【平均年収421万円】INGS 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年8月期)

【平均年収421万円】INGS 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年8月期)

INGSは、ラーメン事業とレストラン事業を展開しています。直営店の運営に加え、ノウハウ提供やライセンス貸与も行い、事業を広げています。直近期は増収となりましたが、当期純利益は減少しました。


目次

※本記事は、株式会社INGS の有価証券報告書(2025年8月期、2024年9月1日 ~ 2025年8月31日、2025年11月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


INGSは、「『幸せ』への挑戦~関わるすべての人と共に~」を企業理念に掲げ、ラーメン事業とレストラン事業を展開しています。外食を通じて顧客と従業員、関わる全ての人に笑顔と感動を届けることを目指しています。

単体従業員数は334名です。事業セグメントはラーメン事業、レストラン事業、全社(共通)の3つです。

INGSは、ラーメン事業とレストラン事業において、直営店の運営、プロデュース店へのノウハウ提供、ライセンス貸与を自社で展開しています。

2021年8月には株式会社キャンディーBOXを吸収合併しており、これに伴うのれん償却費等が計上されています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


株式会社INGSは、飲食事業を展開しており、比較的若年層の従業員が多く活躍している傾向が見られます。従業員の平均勤続年数は短めですが、これは事業特性や成長フェーズを反映している可能性があります。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数が短く、平均年齢も若めであることから、活発な人材の流動性や若手社員の活躍がうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 4,206,000円
平均勤続年数 3.0年
平均年齢 30.4歳
単体従業員数 334人


退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社は「『幸せ』への挑戦~関わるすべての人と共に~」という企業理念のもと、お客様や従業員をはじめとするすべてのステークホルダーに幸せを届けることを経営方針としています。持続的な成長と企業価値向上のためには人材が重要であると考え、多様な従業員の確保と成長、そして実力を発揮し継続的に活躍できる社内環境の整備に注力しています。

人材確保においては、中途・新卒採用を積極的に実施しており、特に海外人材採用に力を入れています。外国籍の採用担当者を社内に配置し、採用業務を内製化することで、候補者と直接コミュニケーションを図り、競争力強化に繋げています。また、アルバイト従業員や過去の退職者・内定辞退者(アルムナイ)をデータベースに登録し、情報発信を通じて正社員登用や出戻り採用も積極的に進めています。

入社後の教育では、新入社員向けの月1回定例研修や中途入社社員向けの理念研修、全社員対象の社内研修制度の浸透を図っています。毎月開催される店長会議での定例研修を通じて人材強化を推進するとともに、海外人材の活躍支援として個別相談や特定技能資格取得のための講習会も開催しています。店舗従業員は四半期単位、本社従業員は半年単位での人事評価・面談制度を導入し、年2回のES調査や社内SNS活用により、モチベーション維持・向上、社員定着率向上、社内コミュニケーション活性化を図っています。

社内環境整備としては、年2回のES調査や女性従業員を中心とした交流会を通じて従業員の意見を吸い上げ、新たな福利厚生制度の検討に繋げています。また、内部通報窓口に加え、職場内の人間関係に関する悩み相談窓口や保健師相談窓口を設置し、労働環境の整備に努めています。リスク・コンプライアンス委員会や衛生委員会においても、勤務時間や労働環境の確認と改善に取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。男性育児休業取得率のパート・有期労働者については、対象となる労働者がいないため「-」と表示されています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 9.8%
男性労働者の育児休業取得率 60.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 42.3%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 83.2%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 73.2%

多様性・登用

指標 目標 実績(当事業年度)
管理職に占める女性労働者の割合 8.0%以上 9.8%

育児・介護支援

指標 目標 実績(当事業年度)
男性育児休業取得率 80.0%以上 60.0%
女性育児休業取得率 90.0%以上 100.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


株式会社INGSは、「食」を通じて「幸せ」を追求し、ラーメン事業とレストラン事業の二つの柱でビジネスを展開しています。直営店の運営を主軸としつつ、プロデュースやライセンス供与を通じて多角的に収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社は、企業理念である「『幸せ』への挑戦~関わるすべての人と共に~」を掲げ、料理を提供するだけでなく、外食を通じてお客様と従業員、そして関わる全ての人に笑顔と感動を届けることを目指しています。他社との差別化を図るため、「街に愛される個人店のような味・空間(個店感)」を大切にし、サービスや居心地を追求した店舗運営を行っています。

