【平均年収404万円】旭化学工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年8月期)

【平均年収404万円】旭化学工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年8月期)

旭化学工業は、プラスチック製品の成形加工と樹脂成形用金型の設計製作を主要事業としています。日本、中国、タイの3拠点でグローバルに事業を展開し、連結従業員数は477名です。直近の売上高は横ばいながら、利益は減少傾向にあり、当期は営業損失を計上しました。


目次

※本記事は、旭化学工業株式会社 の有価証券報告書(2025年8月期、2024年9月1日 ~ 2025年8月31日、2025年11月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


旭化学工業は、プラスチック製品の成形加工と樹脂成形用金型の設計製作を主な事業としています。同社グループは日本、中国、タイの3拠点でグローバルに事業を展開しています。

単体従業員数は156名、連結従業員数は477名です。セグメントは日本、中国、タイの3つです。

国内においては旭化学工業がプラスチック製品の成形加工および樹脂成形用金型の設計製作を一手に担い、海外2社の連結子会社を通じてグローバルに事業を展開しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


旭化学工業は、化学工業を事業とする企業です。同社グループは国内外に拠点を持ち、安定した事業基盤を築いています。従業員の平均年齢や勤続年数からは、長期的なキャリア形成が可能な環境であることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均年齢が40歳を超え、平均勤続年数も10年以上にわたっています。このことから、経験豊富な人材が長く活躍できる環境が整っており、安定したキャリアを築きやすい傾向にあることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 4,037,000円
平均勤続年数 11.2年
平均年齢 40.8歳
単体従業員数 156人
連結従業員数 477人
単体のグループ内比率 32.7%


同社グループは、確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)および確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)の退職給付制度を採用しています。
同社(提出会社)は確定拠出制度を採用しており、一部の連結子会社では退職一時金制度(非積立型の確定給付制度)を採用しています。
退職一時金制度は存在しますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社は、従業員を重要な財産と位置づけ、多様な価値観を尊重する人材戦略を掲げています。安全で働きやすい環境の確保を重視しており、従業員が働きがいを感じながら仕事に取り組めるよう努めています。

会社とともに成長できる環境を提供するため、外部研修の推奨を通じて従業員のスキルアップやキャリア形成を支援しています。人材の多様性確保と育成、社内環境整備に積極的に取り組む方針を示しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 0.0%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 59.1%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 62.0%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 82.5%

人材育成・エンゲージメント

指標 目標 実績(当連結会計年度)
管理職に占める女性労働者の割合 2030年までに5% 0.0%
男性労働者の育児休業取得率 2030年までに60% 100.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


旭化学工業は、プラスチック製品の成形加工と樹脂成形用金型の設計製作を主な事業としています。同社グループは、日本、中国、タイの3つの地域セグメントで事業を展開しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、プラスチック製品の成形加工と樹脂成形用金型の設計製作を主力事業としています。電動工具部品や自動車部品、その他のプラスチック製品の生産・販売を通じて収益を得ています。特に電動工具業界からの受注は、すべての地域で増加傾向にあります。

日本

日本セグメントでは、旭化学工業がプラスチック製品の成形加工と樹脂成形用金型の設計製作を行っています。自動車部品の受注は減少しましたが、電動工具部品の受注が増加しました。当期は研究開発施設の開設に伴う費用計上や、設備稼働による減価償却費の増加がありました。

中国

中国セグメントでは、旭日塑料制品(昆山)有限公司がプラスチック製品の成形加工と樹脂成形用金型の設計製作を担当しています。電動工具部品の受注は増加しましたが、為替の影響により売上高は減少しました。

タイ

タイセグメントでは、Asahi Plus Co.,Ltd.がプラスチック製品の成形加工と樹脂成形用金型の設計製作を行っています。電動工具部品の製品受注が増加し、売上高は大きく伸びました。

