※本記事は、株式会社トリプルアイズ の有価証券報告書(2025年8月期、2024年9月1日 ~ 2025年8月31日、2025年11月28日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
トリプルアイズグループは、AIソリューションとGPUサーバーの2つのセグメントで事業を展開しています。AI導入支援からITシステム構築、GPUサーバーの販売・データセンター運営まで幅広く手掛けています。
単体従業員数は244名、連結従業員数は449名です。セグメントはAIソリューション、GPUサーバーの2つです。
主な国内グループ会社は、トリプルアイズ、ゼロフィールドなどです。
トリプルアイズグループは、2024年7月に株式会社BEXをM&Aによりグループに迎え入れました。これにより、自動車分野における機械設計開発事業、ITシステム設計開発事業を強化しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
トリプルアイズは、AIソリューションとGPUサーバー事業を展開する企業です。先端テクノロジーの社会実装を推進しており、従業員の働きがいのある環境づくりにも注力しています。多様な人材が活躍できる職場環境の整備を進めていることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均年齢が30代半ばであり、比較的若い人材が活躍している傾向が見られます。平均勤続年数も5年未満となっており、活気のある職場環境がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,917,000円 |
| 平均勤続年数 | 4.7年 |
| 平均年齢 | 35.8歳 |
| 単体従業員数 | 244人 |
| 連結従業員数 | 449人 |
| 単体のグループ内比率 | 54.3% |
トリプルアイズグループでは、退職給付制度として確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)を採用しています。この制度は国内グループ会社を対象としています。
退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、AIをはじめとする先端テクノロジーの社会実装を推進する事業を展開しており、人材の育成と確保を経営上の重要事項と位置づけています。人材育成においては「トリプルアイズ15の約束」という価値観を重視し、従業員が事業成長を支える重要な存在であるとの認識のもと、多様な人材が能力を発揮できる職場環境と企業風土の醸成に取り組んでいます。
具体的には、働きがいのある環境づくりのため、在宅勤務の導入、休暇取得の促進、時差出勤の制度化など、従業員の意向を踏まえた快適な労働環境を提供しています。また、研修や定期的な勉強会を通じて自己研鑽の機会を設け、従業員が個性を発揮し創造力を働かせて挑戦し続けられる環境を提供しています。
採用においては、コーポレート、営業、エンジニア問わず、年齢、国籍、ジェンダー平等に配慮した採用を進めています。さらに、社員一人ひとりの自己能力を高める業務体制や、意欲と能力のある従業員が評価され、平等に管理職への登用の機会が得られるような人事登用制度や人事評価制度の整備を進める方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。各指標は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律および育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定に基づき算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 7.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 0.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 83.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 78.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) | 82.5% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 株式会社BEX
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 81.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 0.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) | 81.3% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
トリプルアイズグループは、AIソリューション事業とGPUサーバー事業の二つのセグメントで事業を展開しています。AI技術を活用したシステム開発から、AIに最適なGPUサーバーの提供まで、幅広いサービスを提供していることが特徴です。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、AI(人工知能)の活用やシステム開発、GPUサーバーの提供を通じて、社会の変革に貢献することを目指しています。特にAIの社会実装を推進し、レガシー産業領域へのAI導入を加速させています。
AIソリューション事業
このセグメントは、AIインテグレーション、エンジニアリング、AIプロダクトの三つのサブセグメントで構成されています。AIインテグレーションでは、金融、流通、不動産、サービス、医療など多様な業界で基幹システムや決済システムの開発実績を持ち、AI開発やコンサルティングにも注力しています。収益は、技術者の役務提供や請負開発、コンサルティングによる成果物の対価から得ています。
エンジニアリング事業は、株式会社BEXが担当しており、自動車分野における機械設計開発やITシステムの設計開発を展開しています。トヨタ自動車グループとの安定的な取引基盤を有しており、同社グループのAI技術との連携によるプロセスの革新を目指しています。AIプロダクト事業では、同社グループが独自開発した画像認識プラットフォーム「AIZE」を提供しており、顔認証を中心としたマーケティングサービス、勤怠管理、入退室管理、アルコールチェック記録サービスなどを展開しています。