ラーメン事業

ラーメン事業では、一都三県を中心に都市型店舗、郊外型・ロードサイド店舗、及び商業施設内店舗の直営店を展開しています。主力ブランドである「らぁ麺 はやし田」を中心に、全て自社で開発した9ブランドを多店舗展開しており、出店エリアの特性や競合状況に応じたブランドで出店することで優良テナントの獲得を図っています。
収益は、直営店でのラーメン提供から得ています。また、プロデュース部門では、ラーメン店の開業を希望する店舗オーナーに対し、同社オリジナル配合の麺・タレ・スープといったPB商品の販売、開業支援、メニュー開発、店舗運営ノウハウの提供(月額フィー)を行っています。当事業年度の売上高は前年同期比で増加しており、同社事業の大きな柱の一つです。

レストラン事業

レストラン事業では、カジュアルイタリアンバルをイメージした「CONA」及び特製焼売を主軸商品とした大衆酒場である「焼売のジョー」を、一都三県を中心に直営店として展開しています。老若男女、時間帯を問わず、様々なシチュエーションで利用できるブランドを目指し、「目配り」「気配り」「心配り」のサービスを徹底しています。
収益は、直営店での飲食提供から得ています。また、ライセンス部門では、「CONA」及び「焼売のジョー」のライセンス貸与、店舗デザイン、接客サービス等の店舗運営ノウハウ、食材の提供を行っています。当事業年度の売上高は前年同期比で増加しており、同社事業のもう一つの大きな柱です。

同社は本邦以外の外部顧客への売上高はなく、国内市場に特化した事業展開を行っています。

セグメント 売上高(2024年8月期) 売上高(2025年8月期)
ラーメン事業 32.9億円 40.8億円
レストラン事業 31.3億円 36.5億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


当事業年度の業績は、売上高、営業利益、経常利益がいずれも前年同期比で増加しました。一方で、当期純利益は前年同期比で減少しています。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社の財務状況を見ると、本業で得た資金を将来の成長に向けた投資に充てている段階にあることがうかがえます。財務基盤の強化と事業拡大を両立させている状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社の財務基盤は、自己資本比率が前期から大きく改善し、プライム市場の非製造業平均を上回る水準となっています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を大きく上回っており、効率的な経営が行われていることを示しています。手元資金は前期から減少していますが、事業拡大のための投資が活発に行われている状況です。

指標 2024年8月期(前期) 2025年8月期(当期)
純資産 7.7億円 19.6億円
自己資本比率 22.3% 43.0%
ROE(自己資本利益率) - 20.0%
現金及び預金等 10.1億円 5.7億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローが6.0億円の収入となり、本業で安定的に資金を生み出している状況です。主な増加要因は、税引前当期純利益、減価償却費、のれん償却額などであり、主な減少要因は法人税等の支払額となっています。

投資活動によるキャッシュフローは△7.4億円の支出となり、前期から支出が増加しています。これは主に有形固定資産の取得や敷金及び保証金の差入による支出が要因です。財務活動によるキャッシュフローは7.1億円の収入となり、前期から大幅に増加しています。これは長期借入れによる収入や株式の発行による収入が主な増加要因であり、長期借入金の返済や社債の償還による支出が主な減少要因となっています。

結果として、フリーキャッシュフローは△1.4億円の支出となり、本業で得た資金を上回る投資を行っている成長投資の段階にあることを示しています。同社は事業拡大のための積極的な投資を行っており、将来の成長に向けた基盤を構築している状況です。

項目 2024年8月期(前期) 2025年8月期(当期)
営業CF 6.7億円 6.0億円
投資CF △4.3億円 △7.4億円
財務CF 1.1億円 7.1億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 2.4億円 △1.4億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

外食産業は人口減少や高齢化、中食需要の成長に伴い、厳しい競争環境にあることが考えられます。市場環境が悪化した場合、同社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、食材の調達において、異常気象や伝染病、国際情勢の悪化などにより、食材価格の高騰や仕入れに支障が生じるリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク

直営店の出店拡大を事業の柱としており、継続的な出店拡大には優秀な人材の採用及び育成が不可欠です。労働人口の減少や給与水準の高騰が進む日本市場において、安定した人材採用ができない場合や、管理職候補者が育成できない場合、直営店の出店計画に支障をきたす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


INGSは、「『幸せ』への挑戦~関わるすべての人と共に~」という企業理念を掲げ、お客様だけでなく、従業員や株主、取引先など、同社に関わるすべての人に幸せを届けることを目指しています。現状に満足せず、常に「チャレンジし続ける(ING)こと」を経営方針としています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社は「『幸せ』への挑戦~関わるすべての人と共に~」を企業理念とし、お客様、従業員、株主、仕入先業者、プロデュース店、ライセンス店など、関わるすべての人に幸せを届けることを目指しています。経営方針として「チャレンジし続ける(ING)こと」を掲げています。