同社グループの売上高は、中国セグメントが最も大きく、次いで日本セグメント、タイセグメントが続きます。主要な顧客への売上高が全体の8割以上を占めており、特定の顧客への集中が見られます。

セグメント 売上高(2024年8月期) 売上高(2025年8月期)
中国 39.9億円 38.5億円
日本 35.9億円 36.0億円
タイ 7.6億円 9.1億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は直近2期でほぼ横ばいとなっています。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、直近3期で減少傾向にあります。特に当期は営業損失を計上しており、前期と比較して利益水準が大きく低下しています。

項目 2021年8月期 2022年8月期 2023年8月期 2024年8月期 2025年8月期
売上高 104億円 107億円 86.6億円 83.4億円 83.6億円
経常利益 7.7億円 6.6億円 2.8億円 1.8億円 1.1億円
経常利益率 7.4% 6.2% 3.2% 2.2% 1.4%
親会社株主に帰属する当期純利益 5.5億円 3.9億円 23百万円 94百万円 47百万円
1株当たり当期純利益(円) 171.18 121.24 7.35 29.98 15.07

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期からわずかに増加しています。一方で、従業員1人あたりの営業利益は、当期に営業損失を計上した影響により、前期から減少しています。これは、売上高の微増に対して、研究開発費や減価償却費の増加が影響している状況を示しています。

指標 2024年8月期 2025年8月期
従業員1人あたり売上高(連結) 17.3百万円 17.5百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.1百万円 △0.1百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


旭化学工業グループは、本業で得た資金を将来への投資に充てている状況です。財務基盤は堅固であり、積極的な投資を通じて成長を目指していることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は高く、強固な財務基盤を維持しています。これは、外部からの借入に過度に依存せず、安定した経営を続ける上で重要な要素となります。一方で、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均と比較して低い水準にあり、資本を効率的に活用して利益を生み出す点には改善の余地があることを示しています。手元資金である現金及び預金は前期から減少していますが、一定の残高を確保しており、短期的な資金繰りには問題がない状態です。

指標 2024年8月期(前期) 2025年8月期(当期)
純資産 55.3億円 52.9億円
自己資本比率 79.6% 79.2%
ROE(自己資本利益率) 1.8% 0.9%
現金及び預金 19.5億円 16.0億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは1.38億円のプラスとなりました。これは主に税金等調整前当期純利益1.17億円、減価償却費2.53億円が計上された一方で、仕入債務の減少額68百万円、法人税等の支払額83百万円が計上されたことによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは△2.84億円のマイナスとなりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が6.41億円計上された一方で、定期預金の純収入が3.21億円計上されたことによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは82百万円のプラスとなりました。これは短期借入金による収入1.20億円があった一方で、配当金の支払額37百万円があったことによるものです。

これらの結果、フリーキャッシュ・フローは△1.46億円のマイナスとなっています。本業で資金を生み出しつつも、将来に向けた設備投資などを積極的に行っている成長投資フェーズにあることがうかがえます。

項目 2024年8月期(前期) 2025年8月期(当期)
営業CF 2.96億円 1.38億円
投資CF △3.94億円 △2.84億円
財務CF △25百万円 82百万円
フリーCF(営業CF+投資CF) △98百万円 △1.46億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、プラスチック製品の成形及び加工を行っており、その販売は特定の顧客に依存しています。特定の顧客の生産及び販売の状況によっては、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、同社グループは中華人民共和国及びタイ王国において事業活動を行っており、海外売上比率は57.0%です。海外での活動は為替リスクに加え、政情不安、経済動向の不確実性、文化の相違、さらには海外送金及び輸出入などの規制変更や税制変更等様々な障害を伴う可能性があり、業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは人材を重要な財産と捉えており、規模拡大及び存続のため優秀な人材の採用と育成に注力しています。優秀な人材を確保できない場合は、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