また、株式会社シンプルプランは人材育成のための研修サービスを、株式会社所司一門将棋センターは将棋道場・教室の運営を行っています。当連結会計年度においては、株式会社BEXの業績が通期で連結に取り込まれたことにより、このセグメントの売上高は前期から大きく増加しました。主要な顧客としてトヨタ紡織株式会社への売上高が確認されています。
GPUサーバー事業
このセグメントは、株式会社ゼロフィールドにより事業が行われており、GPUサーバー/データセンター事業と保守事業で構成されています。AI用途に最適なGPUサーバーの販売やデータサーバーの提供、それらの保守・運用を一括で受託しています。国内に4拠点、米ワシントン州に2拠点のデータセンターを開設・運営し、AI開発者や企業のニーズに応えるサーバーインフラを提供しています。
収益は、GPUサーバーの販売、データセンターの提供、および保守サービスから得ています。当連結会計年度においては、AI開発用途向けGPUサーバーの販売が本格化しましたが、マイニングマシンの販売が低迷したことにより、このセグメントの売上高は前期から減少しました。
| セグメント | 売上高(2024年8月期) | 売上高(2025年8月期) |
|---|---|---|
| AIソリューション事業 | 30.3億円 | 46.1億円 |
| GPUサーバー事業 | 13.8億円 | 11.0億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
トリプルアイズグループの過去5期間の業績を見ると、売上高は継続して増加傾向にあります。特に直近の2期間では、売上高が大きく伸長しました。経常利益は、過去に一時的な損失を計上した期があるものの、直近の2期間では増加傾向を示しています。
一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の当連結会計年度において損失を計上しました。これは主に、棚卸資産評価損や減損損失といった特別損失の計上が影響しています。営業活動によるキャッシュ・フローは支出となっており、投資活動によるキャッシュ・フローも支出が継続しています。財務活動によるキャッシュ・フローは、株式の発行による収入により収入となっています。
| 項目 | 2021年8月期 | 2022年8月期 | 2023年8月期 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 21.2億円 | 24.2億円 | 23.5億円 | 44.1億円 | 57.1億円 |
| 経常利益 | 84百万円 | 1.2億円 | △2.9億円 | 47百万円 | 60百万円 |
| 経常利益率 | 4.0% | 4.8% | △12.4% | 1.1% | 1.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 38百万円 | 1.1億円 | △8.3億円 | 77百万円 | △3.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 6.12 | 17.47 | △118.67 | 10.45 | △41.30 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
トリプルアイズの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から増加しています。これは、同社グループの事業規模が拡大していることを示しています。一方で、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期から減少しており、当期は損失を計上する結果となりました。これは、当連結会計年度において販売費及び一般管理費が増加したことなどが影響していると考えられます。
| 指標 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 9.5百万円 | 12.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.1百万円 | △0.1百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動や投資活動における資金の流れから、現在の経営状態を把握することができます。将来に向けた投資を積極的に行っている段階にあることが示されています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率は前期から上昇し、非製造業のプライム市場平均を上回る水準となっています。これは、財務の安定性を示す指標の一つです。一方で、ROE(自己資本利益率)は当期にマイナスとなっており、プライム市場平均を下回っています。手元資金である現金及び預金は増加傾向にあり、事業運営における資金の柔軟性を示しています。これらの状況は、今後の事業展開や雇用環境に影響を与える可能性があります。
| 指標 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 8.5億円 | 16.7億円 |
| 自己資本比率 | 17.3% | 33.7% |
| ROE(自己資本利益率) | 13.0% | -27.3% |
| 現金及び預金 | 16.1億円 | 19.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、当期は営業活動によるキャッシュフローが支出となっています。これは主に税金等調整前当期純損失の計上や棚卸資産評価損の計上、契約負債の減少などが要因です。投資活動によるキャッシュフローも支出となっており、無形固定資産の取得や長期貸付けによる支出などが見られます。財務活動によるキャッシュフローは収入となっており、株式の発行による収入が主な要因です。フリーキャッシュフローは当期も支出となっており、事業活動と投資活動を合わせた資金が外部からの資金調達によって賄われている状況を示しています。このような資金の流れは、今後の事業拡大や雇用・給与の安定性に影響を与える可能性があります。
| 項目 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 3百万円 | △69百万円 |
| 投資CF | △10.7億円 | △78百万円 |
