※本記事は、株式会社サイエンスアーツ の有価証券報告書(2025年8月期、2024年9月1日 ~ 2025年8月31日、2025年11月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
サイエンスアーツは、フロントラインワーカー向けのライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom」を提供しています。スマートフォンやタブレットで利用できるクラウド型SaaSで、音声通話や映像配信、AIアシスタントなどの多機能を提供し、現場の業務効率向上を支援しています。
単体従業員数は58名です。セグメントはBuddycom事業、その他の2つです。
サイエンスアーツは、販売代理店を通じた全国展開と直接販売を組み合わせています。Buddycom契約顧客の多くが同社からアクセサリーを購入しており、80%以上が同社の出資先製品または独占販売権を持つ製品です。
サイエンスアーツは、Buddycom事業開始以前の主力事業であったハイブリッド型データベース『ALTIBASE』の新規ライセンス販売を終了し、既存顧客へのサポートを継続しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
サイエンスアーツは、革新的な技術とサービスを通じて社会に貢献する企業です。従業員の平均年齢が比較的若く、勤続年数も短めであることから、活気があり、新しい挑戦を歓迎する社風がうかがえます。専門性を高めながら成長していきたいと考える方にとって、魅力的な環境であると言えるでしょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は比較的若い従業員が多く、平均勤続年数も短めであることから、活発な組織であることが示唆されます。新しい人材が継続的に加わり、組織全体が常に変化と成長を続けている傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,782,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.8年 |
| 平均年齢 | 31.0歳 |
| 単体従業員数 | 58人 |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、持続的な成長と企業価値向上のために、人材を最も重要な経営資源と位置付けています。高度な専門的知識、技能及び経験を有する多様な人材の確保と育成が不可欠であると考えています。
そのため、人事制度の改訂や研修の拡充に力を入れています。また、柔軟な働き方を支援するフレックスタイム制度や、従業員のエンゲージメントを高める従業員持株制度、株式報酬制度といった各種制度の整備も進めています。性別や年齢、国籍に関わらず、能力や適性に応じて適材適所で配置していく方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
多様性・登用
基準日は2025年8月31日時点のデータです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性従業員比率 | 48.3% |
| 女性管理職比率 | 40.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
サイエンスアーツは、フロントラインワーカー向けのライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom(バディコム)」を提供しています。このサービスは、スマートフォンやタブレットにアプリをインストールすることで、トランシーバーのように複数人での一斉コミュニケーションを可能にするクラウドサービスです。
音声通話だけでなく、通話履歴の再生、音声テキスト化、翻訳、テキストチャット、映像配信、位置情報共有、AIデジタルアシスタントなど、多岐にわたる機能を提供しています。主に店舗や交通インフラといった現場部門で利用されており、業務効率や顧客サービスの向上に貢献しています。
同社の収益モデルはサブスクリプション型であり、お客様が必要とする機能に応じたプランとオプションをID単位で提供しています。初期費用は発生せず、年契約または月契約で料金を支払う形式です。
また、同社は「Buddycom」で利用するイヤホンマイクやヘッドセットなどのアクセサリーも販売しており、こちらも継続的な収益源となっています。これらのアクセサリーは、PTT(Push-to-Talk)対応や長時間の連続使用が可能である点で市販品との差別化を図っています。
販売は主に販売代理店を通じて行われており、全国各地の顧客に対応できる体制を構築しています。同社は国内市場に注力しており、海外の外部顧客への売上高はありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の業績は、直近の事業年度において売上高が大きく伸びている傾向が見られます。利益面では、前期に営業損失、経常損失、当期純損失を計上していましたが、当事業年度ではいずれも黒字に転換しました。
これは、主力サービスであるBuddycomの開発及び販売強化に注力した結果、収益が大きく改善したことを示しています。営業活動によるキャッシュ・フローも増加しており、本業での資金創出力が高まっている状況です。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社の財務基盤は、事業の継続性と成長を支える上で重要な要素です。キャッシュフローの状況からは、資金がどのように生み出され、使われているかという同社の活動状況がわかります。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
自己資本比率は、企業の財務健全性を示す重要な指標の一つです。ROE(自己資本利益率)は、自己資本をいかに効率的に活用して利益を生み出しているかを示します。手元資金の厚みは、不況時や予期せぬ事態への耐性を示すものです。これらの指標は、入社後の雇用や給与の安定性を判断する上で参考となる情報です。
| 指標 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | - | - |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | - | - |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローは、事業活動、投資活動、財務活動の3つの側面から資金の流れを示しています。本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、事業の収益力を表すものです。
投資活動によるキャッシュフローは、将来の成長に向けた設備投資やM&Aなどの資金使途を示します。財務活動によるキャッシュフローは、資金調達や返済、配当などの状況を表しています。これらの資金の流れは、同社の事業の安定性や成長戦略、ひいては雇用や給与の安定性を判断する上で重要な情報となります。
