大森屋 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

大森屋 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

同社は東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、海苔を中心とした食品製造販売事業を主な内容として事業活動を展開しています。当期の連結業績は、売上高が前期比で増加(増収)したものの、経常損益および親会社株主に帰属する当期純損益は赤字に転落(減益)しました。


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"business_description": {
"raw_text": "3 【事業の内容】\n当社グループは、当社及び連結子会社(大森屋(上海)貿易有限公司)の計2社で構成され、海苔を中心とした食料品全般にわたる「食品製造販売事業」を主な内容として事業活動を展開しております。\n当社グループの事業における当社及び連結子会社の位置付けは、次のとおりであります。\n当社は、主に国内において、家庭用海苔、進物品、ふりかけ等、業務用海苔製品の製造及び販売を営んでおります。\n連結子会社の大森屋(上海)貿易有限公司は、主に中国において、家庭用海苔、ふりかけ等、業務用海苔の販売を営んでおります。"
},
"business_risks": {
"risk_categories_found": [
"3 【事業等のリスク】",
"海外事業におけるリスク"
]
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"cf": {
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"operating": {
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"employees_salary": {
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"average_salary": 5875000,
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"scope": "NonConsolidated",
"unit": "JPY"
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"executives": {
"details": [
{
"career_summary": "1988年4月㈱松坂屋(現 ㈱大丸松坂屋百貨店)入社1993年5月当社入社2000年4月営業本部部長2001年12月取締役就任 営業本部部長2002年12月東京支店長2005年4月営業本部副本部長兼東京支店長2005年10月常務取締役就任 社長室長兼営業企画部長2010年10月管理本部長兼営業企画部長2013年3月大森屋(上海)貿易有限公司董事長就任(現)2017年6月代表取締役社長就任(現)",
"date_of_birth": "1964-07-29",
"name": "稲 野 達 郎",
"position": "取締役社長代表取締役"
},
{
"career_summary": "1996年4月当社入社2002年12月特販部長2004年12月取締役就任 特販部長2005年4月製造本部長兼特販部長2010年10月製造本部長(現)兼特販本部長2013年3月大森屋(上海)貿易有限公司董事就任(現)2014年12月常務取締役就任2017年6月専務取締役就任2018年12月代表取締役副社長就任(現)",
"date_of_birth": "1972-05-13",
"name": "稲 野 貴 之",
"position": "取締役副社長代表取締役製造本部長"
},
{
"career_summary": "1990年2月ダイオー㈱入社1996年6月当社入社2009年6月特販部長2014年12月取締役就任 特販本部特販部長2018年10月営業本部長2018年12月常務取締役就任(現)2023年10月営業本部管掌(現)",
"date_of_birth": "1961-12-30",
"name": "大 當 敏 仁",
"position": "常務取締役営業本部管掌"
},
{
"career_summary": "1988年3月当社入社1996年7月情報システム室長2017年4月総務部長2021年10月執行役員総務部長2021年12月取締役就任 管理本部長兼総務部長(現)",
"date_of_birth": "1965-04-06",
"name": "河 田 信 光",
"position": "取締役管理本部長"
},
{
"career_summary": "1987年3月当社入社2017年10月大阪支店長2018年10月執行役員営業本部副本部長西日本統括兼大阪支店長2022年12月取締役就任 営業本部副本部長西日本統括兼大阪支店長2023年10月取締役営業本部長西日本統括兼大阪支店長(現)",
"date_of_birth": "1965-03-02",
"name": "日 置 純 司",
"position": "取締役営業本部長"
},
{
"career_summary": "2011年12月大阪弁護士会登録2011年12月叶法律事務所入所(現)2015年12月取締役就任(現)",
"date_of_birth": "1980-10-11",
"name": "叶   裕 一",
"position": "取締役"
},
{
"career_summary": "2008年4月金城学院大学生活環境学部教授2013年4月武庫川女子大学生活環境学部教授(現)2019年12月取締役就任(現)",
"date_of_birth": "1957-05-17",
"name": "岡 井  紀 代 香",
"position": "取締役"
},
{
"career_summary": "1979年4月三金工業㈱入社1991年2月当社入社2003年12月経理部長2017年12月取締役就任 経理部長2019年10月管理本部長兼経理部長2021年12月取締役退任2021年12月監査役就任(現)",
"date_of_birth": "1955-11-10",
"name": "中 田   勝",
"position": "監査役常勤"
},
{
"career_summary": "1980年3月当社入社2014年4月東京支店長2017年12月取締役就任 東京支店長2018年10月営業本部副本部長兼東京支店長2020年10月営業本部副本部長東日本統括2022年12月取締役退任2023年12月監査役就任(現)",
"date_of_birth": "1957-10-17",
"name": "寺 川 正 敏",
"position": "監査役"
},
{