| 財務CF | 7.7億円 | 4.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △10.7億円 | △1.5億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループが事業展開を行うAIソリューションセグメント及びGPUサーバーセグメントは、技術革新や顧客ニーズの変化のスピードが非常に早く、これらに迅速かつ柔軟に対応できない場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、AI等の先端技術に対する競合他社の投資拡大や新規参入により、同社グループの技術的優位性が後退する可能性も指摘されています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業の持続的な成長のために優秀な人材の確保が必要であると認識しています。求める人材を必要な時期に確保あるいは育成できない場合や、人材の流出が進んだ場合には、事業の拡大に支障が生じ、または経常的な業務運営のための費用が増加すること等により、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
トリプルアイズは、「テクノロジーに想像力を載せる」という経営理念のもと、AI社会実装の実現を通じて新たな時代のスタンダードを創造することを目指しています。テクノロジーと人の想像力を融合させ、社会に価値を提供していくことを重視する企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「テクノロジーに想像力を載せる」という経営理念を掲げています。テクノロジーと想像力との融合によるイノベーションの追求を通じて、新たな時代のスタンダードを構築することを目指しています。AI実装を加速する基盤として独自開発のAIプラットフォームを保有し、現場で培われた開発力、設計力、実装力、そしてGPUサーバーをデータセンターとして保有する強みを掛け合わせています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、AIをはじめとする先端テクノロジーの社会実装を推進する中で、テクノロジーと社会、人が健全で持続可能な関係を構築するフィロソフィー醸成に取り組んでいます。SDGsの「持続可能な開発目標」実現のため、社会インフラとなるアーキテクチャの提供、イノベーションによる経済成長への貢献、次世代人材の育成の3領域で活動しています。
人材育成においては「トリプルアイズ15の約束」という価値観を重視し、多様な人材が活躍できる職場環境と企業風土の醸成に努めています。快適な労働環境の提供や自己研鑽の機会を通じて、従業員が挑戦し続けられる環境を整備しています。年齢、国籍、ジェンダー平等に配慮した採用を進め、評価される人事制度を整えていく方針です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、優先的に対処すべき課題として、優秀人材の確保を挙げています。AIエンジニアといった専門人材の採用と優秀人材の育成は急務であり、教育機関との連携や採用活動の活性化を進めています。また、営業マーケティングの効率化も重要な課題です。流動性の高いIT市場を的確に分析し、顧客ニーズにマッチしたサービス提供を図るため、営業マーケティングの仕組み化と効率化を推進しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
トリプルアイズは監査等委員会設置会社であり、取締役会が経営の意思決定と監督を担っています。経営の効率化と意思決定の迅速化のため、執行役員制度も導入されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
トリプルアイズの株主構成を見ると、筆頭株主は個人株主である福原聖子氏です。上位には事業会社も名を連ねており、多様な株主によって支えられていることが特徴です。特定の株主グループが経営に影響力を持つ可能性がある構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 福原 聖子 | 27.25% |
| コスモウエア | 21.45% |
| ゲームカード・ジョイコホールディングス | 4.76% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役会長は山田雄一郎氏、代表取締役CEOは片渕博哉氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 山田 雄一郎 | 代表取締役会長 | 2005年12月新日本監査法人(現 EY新日本有限責任監査法人)入所。2020年8月同社入社、同年11月同社取締役CFO就任。2021年3月同社代表取締役就任。2025年11月同社代表取締役会長就任より現職。 |
| 片渕 博哉 | 代表取締役CEO | 2016年10月同社入社。2022年9月同社AIZE戦略本部AIZE開発部リードエンジニア就任。2023年9月同社執行役員技術本部副管掌就任。2025年11月同社代表取締役CEO就任より現職。 |
| 加藤 慶 | 取締役CFO管理本部管掌 | 2003年4月ベンチャー・リンク入社。2007年12月新日本監査法人入所。2021年7月同社執行役員CFO就任。2021年9月同社取締役CFO経営戦略本部担当就任より現職。 |
社外取締役は、篠田庸介氏(ヘッドウォータース代表取締役)、鈴木規央氏(アクトアドヴァイザーズ法律事務所共同代表・監査等委員)、中釜和寿氏(アセンディア税理士法人代表社員・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役が取締役会における議決権を有することで、取締役会の監督機能の強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
トリプルアイズの役員報酬は、固定の基本報酬のみで構成されており、業績連動報酬制度は採用していません。取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬は、株主総会で決定された総額の限度内で取締役会が決定します。監査等委員である取締役の報酬は、株主総会で決定された総額の限度内で監査等委員である取締役の協議により決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 48百万円 | 15.9百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 5百万円 | 4.7百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 7百万円 | 2.2百万円 |
連結報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の報酬開示はありません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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