※本記事は、ワンダープラネット株式会社 の有価証券報告書(第13期、自 2024年9月1日 至 2025年8月31日、2025年11月26日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. ワンダープラネットってどんな会社?
同社はスマートフォン向けゲームアプリの企画・開発・運営を行うエンターテインメント企業であり、グローバル展開にも注力しています。
■(1) 会社概要
2012年に設立され、2015年に主力タイトル「クラッシュフィーバー」をリリースしました。その後、2021年に東京証券取引所マザーズ市場(現グロース市場)へ上場を果たしています。2024年には新規タイトル「パンドランド」をリリースし、2025年には「ジャンプ+ジャンブルラッシュ」のリリースも予定されています。
同社(単体)の従業員数は136名です。筆頭株主は創業者で社長の常川友樹氏で、第2位はモバイルゲーム事業を展開するHappy Elementsです。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 常川友樹 | 14.76% |
| Happy Elements | 13.73% |
| 石川篤 | 8.84% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性7名、女性1名の計8名で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長CEOには常川友樹氏が就任しており、社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 常川友樹 | 代表取締役社長CEO | 株式会社エムラボ執行役員、株式会社オープンキューブ代表取締役を経て、2012年同社設立、現職。 |
| 佐藤彰紀 | 取締役COO兼CFO | 大和証券株式会社等を経て、2016年同社取締役CFO就任。2024年より現職。 |
| 石川篤 | 取締役会長 | 株式会社サイバーエージェント、ウノウ株式会社代表取締役等を経て、2016年より現職。 |
社外取締役は、和田洋一(元スクウェア・エニックス代表取締役社長)、手嶋浩己(XTech Ventures代表取締役)です。
2. 事業内容
同社グループは、「モバイルゲーム事業」の単一セグメントを展開しています。
■モバイルゲーム事業
スマートフォン向けゲームアプリの企画・開発・運営・販売を行っています。自社開発のオリジナルタイトル「クラッシュフィーバー」や、協業パートナーとの共同事業タイトル「パンドランド」などを提供しており、ユーザーは基本無料でプレイでき、アイテム課金等を行う一般消費者が主な顧客です。
収益は、アプリ内課金や広告収入をプラットフォーム(Apple、Google等)経由で受領します。協業タイトルの場合はパートナーからの収益分配や成功報酬も含まれます。運営は同社が行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
売上高は2021年8月期の36億円から減少傾向にあり、直近では23億円となっています。利益面では黒字と赤字を繰り返しており、直近決算では経常損失および当期純損失を計上しています。
| 項目 | 2021年8月期 | 2022年8月期 | 2023年8月期 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 36億円 | 34億円 | 35億円 | 24億円 | 23億円 |
| 経常利益 | 2.6億円 | -12.9億円 | 0.3億円 | 1.1億円 | -1.5億円 |
| 利益率(%) | 7.3% | -37.7% | 0.8% | 4.6% | -6.6% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 8.3億円 | -18.9億円 | -2.4億円 | 0.9億円 | -1.3億円 |
■(2) 損益計算書
売上高の減少に伴い、売上総利益が縮小しています。販管費は増加傾向にあり、結果として営業損益は赤字に転じています。
| 項目 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 24億円 | 23億円 |
| 売上総利益 | 7億円 | 5億円 |
| 売上総利益率(%) | 29.3% | 20.9% |
| 営業利益 | 1億円 | -1億円 |
| 営業利益率(%) | 4.9% | -5.6% |
販売費及び一般管理費のうち、給料及び手当が2億円(構成比26%)、広告宣伝費が1億円(同17%)を占めています。
■(3) セグメント収益
「モバイルゲーム事業」単一セグメントのため、全社の業績推移と同様に、既存タイトルの減収や新規開発費用の発生により、売上高は減少し、セグメント利益も赤字となっています。
| 区分 | 売上(2024年8月期) | 売上(2025年8月期) | 利益(2024年8月期) | 利益(2025年8月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| モバイルゲーム事業 | 24億円 | 23億円 | 1億円 | -1億円 | -5.6% |
| 連結(合計) | 24億円 | 23億円 | 1億円 | -1億円 | -5.6% |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
ワンダープラネットのキャッシュ・フローの状況についてご説明します。
営業活動では、主に未払金の減少や税引前当期純損失の計上により、資金の使用となりました。投資活動では、有形固定資産の取得による支出があったものの、敷金及び保証金の回収による収入があり、資金の獲得となりました。財務活動では、長期借入金の返済や社債の償還による支出があったものの、社債の発行や長期借入れによる収入がそれを上回り、資金の獲得となりました。
| 項目 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 3億円 | -3億円 |
| 投資CF | 2億円 | 0.0億円 |
| 財務CF | 0.1億円 | 2億円 |
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
「楽しいね!を、世界中の日常へ。」をミッションに掲げ、世界中の一人でも多くの人々の日常に、家族や友達と笑いあえるひとときを届け、コミュニケーションを通じた「笑顔」を世界の隅々まで広げることを目指しています。
■(2) 企業文化
「誰でも遊べて、奥が深い。」モバイルゲーム開発を追求し、国・言語・文化・年齢・性別等あらゆる壁を越えて誰もが楽しめるプロダクト・サービスを創ることを重視しています。
■(3) 経営計画・目標
短期的な経営指標の変動ではなく、中長期的な成長を図るため、既存タイトル・サービスの維持・拡大と、新規タイトル・サービスや成長領域への戦略的な投資を両立したうえで、売上・利益ともに拡大し企業価値の向上を図ることを重視しています。
■(4) 成長戦略と重点施策
「THE JAPAN IP」を安心して託される会社を目指し、日本が誇るIPコンテンツの価値をグローバル市場で最大化することに取り組んでいます。また、独自開発基盤「SEED」の構築により、低コスト・短期間・高品質な開発を実現する方針です。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
事業拡大に向け、開発部門を中心に高度な専門性を有する優秀な人材の継続採用と育成を重視しています。また、従業員のモチベーションを引き出す人事評価制度や福利厚生等の人事制度構築に努めながら、柔軟な働き方や環境づくりを推進しています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均を大きく下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年8月期 | 35.0歳 | 6.5年 | 5,482,000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 特定タイトルへの依存
主要タイトルである「クラッシュフィーバー」の売上高が全体の40%を超えており、同タイトルへの依存度が高い状況です。事業環境の変化等により当該タイトルの売上が縮小し、想定を下回った場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
■(2) 開発費及び広告宣伝費の回収
モバイルゲーム開発の長期化・高騰化に加え、効果的なユーザー獲得のための広告宣伝費が増加傾向にあります。開発の中止や遅延、あるいは期待した成果が得られない場合、投資回収ができず、業績および財政状態に悪影響を与える可能性があります。
■(3) 海外展開のリスク
海外市場での事業拡大を進める中で、各国の法令、制度、政治、経済、商慣習の違い等の潜在的リスクが存在します。これらに適切に対処できなかった場合、事業運営に支障をきたし、業績に影響を与える可能性があります。



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