"career_summary": "1981年1月税理士登録(近畿税理士会)1982年10月北村会計事務所設立(現)2005年12月監査役就任(現)",
"date_of_birth": "1952-09-02",
"name": "北 村 英 嗣",
"position": "監査役"
},
{
"career_summary": "2000年3月税理士登録(近畿税理士会)野口均税理士事務所設立(現)2022年1月㈱ライジングコーポレーション監査役2022年12月監査役就任(現)",
"date_of_birth": "1961-06-23",
"name": "野 口   均",
"position": "監査役"
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"officers_composition": {
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"name": "稲 野 達 郎",
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{
"address": "兵庫県芦屋市",
"name": "稲 野 貴 之",
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"management_policy": {
"raw_text": "1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】\n(1)経営方針\n当社グループは、創業以来、生活の根幹となる食の分野において、皆様に愛される製品づくりに努めてまいりました。「消費者的視点に立った経営」を企業理念として、時代が求める優れた製品づくりを目指しております。日本の食文化の素晴らしさを尊び、その新しい価値の創造を提案の柱とすることを基本方針としております。\nまた、社是でもある「社会的存在価値ある企業」として当社グループが社会に貢献するためには、SDGsへの取り組みも重要なテーマと考えております。当社グループは事業活動を通じて、「大森屋にできることから始める」をコンセプトと位置づけし、社会貢献・環境・働きがいを中心にした取り組みを行っております。この取り組みを通じて「つくるひとが楽しい、食べるひとがうれしい」社会が実現し継続し続けられるように貢献してまいります。\n(2)経営環境\n当社グループは、日本古来の食材である海苔を主原料とした食品を中心に、ふりかけ製品やお茶漬け海苔、即席スープなどの加工食品を製造販売しております。主原料である海苔は、気候変動の影響や生産漁家の減少等から国内での収穫量は減少傾向にあり、仕入価格が収穫量等の要因によって変動するリスクが顕在化しております。当連結会計年度においては収穫量は前年より増加しましたが仕入価格も前年度より上昇しました。食品業界を取り巻く環境は、加速する少子高齢化時代を迎え、先行き非常に厳しい状況にあります。\n当社グループを取り巻く市場環境は、賃上げによる消費者の購買意欲の上昇が見られるものの、商品価格の相次ぐ値上げの不安感から生活防衛意識が高まり、依然として節約志向、低価格志向が続いております。\n(3)事業上及び財務上の対処すべき課題\nこのような状況の中、当社グループといたしましては、安全・安心な製品の安定供給に努めるとともに、生産活動の効率化やコスト削減を強力に推し進め、新製品の開発に注力し、売上目標・利益目標の達成と経営効率の向上に向けての努力を続けてまいります。今後とも「消費者的視点にたった経営」を経営理念として、優れた価値ある製品を提供し、どのような環境の変化にも対応できる販売競争力のある強固な企業体質の確立と経営効率の向上を図ってまいります。\n施策といたしましては、前年度に引き続き以下の5点を掲げております。\n① 多様化、個性化する消費者の支持を得られる新製品の開発を強力に推進していくこと。\n② 新販路、新しいマーケットの更なる開拓強化を推し進めていくこと。\n③ 2000年に全工場・全製造品目で「ISO9002」の認証を取得、2003年に「ISO9001:2000年版」の認証を取得、2009年には「ISO9001:2008年版」の認証を取得いたしましたが、今後も更に製品の安全性、品質の安定性、顧客への安心感を高めていくこと。\n④ 生産性の向上と全社的経費削減を継続して実行していくこと。\n⑤ 中国をはじめとする海外マーケットを開拓すること。\n以上を積極的に取り組み、強固な企業体質の確立と業績の向上に邁進してまいる所存であります。\n(4)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等\n当社グループは、株主資本の効率的運用及び収益性の追求の観点から、自己資本利益率(ROE)を重要な経営指標ととらえ、その向上を目指して経営に取り組んでおります。\n当連結会計年度におけるROEは、△0.6%と前年同期比2.2ポイント減少し,当初の目標としておりました1.5%を下回る結果となりました。これは、価格改定と経費削減を行いましたが、原料海苔価格と資材価格が上昇したことにより、利益額が予想額を下回ったことによります。引き続きこの指標について改善されるよう取り組んでまいります。\nなお、次期(2026年9月期)の連結業績見通しにつきましては、売上高18,000百万円、営業利益371百万円、経常利益321百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は196百万円を見込んでおります。\n文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。"
},
"meta": {
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"performance_trends": {
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"current": {},
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"sga_breakdown": {
"raw_text": "※2 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は、次のとおりであります。\n前連結会計年度\n(自\n2023年10月1日\n至\n2024年9月30日\n)\n当連結会計年度\n(自\n2024年10月1日\n至\n2025年9月30日\n)\n販売促進費\n36,126\n千円\n47,207\n千円\n給料手当\n576,212\n千円\n617,711\n千円\n賞与引当金繰入額\n65,573\n千円\n65,860\n千円\n運賃\n440,538\n千円\n440,957\n千円\n広告宣伝費\n95,365\n千円\n111,282\n千円\n退職給付費用\n23,294\n千円\n20,485\n千円"
}
}

