※本記事は、プリモグローバルホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2025年8月期、2024年9月1日 ~ 2025年8月31日、2025年11月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。
1. 企業概要:どんな会社?
プリモグローバルホールディングスは純粋持株会社であり、単体従業員数は3名、グループ連結従業員数は1,082名です。
同社グループは、ブライダルジュエリーの販売と仕入を主軸とする事業を展開しています。お客様の「おもい」に寄り添い、一生の記念を「かたち」にすることを事業の柱としています。連結子会社6社、持分法適用会社1社を含む計8社で構成されています。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)(ブライダルジュエリー販売事業)、(持分法適用関連会社)(同)などです。
プリモグローバルホールディングスは、2025年6月24日に東京証券取引所スタンダード市場に株式を上場しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
プリモグローバルホールディングスは、ブライダルジュエリー事業を展開する同社グループの持株会社として、グループ全体の経営戦略と人材マネジメントを担っています。従業員の長期的な活躍を重視し、多様な働き方を支援する環境整備に力を入れていることがうかがえます。特に女性従業員の活躍推進や育児支援に積極的に取り組む姿勢が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の平均年齢が比較的高く、平均勤続年数も長いため、安定して長く働き続けることができる環境が整っていると考えられます。経験豊富な人材が多数在籍し、培われたノウハウが組織に蓄積されている傾向が見られます。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,219,000円 |
| 平均勤続年数 | 21年11ヶ月 |
| 平均年齢 | 48.0歳 |
| 単体従業員数 | 3人 |
| 連結従業員数 | 1,082人 |
| 単体のグループ内比率 | 0.3% |
同社グループは、退職給付制度として確定拠出制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を採用しています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「最高(プリモ)の夢(おもい)を最高(プリモ)の幸(かたち)に」という企業理念のもと、環境・社会・ガバナンス(ESG)を経営の中心に据え、長期的な視点で事業活動を推進する人材戦略を掲げています。特に「働き手の幸福」をマテリアリティの一つとし、従業員の長期育成と活躍を重視しています。
人財育成においては、新卒・中途採用を問わず、入社後10年間にわたる独自の教育プログラム「プリモカレッジ」を通じて、「マインド」「ナレッジ」「スキル」の3つの柱で人間力を養うことに注力しています。経験に応じたコア・コンピテンシーを明確にし、チームワークを重視した公正・公平な評価制度により、協調性を育む方針です。
また、多様性を尊重するダイバーシティ経営を推進しており、海外事業の拡大に伴う国内外の人財交流を積極的に行っています。社内環境整備では、LGBTQ+に関する取り組みを進め、ガイドラインの更新や全社員への研修導入、配偶者の定義変更などにより、差別や偏見のない職場環境づくりに努め、「PRIDE指標」で4年連続ゴールドを受賞しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは開示されていません。
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ プリモ・ジャパン㈱
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性従業員の割合 | 50.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 33.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 63.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規労働者) | 63.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち非正規労働者) | 58.7% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
プリモグローバルホールディングスは、ブライダルジュエリーの販売と仕入れを主軸とする持株会社です。国内外で複数のブランドを展開し、お客様の人生の節目を彩る商品とサービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、ブライダルジュエリーに特化した事業を展開しており、お客様の「おもい」に寄り添い、一生の記念として「かたち」にすることを事業の柱としています。婚約指輪や結婚指輪といった高額な商品を、店舗での丁寧な接客を通じて販売しています。収益モデルの特徴としては、ブライダルジュエリー専門店としての豊富なデザインと幅広い価格帯の商品提供、そして従業員の育成に注力したパーソナルサポートが挙げられます。
また、同社グループの「I-PRIMO」と「LAZARE DIAMOND」では、お客様の要望を丁寧にヒアリングし、ダイヤモンドのグレードや刻印の有無などを反映させる「セレクトオーダー」形式で販売しています。これにより、完成品在庫を極力持たないビジネスモデルを構築し、在庫回転率の維持・向上を図っています。商品の販売とアフターメンテナンスの提供が収益源となっています。
同社グループの事業は「国内事業」と「海外事業」の2つのセグメントに区分されています。海外事業は売上収益において同社グループ全体の約37.3%を占めており、一定の比率を占めています。特定の主要顧客への売上収益の集中は見られません。
国内事業
国内事業では、ブライダルジュエリーの販売と仕入れを行っています。I-PRIMO事業のリブランディングやスタッフの接客スキル向上への取り組みが奏功し、業績は伸長しています。収益は、婚約指輪や結婚指輪などの商品販売とアフターメンテナンスの提供から得ています。運営は、プリモ・ジャパンが行っています。
