【平均年収658万円】中央経済社ホールディングス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年9月期)

【平均年収658万円】中央経済社ホールディングス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年9月期)

中央経済社ホールディングスは、中央経済社、中央経済グループパブリッシングなどを傘下に持つ持株会社です。出版事業と出版付帯事業を展開し、直近の連結会計年度では増収増益となり、親会社株主に帰属する当期純利益も大幅に回復しました。


目次

※本記事は、株式会社中央経済社ホールディングス の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月18日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


中央経済社ホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は69名、グループ連結従業員数は91名です。

同社グループは、企業経営全般およびその他分野に関する書籍や雑誌の出版・販売を行う出版事業と、広告請負代理などを手掛ける出版付帯事業を展開しています。連結子会社4社を中心に事業を推進しています。

主な国内グループ会社は、中央経済社(書籍、雑誌の企画及び編集業務)、中央経済グループパブリッシング(書籍、雑誌の制作及び販売業務)、シーオーツー(雑誌、書籍及びムックの編集制作)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


同社グループは、出版事業を核とする持株会社として、人材を最も重要な経営資源と位置づけています。多様な人材が個性を活かして活躍できる環境整備を基本方針とし、働きがいのある職場づくりを目指していることがうかがえます。新たな視点や感性を持つ人材の確保と育成に注力する方針です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数が13.0年、平均年齢が40.0歳となっており、比較的長く勤める従業員が多い傾向が見られます。これは、安定した環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、参考となる情報です。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。

項目 数値
平均年間給与 6,578,337円
平均勤続年数 13.0年
平均年齢 40.0歳
単体従業員数 69人
連結従業員数 91人
単体のグループ内比率 75.8%


同社グループは、確定給付型の退職給付制度を採用しています(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度)。この制度は同社および一部の連結子会社に適用されています。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、年金資産は77百万円です。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、出版業の特性から人材を最大かつ最高の経営資源と位置づけ、経営課題の冒頭に「新たな視点、感性をもって企画開発をしていくための人材確保と育成」を掲げています。従業員の身体的・精神的・社会的な健康維持が長期的な企業価値向上に寄与すると考え、定期的な人材採用と継続的な人材育成を実施しています。

多様なスキルを持つ人材が継続的に成長し、自らの価値を高められるよう、性別、年齢、国籍、学歴にとらわれない多様な人材確保に努めています。また、年齢や性別等によらず意欲と能力のある人材が適切に評価される人事制度を採用しており、新卒・既卒問わず定期的な採用を通じて、従業員が能力を最大限に発揮できる職場環境と制度設計を目指しています。

「知識創造の経営」の実践を通じて、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、多様な人材が個性を活かして活躍できる働きやすい環境整備を基本方針としています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


同社及び連結子会社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


株式会社中央経済社ホールディングスは、企業経営やその他分野に関する書籍・雑誌の出版・販売を主軸とする事業を展開しています。また、出版に関連する広告請負代理事業も手掛けています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、出版事業と出版付帯事業を主な事業内容としています。出版事業では、経営、経済、法律、会計、税務、情報といった多岐にわたる分野の学術研究書、専門実務書、ビジネス実用書、大学・短期大学向け教科書、資格試験用学習書などを手掛けています。また、「企業会計」「税務弘報」「旬刊経理情報」「ビジネス法務」といった専門雑誌の出版も行っています。

出版事業の運営は、中央経済社が書籍や雑誌の企画・編集を、シーオーツーが雑誌・書籍・ムックの編集制作を、中央経済グループパブリッシングが書籍や雑誌の制作・販売をそれぞれ担っています。収益は、これらの書籍や雑誌の販売、および電子版への移行やサブスクリプションサービスへの電子データ提供などから得ています。

出版付帯事業は、主に広告宣伝の請負代理を行っており、プランニングセンターが税務、会計、法務分野を中心とした媒体向けの広告請負代理や、企業の商品カタログ・パンフレットの企画・制作を手掛けています。収益は、同社グループ発行の雑誌における掲載広告の請負代理や、新規顧客開拓による広告収入から得ています。

