※本記事は、株式会社リップス の有価証券報告書(2025年8月期、2024年9月1日 ~ 2025年8月31日、2025年11月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
リップスは、メンズコスメの企画・販売を行う商品事業と、ヘアサロンのフランチャイズ運営を行うサロンフランチャイズ事業を展開しています。メンズヘアサロン「LIPPS hair」での知見を活かし、商品開発とフランチャイズ展開を進めています。
単体従業員数は48名です。セグメントは商品事業、サロンフランチャイズ事業の2つです。
リップスはファブレスメーカーとして化粧品の企画・販売を行い、卸売業者やEC通販サイトを通じて商品を展開しています。サロンフランチャイズ事業では、直営店舗を持たずフランチャイザーとして経営指導や技術指導を提供しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社リップスは、人材の確保と育成を経営における重要な資源と位置づけ、多様な働き方を支援する環境整備を進めています。有給休暇の時間単位取得や在宅勤務制度、育児介護休暇の有給化などを導入し、従業員が働きやすい環境づくりに注力している点が特徴です。また、新たな事業機会の創出にも積極的に取り組む姿勢が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均年齢が30代半ばであり、比較的若い世代の従業員が中心となって活躍している傾向が見られます。平均勤続年数は2年程度となっており、人材の流動性がある環境であると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,965,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.1年 |
| 平均年齢 | 33.8歳 |
| 単体従業員数 | 48人 |
| 連結従業員数 | - |
| 単体のグループ内比率 | - |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
株式会社リップスは、人材の確保と育成を経営における重要な資源と位置づけています。持続的な企業価値向上のため、環境への配慮と持続可能な社会の実現に向けた活動にも積極的です。
現時点では戦略的な育成・教育の仕組みは整備途上にあるものの、多様な人材が活躍できる環境づくりに注力しています。具体的には、有給休暇の時間単位取得制度、利用制限付き在宅勤務制度、育児介護休暇の有給化などを導入し、柔軟な働き方を支援しています。
また、全社員向けのコンプライアンス研修やセキュリティ研修に加え、役職別・目的別のスキルアップ研修を実施し、従業員の能力向上を図っています。社長室の新設により、新たな事業やマネタイズ機会への投資検討体制も構築しており、事業成長と人材育成を両輪で進める方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
同社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
リップスは、メンズコスメの企画・販売を行う商品事業と、ヘアサロンのフランチャイズ運営を行うサロンフランチャイズ事業を展開しています。美容感度の高い若年層の男性をターゲットに、商品開発からサロン運営まで一貫したブランド戦略を強みとしています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
リップスは、「LIPPS」ブランドとしてメンズコスメの企画・販売を行う商品事業と、ヘアサロンのフランチャイズ運営を行うサロンフランチャイズ事業の二つの事業を展開しています。同社の事業は、美容感度の高い若年層の男性をメインターゲットとしています。商品事業では、メンズヘアサロンで得られた日常的な課題やニーズを発想の起点とし、スタイリストの意見や評価を取り入れた商品開発が特徴です。ヘアワックスなどのスタイリング剤やシャンプー等のヘアケア商品が主力であり、男性向けスキンケア・メイクアップ商品シリーズ「LIPPS BOY」も展開し、トレンドを発信しています。同社はファブレスメーカーとして、製造は外部委託し、卸売業者を通じた小売店、美容室、EC通販サイトを通じて商品を販売しています。
サロンフランチャイズ事業は、ヘアサロン「LIPPS hair」のフランチャイズ本部事業です。同社は直営店舗を持たず、スタイリストとのフランチャイズ契約を通じて店舗展開を行っています。加盟店に対する経営指導や店舗運営支援、美容師への技術指導の対価としてロイヤリティなどを収受する収益モデルです。海外への売上高はなく、為替リスクは発生していません。
商品事業
商品事業は、メンズコスメの企画・販売を担っています。メンズヘアサロンでの日常的な課題やニーズを発想の起点とし、スタイリストの意見を取り入れた商品開発が特徴です。主力商品はヘアワックスなどのスタイリング剤とシャンプー等のヘアケア商品であり、男性向けスキンケア・メイクアップ商品シリーズ「LIPPS BOY」も展開しています。収益は、卸売業者を通じたドラッグストアなどの小売店への販売、美容室への販売、EC通販サイトを通じた一般消費者への販売から得ています。運営は、リップスが行っています。