| 項目 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | - |
| 投資CF | - | - |
| 財務CF | - | - |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | - |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社が事業展開する国内のソフトウェア市場は拡大を続けており、新たな競合企業の参入や既存競合企業との競合激化により、同社の優位性が失われる可能性があります。また、同社はフロントラインワーカーをつなげるライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom」の提供を主な事業としており、当該事業に経営資源を集中させています。Buddycom事業の成長に何らかの問題が生じた場合、同社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は優秀な人材に裏付けられた高い技術力と提案力により事業を拡大してきました。今後も業容拡大のために、優秀な人材を確保し、教育・育成していくことが必要不可欠であるとしています。しかしながら、優秀な人材の採用・確保及び教育・育成が計画通りに進まない場合や、優秀な人材が社外流出した場合には、事業規模拡大の制約や競争力の低下等により、同社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
サイエンスアーツは、現場で働くフロントラインワーカーのDXを推進し、社会に貢献することを目指しています。同社は、ライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom」を通じて、多様な現場の課題解決に取り組んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
サイエンスアーツは、「フロントラインワーカーに未来のDXを提供し、明るく笑顔で働ける社会の力となる」というミッションを掲げています。同社は、ライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom」を通じて、あらゆる業種で音声や動画を活用し、現場の課題解決を目指しています。
Buddycomの開発を内製化し、安定稼働と機動的な機能追加を実現しています。今後もブランディング・マーケティングを強化し、機能拡充により、より多くの企業・ユーザーに活用されることで、よりよい社会の実現を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
サイエンスアーツは、持続的な成長と企業価値向上のため、人材を最も重要な経営資源と位置づけています。高度な専門的知識、技能、経験を持つ多様な人材の確保と育成が不可欠であると考えています。
同社は、性別、年齢、国籍に関わらず、能力や適性に応じた適材適所での配置を方針としています。また、人材確保のため、人事制度の改訂や研修の拡充、各種制度の整備を進めています。サステナビリティを巡る課題への対応も経営の重要課題と認識し、体制整備を検討しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
サイエンスアーツは、事業拡大と成長スピード向上のため、優秀な人材の確保と育成を重要な課題と認識しています。具体的には、採用体制の強化、教育・研修制度、人事評価制度の拡充等の施策を進めています。
また、急速な事業環境の変化に適応し、継続的な成長を維持するため、内部管理体制の強化も重要課題としています。事業規模や成長ステージに合わせたバックオフィス機能の拡充、経営の公正性・透明性確保に取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会は業務執行の決定と監督を担っています。監査等委員である取締役が取締役会に参加することで、監査・チェック機能の強化を図る体制です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主は合同会社平岡秀一事務所であり、創業家が上位株主として名を連ねています。また、事業会社である楽天グループ株式会社も主要な株主の一角を占めており、多様な背景を持つ株主によって支えられていることが特徴です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 合同会社平岡秀一事務所 | 37.05% |
| 楽天グループ | 10.12% |
| 平岡 秀一 | 9.49% |
| JVCケンウッド | 8.09% |
| 芹澤 圭二 | 4.57% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性5名・女性2名)で構成され、女性役員比率は28.6%です。代表取締役社長は平岡竜太朗氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 平岡 竜太朗 | 代表取締役社長 | 2017年4月株式会社ワークスアプリケーションズ入社、2018年8月株式会社シアンス・アール(現同社)入社、2025年11月同社代表取締役社長より現職。 |
| 平岡 秀一 | 代表取締役会長 | 1984年4月日立西部ソフトウェア株式会社入社、2003年9月株式会社シアンス・アール(現同社)設立、2025年11月同社代表取締役会長より現職。 |
| 松田 拓也 | 取締役管理本部長 | 2007年4月株式会社ゼファー入社、2018年6月株式会社シアンス・アール(現同社)入社、2019年11月同社取締役管理本部長より現職。 |
社外取締役は、島田貴子氏(元アールエイジ管理本部取締役・監査等委員)、中川浩之氏(元宇徳代表取締役社長・監査等委員)、三ツ橋徹氏(三ツ橋司法書士事務所開設・監査等委員)、藤田友佳子氏(PHONE APPLI執行役員CWO・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社です。取締役会は経営の意思決定と監督を担い、監査等委員である社外取締役が監査機能を強化しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、企業業績と企業価値の持続的な向上に資することを基本方針としています。基本報酬は株主総会で承認された範囲内で、職務や貢献度を考慮して毎月定額で支払われます。賞与は支給されず、非金銭報酬として譲渡制限付株式が導入されています。
なお、非金銭報酬等は譲渡制限付株式報酬に基づく当事業年度における費用計上額です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。