大森屋転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態


※本記事は、株式会社大森屋 の有価証券報告書(第72期、自 2024年10月1日 至 2025年9月30日、2025年12月22日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. 大森屋ってどんな会社?


海苔を中心とした食品メーカーです。家庭用から業務用まで幅広く展開し、ふりかけやお茶漬けも扱っています。

(1) 会社概要


1955年に大阪市福島区で設立され、加工海苔の製造販売を開始しました。2004年にジャスダック証券取引所へ上場し、2013年には中国での販路開拓のため上海に子会社を設立しました。2022年の市場区分見直しにより東京証券取引所スタンダード市場へ移行し、2025年には福岡工場隣接地での新工場建設を発表しています。

連結従業員数は152名(単体149名)です。筆頭株主は大森屋共栄持株会で、第2位は代表取締役社長の稲野達郎氏、第3位は代表取締役副社長の稲野貴之氏となっており、経営陣が上位株主として名を連ねています。

氏名 持株比率
大森屋共栄持株会 8.95%
稲野達郎 6.21%
稲野貴之 5.75%

(2) 経営陣


同社の役員は男性10名、女性1名の計11名で構成され、女性役員比率は9.1%です。代表取締役社長は稲野達郎氏です。社外取締役比率は28.6%です。

氏名 役職 主な経歴
稲野達郎 取締役社長代表取締役 1988年松坂屋入社。1993年同社入社。営業本部副本部長、常務取締役社長室長兼営業企画部長、管理本部長などを経て2017年6月より現職。
稲野貴之 取締役副社長代表取締役製造本部長 1996年同社入社。特販部長、製造本部長、専務取締役などを歴任し、2018年12月より現職。
大當敏仁 常務取締役営業本部管掌 1990年ダイオー入社。1996年同社入社。特販部長、取締役特販本部特販部長、営業本部長を経て2018年12月常務取締役就任。2023年10月より現職。
河田信光 取締役管理本部長 1988年同社入社。情報システム室長、総務部長、執行役員総務部長を経て、2021年12月より現職。
日置純司 取締役営業本部長 1987年同社入社。大阪支店長、執行役員営業本部副本部長などを経て、2023年10月より現職。


社外取締役は、叶裕一(弁護士)、岡井紀代香(武庫川女子大学生活環境学部教授)です。

2. 事業内容


同社グループは、「食品製造販売事業」事業を展開しています。

食品製造販売事業


同社グループは、海苔を主原料とした食品を中心に、ふりかけ、お茶漬け海苔、即席スープなどの加工食品を製造販売しています。主要製品には家庭用海苔、進物用海苔、業務用海苔製品などがあり、一般消費者や業務用ユーザーを対象としています。

製品の販売を通じて顧客から対価を得ています。国内においては主に大森屋が製造および販売を行い、中国においては連結子会社の大森屋(上海)貿易有限公司が主に販売を行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


2021年9月期から2025年9月期までの業績推移を見ると、売上高は2022年9月期に一時減少したものの、その後は増加傾向にあります。一方で、利益面では経常利益および当期純利益ともに減少傾向にあり、直近の2025年9月期には赤字に転落しています。利益率は低下が続いており、収益性の改善が課題となっています。

項目 2021年9月期 2022年9月期 2023年9月期 2024年9月期 2025年9月期
売上高 179億円 142億円 142億円 163億円 165億円
経常利益 5億円 6億円 4億円 3億円 -1.0億円
利益率(%) 2.7% 4.1% 2.7% 1.7% -0.6%
当期利益(親会社所有者帰属) 3億円 7億円 3億円 2億円 -0.8億円

(2) 損益計算書


直近2期間の損益構成を見ると、売上高は微増しましたが、売上原価の増加により売上総利益および売上総利益率が低下しました。さらに販売費及び一般管理費が増加したことで、営業損益は黒字から赤字へと転換しました。コスト増が利益を圧迫している状況が見て取れます。