サロンフランチャイズ事業
サロンフランチャイズ事業は、ヘアサロン「LIPPS hair」のフランチャイズ運営を行っています。同社は直営店舗を持たず、フランチャイザーとして加盟店に対する経営指導や店舗運営支援、美容師への技術指導を提供しています。収益は、これらの指導や支援の対価としてロイヤリティなどを収受することから得ています。運営は、リップスが行っています。
| セグメント | 売上高(2024年8月期) | 売上高(2025年8月期) |
|---|---|---|
| 商品事業 | 33.1億円 | 39.7億円 |
| サロンフランチャイズ事業 | 4.5億円 | 4.4億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
株式会社リップスは、本業で安定した資金を創出しながら、将来に向けた投資も継続している状況です。財務基盤は堅固であり、手元資金も厚く、安定した経営状態を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
株式会社リップスの財務基盤は、自己資本比率が高く、手元資金も潤沢に確保されている状況です。非製造業のプライム市場平均と比較しても、自己資本比率は高い水準にあります。また、ROE(自己資本利益率)も高い水準を示しており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。
| 指標 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 86.8% | 88.8% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 20.3% |
| 現金及び預金 | 18.6億円 | 26.5億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
株式会社リップスの当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益や減価償却費の計上により資金が増加しました。一方で、売上債権や棚卸資産の増加、未払金の減少、法人税等の支払により資金が減少しています。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産や無形固定資産の取得による支出があり、資金を使用しています。財務活動によるキャッシュ・フローは、新規上場に伴う株式の発行による収入があり、資金を獲得しています。
これらの結果、当事業年度のフリーキャッシュ・フローはプラスとなっており、本業で得た資金が投資活動による支出を上回っています。これは、事業活動で安定的に資金を創出し、将来に向けた投資も行いつつ、手元資金を積み増している状況を示しています。
| 項目 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △0.2億円 | 6.8億円 |
| 投資CF | △0.9億円 | △0.1億円 |
| 財務CF | 0億円 | 1.2億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △1.2億円 | 6.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、スタイリング剤を含むヘアケア商品、男性向けスキンケア・メイクアップ商品などの企画・開発・販売を行っており、主要商品であるヘアワックスが商品売上高の半数以上を占めています。消費者嗜好の変化やブランド力の低下、主力商品の市場縮小があった場合には、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
また、同社の主要商品であるヘアワックスシリーズのほとんどをエフシー中央薬理研究所株式会社が製造しており、特定の取引先への依存度が高い状況です。同社との取引に支障を来す要因が発生した場合には、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、当事業年度末時点で従業員48名の小規模な組織で運営されており、従業員一人ひとりの活躍が成長を支えています。労働人口の減少や人件費の高騰などによって、必要とする優秀な人材の確保ができなかった場合、または人材が大量に社外流出した場合には、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
リップスは、メンズビューティのトップランナーとして、お客様一人ひとりの「カッコいい」を追求し、内面から輝く生き方を後押しする企業です。多様な価値観を尊重し、自由で幸福な生き方を肯定する文化を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「LIPPS philosophy」を企業理念として掲げています。メンズビューティのトップランナーとして、独自のスタイリングを提案し、トレンドを創り出してきました。
同社のミッションは、磨き上げた技術と感性で、すべての人の「カッコいい」を後押しすることです。