旭化学工業は、「愛されるプラスチックメーカー」を目指し、創業以来、独自の経営理念と社是を掲げて事業活動を行っています。持続可能な社会への貢献と従業員の成長を重視する企業風土が特徴です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「愛されるプラスチックメーカー」を目指すことを経営方針としています。良い考え(合理化の追求)、良い商品(信頼性の重視)、良い職場(人間性の尊重)を社是に掲げています。

「人・物・金は企業にとって限度がある。限度あるものを最高に活かすのが事業である。」という基本理念のもと、企業活動を行っています。社会のニーズに合った製品を造り出すための研究活動に注力し、技術力を高めることで、収益力の向上と経営基盤の強化を図っています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、社是として「良い考え[合理化の追求]」「良い商品[信頼性の重視]」「良い職場[人間性の尊重]」を掲げ、これらを企業活動の根幹としています。中長期的な企業価値向上のため、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、社会課題への取り組みを推進しています。

従業員は財産であると考え、多様な価値観を尊重し、安全で働きやすい環境を確保することを重視しています。また、働きがいを感じながら仕事ができる環境を整え、会社とともに成長できるよう外部研修などを推奨しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、人件費や物流費の高騰、慢性的な人手不足といった課題に対し、一層の省力化や高効率化を含めた生産性向上に取り組んでいます。省電力設備への更新や廃棄ロスの少ない生産方法の検討、最新設備の導入も視野に入れています。

プラスチック製品を生産する企業として、廃棄するプラスチックの削減や再利用にも力を入れており、将来的には廃棄を限りなくゼロに近づけることを目指しています。廃棄予定の材料を使った建築資材などの開発研究も進めています。さらに、研究施設である植物工場を量産化し、安心安全な食材提供に取り組むことも今後の重点テーマです。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


旭化学工業は、取締役会と監査等委員会を設置している企業です。取締役会は業務の意思決定と執行、そして取締役の職務執行に対する監督機能を果たしています。監査等委員会は取締役会の議決権を保有し、監視・監査機能の強化を通じてコーポレート・ガバナンスの充実を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


旭化学工業は、創業家が筆頭株主として名を連ね、安定した基盤を持つ企業です。また、取引先持株会も上位株主として経営を支えており、関係者との連携を重視する資本構成となっています。

株主名 持株比率
杉浦 武 14.27%
杉浦 求 9.47%
旭化学工業取引先持株会 7.11%
三幸商会 4.85%
岡崎信用金庫 3.52%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は杉浦 武氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
杉浦 武 取締役社長 (代表取締役) 1991年4月同社入社、1997年11月取締役就任、2001年12月旭日塑料制品(昆山)有限公司董事長就任、2010年11月同社代表取締役社長就任より現職。
岡野 篤 常務取締役 営業本部長 1986年3月同社入社、2002年11月取締役就任、2014年11月常務取締役就任、2016年6月同社常務取締役営業本部長就任より現職。
手島 淳 取締役 1987年3月同社入社、2015年11月取締役就任、2019年4月旭日塑料制品(昆山)有限公司総経理就任より現職。


社外取締役は、本田信行氏(岡崎信用金庫人事部担当課長・常勤監査等委員)、小島正志氏(小島正志税理士事務所所長・監査等委員)、異相武大氏(異相・村瀬法律事務所所長・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役が取締役会の議決権を保有することで、監視・監査機能の強化を図っています。監査等委員は全員が社外取締役で構成されています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


旭化学工業の役員報酬は、取締役(監査等委員である取締役を除く)に対しては固定報酬である基本報酬と役員賞与で構成されています。一方、監査等委員である取締役の報酬は、固定報酬である基本報酬のみで構成される体系となっています。報酬水準は、各取締役の役位や同社の業績などを考慮して決定されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 3名 53百万円 17.7百万円
社外役員 4名 6百万円 1.5百万円


なお、報酬等の額には、当事業年度における役員賞与引当金の繰入額5,000千円と役員退職慰労引当金の繰入額3,120千円が含まれています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。