項目 2024年9月期 2025年9月期
売上高 163億円 165億円
売上総利益 22億円 19億円
売上総利益率(%) 13.3% 11.7%
営業利益 3億円 -0.7億円
営業利益率(%) 1.7% -0.4%


販売費及び一般管理費のうち、給料手当が6.2億円(構成比30.9%)、運賃が4.4億円(同22.0%)、広告宣伝費が1.1億円(同5.6%)を占めています。

(3) セグメント収益


当期における品目別の売上状況を見ると、価格改定の効果により家庭用海苔が増収となった一方、進物品は減収となりました。ふりかけ等はほぼ横ばいで推移し、業務用海苔はおにぎり等の価格上昇による需要減で微減となりました。全体としては家庭用海苔の伸びが寄与し、連結売上高は微増となりました。

区分 売上(2024年9月期) 売上(2025年9月期)
家庭用海苔 59億円 62億円
進物品 6億円 6億円
ふりかけ等 21億円 21億円
業務用海苔 76億円 75億円
その他 1億円 1億円
連結(合計) 163億円 165億円

(4) キャッシュ・フローと財務指標


**勝負型**
本業の営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなる一方で、財務活動によって資金を調達している状態です。将来の成長や事業維持のために、借入等で資金を確保しながら投資や運転資金に充てている局面と考えられます。

項目 2024年9月期 2025年9月期
営業CF -17億円 -50億円
投資CF -3億円 -19億円
財務CF 10億円 72億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は-0.6%で市場平均を下回り、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は48.9%で市場平均を下回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社は「消費者的視点に立った経営」を企業理念として掲げ、時代が求める優れた製品づくりを目指しています。日本の食文化の素晴らしさを尊び、その新しい価値の創造を提案の柱とすることを基本方針としています。

(2) 企業文化


社是として「社会的存在価値ある企業」を掲げています。また、SDGsへの取り組みにおいて「大森屋にできることから始める」をコンセプトとし、「つくるひとが楽しい、食べるひとがうれしい」社会の実現と継続に貢献することを目指しています。

(3) 経営計画・目標


同社グループは、株主資本の効率的運用および収益性の追求の観点から、自己資本利益率(ROE)を重要な経営指標と捉え、その向上を目指しています。次期(2026年9月期)の連結業績見通しとして、以下の数値を掲げています。

* 売上高:180億円
* 営業利益:3.71億円
* 経常利益:3.21億円
* 親会社株主に帰属する当期純利益:1.96億円

(4) 成長戦略と重点施策


同社は、安全・安心な製品の安定供給、生産効率化、コスト削減を推進しつつ、新製品開発に注力することで売上・利益目標の達成と経営効率の向上を目指しています。具体的には、多様化する消費者ニーズに対応した新製品開発、新販路や海外市場の開拓強化、製品の安全性向上、生産性向上と経費削減などを重点施策として掲げています。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


同社は、人材の多様性確保に向け、経営会議等で現状の人員配置や社会情勢を検討し、中核人材の育成に取り組んでいます。また、育児・介護休業や在宅勤務などの施策に加え、工場での安全・衛生面に配慮した作業環境の整備を進めています。さらに、有給休暇取得推進や時間外労働削減を通じたワークライフバランスの向上により、従業員のモチベーションと生産性を高める方針です。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均とほぼ同じ水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年9月期 46.8歳 16.5年 5,875,000円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 5.3%
男性育児休業取得率 50.0%
男女賃金差異(全) 40.0%
男女賃金差異(正規) 73.8%
男女賃金差異(非正規) 89.2%

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 主要原材料の仕入について


主要原材料である海苔は天候や海況により収穫量や仕入価格が変動し、業績に影響を与える可能性があります。また、仕入時期に多額の資金が必要となるため、借入金が発生します。さらに、輸入制限の緩和等が起きた場合、国内産との競合により価格に影響が及ぶ可能性があります。資材価格の高騰もリスク要因です。

(2) 製品の安全性について


同社は品質管理や検査体制の強化に努めていますが、予見不可能な原因により製品の安全性に疑義が生じ、製品回収や製造物責任賠償が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。

(3) 海外事業におけるリスクについて


中国の子会社を通じて海外展開を行っていますが、現地における政情不安、国際紛争、法的規制や商習慣の違い、為替変動などの予測不能な事態が発生した場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 食品業界に係る法的規制などの導入・変更


食品表示法や食品衛生法などの関連法令の制約を受けます。これらの法令への抵触や、新たな規制の導入があった場合、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これに対し、コンプライアンス委員会やリスク管理委員会を通じて法令遵守に努めています。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。