率 100%

健康・安全

指標 数値
有給消化率 85.8%


(注)有給消化率とは、全従業員(正社員のみ)の期中の有給付与日数に対する有給消化日数を指します。

人材育成・エンゲージメント

指標 数値
離職率 6.5%


(注)離職率とは、期初における全従業員(正社員のみ)に対する期中退職者(定年退職者を除く)の割合を指します。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ヴィッツグループの事業構造は、ソフトウェア事業、センシング事業、その他の事業の3つのセグメントで構成されています。各事業が異なる技術とサービスを提供し、多様な顧客ニーズに応えています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、自動車や産業機械向けのソフトウェア開発を主軸に、X線検査装置の製造・販売、クラウド型施設予約システムの提供など、幅広い技術とサービスを展開しています。各事業は、顧客の課題解決や効率化を支援することで収益を上げています。

ソフトウェア事業


自動車および自動車部品、半導体検査装置、産業機械などのメーカーに対し、ソフトウェア開発、コンサルティング、教育サービス、コンテンツ販売を行っています。SF Twin、WARXSS、AIセーフティといった自社製品やサービスも展開しています。

収益は、オペレーティングシステムから制御アプリケーションまでのソフトウェア開発、サイバーセキュリティや機能安全のコンサルティング、企業内教育教材の開発・販売などから得ています。運営は、ヴィッツおよびテスコ、リザーブマート以外の連結子会社が行っています。同社グループの事業の中で最も大きな収益を上げています。

センシング事業


X線検査装置の製造・販売・保守を軸に、X線検査サービス、非接触スキャナー販売など、センシング関連の製品・サービスを提供しています。主に機械や金属部品、電子基板を対象とした産業用非破壊検査装置の提供が中心です。

収益は、X線透過・CT装置などの大型案件の販売や、自社設備を利用したX線検査サービスなどから得ています。運営は、テスコ株式会社が行っています。前期から大幅に収益を伸ばしています。

その他の事業セグメント


全国各地の公共施設、貸会議室、音楽スタジオなどに向けて、クラウド型施設予約システムの開発、保守サービスを提供しています。システム導入後に継続的、安定的に収益を獲得できるビジネスモデルです。

収益は、自治体などに提供している施設予約システムの開発収益や利用料収益などから得ています。運営は、株式会社リザーブマートが行っています。新たに連結子会社となった事業であり、収益に貢献しています。

同社グループは、特定の顧客への売上高が一定の割合を占める傾向があります。

セグメント 売上高(2024年8月期) 売上高(2025年8月期)
ソフトウェア事業 33.3億円 39.8億円
センシング事業 1.4億円 8.6億円
その他の事業セグメント - 12百万円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、過去5期にわたり継続して増加傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も同様に推移しており、特に直近の当連結会計年度では大幅な増収増益となりました。これは、主力事業の好調な売上と売上総利益率の上昇が牽引した結果です。

項目 2021年8月期 2022年8月期 2023年8月期 2024年8月期 2025年8月期
売上高 22.0億円 23.5億円 25.0億円 34.8億円 48.6億円
経常利益 2.9億円 2.7億円 2.2億円 3.5億円 5.9億円
経常利益率 13.4% 11.3% 9.0% 10.0% 12.1%
親会社株主に帰属する当期純利益 2.1億円 1.8億円 1.3億円 2.8億円 4.2億円
1株当たり当期純利益(円) 50.19 42.21 32.46 67.71 106.49

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。従業員1人あたり営業利益も同様に増加しており、組織全体の収益を創出する力が強化されていることを示しています。

指標 2024年8月期 2025年8月期
従業員1人あたり売上高(連結) 12.1百万円 15.3百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.0百万円 1.8百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で安定的に資金を生み出し、投資活動も資金増加に寄与している状況です。財務基盤は堅固であり、事業の継続性や成長に向けた再投資の余力がある状態を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は高い水準を維持しており、財務基盤の安定性を示しています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回る水準で推移しており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。手元資金も増加傾向にあり、不測の事態への耐性も高い状態です。

指標 2024年8月期(前期) 2025年8月期(当期)
純資産 24.8億円 28.4億円
自己資本比率 68.8% 69.4%
ROE(自己資本利益率) 11.6% 16.1%
現金及び預金 17.7億円 21.5億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは増加しており、本業で安定的に資金を生み出している状況です。投資活動によるキャッシュ・フローも増加しており、定期預金の純減額や差入保証金の回収による収入が主な要因となっています。

一方で、財務活動によるキャッシュ・フローは減少しており、配当金の支払いと自己株式の取得による支出が主な要因です。フリーキャッシュ・フローはプラスであり、本業で得た資金が投資を上回っているため、事業の継続性や成長に向けた再投資の余力がある状態を示しています。

項目 2024年8月期(前期) 2025年8月期(当期)
営業CF 3.6億円 5.7億円
投資CF 1.6億円 0.9億円
財務CF △2.6億円 △0.8億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 5.2億円 6.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、主たる売上が自動車分野であり、特定取引先からの受注が多い状況です。特定取引先の経営状態の悪化や経営戦略の変更があった場合、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

このため、景気の変動や環境変化への耐性を高めるべく、特定産業分野に集中した事業構造からの脱却に尽力する方針を示しています。具体的には、半導体関連装置開発やソフトウェアを活用したサービス事業分野などの事業拡大を目指しています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、事業継続及び拡大のために十分な人材の確保が必要であると認識しています。計画した正社員の採用やパートナーの確保が十分にできない場合、退職者が続出した場合、また人件費や外注費が高騰した場合、財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