海外事業
海外事業では、中華圏(中国本土、台湾、香港)及びシンガポールにおいてブライダルジュエリーの販売と仕入れを行っています。日本で培ったブランド、商品、サービスを活かしつつ、各市場のニーズに応じた商品ラインナップやマーケティング戦略を実行しています。K.UNO事業やSTAR JEWELRY事業といったマルチブランド展開も進めています。収益は、各地域での商品販売とアフターメンテナンスの提供から得ています。運営は、海外子会社4社が行っています。
| セグメント | 売上収益(2024年8月期) | 売上収益(2025年8月期) | セグメント利益(2024年8月期) | セグメント利益(2025年8月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 国内事業 | 153億円 | 175億円 | 18.1億円 | 24.9億円 | 14.2% |
| 海外事業 | 96.0億円 | 105億円 | 4.4億円 | 6.4億円 | 6.1% |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5期間にわたり売上収益、営業利益、税引前当期利益、親会社の所有者に帰属する当期利益のいずれも堅調な増加傾向を示しています。特に直近の連結会計年度では、売上収益、営業利益、親会社の所有者に帰属する当期利益が前期に比べて大きく伸長しました。
| 項目 | 2021年8月期 | 2022年8月期 | 2023年8月期 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | - | - | 235億円 | 249億円 | 280億円 |
| 税引前利益 | - | - | 8.4億円 | 17.1億円 | 27.3億円 |
| 税引前利益率 | - | - | 3.6% | 6.9% | 9.8% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | - | - | 8.8億円 | 11.5億円 | 17.9億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | 100.41 | 131.55 | 204.25 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上収益は前期から増加し、生産性が向上している傾向が見られます。従業員1人あたりの営業利益も同様に伸長しており、組織全体の効率化が進んでいることがうかがえます。これらの指標は、同社グループが従業員一人ひとりの貢献を通じて収益力を高めていることを示しています。
| 指標 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上収益(連結) | 22.8百万円 | 25.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.1百万円 | 2.9百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、安定した財務基盤を構築しており、本業で得た資金を元手に事業を成長させています。これにより、安心して働ける環境が整っていることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率はプライム市場の非製造業平均を上回る水準であり、強固な財務基盤を示しています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回っており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。手元資金も増加傾向にあり、事業の安定性や将来の成長に向けた余力を示しています。
| 指標 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本 | 157億円 | 181億円 |
| 自己資本比率 | 34.6% | 39.2% |
| ROE(自己資本利益率) | 7.3% | 10.6% |
| 現金及び現金同等物 | 32.0億円 | 37.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが47.1億円の増加となりました。これは主に税引前当期利益の増加や減価償却費及び償却費の計上によるものです。投資活動によるキャッシュフローは2.2億円の減少となり、有形固定資産や無形資産の取得による支出があった一方で、敷金及び保証金の回収による収入もありました。財務活動によるキャッシュフローは40.0億円の減少となり、長期借入金の返済やリース負債の返済が主な要因です。結果として、営業活動で得た資金が投資活動を上回り、フリーキャッシュフローは44.8億円のプラスとなっています。この状況は、同社グループが本業で安定的に資金を生み出し、財務的な健全性を保ちながら事業を運営していることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる要素です。
| 項目 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 42.4億円 | 47.1億円 |
| 投資CF | △2.6億円 | △2.2億円 |
| 財務CF | △34.2億円 | △40.0億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 39.8億円 | 44.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、日本国内の少子化による結婚適齢期人口の減少が市場規模の縮小要因となるリスクを認識しています。海外事業を積極的に展開しており、諸外国の政治・経済情勢の悪化や市場動向への対応不足が業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、少子化の進行を背景とした人財不足や、人財獲得競争の激化が経営課題であると認識しています。求める能力を持つ人財が十分に確保できない場合、事業活動に影響が生じる可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