同社グループの事業は国内に限定されており、海外からの収益や海外に所在する有形固定資産はありません。主要な顧客としては、日本出版販売株式会社と株式会社トーハンが挙げられます。出版事業が同社グループの売上高の大部分を占めており、出版付帯事業も前期から売上を伸ばしています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績推移を見ると、売上高は緩やかに変動しながらも、直近の連結会計年度では増加傾向を示しています。経常利益も同様に変動が見られましたが、直近の連結会計年度では大きく伸長しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、一時的に損失を計上した期がありましたが、直近の連結会計年度では大幅な回復を見せています。この回復には、投資有価証券の一部売却による特別利益の計上や、著作権に関する新制度による一時的な収益が寄与しています。

項目 2021年9月期 2022年9月期 2023年9月期 2024年9月期 2025年9月期
売上高 31.6億円 31.7億円 30.3億円 31.0億円 32.6億円
経常利益 1.8億円 1.7億円 1.0億円 1.3億円 2.5億円
経常利益率 5.8% 5.3% 3.4% 4.1% 7.8%
親会社株主に帰属する当期純利益 1.5億円 1.7億円 54百万円 △1.7億円 2.5億円
1株当たり当期純利益(円) 39.51 46.20 14.48 △45.34 63.35

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの生産性を見ると、従業員1人あたり売上高は前期からわずかに増加し、堅調な推移を示しています。また、従業員1人あたり営業利益は前期から大きく向上しており、収益性の改善が見られます。これらの指標の改善は、同社グループの事業運営における効率化や収益体質の強化が進んでいることを示唆しています。

指標 2024年9月期 2025年9月期
従業員1人あたり売上高(連結) 35.6百万円 35.8百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.4百万円 2.6百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


中央経済社ホールディングスグループは、安定した財務基盤を維持しており、本業で着実に資金を生み出しながら、将来に向けた投資も行っています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は高い水準を維持しており、財務基盤の安定性を示しています。ROE(自己資本利益率)は前期のマイナスからプラスに転じ、収益性が改善しました。手元資金も増加傾向にあり、不測の事態への耐性がある状態です。

指標 2024年9月期(前期) 2025年9月期(当期)
純資産 41.5億円 43.5億円
自己資本比率 71.3% 71.5%
ROE(自己資本利益率) -4.1% 5.8%
現金及び預金 16.8億円 18.4億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュフローはプラスで推移しており、本業で安定的に資金を獲得している状況です。投資活動によるキャッシュフローは前期のマイナスからプラスに転じ、投資有価証券の売却による収入などがありました。財務活動によるキャッシュフローは配当金の支払いや長期借入金の返済によりマイナスとなっています。

フリーキャッシュフローもプラスを維持しており、事業活動で得た資金が投資を上回る状況です。これにより、安定した事業運営と将来に向けた資金の確保が可能であり、雇用や給与の安定性にもつながる基盤があると言えます。

項目 2024年9月期(前期) 2025年9月期(当期)
営業CF 4.1億円 3.7億円
投資CF △1.1億円 0.6億円
財務CF 0.1億円 △0.7億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 3.0億円 4.2億円


※フリーCF(フリーキャッシュ・フロー)とは、会社が事業活動と投資活動を通じて自由に使える余剰資金のこと。

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、再販制度の廃止や委託販売制度における返品率の増加が経営成績に影響を及ぼす可能性を認識しています。また、生成AIの利活用による著作物の普及に関して、適切なルールが整備されない場合に著作者や出版社の利益が不当に害される恐れがあるとしています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、人材を最も重要な資産と位置づけており、人材の確保及び育成に支障が生じた場合には経営成績に影響を及ぼす可能性があるとしています。企画、編集能力をはじめ、多岐にわたる専門的な技能や職務経験が求められるため、人材の確保と育成が不可欠であると認識しています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