これに対し、社員のエンゲージメント向上を目的とした人事・給与制度の見直しや教育研修の実施、福利厚生の拡充など労働環境の改善に努めています。また、新卒・中途採用活動の強化や新たなパートナー企業の確保にも取り組んでいます。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ヴィッツグループは、「半歩先の技術で人々の生活を豊かにする」という理念のもと、未来社会の課題解決に貢献することを目指しています。技術革新と人財の成長を重視し、持続的な企業価値向上を追求する企業です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


ヴィッツグループは、設立初期から「Creating Life of Your Dreams」~半歩先の技術で人々の生活を豊かに~という理念を大切にしています。同社グループの使命であり存在意義は、「世の中のニーズを敏感に察知し、半歩先のソフトウェア技術で『未知の課題』を解決すること」であると掲げています。

未来社会に貢献し企業を持続的に発展させるため、「ソフトウェアの価値を高め、収益構造を変革する企業」として活躍できるよう努力しています。また、役職員が誇りを持ち活躍し続けられるような「社員が幸福を実感できる企業」を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


ヴィッツグループは、最も重要な経営資源は「ヒト」であると考えています。そのため、人財の育成、多様性、流動性、健康、安全、従業員エンゲージメントなどに配慮した人的資本経営に取り組むことを重視しています。

会社に所属する全ての者が仕事に意義を持ち、自己の成長する喜びや働く楽しさを会社と共に追求することで、個人の幸福と会社の成長をともに実現することを方針としています。具体的には、新卒・キャリア、性別、年齢、国籍等を問わず、能力や貢献に応じた適正な報酬が得られる公明正大な評価・処遇を行う人事評価制度・賃金制度の改定に取り組んでいます。

また、心と体の健康を重視した健康経営に取り組むことを方針としています。役職員が交流できる機会を増やし、一人ひとりがフラットにコミュニケーションを図れる環境を整備しています。有給奨励日の設定や取得促進、残業時間モニタリングによる長時間残業の抑止などを推進し、健康的な働き方ができる環境を整備しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


ヴィッツグループは、開発技術者の不足や出生率低下といった社会的課題を背景に、人財の確保に関する課題を長期にわたるリスクと認識しています。この状況を踏まえ、組織力・技術力・収益力における課題に対処するとともに、事業リスクを低減させるためガバナンス体制や内部統制の充実強化に努めています。

ソフトウェア事業においては、技術者育成と次世代技術の獲得、および人的資本の有効活用による収益性の向上を重点テーマとしています。センシング事業では、非破壊検査技術の高度化による収益性の向上に取り組んでいます。

人財確保及び連携強化のため、経営理念や経営方針の浸透活動を推進し、良好な組織風土の醸成に努めています。従業員の能力や貢献に応じた公正な評価・報酬制度の整備、働きやすい環境の整備を通じて、従業員エンゲージメントを高めることを図っています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ヴィッツは監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会を企業統治の根幹としています。取締役会は社外取締役を含む構成で、経営の意思決定と監督を行っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ヴィッツの株主構成を見ると、筆頭株主はOffice Hatであり、同社の代表取締役社長である服部博行氏の資産管理会社です。その他、アイシンやオークマといった事業会社が上位株主として名を連ねています。これらの事業会社は同社との間に営業取引の関係も有しており、同社の経営を多角的に支える資本構成となっています。

株主名 持株比率
Office Hat 15.29%
アイシン 7.52%
オークマ 7.52%


なお、前事業年度末において主要株主であったSNAは、当事業年度末現在では主要株主ではなくなっています。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は11名(男性10名・女性1名)で構成され、女性役員比率は9.1%です。代表取締役社長は服部博行氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
服部博行 取締役社長 (代表取締役) 1989年4月 ㈱メイテック入社。1997年6月 ㈱ソフィックス名古屋(現:同社)設立、入社。2015年12月 同社 代表取締役社長より現職。
大西秀一 取締役副社長 (代表取締役) 2001年4月 同社入社。2014年11月 同社 執行役員。2024年11月 同社 代表取締役副社長 CSOより現職。
武田英幸 専務取締役 1990年4月 ㈱松下電器情報システム名古屋研究所入社。2013年2月 同社入社。2024年11月 同社 専務取締役 CDOより現職。
尾関和磨 取締役 2007年12月 新日本監査法人入所。2019年6月 同社入社。2024年11月 同社 取締役 CFOより現職。


社外取締役は、領木正人氏(オークマ特別顧問)、益川路隆氏(益川公認会計士事務所所長)、山田洋氏(アイシン執行幹部)、井川真由美氏(三好総合法律事務所弁護士)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役が取締役会において客観的かつ専門的な助言と監督機能を果たしています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


ヴィッツの役員報酬は、社内取締役に対して基本報酬、賞与、譲渡制限付株式報酬を組み合わせた体系を採用しています。基本報酬は固定で、賞与は連結売上高と連結営業利益を業績指標とする業績連動報酬です。譲渡制限付株式報酬は、株主価値との連動性を高め、中長期的な企業価値向上へのインセンティブとしています。一方、社外取締役の報酬は固定の基本報酬のみで構成されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 6名 94百万円 15.6百万円
社外取締役 3名 2百万円 0.8百万円
社外監査役 3名 7百万円 2.2百万円


なお、社外取締役のうち3名と社外監査役のうち2名は無報酬のため、報酬等の総額の対象人数には含められていません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。