プリモグローバルホールディングスは、「最高(プリモ)の夢(おもい)を最高(プリモ)の幸(かたち)に」という企業理念を掲げ、お客様の幸せを形にすることを目指しています。持続可能な社会の実現と企業価値の向上を両立させながら、喜びの瞬間を永遠の記憶に変えることを使命としています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
プリモグローバルホールディングスは、「最高(プリモ)の夢(おもい)を最高(プリモ)の幸(かたち)に」という企業理念を掲げています。これは、お客様一人ひとりの夢や想いを最高の形で実現し、喜びの瞬間を永遠の記憶に変えることを目指すものです。
同社グループは、一組でも多くのお客様の幸せを支援するため、ブライダルジュエリー専門店としてグローバル展開を進めています。国内競合企業に先行してグローバルブランドとしての地位を確立し、さらなる成長を実現することを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
プリモグローバルホールディングスは、お客様一人ひとりの気持ちに寄り添うきめ細やかな接客サービスを通じて、オンリーワンの商品を提供することを重視しています。お客様に「一生の記念となるお買い物」を提供するため、「接客力=人財」を最も重要な要素と捉えています。
同社グループは、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を両立させることを使命とし、ESG(環境・社会・ガバナンス)を経営の中心に据えています。多様性と公平性、包括性を尊重し、すべての人々にとって公平で安全な社会の実現を目指すとともに、健全で透明性の高い経営を推進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
プリモグローバルホールディングスは、国内事業の安定成長に向けた課題として、マーケティング活動のさらなる進化に取り組んでいます。具体的には、お客様の多様なニーズに応えられる専門的知見を持つ社員を組織化し、接客サービスの向上とお客様満足度の数値管理を継続しています。
また、グローバルビジネスの加速と進化のため、有能な人財を全体最適の視点で採用・育成し、グローバルに配置する方針です。人財育成と組織力の強化を重点テーマとし、社員一人ひとりの業務生産性を向上させ、強固な組織体制の実現を目指しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
プリモグローバルホールディングスは監査等委員会設置会社であり、取締役会を通じて経営の健全性、効率性及び透明性の確保に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
プリモグローバルホールディングスの筆頭株主はプリモ・インテグラル2投資事業有限責任組合です。上位株主には複数の投資事業有限責任組合が名を連ねており、同社グループの資本構成はこれらの投資組合によって支えられている特徴があります。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| プリモ・インテグラル2投資事業有限責任組合 | 18.90% |
| Innovation Alpha Primo L.P. | 2.99% |
| プリモ・インテグラル1投資事業有限責任組合 | 2.96% |
| BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG (FE-AC) | 2.59% |
| ヨシダ トモヒロ | 2.59% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性4名・女性2名)で構成され、女性役員比率は33.3%です。代表取締役社長は澤野直樹氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 澤野 直樹 | 代表取締役社長 | 1995年11月 ㈱ダイヤモンドシライシ(現 ㈱NEW ART HOLDINGS)入社、1998年6月 同社 取締役営業本部 ゼネラルマネージャー、2000年10月 ㈲エストラスト開発 代表取締役社長、2004年6月 プリモ・ジャパン㈱ 代表取締役社長、2021年1月 同社 代表取締役社長より現職。 |
| 藤江 秀一 | 取締役 | 2001年4月 プリモ・ジャパン㈱入社、2009年12月 同社 取締役、2015年11月 Primo Diamond Shanghai Trading Co.,LTD. 董事総経理、2021年1月 同社 取締役より現職。 |
社外取締役は、山崎壯氏(インテグラル パートナー)、伊藤章子氏(伊藤章子公認会計士事務所 代表・指名・報酬委員会委員長)、中西純子氏(オリックス銀行 執行役員・指名・報酬委員会委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役3名のうち2名が監査等委員を務め、経営監視機能の強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
プリモグローバルホールディングスでは、取締役の報酬は株主総会で決議された限度額内で、世間水準や業績、従業員給与とのバランス、個々の職務成果や同社グループへの貢献を考慮して決定されています。
2025年1月には指名・報酬委員会が設置され、2026年8月期からは業績連動報酬制度が導入される予定です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 2名 | 59百万円 | 29.5百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 8百万円 | 8.0百万円 |
| 社外役員 | 2名 | 6百万円 | 3.0百万円 |
なお、取締役(監査等委員及び社外取締役を除く。)の報酬等の総額には連結子会社からの役員報酬が含まれています。また、報酬の支給対象となった役員の員数は、無報酬の取締役1名を除いた人数となっています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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