中央経済社ホールディングスは、企業経営に関する専門出版を通じて社会の発展に貢献することを基本理念としています。知識創造の経営を実践し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、企業経営に関する書籍・雑誌の出版を通して社会活動に参画し、その発展に貢献することを基本理念としています。経営、経済、法律、会計、税務、情報など広範な企業実務を取り扱う専門出版社として、読者からの信頼を拠り所として企業価値を一層高めることを目指しています。経営活動の基本方針として「市場への適正対応」を掲げています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、社是で掲げる「知識創造の経営」の実践を通じて、持続可能な社会の実現に取り組むことを基本方針としています。多様な人材が個性を活かして活躍できる働きやすい環境を整備し、企業価値の向上を図ることを重視しています。人材を最大かつ最高の経営資源と位置づけ、「新たな視点、感性をもって企画開発をしていくための人材確保と育成」を重要な課題としています。

従業員の身体的・精神的・社会的な健康維持が長期的な企業価値向上に寄与すると考えており、人材採用においては性別、年齢、国籍、学歴にとらわれることなく多様性の確保に努めています。意欲と能力のある人材が適切に評価される人事制度を採用している状況です。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、持続的な成長と企業価値の維持・向上を図るため、以下の課題に取り組んでいます。新たな視点と感性をもって企画開発をしていくための人材確保と育成、読者ニーズを的確に捉えた企画立案とマーケティングの徹底を推進しています。

また、既刊本の販売強化と変化する出版流通への対応、慢性化が予想される製作コストの上昇への対応、コンテンツデジタル化の推進も重点テーマです。「所有する価値のある専門書づくり」と「社会の変化に敏感に対応した本づくり」を丁寧に行うことを目指しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


中央経済社ホールディングスは監査役会制度を採用しており、経営の効率化と意思決定の迅速性を維持しながら、公正性と透明性の確保を図っています。同社グループは2016年1月1日より持株会社体制に移行し、子会社4社とのグループシナジーの醸成とグループガバナンスの強化を進めています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社グループの株主構成を見ると、筆頭株主は山本時男氏であり、創業家が経営の基盤を支えていることがうかがえます。大株主には、創業家関係者や関連会社が上位に名を連ねており、安定した資本構成となっています。

株主名 持株比率
山本時男 10.84%
THE HONGKONG AND SHANGHAI BANKING CORPORATION LIMITED - HONG KONG PRIVATE BANKING DIVISION CLIENT A/C 8028-394841(常任代理人 香港上海銀行東京支店セキュリティーズ・サービスオペレーションズ) 8.03%
日本カストディ銀行(信託E口) 6.51%


なお、前事業年度末現在主要株主であった重田光時氏は、当事業年度末では主要株主ではなくなり、スノーボールキャピタルが新たに主要株主となりました。また、2024年11月1日付で公衆の縦覧に供されている変更報告書において、重田光時氏及びその共同保有者であるスノーボールキャピタルが2024年10月25日現在で合計525千株(株券等保有割合11.95%)を所有している旨が記載されていますが、同社として2025年9月30日時点における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は山本憲央氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。

氏名 役職 主な経歴
山本 時男 代表取締役最高顧問 1955年4月同社入社、1987年12月同社代表取締役社長、2009年12月同社代表取締役最高顧問より現職。
山本 継 代表取締役 会長 2005年7月同社入社執行役員専務、2009年12月同社代表取締役会長兼CEO、2013年9月同社代表取締役会長より現職。
山本 憲央 代表取締役 社長 2001年7月同社入社、2009年12月同社代表取締役社長より現職。


社外取締役は、松尾武氏(元NHK出版代表取締役社長)です。

同社は監査役会設置会社であり、経営の効率化と意思決定の迅速性を維持しつつ、経営の公正性及び透明性の確保を図っています。社外取締役1名、社外監査役2名を選任し、専門性と経験に基づき経営に対する監視・助言を行える体制を整備しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、株主総会で決議された報酬総額の範囲内で決定されています。取締役の報酬は、事業規模や業績、各取締役の役位をもとに、月例定額報酬として取締役会の決議により決定されています。監査役の報酬は、監査役の協議により決定されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 3名 36百万円 12.1百万円
監査役(社外除く) 1名 3百万円 3.0百万円
社外役員 3名 10百万円 3.3百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。