「『人』に挑戦し、『食』に挑戦し、感動と笑顔を創り続ける。」というミッションのもと、美味しい商品の追求とお客様に喜ばれるサービスや空間作りを通じて、感動と笑顔が溢れるお店作りを進めています。直営店の展開に加え、蓄積したノウハウをプロデュース店やライセンス店に提供し、多店舗展開により事業拡大と企業価値向上に努めています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


INGSは、企業理念である「『幸せ』への挑戦~関わるすべての人と共に~」に基づき、お客様、従業員、株主、取引先など、すべてのステークホルダーに幸せを届けることを重視しています。現状に満足せず「チャレンジし続ける(ING)こと」を経営方針とし、常に挑戦を続ける姿勢を大切にしています。

人材の定着と育成を重要な経営課題と位置づけ、社員の意思統一を図るとともに、四半期単位の人事評価や上長面談制度を導入し、現場のモチベーション向上を推進しています。年2回のES調査や中途社員アンケートを通じて従業員満足度の向上と組織課題の把握に努め、働きがいのある職場環境づくりに取り組んでいます。サステナビリティにおいても、ステークホルダーと共に社会課題に対峙し、持続的な成長を目指す考え方を示しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社は、持続的な成長と収益基盤強化のため、複数の課題に重点的に取り組んでいます。既存店売上の収益維持向上に向けて、品質向上や新商品・季節限定商品の開発、アプリやSNSを通じた効果的な周知に力を入れています。

衛生・品質管理の強化徹底のため、衛生マニュアルの運用・遵守、外部検査機関による検査、マネージャーによる臨店検査や覆面調査を実施しています。接客レベルの維持向上も重要な課題と捉え、お客様目線の接客を重視し、接客マニュアルの作成や評価制度を通じて高品質な接客の維持向上に努めています。

人材採用と教育強化では、新卒・中途採用に加え、アルバイト従業員からの正社員登用やリファーラル採用にも注力しています。離職率の低減を重視し、各種研修やES調査を通じて従業員満足度の維持向上と労働環境改善を図っています。また、経営管理体制の強化として、リスク把握と管理部門の体制強化、コーポレート・ガバナンスの充実を進めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


INGSは、株主総会、取締役会、監査役会を設置しており、これらの機関を通じてコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。意思決定の迅速化を図るため、経営企画会議やリスク・コンプライアンス委員会も開催されています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


INGSの株主構成を見ると、代表取締役である青柳誠希氏が間接的に100%保有する資産管理会社であるMAcompanyが筆頭株主となっています。これに青柳誠希氏個人が続き、創業家が上位を占める資本構成となっています。

株主名 持株比率
MAcompany 39.72%
青柳 誠希 19.54%
小島 直人 9.65%


なお、前事業年度末現在主要株主であった小島直人氏は、当事業年度末では主要株主ではなくなりました。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性8名・女性2名)で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役社長は青柳誠希氏が務めています。社外取締役比率は14.3%です。

氏名 役職 主な経歴
青柳 誠希 代表取締役社長 2009年3月INGS設立、代表取締役社長就任。2019年4月MAcompany設立、代表取締役就任より現職。
持木 惣 取締役レストラン事業部長 2009年4月同社入社。2019年3月同社取締役レストラン事業部長就任より現職。
塚本 一宏 取締役ラーメン事業部長 2014年6月同社入社。2019年3月同社取締役ラーメン事業部長就任より現職。
石井 丈章 取締役総務部長 2017年9月同社入社。2021年8月同社取締役総務部長就任より現職。
磯野 勇 取締役人事部長 2013年4月同社入社。2020年9月同社取締役人事部長就任より現職。
鈴木 建 取締役経営管理部長 2021年3月同社入社。2021年9月同社取締役経営管理部長就任より現職。


社外取締役は、大森彩香氏(大森法律事務所所長)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会は取締役7名(うち社外取締役1名)と監査役3名(うち社外監査役3名)で構成されています。社外取締役は弁護士としての専門的見地から法律面や経営リスク、コンプライアンスについて助言を行い、社外監査役は企業経営、会計、労務に関する豊富な知見を監査に反映しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、金銭による固定報酬のみで構成されています。取締役の個人別報酬の決定は代表取締役社長に委任されており、その決定にあたっては、社外取締役が委員長を務める任意の報酬委員会にて妥当性が確認されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 6名 89百万円 14.8百万円
社外役員 4名 15百万円 3.7百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。