「Boys,Be Beautiful!」というメッセージには、年齢や性別を問わず、ありのままの自分を楽しみ、センス良く、自由に、幸福に生きることを肯定する想いが込められています。今後もメンズビューティーのスタンダードブランド「LIPPS」として、多様な価値観やスタイルを提供し続け、成長していくことを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
リップスは、企業理念である「Boys,Be Beautiful!」の想いをあらゆる企業活動に貫くことを大切にしています。互いを認め合う世界の「Beautiful!」な流れとともに、事業を展開していく方針です。
企業活動において人材の確保と育成を重要な経営資源と考えており、多様な人材が活躍できる環境整備を進める方針を示しています。
ガバナンスの周知徹底のため、社外役員の確保による透明性、客観性、公平性の強化を図っています。また、内部通報制度の設置によるコンプライアンスの強化も行っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
リップスは、優秀な人材の確保と教育を企業成長の重要な要素と位置付けています。事業拡大に伴う組織体制の強化と、離職率増加のリスクに対処するため、従業員エンゲージメントを考慮したインナーブランディング、福利厚生、インセンティブ制度の設計に取り組んでいます。
サロンフランチャイズ事業では、人材の流動化や離職率の高止まりが課題です。同社はフランチャイザーとして、離職率低下に向けた経営助言やスタイリストの技能習得支援を強化しています。
美容師のキャリアパス変容に対応し、将来のヘアサロン業態のあり方を模索することも中期的な課題としています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
リップスは監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会を設置しています。取締役会は社外取締役を含む構成で、経営上の重要事項の意思決定と業務執行の監督を行っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
リップスの筆頭株主は、代表取締役である的場隆光氏の資産管理会社であるAkeruです。的場隆光氏個人も上位株主として名を連ねており、創業家が関連会社を通じて上位に並ぶ資本構成となっています。これにより、創業家が同社の経営に強い影響力を持っていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| Akeru | 41.18% |
| 的場 隆光 | 8.75% |
| SBI証券 | 8.28% |
なお、前事業年度末において主要株主であった野村キャピタル・パートナーズ第一号投資事業有限責任組合は、当事業年度末では主要株主ではなくなっています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は的場隆光氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 的場 隆光 | 代表取締役社長 | 2000年5月株式会社リップス設立、代表取締役就任。2008年4月同社設立、代表取締役社長に就任。2019年6月株式会社リップススタイル設立、代表取締役就任。2022年1月株式会社Akeru設立、代表取締役就任より現職。 |
| 長島 幹孟 | 取締役商品事業部長 | 2011年6月カタセ株式会社入社。2016年4月同社入社。2020年4月同社商品事業部長を経て、2020年6月同社取締役商品事業部長に就任より現職。 |
| 上原 大輔 | 取締役経営管理部長 | 2001年8月同風会法律事務所入所。M&Aキャピタルパートナーズ株式会社取締役企画管理部長、株式会社レコフ取締役などを経て、2021年9月同社取締役経営管理部長に就任より現職。 |
社外取締役は、西澤民夫氏(日本エスアンドティー代表取締役社長)、藤田明久氏(MIXI社外取締役)です。
同社は監査役会設置会社です。社外取締役は独立した立場と経験に基づき、取締役会の意思決定の妥当性・適正性を確保するための助言や提言を行い、業務執行を監督しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
リップスの役員報酬は固定報酬を基本としており、無償ストック・オプション以外の業績連動報酬は採用していません。報酬額の決定は、株主総会で承認された限度額の範囲内で取締役会にて行われています。今後は社外役員が過半数を占める任意の報酬委員会を設置し、報酬の決定プロセスをさらに強化していく方針です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 99百万円 | 24.9百万円 |
| 社外取締役 | 2名 | 7百万円 | 3.5百万円 |
| 社外監査役 | 3名 | 11百万円 | 3.6百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、社外取締役の員数には期中で辞任した無報酬の社外取締役2名を除いています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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